【電子限定おまけ付き】【イラスト付き】
高校の同級生同士のピュアラブを数年にわたって追う物語ですが、タイトルどおり大部分が冬の話です。
学生らしいささやかで素朴なお付き合い。一緒に共通の友達を待つとか、相手の家で一緒に友達を待つとか、クリスマスにちょっと背伸びしてプレゼント交換をするとか、大概の恋愛物語だったら一回こっきりしか描かれないものを、何度も描いてくださることに斬新さを感じました。同じイベントを通して二人の成長や愛の深まりがうかがえ、ふふってなります。
冒頭から出てくるドロップス占いが印象的なのですが、それがトヨから伊吹へのプロポーズにかかっていて、感動的というかなにそれ素敵すぎない!? と。
黄色のドロップは、「好きだった人と再会できるかも 」
“再会”というと一回こっきりの事の様につい思ってしまうのですが、よくよく考えれば人は身近な人と毎日小さな別れと再会を繰り返しているんですね。
行ってきます・行ってらっしゃい
ただいま・お帰りなさい
と言い合うことを、君と末長く続けたい。そんなトヨの素朴な願いにして最高の口説き文句にやられました。
恋の矢印がトヨ→伊吹→洋平になってて最初はつらかった〜!切ない。2人の思いが通じ合って少しずつ関係を進めていく様が高校生らしくて甘酸っぱくて良かった。証拠隠滅しようとする2人の右往左往まで楽しく読んだ。あとがきにかえた最後のストーリーが現実の厳しさを感じさせて切なかったけど2人はこれからもずっと一緒にいるんだろうなと感じられる最後でした。缶に入ったドロップスで占いをするとか、その中身によって告白決めるとか高校生ならありそうな事で物語の素敵なアクセントでした。さがのひを先生のイラストがまた合ってて最高。
なんだろう、高校生ってこんなにかわいくてピュアできゅんなんだ〜ってしみじみですよ。
受け様の伊吹と、攻め様のトヨは高校一年のクラスメイト。
伊吹は、高校受験の時に事故にあい、同級生より遅れてトヨと、トヨの幼なじみの洋平とクラスメイトとなった。
事故の時に側についててくれて、自分を気遣ってくれた人が心の支えとなり、恋心を募らせていた伊吹。
恩人の落とし物の定期券のおかげで、名前だけは知っていた伊吹だけど、登校初日にその恩人と出会う。
その恩人の名前が洋平。
洋平に片思いの伊吹と、そんな伊吹に片思いのトヨ。
どうなるのかな、とドキドキきゅんきゅんで見守りました。
事故の顛末を自力で調べた伊吹。
トヨに告白するのがとってもかっこよかったです(^-^)
洋平視点のクリスマス会の様子がまたとても好きでした。
高校生、いい子達でかわいいなぁ。
でも、恋人になってからも、いろいろあるわけで。
「七色ドロップス」では、そんな2人の、嬉しい気持ち、悲しい気持ち、恥ずかしい気持ち、苦しい気持ち。
高校生のいろんな気持ちがキラキラでした。
初めて、えっちの予行練習的な事を致した時が新鮮。
そりゃ、みんながみんなして初めてが成功って訳じゃないですよね。
そして、その後始末のあれこれがまたリアル。
そうだよね、証拠隠滅しなきゃだよね。
慎重に、徹底的にもなるよね。
なんともピュアでかわいらしくて微笑ましいったら。
この2人の初えっちでは、どんなにか幸せな気分になることか、と思っていたので、次では大学生となりすっかり手順ても慣れた2人で、なんてこったい!!(゜ロ゜ノ)ノ
でも、とっても幸せそうでご馳走さま。
ドロップスが、最後まで恋心や思い出として、ステキに登場していて甘酸っぱい気持ち増量です。
高校受験当日の事故により、進学高校の変更を余儀なくされた二人の恋物語。
すでにたくさんのレビューがあるので感想だけ。
我が子と変わらない歳の子供たちの初々しい恋がおばちゃんにはまぶしいです。
高校受験の日、目の前で起こった交通事故の被害者・伊吹(受け)を助けるトヨ(攻め)の行動には頭が下がります。
受験機会の多い大学ならまだしも(一回でもチャンスを減らしたくないから”まだしも”ってことはないかもしれない)ほぼ一回しかチャンスがない公立高校の受験。
私なら受験を優先して大人に任せてしまうと思う。
そして、その判断を偉かったと褒められるトヨの両親は凄いと思いました。
私が親なら褒められるか自信ありません。
それ以降もトヨが伊吹が好きになった自分の親友・洋平との仲を応援する姿は本当に高校生かっていうくらい人間ができていて、早くトヨに幸せになってほしいと願わずにはいられませんでした。
二人が両想いになるまでは、トヨが受験のことで重荷を感じてほしくないと思っていたこともあり、誤解を助長させていたためじれったかったですが、両想いになってからは二人の恋心がかわいくてかわいくて・・・
二人でいる時に感情が高ぶってもっと先に行きたいけど、やり方がわからないずもどかしくてじたばたしている姿も読んでいてニヤニヤしてしまいます。
自称中学時代の彼女の登場でトヨが我に返り、このままでいいのかとひよってしまったのは仕方ないと思うけど、あれは二人の最初の試練だったのでしょう。
二人がちゃんと二人で生きていくということに向き合えたことはとてもよかったです。
洋平の二人へのフォローもかっこいい。
ただ、あの自称元カノは一体何がしたかったのでしょうか?
自称元カノが今でも付き合っていると話したせいで二人はすれ違ってしまいあわやってなったけど、実際に本人が出てくるわけでもなく、ちょっともやもやしました。
二人に試練を与えたかったからわざと登場させたみたいに感じてしまって・・・
もう少し自然な形での試練はなかったのかしら。
二人の恋は静かに穏やかに進み、大学卒業寸前の両親へのカミングアウト。
結局二人の両親には受け入れてもらえませんでした。
誰か一人でも二人を祝福してくれるともう少しすっきりしたかと思ったのですが、現実ではそれが普通なのでしょうか。
事故の世話で大事な受験を棒に振ってもそれを誇りに思うとまで言ったトヨの父ですら受け入れてくれなかったのがちょっと寂しかったです。
それでも、洋平が二人の関係を当初は冗談だと思いからかっているのかと疑ったりとまったく分かってくれなかったくらい彼には考えられない恋愛だったのに、それを否定しないでいてくれたことが本当に良かった。
この3人の友人関係も本当にいい関係だと思いました。
そして、話の端々に登場するドロップ。
ドロップ占いというものを初めて知りましたが(本当にあるのかな)、これが話をカラフルに彩ってくれました。最近は袋に入っているのばかり食べていましたが、久しぶりに缶に入ったやつを食べたくなりました。
穏やかな日常の中の(事故とかありますが)高校生の可愛らしい恋愛がとてもほのぼのしてて癒されるお話だったと思いました。