あんたといると際限なくムラムラするなあ

小説

  • やさぐれ天使は落ちこぼれ悪魔に甘すぎる

やさぐれ天使は落ちこぼれ悪魔に甘すぎる

yasagure tenshi wa ochikobore akuma ni amasugru

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作やさぐれ天使は落ちこぼれ悪魔に甘すぎる

緒世,便利屋業の元天使
夜羽,125歳~,落ちこぼれの悪魔

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

無愛想な天使が、けなげな悪魔にメロキュン

「なんなんだ、あんたは。可愛すぎだろ」

落ちこぼれ悪魔の夜羽は、ある人間に召喚され「ドS女王になってその男と結婚する」というトンデモ契約を結んでしまう。
だが夜羽は、その場に居合わせた美貌のやさぐれ元天使・緒世に一目惚れ。

緒世は、夜羽が一人前のドS女王になれるまで手助けすると言ってくれた
。 そんな緒世との生活は意外にも甘やかで幸せで、夜羽の恋心はどんどん高まっていく。
だけど悪魔の契約は絶対で!?

作品情報

作品名
やさぐれ天使は落ちこぼれ悪魔に甘すぎる
著者
小中大豆 
イラスト
すがはら竜 
媒体
小説
出版社
イースト・プレス
レーベル
Splush文庫
シリーズ
腹黒天使はネコ耳王子と恋に落ちるか
発売日
ISBN
9784781686189
3.5

(17)

(2)

萌々

(9)

(4)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
5
得点
59
評価数
17
平均
3.5 / 5
神率
11.8%

レビュー投稿数5

笑えて甘くて可愛いです!

「腹黒天使はネコ耳王子と恋に落ちるか」のスピンオフになります。
前作の主役組もちょこっと登場しますが、単品で問題無く読めます。

で、こちら、小中先生お得意の、笑えて甘くて可愛いラブコメテイストのファンタジーになるんですけど。
また、ただ可愛いだけでは無く、グッと心に響く部分があるのもお上手で。
いや、終盤が結構切ないんですよ。
個人的に、こういう愛し合う二人が離ればなれにって展開に弱くて。
この別離がですね、悲しいものでは無く、二人が幸せなるためにってのがポイント。
互いに想い合いながら、それぞれ別々の場所で頑張ってるよと言うのに、すごく感傷的になっちゃうんですよね。
コメディなのに、なんか泣きそう。

ところで、小中先生と言うと、甘くて可愛い作品を多数出されていてと、正統派のイメージだと思うんですけど。
ただ個人的にはですね、根っこの所がわりとダークな作家さんなんじゃないかと思ってまして。
ちょいちょい、痛い設定なんかをブッ込んできて、そこはかとなく闇を感じると言うか。
油断してると後ろからグサッとやられる、怖い作家さんってイメージなんですよ。
私にとっては。
が、今回、そういう闇は一切感じません!
切ない展開はありますが、純粋に想い合う二人と言う、なんとも優しいお話です。
いや、攻めの過去はちょい痛いけど。
まぁそんなワケで、痛いのが苦手な姐さんも安心して読んで下さい。

ザックリした内容です。
由緒正しい侯爵家の血筋でありながら、落ちこぼれの為に冷遇されている悪魔・夜羽。
突然、人間界に召喚され「ドS女王になって召喚主と結婚する」と言う契約を結んでしまうんですね。
召喚主でドMある人間・モブ田(通称)の要望に応えられなかった夜羽は、元天使で便利屋である緒世に協力してもらい、ドS女王の修行をする事となりますがー・・・と言うものです。

まずこちら、主人公である夜羽の境遇が、なかなか複雑でして。
侯爵家の生まれで正統な「召喚士」の血筋でありながら、魔力がてんで弱かったりするんですね。
その為、粗末な家に軟禁状態で暮らしてきたものの、今回なんと召喚されてしまった。
で、召喚されたからには「願い」を叶えなくては人間になってしまうのに、その為の魔力は無い。
そこで、召喚した人間・モブ田の願いである「ドS女王の嫁が欲しい」を、自らがなる事で叶える事にしたー。

こう、わりと不幸な境遇でありながら、前向きで明るく、またどこか抜けててと、読んでて無条件に好意を持っちゃうタイプなんですけど。
個人的には。

で、そんな夜羽のお相手となるのが、元天使の便利屋・緒世。
モブ田から「適当にやったら本当に悪魔を呼び出しちゃった!(どうしよう?)」と依頼を受け、居合わせる事になったんですね。
その流れで、夜羽を依頼人の気に入る「ドS女王」に仕立てるべく、手助けをする事になる。

と、ここまでの展開から、この後は緒世によるエロエロレッスンを想像されるんじゃないかと思いますが。
が、実の所、この二人の同居生活はひたすら甘くて可愛いものだったりします。
いや、緒世がですね、結構無愛想と言うか、言葉は少ないんですよ。
少ないんですが、住む場所も無い夜羽(+しもべ妖精)を自宅に居候させ、やたら先回りして細々と面倒を見てやる。

また、夜羽がですね、料理を作って掃除してと、新妻よろしくかいがいしく家事をする。
で、「手料理なんか久しぶりだ」と、嬉しそうに食べる緒世。
あれ? めっちゃほのぼの甘々じゃん?
肝心のドS女王の特訓すら、「嬉しいです」と健気な夜羽に、「あーっ、クソッ。なんなんだ。あんたは。可愛いな」てな感じで赤くなってテレる緒世と、こちらもめっちゃ甘々じゃん?

いや、これな!
世間知らずな夜羽がですね、(エッチな事をするとは分からず)特訓を普通に頼むんですよ。
で、「あんたはその、俺でいいのか?」と、こちらは正確に把握した上で、了承する緒世。
「頼れる方は他にいません」と夜羽。
低く呻き、「・・・分かった」と緒世。
て感じの、二人のズレたやりとりなんかも萌えちゃって萌えちゃって。
今回、コミカル路線で綴られるんですけど、こんな感じのズレたやりとりも、笑わせてくれるんですよ。

と、そんな日々を過ごすうち、緒世に対して特別な想いを抱くようになる夜羽。
「ドS女王になる」契約を破棄して、人間になる道を選ぶんですね。
しかし、二人の間には、まだ越えなくてはならない壁があり・・・と続きます。

ここまでひたすら甘くて可愛いのですが、ここからがちょい切ない展開。
いやね、実は緒世の過去と言うのは、結構痛いものなんですよ。
それを乗り越えたからこそ、彼が選ぶ道ー。
しつこいですが、こういう展開にめっちゃ弱い。
やたら感傷的になってしまう・・・。

とは言え、とてもあたたかいラストなので、ご安心下さい。
まぁ、展開は読めるんですけど、こういうお約束は大歓迎ですからね。
様式美ですからね!
こうこなかったら、キレるよ。

と、笑えて甘くて可愛くて、その上感動的でと、すごく素敵な作品だと思います。

11

幸せ気分で胸いっぱいです♪

大好きな作家さんの新刊!ということで、あらすじも読まずに購入しました。
で、中を見たら、『腹黒天使はネコ耳王子と~』のスピンオフと分かって、大好きなあの2人にまた会える♪と期待値が益々上がりました。

そして、肝心の本編ですが…。
大好きな甘々でした~!苦手な、痛い&切ないは一切ありませんでした!

大好きな相手といるために、2人とも天使と悪魔を捨てちゃう覚悟にキュンキュンしました。2人ともツラい過去があるけど、お互いの存在に癒されて、幸せになってる様子にも萌えて。不思議な出会いから惹かれ合うのも、エロエロ展開じゃなくて自然だったのも良かったです。
もちろん前作の2人も、良い理解者で友人だったのもホッコリしました。

優しくて甘々なお話に、幸せ気分で大満足な読後でした。

8

希望の嫁はドSな女王様!?

人間界で便利屋を営む元天使と侯爵家の末子の悪魔のお話です。

親族からも疎まれていた受様が攻様に助けられて幸せになるまで。

受様は名誉ある「召喚士」の家系である侯爵家の末の息子であり、
魔界生まれの魔界育ちの生粋の悪魔です。

豪華な白亜の城でかしずかれて育ちますが、100才の成人の際に
召喚士になれない事が判明し、両親から城から敷地内にある離れ
へと追い出されています。

以来25年受様は外に働きに出る事も許されず、離れとは名ばかり
で1Kのプレハブ小屋で、幼い頃から仕えてくれるしもべの猫熊
妖精と2人でカツカツの生活費で暮らしていました。

日常の細々したものを買うにも事欠く有様で、森の奥でひっそり
と野菜を育てたり、偽名で内職の仕事を探したりしてなんとか
暮らしていたのですが、ここ3か月はさらに切り詰めた生活を
余儀なくされていました。

というのも受様の召喚を防ぐお守りが壊れてしまっていたのです。
やっとお守り代が飼えるお金が貯まり、明日には熊猫妖精が買い
に行こうとしていた夜、受様が魔法陣で強引に人間界に呼ばれて
しまうのです。

受様が召喚された先は物置のような狭さの小汚いアパートの1室
でした。その場には受様を魔法陣で呼び出した地味顔の人間と、
慇懃無礼な金髪碧眼の美形男と仏頂面の赤毛の無精髭の男がいま
した。この赤毛の男が今回の攻様です♪

受様を呼び出した召喚者は、召喚の儀式がまさか成功するとは思
わずパニックに陥り、慌ててポスティングチラシで見かけた便利
屋に電話をかけます。

攻様は人間界で天使や悪魔に関する様々な問題の解決する便利屋
を営み、依頼を受けて現場にやってきます。金髪の美形男は攻様
の業務提携先の社長で、たまたま依頼を受けた時に一緒にいたか
らとついてきたのでした。

悪魔は本来、異界から召喚を受けたとしても単身で異界の穴を潜
る事は出来ません。適性を持つ悪魔だけが召喚士となれるのです。

そして召喚士は召喚した人間の願いを叶え、引き換えに人間の
死後にその魂を貰い受けるのですが、受様には空間を渡る能力は
あっても、望みを叶えるだけの魔力がなかったのです。

それ故に受様は長く離れに監禁され、買い殺しにされていたので
す。受様の能力不足を知った召喚者は詐欺だと契約を解除しよう
としますが、受様は召喚された時点で期日が切られていて、完遂
しないと悪魔から人間になってしまうのです。

なんとか召喚者が口にしたのは理想の嫁を出して欲しいというも
ので、彼の理想とは「クールビューティなドS女王様」でした。

美人なドSな嫁に精神的にも肉体的にもいじめて欲しいらしく、
攻様はそれなら受様がドS女王様として召喚者のパートナーにな
ればいいと言うのです。

果たして受様は召喚者の望むドS女王様になれるのか!?

小中先生の既刊『腹黒天使はネコ耳王子と恋に落ちるか』のスピ
ンオフで、天界から逃亡した天使と人間に召喚された悪魔のラブ
コメディになります♪

既刊の攻様が攻様の仕事繋がりで登場し、攻様繋がりで既刊の
受様と知り合う感じなので、単巻でも問題なく読めました。

攻様は行き場のない受様を猫熊妖精とともに自宅に住まわせ、
受様に人間界での暮らし方と召喚者の希望である理想の嫁になる
ために協力も惜しみません。

そんな攻様と過ごすうちに受様はすっかり攻様に惹かれていき、
攻様も受様を憎からず思うようになっていきますが、魔力ない
受様が召喚者の願いを叶えるには受様自身が理想の嫁になるしか
ありません。

どう転んでも受様の未来は前途多難なので、2人が恋を実ら
せるまでハラハラ&ワクワクで楽しく読めました (^o^)/

悪魔の契約って普通は人間に不利そうなイメージなのですが、
本作は受様の魔力が不足しているために悪魔側が徹底的に不利
なのも、悪魔の受様が苦労人な上に純粋で可愛いタイプなのも
イメージのギャップを上手くいかされていて面白かったです。

カバーイラストでパンダ(猫熊妖精)が拮抗縛りされていて、受様
も素敵なお衣装だったので、SM場面もあるのか!? とドキドキで
したが、調教場面はありませんでした。もし期待されている方が
いらっしゃったらご注意下さいね。

今回は悪魔と天使のカプで桐嶋リッカさん『ヘヴンズトリガー』
をおススメします。こちらは受様が天使です♪

5

可愛らしさがぎゅうぎゅう詰まっています

なんて可愛らしいお話!
『腹黒天使はネコ耳王子と恋に落ちるか』のスピンオフなんですけれど、私は本編よりもこちらの方が好きです。だって夜羽が本当に良い子なんですもの(あ、女性的な受けさんが苦手な方は合わないかもしれません)。

好きです、夜羽みたいな子。
魔界で名門『召喚士』の家系に生まれた夜羽は、人間界に渡る能力はあるのですが、それ以外の魔力がからっきしないため、人間に召喚されてもその願いをかなえることが出来ないのですね。その所為で父母から出来損ないのレッテルを貼られ、生家の離れ(ここがね、なんとプレハブですよ)に幽閉されて極貧の暮らしを送ってきたという『不憫受け』さんなんです。
でも素晴らしいことに不憫感が全くない。
幸せを知らないからなんですかね?
そう考えるとかなり可哀そうなのですが、パンダ使役妖精の仙仙と一緒に節約生活を送ったりしていた様子はそれなりにたくましい感じもするんです。生きることに前向きとでも言うか。

そんな夜羽が人間界に召喚されてしまうのですが、呼んだ相手の願いは「SMの女王様を嫁にしたい」。
当然のごとく夜羽にはそれを叶える能力はなく、出来なければ『悪魔から人間になってしまう』ペナルティが……夜羽を助けたのは『天界堕ち』の天使でかつ人間界で便利屋をしている緒世。「期限までに夜羽がSMの女王になって嫁げば良い」という提案をし、行き場のない夜羽と仙仙を自分の家に住まわせてくれることに。さてさて、夜羽は召喚の任務を無事行えるのでしょうか?

……というお話なんですけれど、お話自体は吃驚したりする方向のものではありません。
ただね、様々なシチュエーションでの夜羽の反応が異様に面白いのです。
緒世の見た目が、魔界で夢中になっていたゲームアプリのキャラ『ナイト様』に瓜二つで、萌えが発動しちゃう所とか(課金が出来ない所為でスチルをコンプ出来なかったエピソードが泣ける)食料品の買い出しに近所のスーパーに行って緒世に1万円を手渡され、大金を使って食材を買える喜びに打ち震えたり。
その全てが可愛らしい!

いやこれ、緒世じゃなくとも惚れるでしょう。私は惚れたよ。
何と言っても一番可愛らしかったのはこのセリフ。
「それではあの……もしかして私たち、相思相愛なんでしようか」
天然と言うか、もう深窓の令嬢ですよ。

心から「幸せになって欲しい」と思えるキャラクターでしたね、夜羽は。
甘々を通り越してデロ甘のお話をそれほど好んでいる訳ではない私ですらこれですもの。
甘党の方にはこたえ切れない一冊だと思います。

4

待ってます

小中先生買い。立派な角持ちの悪魔ちゃんですが、健気+生真面目天然うぶうぶちゃんで、捻り無しかなと思ったので中立より萌にしました。本編220P弱。「腹黒天使は・・」のスピンオフで、そちらのカプも少々出てこられます。そっちを読んでなくても大丈夫と私は思いました。

魔界生まれ魔界育ち、しかも召喚士の家系の侯爵家に生まれた夜羽(よはね)。落ちこぼれ的存在で、家でもプレハブ小屋に軟禁されたような生活をしていましたが、気づけば人間界で熊猫妖精の仙仙と亀甲縛りで転がされています。どうやら人間に召喚されたらしいのですが、その人間の願いは「クールビューティなドS女王様を嫁にしたい」とのこと。見かけだけはビンゴな夜羽が、嫁になるべく、ドS女王になる訓練をすることになり・・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
受けを召喚した人間、亜門+流可+流可の側仕えだった妖魔たちぐらいかな?

**内容に触れる感想

侯爵家の夜羽に対する扱いが、まあ酷い。スピンオフの方でも第一王子に対する女王の扱いが厳しいなあと思っていたのですが、第一王子の流可があまりにアホだったので、あんまり意識がいかなかったです。今回の夜羽ちゃんは、ほんまに健気でええ子で天然でうぶうぶで、なんら悪い所ないと思うんです。魔力があんまり無いからって理由だけで、そんな扱いするなんて、さすが魔族やわ・・・と変なところで感心しました。

多分勧善懲悪が好きなのだろうと思います。だからこんな手酷い扱いをしていた侯爵家の方々がね・・と少し残念でした。
あと、ひたすらせつない、真面目に待ってる・・という王道一直線なところが、するっと読めてしまったのも残念でした。なんでだろうなあ、いつまで待てばいいのかわからない、でも信じてずっと待ってるなんて、健気でいいじゃん!と一般的には思うのですが、健気すぎてダメだったのかな。女子っぽいビジュアルで、性格的に女子に置き換えても問題なさそうな感じだったので、萌えなかったのかな・・。

小中先生大好きなんですが、今作は今一つ盛り上がれなかったお話でした。残念。

3

この作品が収納されている本棚

マンスリーレビューランキング(小説)一覧を見る>>

PAGE TOP