ここまできたら、嫁になります!!

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表題作嫁いでみせます!

藤沢直之,36歳,建築事務所社長
白石陽介,21歳,建築学科の大学生

その他の収録作品

  • 秘書・キョウコの報告書
  • あとがき

あらすじ

社長の嫁になる条件、①経験豊富なゲイになる、②温かい家庭を作る、③(イヤだけど)浮気は大目にみる。
 天然ぽあぽあ系王子様の大学生・陽介は、20年間、将来は温かい家庭を作ることを夢見ていた。ところがバイト先のワイルド系遊び人社長・藤沢に「お前はゲイだ」と言われた挙句、難なく美味しく頂かれ、それまでの人生が一変!!
 一夜で藤沢を好きになった陽介は、自分の将来を夫→嫁に変更し、彼に嫁ごうと奮闘して!?

(出版社より)

作品情報

作品名
嫁いでみせます!
著者
吉田ナツ 
イラスト
鈴倉温 
媒体
小説
出版社
アスキー・メディアワークス(角川グループパブリッシング)
レーベル
B-PRINCE文庫
シリーズ
嫁いでみせます!
発売日
ISBN
9784048709729
3.7

(60)

(14)

萌々

(26)

(14)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
15
得点
220
評価数
60
平均
3.7 / 5
神率
23.3%

レビュー投稿数15

心のままに恋をするという事

書きたい事がありすぎてまとまらないくらい楽しませて貰った一冊。
完成度の高さがすばらしくて神評価を付けさせて頂きました。

あらすじだけ見ればなんてことない話なのに、それをここまでレベルの高いものに仕上げていてすごい。吉田ナツさんの作品はコメディ・シリアス問わずグサっと心を突いてくる感じがします。

私は「花嫁もの」とか「女装」とか、受けが女役を与えられる作品を嫌遠しがちで、滅多に読むことはなかったのですが、これは評価の高さから興味を持った一冊。でも読んでみればよく知る「花嫁」モノとは違っていました。

別に主人公が「嫁ぐ」というわけではなく、可愛いお嫁さんを貰って幸せな家庭を作りたいと願っていた主人公・陽介が、自分がゲイと自覚した事から、一瞬は悩むけど「それなら自分が嫁ぐ方向で家庭を作ればいい」と自分の夢を軌道修正して前向きに突っ走るお話です。
陽介をゲイに目覚めさせた張本人・藤沢は遊び人で自由人で恋人は一人に絞らない、勿論結婚やステディなんて自分を縛り付けるものは大嫌い…という人物です。

最初から互いの目的がすれ違っている上、アタックをしかけてくる陽介を藤沢は煩わしく感じています。
受けが愛される作品を読むことが多いので、ここまで一方通行、しかも受けがあしらわれる作品はちょっと新鮮でした。

陽介が本当に一途で可愛くて、藤沢のどこがそんなにいいのか、若干その辺が疑問に思わないでもなかったのですが…
「恋愛に自由でいたい」藤沢と「愛する一人と家庭を築きたい」陽介の人生の優先順位は真逆です。
その2つの「価値観」が最後ぴたりと一致する瞬間が来ます。
吉田ナツさんの書かれる文章とモノローグ、本当に完成度が高くて誰かにオススメしたくなる一冊です。

7

もっともっと評価されるべき

最高!

あーもー、このお話ぜんぶが好きで、どこから話したらいいかわからない。
タイトルで「花嫁ものか…」と敬遠される方がいるかもですが、ご安心を。花嫁ものが好きな方でも嫌いな方でも、関係なく楽しめる作品だと思います。

なにが好きって、キャラクターですね!
天然ぽわぽわ系の王子様受けと、自由でおおらかな遊び人の攻め。
攻めは受けをいきなりベッドに誘ってエッチしちゃうんですが、展開がユーモアたっぷりでカラッとしてて小気味いいです。「俺は公私混同する男だ」宣言されると、チン軽男でも微笑ましくて許せちゃう気持ちになるのはなぜでしょう。
自由人を豪語して、たくさんの男と好きなようにセックスするのが俺だとのたまう攻めですが、受けとの出会いによって少しずつ変わっていってしまいます。
明るく正直に好きになったことを告白し、「浮気は許します」と言ってぐいぐい押していく受けに、攻めはたじたじ。えらいもんに手を出してしまったと後悔して腰が引けるんだけど、キュートなお尻の魅力にはあらがえずまた手を出してしまう。
この攻めのアタフタっぷりを読んでたら、にやにやが止まらなくてさー。
受けのアホアホ天然っぷりもやたら可愛いし。

吉田ナツさん、しっとり切ない系もいいけど、こういうコミカル色の強い作品もいいなァ。
文章もいい。
あ、そうそうキョウコさんもいい!
改めてすべてが大好きです。

2

2011年のラブコメ

吉田ナツさんは、最近新作が出ていない作家。

2011年のちょっと昔の作品だけど、
日本語が正しく使われていて、読みやすかった。
挿絵が漫画調というか、棒が服を着ているようで下手。
それが少し残念だけど、コメディだから丁度いいのだと思う。

今世のBLは、ネタが出尽くしているというか、練れてないし、編集担当が居ないのか、校正もされていない。
なのでちょっと昔の作品のほうが丁寧に作りこまれていて、読んで苦痛にならない。

良い作品でした。面白かった。
暫く、ちょっと古い良作発掘を続けようと思う。

2

よく頑張ったd(⌒ー⌒)!

 爽快で、よし頑張ろうってポジティブな気持ちにさせてもらえる1冊でした(^-^)

 受け様は、大学生の陽介。
バイト先の社長である攻め様の男のフェロモンにあてられて、あれよあれよと気付いたら半分頂かれてしまう。

 おいしく頂いちゃった攻め様は、何よりも自由を愛している男、藤沢。
ただ1人に縛られたくない、いろんないい男と楽しみたい、というわかりやすい遊び人。
普段だったら、チャラくて軽くてあんまり好きではないのに、なんだか憎めない。
人たらし所以でしょうか。
ラテン系のいい男なんだよなぁ。

 陽介は、藤沢と出会って、自分がゲイであった事に気付く。
藤沢を本気で好きになって、頑張ってアタック開始。
藤沢に重いって思われるかな、とドキドキしながらも、それでも頑張りたい陽介のいじらしさ、健気さよ(*´ω`*)
そして、斜め上方向にチャンスを見出だす天然さよ(^o^;)

 藤沢も、ストレートに大好きを伝えてくる陽介がかわいくなり、陽介の喜ぶ顔が見たいと思うようになる。
でも、今までに自由を信条に生きてきて、そんな自分を認められない。
縛られる事をよしとしなかったのに、いつの間にか自分の決めたルールに縛られていた事に気付く。
自分の意思だ、と藤沢が陽介を取り返しに行くところがきゅんきゅんです。

 嫁ぐことができた陽介の前向きさや頑張りが、とても気持ちよくて大好きd(⌒ー⌒)!
藤沢は、恋人になったら、溺愛ですね。
2人の愛の巣を大事に育んでいってほしいです。


 イラストは、鈴倉温先生。
ホテルのベッドに座って、陽介にプレゼントを渡すシーンのイラストがめっちゃドキドキしちゃいました。
陽介は上半身服+パンツで、藤沢が真っ裸( 〃▽〃)
大事なとこだけ手に持った拭くでうまい具合に隠れてて。
えちシーンではないけど、受け様ではなく攻め様の真っ裸に、事後なのねーって雰囲気がとってもとっても感じられて、うきゃ〜( ☆∀☆)ってなりました。

1

テンポの良さが抜群でした!

既刊の「Home,sweet home. 」にチョイ役で出た攻め様が主役。
いですねぇ~この手の作品は大好きですね。
キャラ同士の会話のテンポが良くてとても読みやすい。
読み終わった後もニコニコ余韻が残っている感じでいいです。
女性にモテる王子様系の受け様はフェミニストでしたね。
女性に対するスマートで好感が持てる受け様ですが
微妙にブラコン、ファザコンが入っている天然さんでした。
それもどうやら素敵な男性に対してだけの天然さん
そんな受け様が大学教授の紹介でアルバイトをする事に
そこでフェロモン垂れ流しの攻め様と運命の出会いをします。
攻め様に見惚れてドキドキしちゃったりして・・・
そして攻め様から衝撃的なセリフ&誘いを受けるのです!
おまえはゲイだと!そして自分ももちろんゲイだから楽しもう
みたいな会話~そして否定する受け様ですが何故か耳元で
囁かれると腰砕け状態で攻め様の誘いを断れない(笑)
出会って即日エッチな関係に、でも攻め様は好みの男なら
いつでもどこでも楽しんで相手をする遊び人で恋人は作らない
常にハンターのようにいい男を口説いて楽しむポリシーの人
それを知っていながら受け様は本気で好きになっていくのですが
その攻め様へのアタック方法がかなり乙女的でした。
そして報われないと分かっているけれど好きだからアプローチ
しまくります宣言までしちゃう潔さもあって面白い。
普段、女性相手に振る舞う受け様の姿とのギャップも良いです。
攻め様に対する態度が好き好き全開で・・・
でも、攻め様はそんな受け様から距離を取ろうとするのですが
ついついさわり心地の良い尻に誘われて~~~
いつの間にか受け様の事をあれこれ考えてしまう自分自身に
戸惑いや不安が、攻め様は一人に囚われない博愛主義的な
自分のスタイルが楽しくて好きだったのにそれが崩れそうになって
とうとう受け様から逃げ出します。
受け様は完璧に振られたと落ち込みますが・・・やはり諦めきれない
そして今度は違う方向から攻め様に迫る事にするのですが
それは攻め様と同じような遊び人になってエロテクを習得し
床上手になる事で、ホント過激で極端な発想です。
この天然さんに攻め様は捕まってしまうのですよね。
受け様の花嫁妄想や新妻妄想も萌えどころでした。
コミカルな作品が好みの方にはお勧めの1冊だと思います。 
ショートの「秘書・キョウコの報告書」は止めの一発です(笑)

8

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