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第一話
第二話
第三話
で、3人の男性と恋をしては失恋をする健気で馬鹿な未来君が
最終話で幼馴染の日平と……
という話です。
純真無垢な未来くんがだんだんと無意識ビッチになるのが複雑な気分になりますが
最終話のラスト、
日平と未来くんの会話のシーンが本当に素晴らしくて!何度も何度も見返しています。
最後のシーンの日平くんは高校生らしからぬ包容力で未来くんを立ち直らせるわけですが
彼の葛藤や思考は高校生らしい青さもあって、
特に書き下ろしでの日平にはたまらないものがありました。
高校生らしい高校生BLだとおもいます。大好きです。
それにしても未来くんは男運が悪すぎですw
第一話(冬)高校の1つ上の真面目な先輩×未来くん
第二話(春)オタクコミュ障大学生×未来くん
第三話(夏)謎のリーマン×未来くん
最終話(秋)幼馴染と未来くん
書いてて気づきましたが
未来くんは1年で季節ごとに4人の男の人と恋をしてるのですね。
表紙下の書き下ろしイラストで日平とは次の季節を迎えててよかった。
収録作品
「いとしの未来くん」
第一話/Cannna Vol.29(2013/4)
第二話/Cannna Vol.30(2013/6)
第三話/Cannna Vol.31(2013/8)
最終話/Cannna Vol.21(2013/10)
かきおろし/表題作CP番外編「Let's become a lover.」7頁
あとがき/表紙下・描き下ろしモノクロイラスト2枚と作者直筆コメント
カバーデザイン:HIRATANI Misako
Cannna Comicsの背表紙の色の部分が柄付なのを初めてみました。
同柄の帯がステキです*^^*
吉田ゆうこ先生の書かれたタイトル文字もすごくいいです。書影がでたときから発売を楽しみにしていました。
書店特典のかきおろしイラストカードは、赤いマントと王冠をかぶってキョトン顔でチクビを出す未来くん・
ピンクのハートクッションをぎゅっとする未来くんで……
田舎住みのわたしは手に入れ損なって涙してます……うぅ……
惚れっぽくて一途で純粋で、付き合う相手に合わせて自分を変えてしまう危うさや軽率さを見せる未来くんに、魅力を感じるかそうでないかで見方の変わってくる作品だなと思います。
作品の中で、未来くんは何度も恋をして失恋をします。未来くんはその都度相手のくれる愛情を欠片も疑わずまっすぐに摂取して、すくすくと恋愛をします。
BLの様式美で、当て馬に迫られた際に(攻めさんとのキスの時と違う…気持ち悪い…)みたいな感じで最終的に結ばれる攻め以外の男を生理的に受け入れられない受けの心情描写がよくありますが、個人的にああいうのがあまりリアルに感じられず好きではないです。
なので、日平くん以外の男性ともその時々でどこまでも真摯に純粋に恋をしてしまう未来くんが、少し可哀想で、とてもかわいいなと思いました。
未来くんの気持ちで何度もまっすぐに恋をして理不尽に失恋して…というやるせなさへの感情移入以外にも、日平くんの気持ちになって、未来くんの危うい恋愛を一番近くで見守りつつ、次々自分では無い誰かを好きになってかわいくきれいになってく未来くんにやきもき切なくなる。それでも何度でも未来くんに恋をする…という読み方もできるのかなと。
ラストは、お互いにお互いが眩しくて愛しくて、ゆっくりもじもじと進んでいく二人が本当にかわいくていとしかったです…
個人的に田中太郎さんのオトナなずるさがすごく好きなので、未来くんの無垢なまなざしが太郎さんに残したもの、みたいなものを太郎さん目線でも感じ取ってみたかったなと思いました。
繊細な筆致の、線の細い登場人物全員に独特の空気感と趣きがあって大好きな作品です。
可愛い絵で相変わらず人間の心情を巧みに描くなぁ、というのが第一印象でした。『HEARTY』でも感じたんですが、吉田先生の作品は「好き」という感情について様々な角度から考えさせられます。主人公である未来は、非常に素直で純粋で、誰からも好かれるようなキャラクター。しかし、良からぬ人まで引き寄せやすい性質でもあり。学校の先輩から始まって、特殊な性癖を持つ大学生や、一時の癒しを求める大人など。未来のことが好きな幼馴染の日平は、ただ彼を見守りながら、心配が高じると時折首を突っ込む日々が続きます。
最初の先輩はともかく、未来の性的な写真を撮ったり彼が痴漢されても興奮してしまったりする大学生や、最初からすぐ別れが来ることを分かっていながら未来を唆す大人は、客観的に見れば酷い人間。でも、彼らと付き合う時、未来は毎回真剣に彼らのことが好きで、彼らもまた未来のことをちゃんと好きなんですよね。きっかけこそ確かに受け身なものの、自分を好きと言ってくれた相手と一緒にいるうちに、自分も好きになっていくことってよくあると思います。未来にとっては本当に1つひとつが大切な恋愛だった。だから、未来のためと言って勝手なことをする日平に怒った彼の気持ちにも共感しました。
結局未来は日平の方から何か行動を起こされるまでは、彼に恋愛的好意はほとんど見せませんでした。他人との恋愛を見守られているだけの間は、あくまで未来にとって日平はただの大切な幼馴染でしかなかったんんでしょうね。そして、日平が重かった腰を上げることでようやく2人の関係が進展し始めます。自分を好きになってくれた日平のことが気になって、だんだん好きになっていく未来。
彼はふらふらした人間なんでしょうか? 流されやすい人間なんでしょうか? 私はそういう彼の気持ちも立派な「好き」だと思いました。未来が好きな人にだけ見せる表情の可愛さを見れば、彼がどんなに日平を好きになっていったかが手に取るように伝わりました。一方で、日平も初めて自分から行動して「いとしい」という感情を知ります。「好き」と「いとしい」が交差する瞬間はこんなにも尊いものだったのか。自分の「好き」も他人の「好き」も大事にしたくなる、そんな素敵な作品でした。
吉田先生コンプリートへ未読作品を少しずつ読み進めているのですが、どの作品も素晴らしい吉田先生ですが今作は特に素敵だと思うのでかなり以前に出版された作品ですがここに記したいと思います。
父子家庭で父親が海外単身赴任のため幼馴染の家生活している未来くん。静かな子だけど人を惹きつけるものを持っていて、ある日先輩の男性に告白される。戸惑う未来くんに相手は自分をして欲しいと言う。誠実でありたいと思っている未来くんは彼の気持ち受け入れてやがて彼を好きになるけど…。
好きという気持ちの不確かさ脆さを虚しさを数人の相手を通して体験する未来くん。
次々に告白されたり側にいてもらった相手を好きになり、少しずつ体も許すようになるんだが、個人的にはビッチには見えなかった。
恋は脆い。
誠実でありたいからこそ相手を疑わず相手をよく見つめ、内包しているだろう寂しさのためか相手の寂しさに反響するのか、相手を好きになる未来くんの好意の変遷が悲しく美しい。
たどり着いた彼とは未来くんにとっては誠実の真逆に始まった関係だろうけど彼の誠実さを受け止めて二人想いを育てていってほしい。
最後ベットで語られるモノローグが本当に素敵。
吉田先生は先生にしか書けないお話といつも思うけどこのお話もそうだった。痛く切なく可愛くて美しい。
主人公が毎回違った相手と恋をする連作です。
大人しくお人よしな未来がいろんなタイプの人物と次々に恋に落ちる…こういうストーリーを昔少女漫画で読んだ事がありまして、ストーリーそのものは既視感を感じました。しかしこのお話は未来が惚れっぽいわけではなく(十分惚れっぽいのですが)毎回惚れられて、告白されて、お付き合いすることになります。
未来は優しくお人よしと言うか、はためには流されているだけのように見えます。
しかし、幼なじみの日平に言う、「ほんとに好きだった」という言葉には胸を打たれました。恋ってなんなのかを考えてしまうお話です。
自分の今のこの歳で、10代の学生が「初めてお付き合い」をしたり、「初めてキス」している恋愛漫画を読むと初々しいと思いますが、この恋が最後の恋ではないだろうと思います。
惚れっぽいのが学生のときの恋で、手をつないだり、一緒に図書館に居たり、それだけで火照ってこの人が好きなんだと思うのが10代の恋なのではと思います。
未来の「ほんとに好きだった」という台詞にはその10代の恋の全てが集約されている気がしました。
ラストは予想できるように描かれています。未来は何度も失恋して何度も泣きますが、最初からラストにむけての安心感は持てる作品です。
とても未来のある終わり方で、こういうラストが好きだと思えました。