fandesuさんのレビュー一覧

藍より昏く秘めやかに  小説

手嶋サカリ  amco 

「作者は議員秘書か?」と思うほどリアル

電子書籍で読了。挿絵有り。amcoさんのイラストは美しい絵柄というだけではなく独特の雰囲気があり、脳内妄想をかなり補完していただきました。

最初に読んだ『プライベートバンカー』が好みだったものですから→『僕の、なれない君』→本作と続けて読みました。で、思ったことなんですけれど、最初に盛大に(あらすじとは違った意味で)ネタバレしちゃいます。





「これは、手嶋さん……ファザコ…

6

ひねもすのたり君と僕 コミック

木下けい子 

思いやれば思いやるほど、結ばれるのは難しい

惚れっぽいばかりかダメンズばかり好きになる尚ちゃんが失恋する度に、解りづらい優しさで慰めてくれる幼馴染みの洋ちゃんは、中学の頃から尚ちゃんが好き。でも、自分は尚ちゃんの好みのタイプじゃないから彼をこっそり見守るだけで……という『様式美』の様なお話なのかと思って読んでいたのですけれど、読み進めながら二つのことに疑問を感じてしまうのでした。
①一緒にいて心地良い人と、恋に落ちゃう人って違うものなんで…

1

真夜中に降る光 小説

砂原糖子  金ひかる 

女性キャラ、嘉帆が一番好みだった(萎えさせてごめんなさい)

電子書籍で読了。挿絵なし。

電子書籍のリストを見ながら「あれ?砂原さんの昔の本で読んでいないやつがある」と何気なく購入したものなんですけれど、白坂と黒石がチラッと出て来るところで「あれ?この人達、なんか知ってるぞ」。
このお話『夜明けには好きと言って』のスピンオフだったんですね。好きな作品だったのに、読んだのがかなり昔だったのですっかり失念しておりました。いやー、呆けたものです。
もう1…

1

色悪幽霊、○○がありません! 小説

中原一也  小山田あみ 

小道具のキセルにやられた

電子書籍で読了。挿絵有り。

昭和初期の色悪なオヤジに着流しはまあ定石として、キセルですよ、キセル!
渋い。
お話は皆さんが書いているように『アホエロトンチキ』なのですが、攻めの土方は普段のC調(死語?)ぶりに反して頼りがいがある『中原さんのオヤジ』で惚れ惚れするほど格好いいし、受けの安田くんは『いい人過ぎるうっかり君』という、これまた中原さんの定番の組み合わせ。
初めてのお店に入るほど…

6

不器用なテレパシー 小説

月村奎  高星麻子 

ほんのり昭和風味

電子書籍で読了。挿絵有り。

若い!
変な言い方なんだけど、一番の感想が「この月村さんは若い!」。
うーん、どうしてそういう風に感じちゃうのかな?登場人物が人気絶頂の俳優だったりするキラキラしさからそう思うのでしょうか?
でも、行き場のない諒矢を拾ってくれるマスターやその家族、颯と同じ事務所の人気女優、諒矢の義父など、登場人物は人情たっぷりの下町風味。おまけに、攻めの颯くんが夢を追いかけ…

0

ビューティフル・ガーデン 小説

安西リカ  夏乃あゆみ 

カムアウトしようがしまいが、お互いを大切に思っていればそれで良いのよ

電子書籍で読了。挿絵有り。夏野さんは初見でしたがモノクロイラストがとても美しかったです。

クローゼット(と言うより、認めないで来たと言う方が正しいのかな?)×オープンのゲイのお話です。
それぞれ理由があって、父亡き後に一生懸命自分を育ててくれた兄と母に心配をかけたくないから封印して来た伊東と、最初につきあった人からゲイばれを避けるために裏切られた中縞。頑なに自分の性癖を認めようとしない伊東…

2

奥さまは外法使い! 小説

小中大豆  陵クミコ 

手に入らない葡萄ほどおいしそう

電子書籍で読了。挿絵なし。

下法使いになる修行中の真輝くん(小学5年生)のお家の隣に、イケメンで優秀でお金持ちでタラシの鈴鹿神(19歳)が引っ越してくる所からお話は始まります。ことある事に自分をからかってくる神に、いつしか恋をしていることに気づくけれど、所詮その恋は高望み。けれど、どうしても諦めきれずに、真輝くんは禁断の魔法を神にかけてしまいます。見事、二人はご結婚!だけど、どんなに甘やかさ…

2

カップ一杯の愛で 小説

可南さらさ  カワイチハル 

山沖先生の授業は解りやすいだろうと思う

電子書籍で読了。挿絵有り。

確かに、美容師ってトークが上手な人が多いですよね。
でも、夏生くんのように腕は良いのに言葉を飾らないから客が激怒する美容師って、どこかにいそうな気がする。彼の場合、似合うに合わないを正直に言った方がお客さんのためになるだろうから言う訳なので、自分に非があるとは思えない。でも、客を怒らせたい訳じゃないからどうすれば良いのか解らない。
どうしてお客さんが怒るのかを…

2

嘘つきと弱虫 小説

久我有加  木下けい子 

匂い立つ『濡れ場』

電子書籍で読了。挿絵有り。

学生当時の告白に、その時の理由があったにせよ「気持ち悪い」発言をしてしまい、友人づきあいすら消滅してしまった後の再会ものです。
自分の気持ちに気づいた後の小暮くんは、若干グルグルしますが、きちんと筋を通そうとする所など潔く、気持ちがよい。好感が持てました。

特筆すべきはその後の色っぽさ!
小暮くんが『地図マニア』という、オタクと言っても枯れている分野(偏…

1

全寮制男子校のお約束事 小説

砂原糖子  夏目イサク 

比名見くんのおぼこさは反則

電子書籍で読了。挿絵有り。

『名は体を表す』と言いますが、まさしく『全寮制男子校のお約束事(ただし、BL仕様)』がこれでもか、これでもかと出て来ます。その様式美にウットリするんじゃなくて、転校生の峰井くんと共に「ありえねー」と笑いながら読むわけですから、ある意味、リアル社会寄りのお話です。学園を取り囲む刑務所のような高い煉瓦造りの塀の中に、学園祭行事のためにお嬢様学校の女生徒が入ってくれば、…

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