荊の枷鎖

ibara no kasa

荊の枷鎖
  • NOT BL
  • E-BOOK ONLY
  • R18
  • 神0
  • 萌×21
  • 萌3
  • 中立2
  • しゅみじゃない0

--

レビュー数
4
得点
15
評価数
6件
平均
2.8 / 5
神率
0%
著者
 
イラスト
 
媒体
小説
出版社
幻冬舎コミックス
シリーズ
幻冬舎ルチル文庫(小説・幻冬舎コミックス)
発売日
価格
¥590(税抜)  ¥637(税込)
ISBN
9784344823730

あらすじ

晄久は別荘番の息子・安曇と親しかったが、離れ離れに。十数年後、陸軍士官・晄久の前に現れたのは、美しく成長した軍医・安曇で!?
(出版社より)

表題作荊の枷鎖

近衛師団大尉中隊長 相馬晄久28歳
元別荘番の息子で三等軍医 伊世阿澄26歳

その他の収録作品

  • 小品二題
  • あとがき

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レビュー投稿数4

軍服、主従、でもライト

昭和初期、不況の中社会の不満が少しずつ溜まり始ている。
そんな中、陸軍近衛師団大尉の晄久は、軍医として着任してきた幼なじみの阿澄と
再会する。

別荘番の息子だった2つ年下の阿澄は、晄久を慕って懐いていたが
ある不幸な事件の折りに姿を消し、行方が分からなくなっていた。
阿澄はすっかり美しく成長し、公爵家の養子となって自分より身分も高く、
かつてと全く違う青年になっていた。
再会を驚くことも喜ぶ様子もなく、晄久の近しい態度を咎め、
「過去は忘れた」と固い態度を崩さない。
それでも阿澄を思いきれない晄久は、どうやって心を開いてもらおうかと心を砕くが…

本当はお互い初恋が忘れられなかったのに、
素直で可愛らしかった阿澄はツンデレちゃんになって登場。
それには訳があって、養父のために自分の体を利用してきた自分の存在は、
晄久の害になるだけだと思っているから。
押す晄久と、引く阿澄…
そんな二人の上に、関係を変化させる事件が起こる。

まぁそれで、阿澄は一夜限りの思い出を作って愛想を尽かしてもらおう、
という感じになるんですが(笑)、ここから後はなんとい続きうか、
この話って実はコミカルな話だったの?と思いながら読んでおりました。
基本シリアスな話なんですけれど、やりとりとか設定とかで微妙に可笑しい。

そして、時代の要素が断片で詰め込まれた事件の中で、拉致監禁されてしまう阿澄。

最後はツンデレ荊姫・阿澄くんの危機を、無事に救った王子様・晄久くん。
子ども時代に姫を守りきれなかった王子は、今度は見事約束を果たして姫を守り、
二人は幸せになったのでした。〜Fin.というお話。 

面白いネタは色々あるんですけれど、どれもあまり効果的ではなかったかな…
挿絵は、個人的には髪型含めてちょっと残念でした。
SSに出てくる二人の父親同士の話が、かなり壮絶です。
晄久の親友で美形の静も何やら含みのある感じなのですが、
これはスピンオフがありそうな感じですねー。
阿澄に房事を仕込んだらしい眞野伯爵も、面白くて気になるキャラです。

清澗寺家シリーズと多少時代が被っているので、嵯峨野の名前が出て来たり、
和貴がチラッと登場したり、船上で道貴に婦人物の着物を着つけてくれた小夜子嬢が
晄久とパーティで会話してたりします。(「紳士と姫君」/PREMIUM BOOK)
…ということで、清澗寺ファンにはニヤニヤするところありです♪
(ということで、評価は若干加点。)

2

漏れてる。

幼い頃は主家の息子と使用人の息子。
それがある事件があって行方知れずとなって。
再会した時には立場が逆転し、使用人の息子であった阿澄の方が主家の晄久よりも上官になっていて…。

主従逆転の再会モノということになるのでしょうか。
昔の印象とはあまりに違うように育った阿澄。
悪い噂も漂う中、晄久はそれを信じきれずに昔と同じように接しようとするのだけれど、阿澄の方はそうではなくて。
どうにか距離を置こうと態度を堅くする阿澄。
それでも接する晄久。
阿澄が突っぱねきれたらいいんだけども、本当は阿澄も昔のように接したい気持ちがあるから感情が時折、表情などに漏れて。
それだから、晄久も諦めきれない。
このビミョーな感じを楽しめるかどうかがこの物語の鍵かも。
個人的には必死で隠して当人の前では一切漏らさないタイプの方が好みなので、今回はちょっと好みからズレたかな、と。
甘いんですよね。
それでも、慣れた風に誘ってコトに及んで自分なんかこの程度の人間だから切り捨てくれって感じのやりとりは好きだったんですが。
全体の印象は甘い。
もっとドロドロがよかった。

そういう続き意味では本編よりも小編の方が非常に気になる感じというか。
本編でもそう思わせられる部分はあったんだが。
ドロドロ担当とでもいいましょうか。
晄久の父と阿澄の父との関係は実に歪んでいて。
というか、晄久の父の執着の仕方が歪んでるのかな。
阿澄の父が好きだったのなら素直に彼自身に手を出せばよかっただけの話だと思うのに。
阿澄の父を囲うようにして、その妻や娘に手を出す。
阿澄の父のもの全てを欲しいという晄久の父の狂気。
しかし、そんな狂気を感じながらも阿澄の父もそれを享受してたりするんですよね。
そういう意味では阿澄の父もまた歪んでいるようでもあって。
この2人の関係をもっと濃く読みたいなと思ったんですが、直接的に関係を持たないからBL的にはならないのかなぁ。

1

子供の頃とギャップ有り過ぎかも

別荘番の子供と御曹司の初恋が叶うお話。
夏の間だけ別荘で可愛がっていた子供
って言ってもエロではなくて幼なじみの
男の子を純粋に可愛がっていた攻め様。
男の子にしては華奢で庇護欲を誘う子供で
攻め様は幼い受け様に自分が守ってやるからと・・・
そんなある夜、受け様が慌てふためいて
攻め様に助けを求めに、父親が姉を殺したと
そこへ攻め様の父親が現れ受け様を追い出そうと
止める攻め様を尋常でない様子の父親は
振り払うようにして受け様を雨の夜へ・・・
それから十数年後の再会、受け様は
自分より高位の美貌の軍医として現れる。
あれから探し求めていた受け様を前にして
喜びに声を掛ける攻め様だったが、受け様に
上官に対して無礼だと冷たく言い放たれる。
攻め様にとって初恋の相手で、今も思いが残る
受け様からの拒絶の姿に納得が出来ない攻め様は
事あるごとに受け様に話しかけますが、
相手にされず変ってしまった受け様にショックを
そして受け様の醜聞な噂を耳にするがとても
信じる事が出来ない攻め様だったが受け様
本人が事実と認めて・・・・
でも、受け様もホントは攻続きめ様が今でも大好きで
汚れてしまった自分を恥じて攻め様から距離を
置こうとしてるのですが、気持ちは常に
攻め様にあるのです。

でも、今回のお話はあんまりドロドロ感は無いです。
受け様が攻め様の部隊で起きた自殺事件を
攻め様の為に解決しようとしてトラブルに
巻き込まれ、幼い日に守ると約束したように
受け様を助け出して、ハッピーエンド。
それにしても、子供の時の受け様と成長した
姿はかなりのギャップですね。
外見だけでなく攻め様への態度とか。
それも互いに心が通じあってからも・・・
もともとツンデレ系だったのかしら?
子供の時の印象は素直な可愛い小動物系で
控えめな甘えたさんかと思っていましたが
昔の面影は唯一攻め様を呼んだ様付くらい。
意外とあっさりした内容だったと思います。

逆に気になってしまうのは攻め様の父上と
受け様の父親との歪な関係ですね。
ショートになって出てくるのですが
攻め様の父親の異常なまでの執着は狂気です。
受け様の父親の全てを己の物にしたいと
妻や娘にまで手を出します。
それに娘は実の娘だってことも驚愕でした。
長編で描かれたらドロドロ感いっぱいに
なるだろうと思いました。
攻め様の家系はゲイの家系なのかも。
父親篇のショートが脳裏から離れなくて
本編が物足りなく感じてしまったかも。

0

軍設定でなければよかった

戦争前夜、昭和初期の不穏な時代を背景にした作品でしたが、ふたをあけると実に甘いお話で、軍を舞台にしているとはいえ、とてもとっつきやすい話になっています。
主従再会初恋成就物語でした。
ただ”軍”に結構こだわりのある自分には、まずこのイラストの主人公達の髪型が気に入りません。
きれいでいいんですけど、この時代の軍人には・・・できるうれば晄久は短髪で、阿澄はオンは髪をなでつけたオールバック、オフで乱れ髪にしてほしかったとかw
軍設定も時代背景を上手くつかっていたとは思いますが、阿澄の背景については本人が負い目に感じるほどには酷いものではありませんでした。
ただ、そこまで負い目に感じる程に晄久が好きだという裏返しととれば、いいことなのでしょう。
軍モノの時は真剣に”軍”に萌えたいと期待する自分には、甘いお話はちょっと肩すかしだったので評価は萌え一個ですが、話としてはしがらみや過去のこだわりなどの要素の取り入れ方がとても上手く出来ていて、いつもの和泉さん!と思わせる出来なのではないでしょうか。

親兄弟からも疎まれて酷い扱いをされいる別荘番の息子・阿澄と財閥の息子・晄久は、まだ続き幼いながらも互いに惹かれている間柄のようでしたが、阿澄の父親が姉を殺して心中し、それには晄久の父親が関係しており、見てしまった阿澄を探しているのを知り逃げた阿澄とはそれきりになってしまう。
そして、晄久の所属する隊に軍医としてやってきた阿澄。
階級では阿澄のほうが上の為、過去と違って上下関係が逆転する。
あの阿澄と知って懐かしさから親しくしようとする晄久だが、冷たい態度をとる阿澄。
晄久の元には、公爵の養子になった阿澄の良くない過去の話が耳に入ってくるのだが・・・

晄久と阿澄の関係については、どうして阿澄が晄久の隊に来たのかという理由、
阿澄が養子になった理由から、何か軍での工作があるのか?とかそれに晄久も関係しているのか?ひょっとして?と、最後までそれを伏せることで謎を持たせるが、結果・・・なんだー人情だったな~
そこでほっとするか、肩すかしをくらうかww
軍のクーデターの話がうまいこと入れられているが、それは晄久の軍においての立場と彼の役目と人柄を表わすのに、そしてクライマックスへの効果的な設定として使われるのみで、あまり重い扱いにしていないので、それが読みやすさを醸し出す効果になっているのでしょう(史実にこだわる派にはヌるくて不満には思う)
結局のところ、阿澄の悪い噂も晄久には効果なく、阿澄がこだわって一人でツンデレている部分が裏返せば健気でかわいい面なのです。

書きおろしの「小品2題」において、晄久の父の執着が描かれていますが、それがとても興味を引きます。
こっちのほうが自分には面白そう!とおもってしまう。

毎度思うのだが、こうした大正~昭和の軍モノはBL設定には大変難しいと思います。
自分の中に大竹直子さんの軍モノのイメージが大変に強いので(あれはとても素晴らしい!)比較してはいけないのだが、軍を舞台にした甘い話はどうにも自分には受け入れがたいものがある。
好きな方にはゴメンナサイです。

2

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