fandesuさんのレビュー一覧

泣きっ面にキス 小説

野原滋  森原八鹿 

最強のパトロン

電子書籍で読了。挿絵有り。

理想的なパトロンだーっ!
だって、経済的に支えてくれて、ご飯を食べさせてくれて、朝起こしてくれて、心の傷を黙って聞いてくれて、更に素晴らしいのは絵が解らないから作品に口出しをしないんですよっ!おまけにフィジカルな面も含めて愛してくれる訳ですし。最初の印象の悪さなんて吹っ飛んじゃいます。
そうなんです。後半になればなるほど、諒一が『攻め』ではなく『パトロン=支援…

1

はじまりは窓でした。 小説

名倉和希  阿部あかね 

ツンデレ好き必見!

電子書籍で読了。挿絵有り。

最初『始まりは恋でした』っていうタイトルに読み間違えたんです。
「始まりが恋だったら、終わりは何なのよ?」と思ってよく見たら『恋』じゃなくて『窓』じゃないの!「Y○KアルミサッシのラジオCMかっ(笑)」というツッコミをしてから読み始めたのですが、タイトルに違わず笑わせていただきました。

出会いのとんでもなさ(でも、ありそうことなんですよ)もぶっ飛んでいるの…

3

さよならピリオド 小説

水白ゆも  itz 

思いやりという名の臆病

電子書籍で読了。挿絵有り。

初読み作家さんです。あまりにも雰囲気の良い表紙イラストだったので『ジャケ買い』をしました。モノクロイラストも美しいしお話を盛り上げるのに強力な援護射撃をしていると思います。

35歳のクリスマス直前に翔太は彼女に振られてしまうのですが、独り身になった寂しさは感じても、彼女自体に固執していない自分に気づきます。ただ一人に夢中になれずお手軽な恋ばかりして来たことに…

3

愛してるって言われても 小説

バーバラ片桐  山田ユギ 

乳首への執着に脱帽

電子書籍で読了。挿絵は全くありません。表紙絵すらもない(まぁ、書籍ラインナップを見れば買う時に解るのですがね)。

お話自体は「メガネを外せば美人」とか「恋に恋していた」とか「不遇でも健気に頑張る主人公」とか、はるか彼方昔の乙女チックマンガを思い出してしまいました。
読みどころはあらすじではないのです。楚々とした美人が、本当は攻め様に惹かれているのに、その気持ちを肯定できないまま『いかに乳首…

0

ずっとここできみと 小説

月村奎  竹美家らら 

月村さんは優しい人だと再認識しました

最近の月村さん作品は「初恋大パニック」「恋は甘くない」と、動きの多いコメディものを読んで来たので、今回のお話は「ああ、月村さんの本だ」とものすごく思いました。
別にコメディが「月村さんらしくない」という訳ではないです。コミカルな本も沢山書いておられますし、好きなお話も多いです。ただ、特別な大事件が起きる訳ではなく(理玖の身の上に過去起きたことは大事件なのですが)青春の日常を丁寧な心象描写で描くの…

7

嫁いでみせます! 小説

吉田ナツ  鈴倉温 

乙女のくせに男前なんて格好良すぎる

電子書籍で読了。挿絵有り。

トンチキ本として「答えて姐さん」でご紹介いただいたお話ですが、藤沢に好かれようと頑張る陽介の発想があまりにも真っ直ぐすぎて「そう来る?」という部分は多々ありましたが、『ぶっ飛んでいるトンチキ』という感じはしませんでした。『花嫁もの』としてはかなり外れていますが、ハートウォーミングないい話だと思います。

面白かったのは、藤沢に抱かれることで陽介が普通に考えてい…

2

玉の輿謹んで返上します 玉の輿ご用意しました(2) 小説

栗城偲  高緒拾 

居場所を作ろうとする主人公がいじらしい

電子書籍で読了。挿絵有り(印南のお顔が怖いのがとてもよろしいです)。

まず一番の感想は、サブキャラの酒匂がいい人!
単なる、友人を見込んで尽くすいい人、ってことばかりではなく、自分の野心もあるって所がとても好感。
タイトル作は、青依くんが社長秘書選考に挑戦するお話なのですが、印南や酒匂が露ほどもえこひいきをしないのもよろしかったです。また、青依くんの『のびしろ』を評価する結果も納得がいく…

3

暴君ウサギの過剰なご奉仕 小説

野原滋  椿 

安心して読める甘々コメディ(癒されます)

電子書籍で読了。挿絵有り。

気が強くて人情家の小っちゃい男子と、でかくて乙女の大きい男子の組み合わせ、おまけに幼馴染みと来れば、楽しいコメディへの期待は高まります。

小学校以来、ばったり再会した薫と正宗。懐かしさに一緒に飲んだ帰りに階段から落ちた薫を庇って、正宗は両手に怪我をしてしまいます。連れ帰った正宗の部屋は、ピンクとフリルに彩られた乙女チック仕様。聞けば、当初入った有名企業を退職…

0

恋廻り 小説

川琴ゆい華  yoco 

アート作家(学生だけど)同士の恋

電子書籍で読了。挿絵有り(多分、紙の本の方が美麗ではないかと思います)。

「悲しい結末になった恋だから、時をやり直すならば絶対好きにならない」と決めても、そう出来ない。そういう恋なのですね。恋に『落ちちゃう』のですね。

アートを創る人達の恋だから、その作品に惹かれて、次にその人に惹かれていく感じが丁寧に描かれていて、恋愛の過程を辿っていく部分はとてもひきつけられました。

ただこの…

1

君しか見えない 小説

栗城偲  木下けい子 

引かれ合うマイノリティ同士

電子書籍で読了。挿絵有り。

爽やかなんだけれど、二人の視線がなんか思わせぶりな木下さんの表紙イラストとタイトルから「若い二人が熱愛をこじらせちゃって、悲しい目にあう話?」と勝手に思い込んで購入したら、とんでもない勘違いでした。見える・見えないっていうのは『世にも見えざるもの=霊』だったんですね。
表題作は哉くん目線で、中学時代の親友で初恋の相手でもある蓮司くんとゲイバーで再会した後に起きる…

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