春暁

shungyo

春暁
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神3
  • 萌×24
  • 萌7
  • 中立1
  • しゅみじゃない2

--

レビュー数
8
得点
53
評価数
17件
平均
3.3 / 5
神率
17.6%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
笠倉出版社
シリーズ
クロスノベルス(小説・笠倉出版社)
発売日
価格
¥857(税抜)  ¥926(税込)
ISBN
9784773099027

あらすじ

十歳になった日、広瀬家跡取り・秋信の愛人として囲われた深。
鎖に繋がれ監禁陵辱される日々に少しずつ壊れてゆく深を支えていたのは、秋信の弟・隆信との優しい思い出だけだった。
だが十六年後、隆信は逞しく成長して現れた―肉欲に溺れ母を死に追いやった兄と、深に復讐する為に。
彼は兄から深を奪い、夜ごと憎しみをぶつけるように蹂躙した。
身体は手酷く抱かれながらも、深の心は少年だった頃の隆信の記憶に縋ってしまい…。

表題作春暁

広瀬隆信・深を囲っている秋信の弟・28歳
紗内深・広瀬家の下男の息子・30歳

その他の収録作品

  • 清夏

評価・レビューする

レビュー投稿数8

籠の鳥がたどり着く幸せまでの長い道のり

いとうさんお得意のこれでもかと虐げられる不幸でかわいそうな受けが最後にやっと好きな人と結ばれるお話しです。
もともと同人として発表された作品を加筆訂正したものだそうでコピー本らしい設定や展開でした。

大店の跡取り息子である秋信が下男の子で世話係として付いた10歳の少年 深を手篭めにして毎夜行為を強要して壊れていく様が、大雑把に描かれていますがショタとか幼い子へのあれやこれやはあまり好きなシチュエーションではないので入り口のところで萎えてしまいました。

それが弟に見つかり独占欲のあまり15年にわたり鎖で縛り付けられる監禁生活が続きます。

恐るべき秋信の狂気は、深を遠ざけ結婚を強要する実の母を邪魔に思い追い詰め自害すさせてしまうという悲惨な結末を迎えました。
もともと性のはけ口にと深を与えた母親ですから因果応報と言えなくもないのですが、秋信がそこまでするかと気の毒にはなりました。

母親の死後、隆信は家を出て苦労し一から立ち上げた事業を成功させ実家を凌ぐ勢いで大きくさせ、秋信はもともと能力もなく深に溺れて事業をおざなりにした結果傾かせることとなりました。
隆信は続き秋信から次々を事業を奪い残された家屋敷と深を借金の形として貰い受けることを突き付けた時、秋信は深を道連れに心中を企てるが隆信に止められ欧州に放逐されました。

深はこれでやっと好きな人と結ばれるのか…と思いきや隆信の方もまたけっこう歪んでるんですね。
幼い頃に見た美しい紋白蝶のような人が兄に犯されれている姿に欲情した自分自身が許せなくてそうさせた深を逆恨みしてしまったのです。
兄だけでなく自分までも誘惑するかと毎夜陵辱し挙句に商売相手への接待に男娼として差し出す人形扱いをしてしまうのですから歪み具合は相当なものです。

そこへ、欧州へ放逐された秋信が、知人の銀行家と組んで隆信を破滅させようと密かに帰国します。
いつものように深が接待に出向いた先に銀行家は秋信を同伴し二人から陵辱されとうとう心を壊すことになります。それでも隆信のためにならなんでもしたいからと熱のある体で接待に行こうとする姿には涙を誘われます。
なんという鬼畜な兄弟なんでしょうね。

銀行家に身を差し出すことで隆信を嵌める計画を止めてくれるならと手紙を出すのですが、秋信に軟禁されていた幼少期から学校に行っていなかったせいで拙いひらがなしか書けないところや郵便の発送方法も知らないのが哀れで健気です。
でも、郵便には切手が必要で切手を買うためのお金がいることやそのために着物を担保に質屋でお金を借りるというような知識があったのは驚きでした。

そこでいい仕事するのは隆信の友人で事業の片腕的存在の高梨のです。
隆信を嵌めようとする秋信と銀行家を逆に嵌めて財産も信用も失墜させ今度こそ完全に成功を収めました。
その高梨が冷静に分析して隆信に初恋を自覚させ今もなお思い続けている気持ちを理解させるのです。
10歳の子供がいかに辛い仕打ちを受け、何も分からぬまま監禁生活を強いられていたかを説明するまでそんなことにすら思い至らなかった坊ちゃん育ちの隆信を皮肉る場面は気持ちよかったです。

『清夏』
甘さのない本編に続くの甘い後日談。
深を連れて別荘でのんびり過ごしたいと思った隆信。
別荘で深窓の令嬢のごとくなにもできない深に料理を教えたり普通の暮らしをおしえます。
それからも、失われた年月を取り戻すようにいろんなことを隆信に教えてもらいながら幸せに暮らしていくのでしょうと思わせる素敵な終わり方でした。

お幸せに。

1

惜しい

受けの薄幸さはなかなか良かったのですが、どうしても納得いかなかったのは、秋信でした。

あれほど執着してすべてをすてても、というのがあったからこそ、深の扱いも納得できたのに、隆信にやり返されてからの秋信は納得いきませんでした。それも、再び深を手に入れるためにやむなく、だといいなと期待してたのに、そうでもなかったみたいで。…愛憎渦巻いてはいたんだと思いますが、その辺の詰めの甘さのせいで振られちゃったんでしょうね。
20年も執着してたはずなのに、ちょっとあっけない。ドロドロ腹黒く執着してほしかったです。

もっと秋信が活躍してくれると、面白いお話になったと思うんだけどなぁ。最初の無理心中を遂行したが、命を救われて二人ともに後遺症、とか。秋信が自分で頑張って深を取り戻すべく画策するとか。深に振られた後、あてつけでトラウマ刻み付けて死ぬ、とか。
せっかく現実離れした設定・キャラなので、これでもか!なドラマが欲しかったです。

あと、秋信を振った後の幸せそうな二人にも、ちょっと納得いかず。秋信が不憫すぎる。作者様に、もう少し秋信を可愛がってあげてほしかったです。

0

大正ロマン@いとう由貴センセイ

正直なところ、薄幸の美人が、金持ちに手籠めにされて座敷牢につながれて…
な話って、たぶん、10冊以上は読んでいると思われ。

ちょっと変化球な点は、
兄と弟で魔性の美人を取り合うってあたりか?
展開としては読者裏切りがないので、安心して読めます!
エロスに翻弄されつつも、受けの清らかさが最後まで失われないでいる
というロマンスがよろしいですねえ。
同じ魔性の美人でも、和泉桂先生の「清澗寺家」シリーズに出てくる冬貴とは
真逆のタイプです。
従いまして、兄弟の確執や、ねっとりした人間ドラマとしての迫力は欠きますが、
想い人と最後は一緒になる、というわかりやすさはあるかと。

となると、ディテールそしてベッドシーンの作りこみが気になるわけですが。
濡れ場は、いとうセンセイにしては控えめかなぁ。
手数はそれなりに多いんだが、濃度はそれほど強烈でもなく。
受けの深(しん)に、男性らしさを思わせる描写はほとんどないので、
中性的ないしはやや男の娘よりのキャラ描写に抵抗がない人におすすめです。

1

これは神

久しぶりに大号泣してました。
ここまで泣いたのは「桜の園の囚人」、「是」以来ですね。
受けの深の可哀想さと言ったら…
隆信との思い出だけで生きてきて秋信に閉じ込められて…

ダメダァァァァ°・(ノД`)・°・

また読んできます≡≡≡ヘ(*--)ノ

0

なんて可愛い三十歳

全てをただ受け入れることしかできない境遇であった深が、隆信を救わんと、仮名ばかりの手紙を一生懸命したためて郵便局へ向かう姿に萌えました。世間を知らない深は宛名が必要であることもわかっておらず、窓口の職員に助けてもらいます。この一連のシーンがこの作品の中でわたしいちばんの萌えでした。手紙は無事相手へ届くのですが、深の頼みは聞き入れられず、逆に呼び出されてあれこれ無体な目に合わされそして、天狗の鼻のような突起が中央から突き出ている木馬に跨がされそうになります。その危機一髪のところで隆信がやってきて助かるのですが…木馬には跨がってしまって欲しかった!ぜひ見たかった!!です…

2

可哀相な受の極地。

 不幸受、薄幸受というのが好きなのですが。
 この本の主人公・深は、まさに「THE・不幸受」と言いますか…。

 10歳の時手篭めにされ(本当あれは手篭めだ)、以来20年囲われて愛人生活を余儀なく送らされた深。
 しかし彼の心には、唯一支えとなる存在が。
 それが、自分を苦しめている男の弟。

 無自覚に、恋とは何かを知らずに恋していく深。
 幼年期を越えて再会したその愛しい相手が、兄以上に酷な事を強いて来ても、深は従うしかなかった。

 何て言うかもう、深は子供の心のまま時を止めたかのような存在で。
 無垢で、純真な分余計に可哀相と言うか。
 攻である弟君が、また不器用で、身の内に根付いてる執着心を見過ごそうとする。

 追い詰められ、壊れかけた深を見て、ようやく自分の過ちに気付いた弟君。
 そこにまた現れる、諸悪の根源の兄(最低男)

 兄弟が、一人の男に惑わされる話…とも取れますが、深の可哀相さを、しみじみ味わってほしいなと思います。
 だからこそ、最後想いが通じ合った時の感動が倍になります。

 涙腺・感情移入激しい方は、ハンカチよりタオルをご用意して読まれたら…と思う一冊です続き

 私は鼻が詰まって、息苦しくなりました。

2

耽美!

上の粗筋が総てな、時代がかったロマンティックなラブストーリー。

美しく生まれついてしまったばっかりに、
自分の人生も、他人の人生も狂わせてしまう、
「薄幸の魔性の受け」深

設定といい、鬼畜でハードな展開や、文中のいろんな言い回しとかも、創生期の耽美小説を思い出させて懐かしかった。

創生期のジュネに書いていたような作家さん達
お名前は誰一人として覚えていないけど、
今になって読むと、どんな感じだろうと、たまに思ったりする。

0

たった一つの光

いとうさんの本の中でもハードな方ですが、それだけではなくストーリーも切なくて奥深いです。
俺様傲慢攻・隆信×健気受け・深 年下攻め
受けが10歳の頃からの愛人生活、秋信と島崎と3P、鬼畜なH、接待で身体を使うなど、ハード&鬼畜エロが殆どなので、苦手な方はご注意。

表紙では髪が長くて女性のように見えますが、長年の愛人をさせられていた秋信に伸ばすように強制されていた為です。
つまりは髪の毛さえも、自分の自由意思でどうしようも出来なかったという環境にあったということなんです。
10歳の頃から深には自由がなく部屋に囚われて愛人をさせられていて、14歳になってからは、足を鎖に繋がれての生活でした。

深が14歳で隆信が12歳の時のほんの一瞬の、無邪気で微笑ましいふれあい。
それさえも、秋信によって無残にも閉ざされて汚されてしまう。
兄としている所を目撃した隆信に大嫌いと罵られて、ガードが更に厳しくなり会う事も出来なくなった。
でも、深はそんな些細なことを心の宝物として、いまでも胸に抱いて大事にして暮らしている。
愛人暮らしには光もなく、そんなにも辛いことばかりだったのか続きと、ささやかすぎる思いを出を大事にしている深が泣きたくなるぐらい切なかったです。

隆信は兄への復讐の為に、いやらしい深を罰する為利用する為に、他の男に接待で抱かせたり、自分自身で激しく苛む。
徐々に心をなくして、壊れてゆく深。
それでも、あの時の思い出の隆信の為になるのならと、身をなげうって報います。
一途さと健気さで、痛切ないです。救いの手が間に合って欲しいと、心底思いました。

忌憚なく意見を言える友人が、傲慢攻には必要なことをこの話でつくづく痛感しました。
当時10歳で、使用人の子だった深に秋信との行為を拒否出来る訳もない。
悦んでいたと言っても、大人の手管でいいようにやられていただけで、深には罪がない。
親友の高梨さんが言ってくれて、とてもすっきりしました。
こんな当たり前のことに気がついてくれない攻めが、いかに多いことか。
最後は、ハッピーエンドになるので、それだけは安心して下さい。

清夏
二人のそれからで、本編が鬼畜まみれなだけに、穏やかな様子が見られてほっとしました。
甘い話です。

5

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