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表題作甘い針

綾人の義父の従兄
綾人:大学生

その他の収録作品

  • 【表題作なし】
  • 綾人 :表題作相応
  • 志乃
  • 春のまえ
  • 蜜月期
  • さくら色のあと
  • さかなの目
  • 浮躁
  • 夏の風景

あらすじ

ピアシング、拘束、快楽の玩具で弄ばれる週末。「自分はただの愛玩物のようだ」それでも綾人はあの人に会いに行ってしまう自分に困惑するが…。快楽に甘く痛む躰と心の陰影が交錯する、「綾人」、「志乃」他、初期の幻の三部作、描き下ろしを含む八編。

作品情報

作品名
甘い針
著者
明治カナ子 
作画
明治カナ子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
一水社(光彩書房)
レーベル
光彩コミックス
発売日
ISBN
9784877750220
3.1

(23)

(3)

萌々

(5)

(10)

中立

(2)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
8
得点
67
評価数
23
平均
3.1 / 5
神率
13%

レビュー投稿数8

旧版

「リアル1/2」を読み返したのでお次はこちら。難解なようで、ものすごくストレートです。死んだ目をした青少年達。

◾︎綾人
"義父の従兄"の洗脳めいたセリフがじわじわと染み入ってくる気がします。綾人の本心について色々解釈できそうで、読むたび印象が変わる作品。

◾︎志乃
少年と青年の狭間で、大人に手篭めにされるという大筋は同じですが、綾人よりも気持ちがわかりやすいです。

◾︎春のまえ
兄弟に対する複雑な感情も先生の普遍的テーマなのか。作品に兄は登場しませんが、こういう兄弟モノは好きです。

◾︎蜜月記
彼もまた落ちる直前の美しさだったわけですね…

◾︎魚の目、浮躁、夏の風景
◾︎正×孝也
この本の中では一番ポップに描かれてる2人。これで一番ポップ…?と自分で書いておいてちょっとツッコミたくはなりますが。
他の作品の少年たち同じく死んだ目をしていた孝也てすが、徐々に正との付き合い方が分かってくる。激しい始まり方なのに蓋を開ければきちんと恋愛かもしれない。

0

鬱々

物理的に痛くて、精神的にも痛くて痛くてどうしよ~だけど、ドロ暗さがよかったです。痛いことされて身体は快楽を得ているけど、表情は嫌悪感満載だったり、諦めやら囚われからの死んだ魚の目なのが痛くて、そこからしか得られない美しさに取り込まれた大人の狂気。それぞれ愛があっても、歪んで伝わらなさ過ぎて噛み合ってないのがしんどい…何とも上手くいかないしんどさに黄昏・闇の古のBL?JUNEやお耽美臭を感じました(思いっきり吸い込んだ)

「志乃」の中で、義父に対して「仕事だと思ったことはない」って、ラブとは少し違うだろうけど義父も自分も癒したい気持ちとか、今度こそ上手く生きたいという気持ちとか、でも義父は無理矢理させていると苦しんでいるのとか、後半3部作の、好きだった従兄のはずなのに歪んだ関係になってしまうのとかもう苦しくて苦しくて苦しみからしか味わえないエキス満載。萌え2だけど、萌え萌え~というより、すご…です。

0

決して明るいお話ではない。
決して楽しいお話ではない。
ゆがんだ愛情・・・・なのだろうか・・と思わせてくれるような隔離的なお話が多かったような気がします。
明治さん。エロなイメージなかったんですがこれは目覚めますΣ(・ω・ノ)ノ!w
■彩人
母の再婚相手の従兄弟だという男と最初にあったのは、母の結婚式。
一度つなげた身体。撮られたビデオをたてに呼び出されることは少なくない。最近みるのは、現実と変わらない夢。
顔の見えない男に犯される夢だ・・・・
ということで、う~~ん・・・この子は結局嫌なのか、そうじゃないのかがちょっとわかりづらかった。
結論どちらにでも取れる・・という意味なのかな・・
■志乃
ひきとられた義父と・・・なお話。
自分が行くところではかかわった人間がみな死んでいく恐怖。
失いたくないもの・・・しかし離れようとすると・・・というね。
ちょっと侠気に満ちた感じではあるものの、そのなかにはお互いにも飲めるものがあるような気持ちにもなってくる。
しつこいまでの行為の描き具合がとりあえずツボwwはぁはぁ←結局
■春の前
変わりに届け物をしてほしいと頼まれた先。
絵を描くのだというその男・・・・
何も知らずにいった先で犯されてしまうというお話
壊れちゃった顔がちょっと・・・・うん
■蜜月期
死エンドではあるものの、これはちょっと報われたお話なんじゃないかなとおもった。好きだと思う相手のそばにいて。短いときを生きた少年のお話
■さくら色のあと
愛されたい。愛されたい相手に抱かれているのに・・・・
ちょっと切ないお話。


ほか短編いくつか。
どれも、なんともいえない気持ちにさせられて、
なんとも好きな雰囲気、場面、空気が流れているんですが、同表現していいかわからなくてとても切ない(ノД`)・゜・
さわやかにBL読みたい人には向いていないやも。ですが、個人的には好きな作品集です。エロメインなので苦手な方はご注意

4

ほんのボタンの掛け違いでは済まされない心の抑圧

この本が痛くて切ないのは、それは単にSMという行為だからではなく、二人の気持ちがボタンを掛け違った状態で進むからです。
たった一言、そこに愛のこもった言葉があれば、それは甘美な世界になるはずなのに。
そういう意味で、不器用で身勝手で理不尽が存在する世界が描かれています。

「綾人」などは、どんなに酷い目にあわされてもそこへ行ってしまう、そこには受けの少年のかすかな期待があるはずなのですが、ただ穢されて我を失った顔が一番という攻めの大人の一言に、彼の願いは報われることはなく、Mになる姿を求められている。
「志乃」もまた、綾人と同じに大人の歪んだ狂気に組み敷かれることで、あきらめと放棄をしてしまった。
「春のまえ」もまた同じく、、、

少し進展を見せるのが「さくら色のあと」「さかなの目」「浮操」の3部作。
ここにはほのかな愛情に行きつく姿がちらりとうかがわれて、救われるのです。

4

所有物の風景

受がモノとして攻に所有されるのは何故か。
それは受が攻を受け入れていないが為に
発生している齟齬ではないか?

攻めが受けに与えている責め苦は単なる痛み
ではなく、受けの心の殻を壊す為の洗礼である
のかも知れない。時に一方通行でしかない
責め苦もあるから断言は出来ないが。

A5版装丁。

3

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