初恋の義父侯爵は悪役でした

hatsukoi no gifu koushaku ha akuyaku deshita

初恋の義父侯爵は悪役でした
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神33
  • 萌×211
  • 萌4
  • 中立2
  • しゅみじゃない1

33

レビュー数
9
得点
223
評価数
51
平均
4.4 / 5
神率
64.7%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
亀井高秀 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
レーベル
幻冬舎ルチル文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784344851610

あらすじ

両親を亡くし叔父に家を乗っ取られそうになっていた下級貴族の子・セシル。領主のサディアスから救い出され、そのまま養子となり何不自由なく過ごすうち、いつしか不器用だけど優しいサディアスに恋心を抱くようになる。だがここは前世の日本で読んだ小説の世界。サディアスが連れてきた新しい養子を見てハッキリ思い出すセシル。この子にサディアスは殺されてしまうーー! 恋心を秘めたまま、セシルは何とか死亡ルートを回避するべく行動するが⁉

表題作初恋の義父侯爵は悪役でした

サディアス・ブラッドフィールド,ブラッドフィールド家の当主でセシルの養父,30歳
セシル・スペンサー・ブラッドフィールド,18歳

その他の収録作品

  • ブラッドフィールド家の夕べ
  • あとがき

レビュー投稿数9

悪役かはたまた…

異世界転生に義父と養子の恋、そして貴族社会のドロドロまで読めて読み応え抜群!面白かった!

セシルは自分をモブだと思ってるけどそんなことない。地獄のような環境から抜け出す為に、知恵を絞って自分の未来を切り拓き、小説の内容もも修正していくんだから充分すごい。
サディアスがセシルの荒唐無稽な話を信じたのは大きい。セシルを愛していて彼を信じてるからなのは勿論、元々セシルの手紙に興味をもち養子にした決断が見事。
真実の敵が非道で、事が起こる度にハラハラしたけど読後は爽快でした。この間にサディアスとセシルの絆も強くなったと思う。

サディアスが読めなくて2人の恋もドキドキしたけど、サディアスが我慢できずに手を出してくれて一安心。想像以上に甘くなってて良かった。
子供たちを含めて幸せな家族になっててほっこりしました。大満足。

4

作者買いです

先に「Rebirth ~聖騎士は二度目の愛を誓わない」を読んだのですが、12月発売の作品は2つともシリアル寄りでした。Rebirthは生き返りもので今作は異世界転生ものでした。
小中大豆先生の作品はどれを購入してもハズレが無いので安心出来ます。

今作もセシルが不憫ながらも強い精神の持ち主で、幼いながらも必死で生きようとサディアスに助けを求めて交渉する姿に心を打たれました。

異世界転生ものですがセシルにはハッキリとした前世の記憶があるわけでなく、チートな能力もない単に大人びた少年という点が凄く面白いと思えました。

そしてサディアスが冷酷と言われながら、実は不器用なだけで凄く優しい人柄なところに凄く萌えたんです。

最初はサディアスが凄く忙しいので2人の交流も少ないのですが、徐々に愛情と絆が深まって行く過程が凄く良いのです。

サディアスが不幸になる未来を阻止しようと、セシルが全てをサディアスに告白してからがまた凄く面白かったんです。セシルが書き起こした前世の記憶とサディアスが語る現世界の政情を突き合わせて謎解きをして行く様子、また犯人を絞ってから裏をかいて先回りするべく策を巡らせるサディアスの格好の良いこと!

麗しい貴族の青年期からイケオジとなるまでのサディアスを楽しめたのもこの作品の素晴らしい所だと思いました。そしてセシルと両思いになってから遠慮が無くなったサディアスが凄くエロくて、初なセシルを翻弄するような情事に滾りました。

最終的にはサディアスの策によって物事が全て良い方向に変わってて、セシルの義弟のアーサーもアーサーが出会って結ばれる予定の王女ともちゃんと合流出来ていました。ブラッドフィールド家が4人になって幸せになる予感で終わってたのが凄く良かったです。

個人的にはもう少し王家の行く末を知りたかったと思いました。

3

道をこじ開ける受

日本人だった前世の記憶を持ったまま、ある貴族の子に転生したセシル。親は亡くなり親族には虐待されて死にそうになっている中で絶対親族の思い通りになるもんかと、サディアスに死にかけながらも助けを求めて養子にしてもらい、生き延びることに成功する。義父に淡い恋心を抱きながらも、誤魔化しながら過ごす日々の中である事件は起こる。事件の後ギクシャクする2人だったが、義父が新たな養子を連れてきた時、義父とその養子の運命の記憶が蘇り……というお話。

義父が悪役になる運命を変えるために、セシルは奮闘します。チート能力もなく、ただ好きになった義父のために工夫を凝らすセシルが好ましかったです。サディアスも不器用ながら、優しい人なので、セシルや新しい養子アーサーへの愛情もところどころ感じられてよかった。複雑な家族の物語としても、非常に良かった!家族だから恋の部分はちょっと物足りない気もしますが、お話が面白かったので満足です。

4

まだ見えない未来を変えるために

今回は物語世界で悪役である侯爵と
前世の記憶を持つ男爵子息のお話です。 

受視点で悪役配役な攻様の運命を変えるまでの本編と
攻視点で本編裏事情を交えた後日談を収録。

受様は男爵家の一人息子として生まれますが
物心のつくと前世の記憶がある事に気づきます。

日本という国でご平凡な会社員で
漫画や小説をよく読むオタクだったという
受様の話を両親は優しく受け止めてくれ
現世の受様も幸せな日々を送っていましたが

6才で両親が事故死すると
祖父に勘当された叔父が家族でやってきた挙句
受様を屋根裏部屋に追いって使用人としてこき使い
叔父は御家乗っ取りだと訴えるとより冷遇し
暴力まで振るうようになります。

そんな受様を救ってくれたのはこの地の領主であり
公爵家を若くして継いだ攻様でした。

攻様の名を知ったは受様が
彼が何かの物語で主人公の養父だった
かわいそうなイケおじである事を思い出しますが
若い攻様については何の手掛かりも有りません。

受様は叔父一家を告発する手紙を書き
攻様は受様を助けてくれたばかりか
養父かつ後見人となってくれるのです。

縁談話に辟易する攻様は後継者問題をかわせると
WinWinな取引のように言いますが
受様は攻様が本当は優しい人なのかもしれないと思います。

受様は良くしてくれる攻様に懐いていき
恋愛対象として意識するようになりますが
攻様は出会った頃と全く変わりません。

そして受様が14才の時、
隣国が攻様の親友の領地を狙って紛争を起こし
親友は激化していく戦いで命を落としてしまいます。

攻様は親友の遺児を養子とするのですが
やってきた遺児をみた受様は彼こそが物語主人公であり
攻様が彼の敵である事を知ることになります。

果たして受様は愛する攻様の死を回避できるのか!?

攻様の養子となった受様が攻様が悪役となる未来を
変えようとする異世界転生ファンタジーになります♪

異世界の人物に転生したら主役じゃなくて
敵キャラな悪役令息だった展開は定番化していますが
惚れた相手が悪役というのは斬新だと思います。

巻頭から受様に前世の記憶があることがわかりますが
受様はその物語の詳細は思い出せない設定なので

攻様がどんな悪事を犯す(予定なの)か
受様は攻様と敵対する主人公なのか
そしてどうやって未来が変わっていくのかと
ワクワクで読み始めました。

現世の攻様事情が明らかになっていくとともに
物語での攻様事情も明らかになって行って

受様がどうやってそれらを逆転するのか
主人公の敵討はどうなるのか
そして受様の恋の行方はどうなるのか

途中、受様が命を狙われる事態にもなり
色々な意味でハラハラ&ドキドキ、
本来の物語の未来を予想させる見事な終幕で
たいへん楽しく読ませて頂きました。

6

冷徹美男子の溺愛変化にキュン!

日々の疲れが癒される、ほっこり優しい物語でした!
小説世界へ転生した主人公・セシルが前世の記憶を頼りに愛する養父(であり、小説世界での悪役)を救うために奔走する、転生BLです。

BL萌だけで無く、転生物としても面白くて読み応えがありました!
愛する人のため、定められた運命を自らの手で変えようと奔走する、健気で努力家な主人公・セシル。そんな彼を自然と応援してしまい「二人の行く末はどうなるの⁉︎」と、ページを捲る手が止まりませんでした。

過酷なセシルの幼少期に胸が痛みますが、サディアスに引き取られ、健気に懸命に生きていく姿にグッときます。
そんなセシルに興味を持ち、次第に惹かれていくサディアス。冷徹で他人に関心の無かったサディアスが、セシルの為に行動していく変化にトキメキが半端ない…!

前半と後半でサディアスのキャラ変が半端なく、本当に同一人物ですか?と思うほど、溺愛&溺愛&溺愛…のエンドレス溺愛っぷりが堪りません!
濡れ場は控えめですが、セシルにセクハラしまくるサディアスのムッツリ助平感をニンマリ楽しめて、育て親である養父と関係を持つ背徳感にドキドキしました。

そして、小説世界での主人公・アーサーがとっても可愛く、物凄く庇護欲が唆られるキャラクターでした。
本来、過酷な運命に晒される彼ですが、セシルとサディアスの奔走によって、幸せになっていく展開に胸が熱くなります。幼いアーサーのいじらしさは、思わず涙腺にきますね……

セシルとサディアスの名コンビで悪を退治する勧善懲悪な展開にスカッとでき、バディ物としても満足感高めです。
想いが通じあった後も、恋人と言うより夫夫のような落ち着いた甘い雰囲気で、そこに可愛い幼児達(養子)も加わり、ホームドラマの様なほっこり癒される優しい読後感でした。

▶︎Kindle/電子限定書き下ろしは「自分は所詮モブだ」と悩むものの、皆から愛されているセシルのエピソード!

6

悪役を回避するぞー(๑•̀ •́)و✧

小中先生の紡ぐ、異世界転生ストーリー。
自分が悪役転生しちゃってた!とかは見ますけど、義父が悪役でしたってのはお初でした。


受け様は、日本人だった時の前世の記憶を持つセシル。
両親を亡くし、若き侯爵の養子となる。
で、もちろん攻め様は義父となった侯爵、サディアス。

堅物で一見冷徹に見えるサディアスは、およそ父親役が似合う人物ではない。
慣れてないだけで彼なりに気遣いをしているんだけど、伝わりにくいんだな( ^_^ ;)
サディアスのそんな不器用な気遣いを受け取って恩返しをしたい、と頑張ってきたセシルは、いつしかサディアスへ恋愛感情を抱くようになっていて。

そんなある日、サディアスが引き取った新しい養子のアーサーと出会ったセシルは、この世界が前世の記憶にある小説の中の世界であり、サディアスが悪役として殺されるストーリーである事を思い出す。
なんとかサディアスが殺される未来を阻止し、みんなで幸せに暮らせるよう、動き始めるセシル。

途中、ハラハラな事件もあるし、どうなるのか、ページを捲る手が止まりませんでした。
気になり過ぎて、2人がちゃんと幸せになってるのか、途中でちょっとラストを確認しちゃいましたもん。

最終的な解決は、準備万端なサディアスのおかげで、案外拍子抜けなくらいでしたけど、分量的にはちょうど良かったのかも。

また2人のラブの方も、ジレジレも溺愛もイチャイチャも、いろんなきゅんを頂きました(≧∇≦)
サディアスがムッツリだったのもいいわ~(˶ᐢᗜᐢ˶)

イラストは亀井高秀先生。
まさにって感じのノーブルさが美しかったです。

4

イケメン義父

先生買い。どシリアスでもコメディでもなく軽やかでワクワクお話を楽しめましたが、絶対忘れない♡というものは無かったかなと思ったので萌2寄りの萌にしました。攻めと受けの成長する、やや長めの時間軸で、貴族の陰謀話好きな方にはオススメしたいです。本編330頁ほど+攻め視点の後日談9頁+あとがき。

両親が亡くなり現れた叔父にこき使われ、このままだとヤバいと思い始めたセシル。こま切れにある前世の記憶を頼りに、もうすぐ領地に戻ってくるというブラッドフィールド侯爵に助けを求める手紙を書き…と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
アーサー(攻めの二人目の養子)、ローガン(攻め宅の執事)、エリオット(攻めの親友、アーサーの父)、悪党はあれこれ複数。二人で艱難辛苦をいくつも乗り越えるのだ!

++好きだったところ

小説世界への転生ということで、受けさんがぼんやりこれから起こることを知っているため、ちっこい頃からどことなく物言いがこまっしゃくれているんですよね。攻めさんと12歳差あるし、そもそも攻めさんがどっしり揺らがない感じの方なので、大きくなってからもちっとも敵わないんだと思うんですが、一生懸命攻めさんのことを思ってあれこれ世話焼こうとしたり、あーしたらこーしたらと言うのが、可愛いっ♡と感じられて良かった。健気な一途さんとか儚げとかではなく、攻めさんの未来(小説だとバッドエンド)をなんとかせんと頑張る。良いです…

攻めさんは、見目好し金持ちで良きなのですが、コミュ障とでもいえばいいのか?表情筋ない?いっつもしかめっ面して、気の利いた事言うわけでもなく、もちろん小さな子への気配りなんかもできず。頭良さそうで領地経営やら駆け引きはばっちりなんですが、要はぱっと見コワイ。受けさんはよく耐えられました……
そんな攻めさんが受けのことを大事な存在だと認識し、最後はむっつりエロ大魔神になるまでの恋話は、じわーと沁みましたね…ほんま二人がくっついて良かった…

途中参戦してくるアーサーは健気でとても可愛いし、ほんまに幸せそうなところでめでたしって感じで終わるので、とても楽しめた一冊でした!やっぱこういヨーロッパ系の貴族のお話に、むっつり攻めって好きだなあ…♡

2

義父侯爵の最初と最後の変貌ぶりは必見です

タイトルから目を引く一冊。
義父侯爵が悪役とは???

色々と興味を引くタイトルと、小中先生作品だってことにも惹かれて購入。これが面白いの何のって。素敵な作品でした!


この作品は異世界転生ものですが、ちょっとひと味違う設定なのは、セシルが前世で読んだ物語に転生してしまったというところ。転生ものって、異世界だったりゲーム世界だったりと違う世界に飛び込んで冒険していくファンタジーが多いかなって印象なんですが、こちらは既読の物語の中の世界なので未来が分かってるテイなんですよね。

セシルが前世で読んだ物語で悪役だった義父のサディアスが実は悪役じゃなくて、本当の悪者の策にハマり悪役に仕立てられているという事実を知ったセシルが、この未来を変えようと奔走するというストーリーです。

セシルだけがこの事実を知っているうちは、忘れないように覚えがき(アカシックレコード的な)メモを書き留めて、いつか行動に起こすそのときまでサディアスの力になれるように過ごしていきます。
そして、サディアスの冷酷そうにみえる裏での優しさに触れるうちに、恋心を抱いていくセシル。この恋に蓋をしながらも、サディアスが悪役となり殺されていく道筋を変えるべく奔走していきます。
物語の中の世界とはいえ、今のセシルにとっては"ここ"が現実世界です。物語の中では忠実に描写されていないイレギュラー案件に苦戦するも、サディアスと協力しながら悪に立ち向かう。

未来変えちゃっていいの?
なんて思ったりもしたけど、とある物語の世界なので、実際の歴史が動く問題はないと思われます。ひょっとしたらセシルの前世の世界で、物語の内容が変わってるかも知れないですね(*´∀`*)


セシルがこの世界で生きていくため、そして大好きなサディアスと可愛い養子の子どもたちを含めた家族を守っていくため、サディアスとセシルがナイスタッグで見事未来を動かすことに成功。そのやりとりにワクワク止まりません!
BLの部分でもニヤりが止まらないのに、2人の呼吸ぴったりな悪の成敗がめちゃんこ楽しい。

何が良いってね、サディアスがそれまでセシルを養子として一線を画していたのに、想いが通じ合った途端にデレデレ発動♡
恋人同士になってからは隠さず、俺のパートナーだぞ!と言わんばかりのイチャアピールが最高。最初のサディアスの態度と180度違います(笑)
セシルが本来の素敵なサディアスに変えたんですよね。お陰ででこっちは、サディアスのビフォーアフターにニヤニヤ楽しませて貰いました。


義父と養子のBL…最高でした。それに加えて背景にある内政問題と勧善懲悪の顛末も見事でした。最後はスカーッとするエンディングに読後感良し。タイトルから想像し得なかった期待以上のストーリー展開に興奮です^^

読み始めたら止まらなくて、掃除機片手に読みながら掃除してました(*´∀`*)

12

めちゃめちゃ面白い

作家買い。
小中さんの新刊はファンタジーもの。あらすじにも書いてあるのでここでも書いてしまいますが、昨今流行りの、って言っていいんでしょうかね。転生ものです。しかも転生した先が小説の中で…?という。転生した先が、ゲームの中、小説の中、と最近あるあるな設定のお話ですが、さすが小中先生。

面白かった!

主人公はセシル。
彼には前世の記憶があった。日本、という国に住んでいた記憶。
下級ではあるが貴族の称号を持つ両親はセシルのその記憶の話を受け入れてくれていた。が、優しかった両親は彼が6歳の特に死去。両親亡きあと屋敷に乗り込んできたのは父の弟家族だったが、貴族の身分を欲した叔父夫婦に邪険にされ死の危機に。

そんなセシルが助けを求めたのは領主のサディアス。
サディアスの屋敷で奉公人として雇ってもらえたら。そんな淡い期待を持ち、サディアスに手紙を書くが、セシルを助けにやってきてくれたサディアスはセシルを養子にしてくれて…?

と書くと、薄幸な少年と、彼を救ったスパダリ領主のサディアス、という構図をイメージされるかも。が、実際は前世の記憶を駆使し、8歳とは思えない発想で助けを求めた少年と、とある思惑を持ちセシルを養子にした寡黙な男性、という展開を見せるお話です。

今作品の軸はここから。

寡黙で、はじめは怖いと思っていたサディアスの優しさに触れ、少しずつセシルはサディアスに心惹かれていきますが、一緒に暮らし始めて数年後、サディアスは新たにアーサーという名の一人の男の子を養子にすると言って連れてきます。アーサーを見たセシルは、自分が転生してしまったこの世界が、かつて読んだことのある小説の中だと気づき…?

自分が読んだことのある小説の中に転生してしまった、ということで、セシルは「これから」の予想がつく。最愛の養父・サディアスを守るために、セシルは奮闘するけれど。

セシルという男の子は過酷な幼少期を過ごしていて、そのこともあってややシリアス展開…、になるかと思いきやならない。小中さんらしい温かさと優しさがみっちりと詰まった作品なのです。

前世の記憶を持つセシル。
優しかった両親亡きあと、叔父家族に迫害される薄幸な過去。
寡黙で、けれど優しいサディアスに大切にされ、少しずつ恋心を育てていく過程。

ネタバレになりすぎてしまうのでこれ以上は書きませんが、とにかくバックボーンがてんこ盛りの1冊です。が、その沢山あるバックボーン一つ一つにきちんと意味があり、それぞれ意外なところで繋がっている。この複雑なバックボーンが上手に生きるのは、緻密に練られたストーリー展開あってこそか。セシルが襲われるシーンも数回あって、ミステリの様相を呈しているところも良い。どうなってしまうのかとハラハラさせられ、一気に読んでしまう。

転生ものて、ちょっときつい書き方をしてしまうとチープな感じがする作品も時にあったりしますが、今作品は「ファンタジー」の名に恥じないどっしりとした奥行きのある作品でした。

あと、主要CPの二人がとにかく良い。
優しくて愛情深いセシルも、寡黙だけれどきちんと慈悲の心を持っているサディアスも。タイプは違えど、二人ともナイスガイです。サディアスは寡黙なスパダリ男性なのに、想いが通じた後のあの甘えっぷりも可愛くて良い。

あと、お子たちが可愛い…。
愛で、ご飯をお腹いっぱい食べさせてあげたくなる、そんないい子たちで、読んでいて母性を刺激されまくりでした。

小中作品はほぼほぼ読んでいると思いますが、中でも特に好きな作品になりました。
手に取るのを迷っている方がいたら、ドーンと背中を押してあげたくなる、優しく温かく、そして謎解きの側面も持った読みごたえのある1冊でした。

9

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