軟派な俺様キングVSクール美人王子様――危うい恋の駆け引き

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表題作エンペラーズ・コネクション

御門鋭司 警視庁捜査一課8班
東原帝 警視庁捜査一課7班

あらすじ

「厳しいね、捜査一課の王子様は」「うるさいぞ、軟派キング」
警視庁捜査一課の“エンペラーズ”――王子様と称される硬派で美しい東原帝と、俺様で軟派だが男らしく精悍な面差しの御門鋭司。二人は同期のライバル同士で、互いの実力を認め合っているものの顔を合わせては喧嘩ばかり。しかし、管内で起こったとある殺人事件をきっかけにペアで捜査を行うことになり…!?

作品情報

作品名
エンペラーズ・コネクション
著者
妃川螢 
イラスト
雨澄ノカ 
媒体
小説
出版社
海王社
レーベル
ガッシュ文庫
発売日
ISBN
9784796403962
3.4

(17)

(2)

萌々

(6)

(7)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
10
得点
56
評価数
17
平均
3.4 / 5
神率
11.8%

レビュー投稿数10

見目麗しい刑事コンビの焦れる距離感

飛び抜けてアクが強いって訳ではないが、女子高生が騒ぎたくなりそうな見目麗しい刑事コンビ。
しかし、御門×帝(とおる)で、殿様コンビって…あだ名としていまいちダサくない?
Wミカドってのも…もっとダサいか…(;´Д`)。

話のほうは事件の捜査を軸にして進んでいき、地道ながらもしっかりしている。
口喧嘩が絶えないといっても、ライバルとしてそこまで反目しあっているようには見えない二人。
片方が突出しているようには見えなさそうだが、気持ち御門のほうが行動力があって刑事としての手腕が上に感じるかな?
捜査の合間にも受け・東原の好みに合わせてエスコートするのが上手いなと思う場面があって、東原もそのリードをまた何の違和感無しに受け入れているから、そんな所が『王子』とあだ名される所以に含まれているのかしら…とも感じ取れた。

捜査に集中している中で、ふとした事で東原のほうが御門との距離感を意識していて『ひょっとして?…』って勘ぐれる様子がそこかしこにあるので、一線を越えるクライマックスまでの展開に焦れた。

それにしても、いくら御門と東原に目が行きがちな中、二人の上司、七係と八係の係長達も妙に気が合うようで…。
スピンオフもあるって情報を知って、これまたこの二人が主役なのかと思っていたら違っていて、てっきり勘違いしてしまった(笑)。

1

殿のじゃれあい

う~ん、面白かった!
個人的に、こういう「見た目王子様だけどツンツンしている強気な受け」を「可愛がって構い倒す懐深い攻め」っていう構図は大好きです。

御門と帝の通称「殿様コンビ」は、気は合わないのになぜか意見はぴったり合うという、本人達以外は誰もが認める名コンビ。
二人のぶつかり合いも喧嘩というより、只のじゃれあい笑
御門が帝をからかって怒らせて反応を楽しんでいるーという、まるで中学生みたいな二人なんですが、お仕事に関してはどちらも優秀で真剣。

警察モノですが、扱う事件も恋愛のおまけではなく、きちっとよく練られていて面白かったですねー。
まぁ、尊敬する先輩が実は・・っていうのはよくあるケースなので、もう少し捻りが欲しかったかな?
帝が捕まってしまい、御門が助けにいくシーンもお互いがお互いをかけがえのない存在として改めて認識し合うにはいいきっかけになる事件なのですが、これだと帝の活躍シーンがない・・!

せっかく、二人とも検挙率ナンバーワンな優秀な刑事という設定があるので、それを生かして二人で協力して犯人に辿り着いて欲しかったな~
でも警察機構のことはよく分かりませんが、さすがに事件解決100%ってのは無理かと・・うーん、実際はどうなんでしょう・・?

ともあれ、二人の男前の性格・お仕事(警察)もの等、好きな設定がいっぱいで楽しめました!

1

しっかりとした読み応え

 共に警視庁捜査一課所属で、同期の東原帝と、御門鋭司。
 彼らはその名前とルックスから、「エンペラーズ」と呼ばれる。

 互いに実力を認め合う関係ではあるものの、常に競争を強いられる職場環境と、過去のとある出来事から東原は御門に素直になれずにいた。
 そんなある日、とある殺人事件の捜査でコンビを組まされることになって……

 というのがざっくりとした話の入り口です。
 そこから二人で殺人事件の捜査が始まって。
 やはり互いに認め合えるものを感じて。
 御門が覚悟を決めたことで二人の関係が動いていく。

 そもそもがBLなんですけど、BLという枠ではくくれないような、ちゃんと「刑事もの」としての読みごたえもしっかりありました。
 その代わり、いちゃいちゃ要素はだいぶ低いんですが、甘くてベタベタしているだけではない、物語としての読みごたえも求める人にはオススメです。

0

受け刑事がもう少し有能だったらな

受けも攻めも刑事。捜査一課!私の大好きな。設定が複雑で面倒くさそうな刑事ものを書いて下さる作家さんにはそれだけでもう感謝。2人は同期の中で抜き出ている優秀さで お互いルックスも良く「気は合わないけど意見は合う」というケンカップルで周りにも「痴話喧嘩やめろ!」と言われているような関係。

タイプの違う美形同士で設定も話も萌える要素しかないのに、ちょっと乗り切れなかったのは全てにおいて攻めより受けの方が少し劣っていたから。拳銃の腕は受けの方が上とのことだったのに実戦で活躍したのも攻めの方だったし、受けは悪い上司の本質にも中々気づかずミスを犯したし。食わせ物の鑑識の大野の方がよほど仕事できる人でした。ああいうキャラ好き。せっかくバディなら受けも攻めをフォローするみたいな場面も欲しかったな。腐女子はワガママですみません。

出会った時からお互い惹かれあっていてそれに気づいていながら、何年もそれを認める勇気が出ず、積もり積もった想いがついに爆発する、というこの展開は大好物なだけに受けのキャラ設定が残念だったなあと思います。

0

上手くまとまっているので安心して読めます。

ただ『あれ?』と思う程度ですが、まず一つ気になったことが。
タイトルにもなっている「エンペラーズ」という呼称……実際、そんな言葉はどこにも出てきません。作中で二人につけられているあだ名は「殿様コンビ」です(笑
その殿様コンビという呼び名にしろ、ほとんど話に出てこないので、タイトルとあらすじに「エンペラーズ」という語を持ってきていることにかなり違和感がありました。

それに対して登場が多いのが、受け・東原のあだ名である「王子様」でしょうか。攻め・御門がからかい混じりにそう呼びかけて東原が怒る、というよくある応酬を含めて、顔を合わせればバトルが勃発する警視庁捜査一課のエース二人です。
意見は合うが気は合わないライバル同士を持て余した上司によって、どうにか不和を解消しようと(?)殺人事件の捜査で警部補×警部補という異例の(管理職の端っこ同士)コンビを組まされます。
裏面のあらすじにはそこまで書かれていませんが、実は何年も前の出来事によって互いに恋情を半ば自覚してからずっと、上記のような、二人の口喧嘩と信頼に基づいたライバル関係のすぐ下には、緊迫した熱が潜んでいたようです。事件の間=恋情を認められない(主に受け・東原が)意地っ張り期間なのです。それが事件を経てどう溢れだすのか、というのがこの話でした。

年月による積み重ねがある恋愛感情、というのはやっぱり良いですね。私はしっかり仕事面を話に盛り込んでほしいお仕事BL好きですが、年月が存在すれば、仕事面が多くても恋愛面が薄くならないので。
その点でこの話、仕事と恋愛のバランスはかなり良かったと思います。
事件とその展開は重たくなりすぎず、かといって軽くもなくて、突っ込みどころもあまりなく(BL的ご都合主義はまあ、許容範囲内でした)。
恋愛は、口喧嘩や信頼で出来た薄膜一枚のすぐ下に走る緊張感と、それに揺さぶられる熱情、追い詰められてすっと定まる感情と覚悟(…etc.)の描かれ方がさすがに上手くて、自然に入り込むことが出来ました。

ただ、惜しいなあと思うのが……序盤、二人のライバル関係だとか能力・実績がほぼ伯仲であることだとかが強調されている割に、実際はあまりそう見えないことですね。
攻め・御門はかなり作中で能力を見せつけていましたが("情報屋"多用という少々チートな有能さとはいえ)、一方の受け・東原が活躍しない。地の文は東原視点が多く、かなりしっかりしているので読者が無能な印象を受ける、ということは全然無いのですが……いかんせん、捜査上で目立った活躍・見せ場が全然無かったのが残念でした。
拳銃だけは術技で唯一受けが攻め勝る、という記述からの、絶対に受けの発砲があるだろう!という予想も裏切られ……うーん。
結果として、捜査上で完全に東原が受け身に回ってしまっているのが何とも惜しい。

ので、私のようにがっつり実力伯仲のライバル関係!ってのがお好きな方には、物足りないかと思われます。


――とまあ色々と書きましたが、全体でみて結構良かったので評価は「萌」で。

遊んでいるようで意外と一途&ストイックな俺様攻めと、堅物でツンツン、クール(?)な受けの喧嘩ップル。
話の展開、萌えの押さえどころなんかはさすがに安定感があるので、そんなカプのじれじれっとした関係性が好きな方はまず、読んで外れはないと思います。

4

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