あと何回、一緒に食卓を囲めるのかな。

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表題作焦がれて焦がして

古山 悠次
カフェバーオーナーシェフ
常川 総一
サラリーマン

同時収録作品ある日森の中で

森杖 健人
粘菌同好会員
音更 モエギ
高校2年

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

生まれ育った田舎町を出て自分の店「プレール」を持った料理人の悠次(ゆうじ)。
美味しい料理と酒を出す、充実した日々…のはずが、
心の片隅にはいつも幼馴染みである総一(そういち)への片想いがくすぶっていた。
そんな想いを試すように、再会は突然訪れる。
仕事でやつれた総一に料理を振る舞うことになった悠次。
一目で溢れ出してしまう恋心に戸惑いながらも、彼はただ愛おしい人への食事を作る。
切ないのにどこかあたたかいボーイズ・ラブ、noji デビューコミックス。
表題作の他、森の中で変わった男を拾う読み切り作品を収録。

作品情報

作品名
焦がれて焦がして
著者
noji 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ふゅーじょんぷろだくと
レーベル
POEBACKS Baby comic
発売日
ISBN
9784865895537
4.1

(252)

(115)

萌々

(85)

(36)

中立

(12)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
29
得点
1035
評価数
252
平均
4.1 / 5
神率
45.6%

レビュー投稿数29

優しく沁みる、料理と幼馴染への恋心。

ほのぼの系が読みたいなーーと表紙買いしたこちらの作品。これが初コミックスの作家様です。
あたたかい雰囲気と、美味しそうなお料理と。
あらすじ・絵柄ともに、とても惹かれました。
幼馴染の片想いものです。

田舎から出て、カフェバー【Prele(プレール)】をオープンしたシェフ・悠次は、お店の近くで幼馴染の総一と再会します。
実は幼い頃からずっと総一に片想いしている悠次ですが、いろいろ考えすぎて連絡するタイミングを逃していたところでの再会でした。
ところが総一は多忙な仕事によるストレスで、食生活はボロボロ。
痩せてやつれた姿を目の当たりにした悠次は、総一に手料理を振る舞うことに…

久々に人間らしい食事をした総一は、自然と涙をこぼしてしまいます。
そんな総一を心配した悠次は、総一と過ごす時間を手に入れたいという下心はありつつも、「親友として」食事の管理をすることを提案し、一緒にいる時間を手に入れるのですが…

とにかく雰囲気が優しいです。
たれ目でお母さん的な雰囲気のワンコ系な攻めと、涼しげな目元の黒髪イケメンな受け。
幼馴染らしい、兄弟のような親友のような、でもそのどちらでもない、独特の空気感。
徐々に「恋人同士」になっていく過程での、照れや恥ずかしさのようなものが伝わってきて、すご〜〜く甘酸っぱいんです♡

悠次の作るあたたかい手料理によって、生気を取り戻していく総一。
そんな総一ですが、実は悠次の気持ちには、幼い頃からずっと気付いていて…

中盤からは、手料理に胃袋を掴まれた総一が、悠次からの告白を引き出して恋人になる様子が描かれます。

エッチに至るまでのジレジレ感とかモダモダ感とかが、たまらなく好きでした。
こっ恥ずかしいのがよーくわかるのよー(〃ω〃)
幼馴染とエッチな雰囲気になって、優しくキスとか愛撫なんてされたら、どんな顔してりゃいいのか、そりゃわからんよね〜!!!

なんて、勝手に同調して悶えちゃいました。

カフェバー店員の沼亀くんのちょっと不思議で面白いキャラクターや、バーテン鷺さんのミステリアスな雰囲気も素敵でした♪
鷺さんはレズビアンで彼女持ちなんだけど、彼女のこのエピソードが決してストーリーの邪魔になっていなくて、普段女性キャラにはあまり興味のない私ですが、ちょっと彼女の裏話なんかも見たくなってしまったほど。
特に出番は多くないんです。
だからこそ、脇役の働かせ方のうまさを感じました。


●ある日森の中で
森の中で出会った、高校生のモエギと、菌類の研究をしている不思議な男・森杖のお話。
田舎の高校生に訪れた、甘くてちょっぴり刺激的な恋。
短編です。


春の病でしょうか。
暖かくなってくるとぼーっとして、全然頭が回らなくなる私です。難しいものを理解出来る気がしない(^^;;
よって最近は、ほのぼの系や優しそうな表紙に惹かれがち。
そんな今の私に、とても優しく沁みた一冊でした(^-^)

ひとつ残念だったのは、回想シーンへの突入がわかりづらく「あれ?」と、時間軸の迷子になる場面があったこと。
服装の違いなどで判断しながら読んだので、読者にわかりやすい工夫があると嬉しいな、と思いました。

初コミックスとのことで、期待を込めて評価を入れさせていただきます。

18

「僕」の破壊力

書店でたまたま見かけ、表紙とあらすじに吸い寄せられ購入しました。
表紙からも伝わる通り、あたたかくて優しく丁寧に描かれた読後感の良いお話でした。


舞台は北海道。幼い頃はよく遊んでいたものの、子供から大人になるにつれ少し疎遠になってしまっていた幼馴染との再会ものです。

大型犬のような明るさを持ち、かなりの心配性で、ややお母さんっぽさのある悠次と、クール系美人で男らしくさっぱりとした性格なのに、食生活に少々難ありの総一。
幼馴染2人の、気を許している者同士ならではの自然なやりとりが所々で垣間見れるのがすごく魅力的で、
何気ない日常会話や仕草に、もう、もう、とにかく癒されます…!!
なんでしょうこの感じは…言葉に出来ない……最初から最後まで優しくて可愛い…
総一の一人称が「俺」かと思いきや、クールな外見に反して「僕」なのもギャップがたまりませんでした…!

作者さまは今作がデビューコミックスとの事で、完成度の高さに驚きました。
背景や小物・食事シーンはもちろん、サブキャラクターなど1ページ1ページ細部まで描き込みをされているので、何度も読み返したくなりますし、2人の生活風景をこっそり覗かせて貰っているようでワクワクしました!
今後の作品もとても楽しみです。

あまりにも素敵な作品でしたので、いてもたってもいられず初めてレビューを書きました…。
幼馴染ものが好きな方や、優しいお話が読みたい方、心休まるようなお話が読みたい方におすすめしたい作品です。

15

凄いデビューコミックス!!

ほんわかしていそうな絵柄のジャケとあらすじで俄然興味を持ってしまったんですが
個人的に大当たりです!!やったー!!!

幼馴染の総一にずっと隠していた恋心が再燃して
ありえないと思っていた幸せが急激に絶頂期を迎えて
そしたら総一の“普通の幸せ”を考えちゃって悪夢を見るわ自分からつっかかっちゃうわで愛おしすぎる悠次がもう最高!!!!!!!
すぐ顔に出ちゃったり、はしゃぎ過ぎる気持ちを自制しようとしたり
健気な攻め大好きでもうどうしよう…!!

総一が男らしい性格なのに一人称“僕”なのがちょっと勿体ない気がしましたが
ここに萌える方もいらっしゃるかと思います。
総一の方が悠次より背が高いのも結構よき!
涼やかな目元が、優しい垂れ目の悠次と真逆でどちらも好ましいんです。

弱ってる時に悠次が作る美味しいご飯に餌付けされるとか
タイミングが悪い時に何日も会えなくなっちゃうとか
定番展開なのにぐいぐいぐいぐい惹き込まれてしまいました!!
丁寧なエピソードだったり脇役のメンツも優しくて
あと会話のセンスがなんだかとても好きで
私の語彙力ではお伝えできなくて申し訳ございません…。

読み切り作品を収録しなくても分厚いのに
可愛らしいお話も描き下ろしも読めて幸せの余韻が続きます。
何度も読み返したくなって時間があっという間で困りましたww
お互いが好きでしょうがないことがわかるタイトルも大好きです!!!

14

やさしい素敵なお話です

優しいお話で読み終わった後はしあわせな気持ちになります。
お話の内容は田舎に住んでいた幼馴染の男の子達が
別々の進路を歩んでいたところある日東京で偶然再会して…という
王道っぽいストーリーではあるのですが、
登場人物がとても魅力的で楽しく読み進められました。
サクサク進むけどこの後どうなるんだろう…というドキドキ感もあります(笑)
あとなんと言っても絵のタッチが好きです。
全体的に優しいです。素敵。

私は同人作品で存じ上げていた作者様だったので迷わず購入しました。
お話の雰囲気が表紙ととても合っていると思います。
表紙で気になっていた方やほっこりした雰囲気がお好きな方は是非。

6

噛みしめるような作品

気持ちの良い読後感。
いいもの読ませていただきました。


まず絵が上手、ハルタ系な感じ。

もともと好きだった2人が(告白はしない)大人になる前に分かれて都会で再開する話。

主人公が料理人で、ちょっとしたきっかけでご飯を2人で囲むことになるのだけれど、そうしている間にもどんどんと好きを再確認して、ついには想いが溢れてしまう、、という。

「あと何回、一緒に〜」っていうカバーのコピー、読む前は正直「重すぎでしょ…死ぬの?」くらいに思ってしまったけれどここでド納得。

気持ちが溢れてた結果、寝てる間にキスして「ごめん…気持ちわるいよね…」という展開は親の顔よりもみたけど、うじうじなやんだり引き伸ばしたりせずスピーディーにその話で2人を結んだのがよかった。説得力もあった。

合間に挟まれる過去の回想や攻めの癖について指摘するシーンがあり、2人の関係性の深さと長さを端的に表現していて好印象。

結構あっさりくっついたような印象もありそうなものだけど、再開ものだったという前提や過去の関係性を描いていてくれたこともあり、わたしは違和感なかった。
読み返すと、最初に再開した時の受けの驚き方は、普通の郷友へのものではないし、そもそも毎日ご飯食べに行くことを了承するって精神的に追い詰められていたとは言え、元が相当な関係性だよな…という。

中盤受けがご飯を食べるシーンが3コマで表現されており、店の部屋、厨房、攻めの部屋、という、距離の移り変わり、表情の変化で時間の経過と気持ちの変化を描いていて、本当に鋭い漫画表現だと思った。

また、2人の周囲の人間、職場の人も描きすぎず、描かなさすぎず、かつキャラも立っていて、2人の都会に出てからの人間関係を表現するのに一役買っていた。そこまで閉じた世界感でないことが良かった。

受けが意外と嫉妬深かったり悪い方向に暴走してしまうのもよくあるパターンに感じたけれど、ここの攻めくんはちゃんと冷静に自分をみれていて、「よかった…ちゃんと大人だ…!」と思った。

受けの男前美人とのSEXシーンはなかなかエロス。ありがてぇ〜〜。表現はソフト。
この男らしい美人が受けちゃうのか…というヒリヒリ感もあってよかった。
いざ挿入しますよ、というシーンで受けの裸体が俯瞰で描かれたコマがあり、「この人は…男!」という感じがしてとてもよかった。

肝心のフード描写は意外とあっさりしていて、最初のパスタのコマで「え!?マジ!?」とおもってしまった。しかしこの漫画はどちらかというと食がテーマというか食卓とか、生活の中に組み込まれた食、が重要なのかなと思い直したのであれくらいのノリがちょうどいいのかもしれない。

タイトルが本当に秀逸。焦がれる気持ちと焦がした気持ち(笑い)
タイトルも含めた作品、トータルパッケージとして納得感があった。

話の進め方も描き方も実際の絵も丁寧で、噛みしめるように読めました。
結構な高野豆腐、みたいな作品。
次回作もとてもたのしみです。


6

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