【電子単行本】【Renta!限定ペーパー付】
カチCOMI連載時から大好きだった作品です。
海沿いを辿る極道二人のロードムービーともいえる本作ですが、
キャラと海沿いの風景・人々・様々なエピソード……
どれをとっても情緒的で胸にきますーー
ヘマをした若頭の片岡は、
組員・小田島と熱りが覚めるまで二人で逃亡することに。
しかし、この旅には裏があり、
小田島は片岡を殺すことを命じられていてーー…⁉︎
はじめに申しておきたいのは、
片岡がとても魅力的だということ!
チャラくて適当なのに、情があり色気もある。
強引なようで不器用だし時々優しくて、
人を惹きつける魅力満載のお方です。
対する小田島は、無愛想な強面で、
心に色々な思いを複雑に抱えています。
だけど、セックスの時は妖艶で色気がすごい!
そして、仲間思いで本当は情に厚い男なのだと思います。
海沿いの街で出会った人々やそのエピソードが各話で描かれており、それがとても胸に響くものばかり。
子どもに託されたヒナを一晩中手で温めて守る片岡。
過去に何人も人を殺してきた男たちは、
命を奪うとこはできても、小さな命ひとつも守れない……
そこに矛盾と葛藤を感じました。
実は、片岡は小田島の親友の仇でもあります。
ここの状況説明が言葉で語られるわけではないのですが、
片岡に憧れていた親友が片岡の代わりに撃たれて亡くなったということだと思います。
小田島にとって唯一家族のような存在だった親友を失い、
その怒りの矛先を片岡に向けたのではないでしょうか。
しかし、片岡を憎みきれず惹かれていく小田島は、
片岡を殺すことができません。
片岡は小田島が自分を殺そうとしていることは分かっています。
このあたりの掴み所がないところも片岡の魅力なんでしょうね。
そして、片岡に抱かれる小田島はゲイでありながらも、
片岡が初めての相手いうというところには萌えました♡
小田島の処女を奪ったと知った片岡は、
小田島にプロポーズするのですが、
この時の片岡もかっこいい^^
片岡は遊び人なのに、小田島には誠実で一途だったと思います。
組長が亡くなり、危険覚悟で組に戻る二人ーー
組長の息子・桐井が仕組んだ刺客が片岡を狙いますが、
小田島が庇おうとし、その小田島を守る片岡。
片岡の前に出て振り返る小田島の顔……
とても優しくて片岡への愛しさが溢れていました。
庇って撃たれたあと、理由を問う小田島への片岡の応えは、
「守んねえとな おまえ俺の 恋女房なんだから」
最高にグッときました!
血だらけの唇でファーストキスをする二人に涙(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
とはいえ片岡は死を免れ、二人は組を抜けます。
逃避行はハネムーンだったのかな……と思える、
納得のハッピーエンドに胸アツです♡
小田島は片岡に一目惚れしており、
片岡はそんな一途な小田島に絆されていったのだと思います。
とにかく面白くてカッコいい作品です!
今までの浅井先生のテイストとは違いますが、
ファンの方も初読みの方も、
それぞれが楽しんでいただける作品だと思います。
刺青もカッコよくて見惚れてしまう^^
四代目を就任した桐井にもスーパー攻め様が現れるとインタビューで浅井先生が仰っていたので、ぜひそこもスピンオフで詳しくお願いします!
Renta!修正は白抜き
他の方のレビーで小田島が殺した人数の差異に気付きました!
父親と姉の子が小田島で、姉=母だったということですね‼︎
コレはキツい(´;Д;`)
教えてくださった方々、本当にありがとうございます。
スッキリしましたー
インタビュー記事を見て気になっていた作品。
殺伐とした設定なのでダークなお話かと思いきや、最後まで読むと案外、甘い話? 流れるようなきれいな線で描かれた絵がとても好き。
片岡が命を狙われている理由は、簡単に言えば、危篤状態に陥っている組長の跡目争い。片岡は実は、組長が愛人に生ませた子らしい(ここは最後の最後に、実は…と一捻りがありますが)。
で、正統な後継者である桐井は、組長が亡くなる前に、どうしても片岡を消したかった。
一方、小田島は七年前に、兄弟分と言っても過言ではないほど大切な親友を亡くしている。片岡は、その親友の憧れの対象でもあり、その死は彼をかばったことによるもの。
なので、小田島は個人的に片岡に対して、恨みも憎しみも抱いていて、殺すに至る動機も十分。うわー、どうなっちゃうのー?とかなりドキドキしながら読み進め……。
まあBLなので、この憎しみが愛に変わる訳だが、こういう愛憎入り交じった、一筋縄じゃいかない関係っていうのがとにかく萌える。
片岡もチャラいように見えてバカじゃないので、小田島が自分の命を狙っていることは気づいている。だけど表面上はヘラヘラしながら、24時間小田島と一緒にいて、体を繋げたりもしちゃう。このヒリヒリした緊張感がいい…!
一見、色恋に対していい加減そうな片岡が、小田島は自分が初めてだったと知った時、責任を取って(?)プロポーズするシーンが好き。人たらしというか、独特の飄々とした魅力がある片岡、どんどんいい男に見えてくるから困る。
小田島もそれまでずっと無表情だったのが、この頃にはかなり喜怒哀楽が出てきて、なんか可愛くなってる。
小田島は中学の時に自分の父親と母親と姉を殺していて(二人殺した、と言っているのは母親=姉だったのかな? 姉と父親の近親相姦?)、その家族の代わりになると言ってくれた親友も失い、ずっと孤独で、誰も信じられずにいたのだろう。
そんな彼だからこそ、クライマックスで、愛に突き動かされて自らとった行動は感動を呼ぶ。そして、その想いに応えた片岡のセリフがまた胸熱…。
二人の旅の結末を、ぜひたくさんの方に見届けてほしい。
Takk様はじめまして、コメントありがとうございます!
あの部分ははっきり描かれていないので、分かりにくいですよね。
私も確証がある訳ではないのですが、他に考えられるパターンが浮かびませんでした。
拙いレビューを細かい部分まで読んでくださり、ありがとうございました(*^^*)
命を狙われるチャラく見えて男前な若頭:片岡×悲壮な過去を持つ命を狙う舎弟:小田島
今まで読んだヤクザBL漫画の中でも最高で、読後はしばらく浸ってボーっとした。
それだけ片岡×小田島のラブだけではないヒリヒリした人情ドラマに、たっぷり浸った。
攻めの片岡が女好きでチャラく見せて、実は一途で懐がとてつもなく大きくて男前なところが素敵。
特に小田島が自らの命を狙っていると知りながら、巧く泳がせる態度が世渡り慣れた大人で!
また死にかけの雛鳥を温める、嫌がる女は抱かない、小田島の処女を貰ったと知ったら責任取って結婚する。
そういう優しさを持っている片岡を読み進めるうちに知っていき、どんどん惚れてしまった。
受けの小田島はあまりに辛い出生に自分の両親(姉)殺し、大切な家族のような仲間を喪った過去に衝撃を受けた。
だから愛に飢えた小田島が、実は好きな人である片岡に抱かれるときはあんなにエッチなのかと!
未完成の筋彫り龍の入れ墨が彫られた肌の醸し出す色気、生と死が隣り合わせのセックス描写が至高!!
撃たれた片岡と小田島の血まみれ初キスシーンはもちろん、旅の最後までドキドキさせられた。
組抜けして親の枷が無くなり、片岡しか執着する相手が居なくなった小田島はホロ苦くも幸せそうで…
それまで抱かれながらも常に緊張していた小田島とは違い、旅した車中で思い切り嬌声を出して抱かれて…
でも幸せを受け入れられない小田島が呪いのように出した銃に、対する片岡の度量深い対応に涙が出た。
場面変わって、沖縄でほっこり夫婦が南国でのんびりスイーツ販売ハネムーン…もっと読みたかったw
読んで結論は解かっているのに、何度も読み返しては萌えて感動することが出来る素晴らしいヤクザBL!!!
皮肉屋でよく喋る片岡と、表情筋死んでる小田島のバランスが最高。ロードムービー好きはかなりヤられる展開でした。説明を減らして、読み取らせるストーリー運びが秀逸。2周目も面白い。
先生背景描くのお好きなんですね。背景がしっかりしてる作品はやっぱり説得力が増す!
暴力団モノが苦手で、ヤクザを実は善人的描き方をする作品が好きではないのですが、この作品は結構しっかり畜生です。片岡を適当にあしらう蕎麦屋とか、旦那が拘置所にいる女、それを見る刑務官、田舎の小さな島、綺麗事ではないどうしようも無い世界が眈々と描かれている。
(追記:先生がTwitterで「刑務官の彼は密かに彼女に惚れてます。将来はどうなるのかな」と書かれてました。うーん微妙に知りたくなかった情報かもしれない。ならここに書くなよとすみません。失礼な話ではあるが哀れみの感情を持っていて欲しかったような気持ち。小田島が"社長"に向けた目線のような)
▼ネタバレ注意
"殺す"旅の理由が一つではなかったところ、うまいな〜と思いました。2回出てくる片岡の「寿司でも食いなよ」のセリフも好き。
ちるちるのインタビューで小田島は片岡に一目惚れって書いてありましたね。あのページの解釈がその通りだったので安心しました。小田島はずっと言わないのか。でもそんな感じ。
レビュー拝見すると疑問に思った方結構多いのかしら?実の父親と姉の近親相姦で生まれた小田島が、現場を目にして父親を殺し、姉の懇願で姉も殺した…ですかね。人を殺すには若すぎる年齢も、姉との年齢差の矛盾を減らすには納得できる。
電子限定漫画、かなりじんわり来るいい1枚だったのでオススメです。
ものすごく良かった!!
海沿いの町をあてもなく車を走らせる二人。
立ち寄る場所でその土地の人々とほんの少しだけ交流を持つものの、留まらず次の土地へと。
海から吹く風や磯の香り。太陽が照らす波頭。長閑で寂れた空気感。
そうしたものが紙面から感じられ、五感を刺激されながら読み進めました。
地元で少々問題を起こし暫く身を隠す必要のある若頭・片岡(攻め)と、片岡殺害の密命を受けて同行している小田島(受け)。
この二人の関係性がたまりません。
片岡は人好きする男前。チャラチャラしつつも肝の座ったイイ男。
小田島は喜怒哀楽がまったく表に出ないけれど、内に様々な想いを抱え込んでいます。
小田島はかつて相棒を亡くしていますがその原因が片岡であるため、そもそも今回の命令がなくても憎い相手ではありました。
ただ、片岡に対して同時に密やかな憧れや恋情も抱いていて・・・。
二人して腹のなかを見せないので、表面上は問題なく淡々と時間は過ぎゆき、時にはコミカルな場面が挟み込まれたりもします。
だからこそ、殺害を実行しようとする場面には(未遂だけれど)胸が締め付けられます。
こうした場面の緩急がとても上手で惹き付けられ、ページをめくる手が止まりません。
印象的な場面も多くありますが、私がグッと心掴まれたのは、片桐がセックスをしたことがなく、小田島に「あなたが初めての男です」と伝えると暫し考えた後に「うーん よし 結婚すっか」と言ってのけた小田島。
その理由は今までの相手は商売女ばかりで処女はいなかった。だから処女だった片桐に対して「責任はとらねぇとな」と。
なんて男前発言!
そもそも、片桐は小田島が自分の命を狙っていることに気付いています。
そんな相手に対して鷹揚というか考えなしというか。
でもこうした言動が魅力的で人を惹き付けてやまないのだろうな。
もちろんこの言葉に嘘やからかいの意はなく、なんの衒いもなしに出た言葉。
惚れちゃうよね。こんなの言われたら惚れちゃうよね!と読んでる私が興奮(笑)
一筋縄ではいかない関係。
環境も状況も厳しく、どうにもならないような場所から光あるエンディングに持っていった話運びが本当に素晴らしかったと思います。
胸のうちの葛藤を乗り越え、二人が選んだ道が平和であることを願います。
どうか血生臭い場所からいつまでも遠く離れていられますように。