私はお前が欲しい――

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表題作彼方此方で逢いましょう

シャーラ 次期国王
仙波沙羅(ハア) 華道名門の次期当主

あらすじ

由緒正しき華道の名門家元・仙波家の次期当主である沙羅は、平凡で退屈な自分が家を継いで良いのかと悩む日々を送っていた。
いよいよ「後継の儀」が迫ったある日、離れの鏡に吸い込まれた先の花咲き乱れる“異世界"で、目を見張るほど美形な褐色の青年に出会う。
現実離れした状況と、自らを「次期国王」と名乗り馴れ馴れしく接してくる青年に反発する沙羅だが、青年の境遇が自分とよく似ていると知ったことで、徐々に心を開いていき――。

「あちら」と「こちら」に隔てられた、ふたりの恋の行方は! ?

作品情報

作品名
彼方此方で逢いましょう
作画
雪林 
原作
久松エイト 
媒体
漫画(コミック)
出版社
Jパブリッシング(ジュリアンパブリッシング)
レーベル
arca comics
発売日
ISBN
9784866692159
3.8

(92)

(19)

萌々

(41)

(28)

中立

(3)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
18
得点
346
評価数
92
平均
3.8 / 5
神率
20.7%

レビュー投稿数18

ネタバレかも!

凄く面白かったです!本当キュンキュンしたし、最後どうなるかとハラハラしました...絵柄もストーリも本当に素敵で、見ていて心が満たされました!

0

お花がきれい

華道の家元の跡継ぎと、異国(アラブ)の王。
何のつながりもないようでいて、実は主人公(次期お家元)の部屋の鏡が二人の世界をつなぐ。。

鏡の国のアリスのように、姿見が違う場所をつなぐという設定。
ファンタジーかと思いきや、接点のなさそうな二人が出会うというところだけがファンタジックで、お話自体はラブストーリー。

自分の華道をどうつくるかに悩む主人公が、アラブの王という白馬の王子様的存在に見初められ、大切にされ、彼の豊かな花園で道を見いだしていくというシンデレラストーリーでした。

登場するお花がきれい。
華道のことも少しでてきます。

あまり難しいことはなく、王道ラブストーリーを楽しめる作品。

0

どこか夢のような素敵なお話

ファンタジーとアラブもののイイとこ取りしてロマンチックと和風テイストを加えた、どこか夢のようなお話でした。真面目に読むとツッコミどころ満載なので、ふわっと楽しむのがオススメ。この雰囲気にハマった者勝ちな感じです。
別々の場所に住む二人が、鏡を通して互いの部屋を行き来できるようになるお話。この二人の設定がなかなか面白かったです。
攻めは次期国王となる王子、受けは華道家元次期当主。それぞれが自分の立場に絡む悩みを持っています。触れ合ううちに、不自由さからの解放を感じていたり、新しいものに触れる喜びを覚えたりと、切なくも温かいです。
山場への流れだけは残念だったかな…独りよがりな思い込みからの勝手な拒絶のベタ展開。その後攻めが飛行機でやってきて都合よく見つけるのはさすがに無理がありすぎでした。鏡は壊したはずなのに再度行き来できるようになってるのも不思議。
とまあ引っ掛かるところはありますが、全体の雰囲気や見応えのある画面、キャラの魅力などもあってとても好き。読後感が良く満足度も高かった作品です。

1

作画が美しい

久松先生ってもっと絵柄荒くなかったっけ?と思ったら、作画が雪林先生でした。こちらはお初の作家さん。作画のみ担当されるだけあって、線が大変綺麗です。

てっきり異世界かと思い込んでいたら、飛行機でも行き来できる現実世界とは!
王族や名家でありがちな男同士=子を成さないという問題はまるっきりスルーされています。作画は綺麗なので原作付きの理由が分かるのだけど、ストーリーは特筆するところがないというか…わざわざ原作分けるほどの話かしらという印象。一冊だとやや駆け足なところもあり。

0

鏡の向こうにいた「自分」

何かの拍子で異世界や異国、別の時間軸に行ってしまう設定は、嫌が上にも切なさを掻き立てられるものですが、こちらはストレスフリーに読めるファンタジーでした。

某国の次期国王として崇められ、「畏れ多い」と目を合わせる者もいなかった「名無し」。
華道の次期家元として期待され、周囲が見ているのは「看板」だけと感じていた「ハア」。
名のある家に生まれたせいで、「自分」を見てくれる存在に出会えなかった2人が、ひょんなことからお互いの世界を行き来するようになるストーリーです。

「名前」が重要なポイントでした。
「名無し」の国では、名前を告げ合うことは、生涯を共にする大切な誓い。
そのために突然鏡から現れた沙羅(次期家元)に名前は告げません。
だから沙羅は彼を「名無し」と呼び、彼もまた沙羅が多用する「ハア」という言葉で沙羅を呼びます。
身分など関係なく、言いたいことを言い、自分を見てくれる。
お互いの部屋にある鏡を通って行き来できるという不可思議な現象のおかげで、そんな相手に出会えた2人。
お互いの文化や事情を知り、一緒にいる時間が増えれば増えるほど、相手を通して自分の姿が見える。
鏡を挟んだ別の国で、2人が2人とも同じような窮屈さを感じている。
「自分」とは一体何なのか。
相手を通して見ることで、答えに近付いていく2人が、かけがえのない存在になっていく様子がすごく自然。
気付けば世界観にどっぷり浸っていました。

分かり合うばかりではなくて、言葉足らずのせいでかんじんなところですれ違う部分は少し切ない。
けれど、そんなに引きずらずにクライマックスへ向かうので、理想的な恋愛をレール通りに進んでいく感じに若干物足りなさを感じました。
次期国王なのに、次期家元なのに、そんなあっさりでいいの!?という驚きが邪魔して、感動的な場面で感動に感情すべてを預けることが出来ず…。無念です。

周囲から見たら恵まれている環境ゆえに、誰にも理解されない孤独を分かり合える相手に出会えるのはまさに運命。
その運命が成就する過程をほぼ波乱なしに追っていくので、ハッピーエバーアフターなおとぎ話を読んだときと同じ読後感でした。

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