chikakumacoさんのレビュー一覧

カーストヘヴン 8 コミック

緒川千世 

最終巻は、全ての Q.E.D.となったのか。

これでおしまい。果たして、本作は全ての解となったのか。読了した皆さんの考察を是非伺いたい。
カーストゲームはどこから来て、誰の思惑だったのか。それは結局分からず仕舞いで物語は終わる。
作者が本作に渾身の力を賭けて訴えたかったのは実はそこでは無い。と言った方が良いだろう。
若者達が、踠き、苦しみ、躓きながら。それでも自分というものを受け入れて、それを力強く乗り越えて行く。カーストで縛られたって…

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理解できない彼との事 コミック

碗島子 

目つきと態度と性癖の悪い、一途な彼氏。

最初に読んだ時はド衝撃でした。世界広がるというか。その後、これが碗先生のテーストなのだと理解しましたが、最初の衝撃度もあって、先生の作品群の中では一番のお気に入りだったりもします。
碗先生らしい可愛いめのリーマン葛本は、ひょんな事から世界の違う人種である、ヒップホッパー系のチャラ男に愛され、執着される。地味で、会社でも平穏に過ごしたいと愛想笑いと真顔の2種類しか無かった彼が、驚き、困惑し、必死に…

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屍と花嫁 コミック

赤河左岸 

滴る紅の。血潮にも似て。

まず。鮮やかな赤の、表紙に目が釘付けになる。それは鮮烈で。
読み進める内に。私達は、この赤色の意味を知る。

序盤の婚礼のシーンで、私達の目を眩ませるものは、この偽りの花嫁だ。BLの世界において。ワケありの花嫁、というのは大抵男だ。腹違いといっても、父が同じであるガチ兄弟で結婚しようというのだから只事では無い。顔に醜い痕がある、というので顔を隠してはいるけれども、真実が明らかになるのは時間の…

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花恋つらね(7) コミック

夏目イサク 

旧・源惣コンビの秘密。

寿一郎の死まで、仲違いしたままだったと伝えられている、旧源惣コンビこと、源介の祖父・寿一郎(晃生)と、惣五郎の祖父・菊右衛門(雅臣)の二人の過去が本作でようやく明らかに。
二人もまた、恋に似た強い絆を持っていて。現・源介と惣様が肉体関係込みの恋愛関係なのに対し、
寿一郎と菊右衛門との絆は、それがプラトニックなだけに。永遠の純愛だったとも思うのです。
梨園で共に育った2人は、息をする様に歌舞伎…

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寄宿舎の黒猫は夜をしらない(下) コミック

鯛野ニッケ 

心が膨らむと、身体も一緒にどうしようもなくなってしまう。

恋は力。未来へと押してくれる、力強い気持ち。

うわーん。泣きました。良かったです、凄く幸せな気持ちになれました。
私としては、主人公カプよりも。断然。パベルとアウラが気になって、気になって、仕方なかったのですが。そこはきちんと以上にガッツリ描いて下さってて。嬉しかった。
予想通りではあるんだけど。「吸血人類」には個々の特性がある。パベルのそれは強烈な、記憶を消してしまうという力。パベルは…

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騙されません、恋なんて コミック

衿先はとじ 

君と出逢えた事こそ。運命。

オメガバースも成熟期と言っていい昨今。こちらはまぁ、まだまだ珍しいジャンルの α × β。何故か Ω 性の子ばかりを好きになって付き合うのだけれど、途中からは α に取られて失恋ばかりしているという伊折。ある夜、α 嫌いだと言うので意気投合した竹尾と一夜を共に過ごす事になる。ところが竹尾は、α 嫌いと言いつつ、その実 正真正銘 α だったのだ。
騙された!と怒る伊折を宥めながら、セフレになろうと…

15

羊の皮を着たケモノ コミック

九號 

血を流して。心砕かれても、前へ進め。

前半の井川の、優しく、大地を愛おしむ様なイケメンぶりから、急転直下。タイトルと表紙がもはや盛大なネタバレなので。結末は読めてはいるのですが。このジェットコースター的な展開にまんまと乗せられて。ハラハラドキドキ。

大地は、非の打ち所がないイケメン・井川が外面が良いだけの姉の何処が、そんなに気に入って結婚したいのかを訝しんでいた筈なのに。まんまと自分自身がハマってしまう。この男の危なさに気付く隙…

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ハッピー・オブ・ジ・エンド コミック

おげれつたなか 

彼等の痛みは激痛か鈍痛か。痛みが常態化するとどうなるのか。

ちるちるのインタビューを読んだら、気持ちが塞いでしまいました。
ほんのちょっと紹介されたページを見ても。ザワザワと苛む痛み。
本編はずっと、もっと、痛い。
タイトルが示す様に。彼等の救済を描いてくれる事を信じて待ちたいと思う。

はらだ先生の「ハッピークソライフ」と同様に、いやそれ以上に。千紘とケイトは底辺に生活する若者達だ。レビューで、他の作家様の作品を引き合いに出すのは一種の禁忌では…

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カーストヘヴン 7 コミック

緒川千世 

疾走して行き着く先は。彼等の全てを見届けたい。

ダラダラと続く番外編。の様なものに、しばらく辟易していた。
3巻までの。あの胸を掻きむしられる様なヒリヒリ感が恋しい。
4巻からずっと。主流では無いキャラが増えて、別のカップルの話が続いて行く。
もう、いいよ。刈野と梓の話に戻して欲しい。ずっとそう願っていた。
周囲の思惑を超えて。物語は突然疾走し始める。

読み手側にはついぞバッレバレだったが、刈野は自分のキングという権力を使って、彼…

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オールドファッションカップケーキ with カプチーノ コミック

佐岸左岸 

こわがりな君と。心温まるほろ甘いカプチーノ。

前作がとても綺麗に完結していたので。これはファンサというか、甘あま後日談を連ねた物語なんだろうな、くらいに軽く思っていた。
表紙と巻頭のふわふわ感と透明感溢れる美しい絵が、その甘い雰囲気を助長する。
侮っていたのだ。
また、この可愛らしい自称こわがりおじさんに。こんなにも切なく泣かされるとは。

時々家に泊まる様になっていた外川を起こし、ラブラブしたがる外川をやんわりと制しながらもイチャ…

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