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腹黒中級天使である攻め様と、魔界の女王を母に猫妖精を父とする、魔力や階級としては微妙な立ち位置だけど、第一子ではある魔界の第一王子の受け様。
攻め様亜門は更正保護官としてポイントを貯め出世して上級天使を目指していて、受け様の琉可は次期王として母親に認められるポイントを貯める為、人間界で出会う訳で。
流可は天使である亜門を落とすことができれば高ポイントゲットになるので、落とす気満々で恋人として付き合いだすのですが、ここですぐに私は思いましたよ。
コレ、亜門だって同じ事考えてるよね…。どうして気付かないの、流可ちゃん。
しっかり者の執事であるダミアン達まで、ホントに思いつかなかったの?
流可ちゃんかわいさの親バカ加減でまわらなかったのかしら。
ともかく、まったくの初心で素直で相手を疑うって事を知らない流可ちゃんは、おバカではあるのですが、それがどんどんかわいくいじらしくみえてきてとってもかわいい。
亜門は初めは本当に顔はにっこり笑顔でも、心の中じゃせせら笑ってんだろうなぁ、と思わせてくれる一筋縄ではいかないいけ好かない野郎だったんですが、流可ちゃんの素直さやかわいらしさに触れていくにつれ、どんどん本当に落とされていきながらも、でも認めたくない、と葛藤してるのであろう様がみれて、にまにまでした。
流可に嫌われる為だろうけど、亜門が流可ちゃんに悪態をついてるところでは、いくらなんでも言い過ぎじゃない?とグーパンチを繰り出したくなりました。
それでも、初めて恋を知る事ができて楽しい時間をくれた亜門の為にって流可ちゃんが出した結論は、潔くてアッパレ。
相手が自分を好きじゃなくても自分の好きな気持ちは変わりないし大事にしたいっていうのはなかなかに難しい事でもあると思うので、流可ちゃんって本当に自分を偽らないいい子だなぁ。
2度目の、想いを通じ合った後でのえっち。
何にも知らない流可に嘘八百な事を吹き込んで、それを「知ってるし」とやろうと頑張っちゃう流可のかわいらしさを堪能しちゃう亜門に、コイツめー、と腹黒天使ぶりを見ました!!
始めは軽いお話かと思ってました。
天使を落としてポイント獲得して魔界へ帰ると。
まあ失敗するだろうけどと。
だけど最後まで読んだら…。
泣けて泣けて何度鼻をかんだか。
生きることや生きる意味、誰かを愛すること、その人の役に立ちたいと思えること、本当の幸せとは何か?
亜門の彼氏ぶりがわざとらしいのに、流可がどんどん惚れちゃって。たまに剥がれる亜門の仮面。
流可は最初のうちは素直になれずツンツンしてたのが、本当に亜門に会うのが楽しくて、会いたくなって。
亜門が本当はどんな目的でいたか、自分のことをどう思ってるか聞いてしまい…。
そこからが流可の成長の見どころというか、全然軽い話じゃなかった。
家族同然の執事たちをどうやって守るか。亜門のためにどう生きるか。
嫌われてるのにそこまで考えて、泣けるよ〜。
そして最後だと決めて亜門に会いに行き、最後まで告げる流可。これでもうお終い。
そしたら亜門は…。
少しは予想してたけど、予想以上でした!
そうして人間界でずっと一緒に生きることになりました。めでたしめでたし。
にゃんこの流可も普段の素直で天然なのもとっても良かったです。
腹黒天使に夢だったとか、これが普通だと言われたら何でもしちゃうおバカな可愛い元魔族の王子でした。
小中先生のファンタジーは、どれもおもしろい。
この作品のモデルは、アニメ化された「かいぶつくん」なのだそう。
天界と魔界のエージェントが人間界で仕事を請け負う。
仕事内容は、ポイント制評価で、1ポイント1円。
頭が少々悪い魔界のプリンスは、顔だけは凄くいい。
黒い仔猫のようで可愛らしい。
顔だけはいいけど、奥手で、仕事は客から中途解約されて、いつも貧乏。
ライバルの天使に色仕掛けをかけて、仕事の邪魔をしようと目論んだら、
読みが甘いというか、頭が悪くて、ターゲット選択に失敗している。
仕掛けたつもりが、逆に腹黒天使の手管に落ちて、恋に嵌ってしまうおばかちゃん。
課題の「天使堕天」なんて、とっても無理。
一応王族のルカが更生したら、2億ポイント。
中級天使の亜門が墜ちたら、1億ポイント。
双方最初は打算ずくめだったけれど、恋をしてしまう。
結末は、ハピエン。
ルカは、天使のような悪魔。
そんなルカを母親は、期待はしていないけど、愛してはいたみたい。
亜門は悪魔のような天使で、生活力が高い。
こういう笑えるパターン、小中先生は凄く上手。
小中先生の大ファンですが、今回はその中でも更に好きなパターン。
タイトル通りかなり腹黒な攻めで若干好みは分かれるかもしれませんが、個人的に「その攻めがー・・・」と言った展開が大好きでして。
特に終盤では、かなり切なキュンな展開で読ませてくれました。
内容です。
人間界に修行に来ている魔界のプリンス・流可。念願の魔王になるため、今日も人間を堕落させようと頑張っています。そこで何かと「仕事」で邪魔をする事が多い、天使で「更生保護官」である亜門。彼を誘惑して堕天させようと思い付きますがー・・・。
天使なのに腹黒な亜門と、逆に悪魔なのにある意味とても純粋な流可というカップリングです。堕天させてやろうと恋人になったら、嫌味な亜門が絵に描いたようなスパダリになり、惚れさせるつもりが逆に惚れてしまう受け・・・という流れです。
こちらの受けですが、単純でややアホの子ながら、真っ直ぐでお人好しだったりします。攻めを籠絡するつもりが、共に過ごすうちにあっさり心を許しちゃうんですね。最初は彼のアホな部分に笑わせてもらえるのですが、読み進めるうちにその健気さにに切なくもキュンとさせられます。
そして亜門ですが、こちらは腹に一物も二物もあるタイプ。
ここが個人的にかなり萌えた部分なのですが、彼には彼の目的があって流可に近付く。しかし、流可の純粋な部分に触れるにつれ、人当たりの良い外面に綻びが生じてくる-。
あまりに純粋な相手に対して演技をするのが難しくなってくると申しましょうか・・・。たまに隠しきれず見せる苛立ちだったりに、とても萌えるのです。
そして、ここが個人的に大好きなのですが、鼻持ちならない攻めが、騙すつもりだった受けに本気になってしまうと言うパターン。あまりに真っ直ぐな気持ちを向けてくる相手に対して、好意を持たないままでいると言うのは、実はとても難しいのかもと思わせます。
天使を堕天させれば、魔界に戻る事が出来、更に魔王になれる流可。逆に天使を好きになって更生してしまうと、二度と魔界には戻れず、最悪殺されてしまうー。
流可の決断がとても健気で泣かせてくれます。そして亜門の動揺ぶりと、初めて見せる素の部分に萌えさせてくれます。何でしょうね~。往生際悪くジタバタしていた攻めが、観念するのにスカッとするとでも申しましょうか。文章力が無いため、何が言いたいかさっぱり分からなかったら申し訳ありません。
攻めのキャラクターに好き嫌いが分かれるかもしれませんが、個人的にはかなり好きなパターンで萌えました。「攻めが本気になっちゃう」パターンが好きな姐さん、ぜひ読んでみて下さい。
電子書籍で読了。美しく可愛らしい挿絵あり。
悪魔と天使がそれぞれの世界から人間界に降りてきて、お互いに自分に惚れさせようとするお話です。悪魔は他者を堕落させれば、天使は更正させれば、ポイントが付与されて位が上がるシステムになっているんですね。
魔界の女王の第一王子である流可は、父親が身分の低い猫系悪魔だったが為に魔力も弱く、長子なのにも関わらず「魔王になるなんて絶対無理」と母親にまで笑い飛ばされる始末。「人間界で一億ポイント稼いだら認めてあげる」と言われ、日本でポイント稼ぎをしています。でも、出自による身分差の大きい魔界では、馬鹿にされることも多かったためにひきこもり気味の生活を送ってきた流可は対人関係のスキルが異様に低くとても不器用。なかなか上手くいかない日々を送っています。でも、お付きの者たちの愛情に守られて育った結果、本質的にすれた所がない、綺麗な心を持っている子です。なんたって悪魔王子のくせに聖人と同じ名前ですからね。家族と言っても差し支えないお付きの者たちのために、そして自分を認めてもらうために、一発逆転を狙って、天使の亜門を堕落させようと決意します。
一方はアモン(悪魔)なんて名前を持つ天使。元々は下級だったのですがポイントを稼いで中級天使までのし上がって来た野心家。タイトルにも『腹黒』とされていますが、この人、初めはとてもうさんくさいんですよ。天使というより詐欺師っぽい。でも、読み進めていくうちに「あれ?腹黒なのかなぁ……?ちょっと違うんでない?」と思う様になりました。「この人も自分のことになると不器用になっちゃう人なんでない?」
小中さんの書く『不器用な人』はとてもいじらしくて、どことなく哀しい感じがします。
そう感じるのは、私たちも大なり小なり、こういう不器用さを抱えながら、ままならない日々を送っているからかもしれません。予定調和と言う人もいるかも知れないけれど、だからこその幸せな結末に拍手喝采いたしました。