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表題作匿名希望で立候補させて

生島直隆
29歳,エリートリーマンで三兄弟の長男
秋月史生
24歳,携帯ショップ店員

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

思い出のノートに綴られた、誰にも言えない秘密の持ち主は誰!?

作品情報

作品名
匿名希望で立候補させて
著者
海野幸 
イラスト
高城リョウ 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
ISBN
9784199009846
3.5

(50)

(11)

萌々

(19)

(12)

中立

(4)

趣味じゃない

(4)

レビュー数
11
得点
171
評価数
50
平均
3.5 / 5
神率
22%

レビュー投稿数11

ラブと謎解き

三兄弟とお隣に住む主人公(受)のお話。主人公は三兄弟の誰かと交換日記をしていくんですが、その日記は誰が書いているのか、書いてあることは誰のことなのか、という謎解き要素があります。日記から三兄弟の色々なことがわかってくるのですが、ラブと謎解き、比重は謎解きの方が多いかもしれません。
話はなかなか面白かったです。ですが謎解きや状況の説明みたいなシーンが多くて、もう少し心情でドキドキするようなところが読みたかったです。

0

交換日記で紐解かれる、こじれ三兄弟の裏側

表紙からすると一見4P…のようにも見える、こちら。
読んでみたら、全然違った…!(°_°)期待通りの面白さでした。

あらすじはなしで、感想のみを。

本当に海野先生の伏線の張り方、その回収の仕方、そしてお仕事面の細かく丁寧な設定はすごいなあ(語彙力……)と思わされるお話。

交換日記の差出人や、攻めが地元に帰ってきた理由なんかは、読者にはまあすぐに予想がつくんですが、それ以外の「日記に書かれた内容は誰のことなのか?」という謎とその背景描写が丁寧で、終盤、全てが明らかになる時には「なるほどね!」と膝を打ちたくなる気持ちに。

この”交換日記”ってものがなんだか懐かしくて、甘酸っぱくて良かった!青春再び。
自分も高校時代に友人グループ内でやってたなあ…なんて思い出して、ふふとなりました。

これからきっと、直隆は思う存分史生に甘え、史生にメロメロの史生は喜んで甘やかすんだろうなあ…と思うとニヤニヤが止まりません( ̄∀ ̄)

エッチ描写は少なめだけど…初めての時の直隆の「甘やかして」は反則ものだよー!!!…控えめに言って最高◎

終盤、弟たちから史生へのルーズリーフの手紙を見て嫉妬する攻め様に、思わず「一番仲良くしてるのは直隆さんです」なんて言っちゃう史生の可愛さも、胸きゅんでした。

0

購入して正解でした

隣家の幼馴染みのお兄さんへの片想いとか大好きなシチュエーションに、推理まで絡めてあって最後まで楽しんで読む事が出来ました。

こちらの作品はカバー表紙で損をしてると思いました。だってレビューを見なければ、4人の恋愛関係のもつれを想像してしまいます。
単に三兄弟と幼馴染みと知り、安心して購入しました。姐さん方に感謝です。

史生が鋭い観察眼を持っていて幼いころから直隆の本質を見抜いて、細やかな心配りをしていた姿に好感が持てました。
直隆の容姿やハイスペックさに隠れた弱さにもキュンと来ました。
直隆の史生にだけ甘やかな態度に、交換日誌の主は何となく察せられます。でも細かな内容に疑問が残って、最後まで飽きさせないんです。
それは次男の秘密と末っ子に降りかかった災難なんですが、直隆の活躍によって解決してました。

過去に自分の気持ちに鈍感だった直隆が史生を振った事を後悔してる点も良かったです。史生に真実を告げる直隆に萌えました。
振られてからも直隆の為に密かに心配り出来る史生がとても良い子で、彼の恋が実って本当に良かったです。

1

タイトルと表紙だけ見ると内容を誤解しそう

海野さんの作品なので、複数物ではないと判る安心設計ですが。

兄弟同然に育った三兄弟の長兄(攻め)は受けが告白して玉砕した相手。
その彼が地元に戻ってくる?! どうしよう!

……との二人のジレジレを下地に、秘密の告白というテイである日届いた交換日記。
内容は三つ書かれていて、この日記を書いたのは三兄弟の中の誰なのか?

うーん、ゴメンナサイ。
こういう謎要素が絡むと、恋愛模様よりも謎解きの方に意識がもって行かれてしまうんです。
コレは○○でこういう展開で真相はこうで……という具合に。

謎解き>萌え。
読んでるのはBL小説だ、と軌道修正が必要だった。

でも攻めの行動は好きだよ。執着具合が。

ファミリーものとしても攻めのニブ鋭さも受けの一途さもパーツを分けて読めば、
色々な萌えが見えてくる。
作品としては良いと思うので、私のような読み方をされる方はお気をつけください。

0

かつて振られた人との再会もの

海野さんのツイッターでセールのお知らせとともに「お隣に住む三兄弟と交換日記を始めたものの、日記を書いているのが三人の中の誰だかわからない。ついでに内容がヤバい。誰がこんな問題を抱えてるんだ!?と受が右往左往するお話です。」とあって、面白そうだなぁと買ってみました。

この交換日記に書き込まれたヤバイ内容というのは、「女装趣味があって、結婚してる人とヒミツで付き合ってて、男の人が好き」というやつ。
それを読んだ受けは衝撃を受けつつも、非常に誠実に答えを書き込む姿に、めちゃくちゃ好感度アップ。

相談してきたのは誰?という謎解きと並行して、三兄弟の長年の確執が明らかになっていきます。
見えていなかった、あえて見ようとしていなかったわだかまりが、受けの手助けもあって解消していくところが良かったな。

恋愛に関しては、三兄弟の長男が攻めなんだけど、受けの動向を監視してるのか?ってくらい何かと登場して、さりげに周囲を牽制したりするところが読んでてニヤニヤでした。
そして受けから「彼女がいる」という言葉(嘘なんだけど)を聞いて以来、受けが女性と仲良くする姿を見かけては「あの子が彼女か?」みたいに確かめてくる姿にもニヤニヤ。

そして一番の萌えポイントは、想い通じあった時の攻めの独白。
というのも、攻めはかつて受けの告白をあっさりと振ったことがあるんですよ。

7年ぶりに攻めが地元に戻ってくることになり、どんな顔して会えばいいの……と焦る受け。
で、気まずさを払拭したくて「(昔告白したことは)僕の黒歴史だし、もう彼女もいる」と受けは言うんですね。
胸の痛みと戦いながら必死で笑ってそんな嘘をつく姿に、あぁぁ……受け、かわいそう…と思いながら読んでた。

そしたら最後のほうで、それを聞かされた時の攻めの心境が攻めの口から語られるんだけど、もうね、ニヤニヤ〜!!!ですよ。
攻めざまぁニュアンスがあるというのかな。
そこがすごくツボでした。

2

3人のイケメン兄弟に囲まれる隣家の一人息子(但しハーレムではない)

両家の母親の都合で兄弟のようにずっと一緒に育った4人がそこそこ大人になり、拗らせた想いの成就と家族だからこそ拗れてしまった3兄弟の仲を修復する話。


隣家の3兄弟(直隆(攻め)・哲治・海里)と一緒に育った史生(受け)。
直隆は繊維会社に勤め、哲治は美容師に、海里は大学生、史生は携帯会社の販売員にとすっかり成長した今日この頃。
東京本社に勤めていた直隆が突然地元の支社に転勤になったというのです。
それを聞いた史生は焦ります。
実は直隆が初恋である史生は直隆が東京へ出発する直前に告白しており、「それは勘違いだ」と諭されたという黒歴史があったのです。
何故か哲治や海里も嫌そうです。
4人がなんとなくぎくしゃくしている中、ある日昔4人でやっていた交換日記が史生の家のポストに入っていました。
しかも内容が「女装趣味があって、不倫していて、男性が好き。どうしたらいい?」
というのです。
内容も衝撃的なら筆跡を海里に似せているため誰が書いたかわかりません。
書いてきたのは誰なのか、史生は探り探り返事を書くのですが、相手が分からないまま何度か交換日記は続きます。


3人ともが怪しくて日記の主は誰なのかドキドキしました。
そんな中、長兄に対する弟たちの劣等感とか弱ったところを見せられない長兄の悩みなどを知った史生は怒ったり優しくしたり兄弟のために立ち回ります。
史生のいるところいるところに出没する直隆は楽しかったし、不審な車に追いかけまわされるのは怖かったし、お互いの本音をぶつけ合ったりするところはハラハラしましたが、
家族が絆を取り戻せてよかったと思える話だったと思います。

優秀が故に周りに頼れない長男と優秀な長男と比べられてやさぐれ気味の弟二人。
この兄弟は上から下まで8歳差くらいあるんですよね。
大人になったらそれほど感じなくなるのでしょうが、子供のころの8歳差というのは大人と子供くらい違う時期がありますよね。
うちの子供たちが丁度3人で上から下まで8学年差なのですが、一番上が大学生になっても末っ子って小学生なんです。当然子供扱いするし偉そうに説教たれたりしてします。
その上この兄弟のように長兄が優秀だったらなおのことでしょう。
弟たちは卑屈になるし、兄は弱音が吐けなくなる。
この3人は大人になりやっと対等の立場で話ができるようになって、それぞれが相手に対して持っていた幻想とか劣等感とかを昇華することができたんだろうなと思いました。

そんな中、自分を甘やかしてくれる唯一の存在であったと東京に行って初めて気づいた鈍感な直隆が、史生に会いたくてもぎ取ってきた支社への転勤。
勘違いだと言われ、想いを昇華できずにいた史生。
家族が家族になれたのもよかったし、二人がちゃんと想いを通じ合えたのも本当に良かったです。
それにしても「女装趣味に不倫に男しか愛せない」という衝撃的な話の真実が変なことじゃなくてよかった。

1

受け様の気遣いと優しさにホロリです。

 先生買いです。
表紙で受け様である史生の周りでキメてるのは、小さい頃から兄弟同然で過ごしてきたお隣さんの3兄弟。

 この3兄弟の内、一番上のお兄ちゃんである直隆のことを好きだったフミは、直隆が大手に就職の為上京する際に告白して、「勘違いだよ」と言われてしまった事が。
もう会う機会もないだろうから、と思っていたのに、直隆が実家近くの支社に異動になって帰ってきて再会。

 この攻め様である直隆、スパダリかと思ったら、頑張ってるお兄ちゃんでした。
なまじできる男だっただけに、周りからはできて当たり前的に思われて、それがプレッシャーとなって体調を崩しても、弱ってる姿を見せられなかった甘え下手な人。

 でも端から見れば完璧な兄貴なだけに、小さい頃から比べられてきた弟2人は直隆をけむたく思っているようで、微妙な態度をとっているようで。

 そんな中、小さい頃3兄弟とやりとりしていた交換日記が史生の家の郵便受けに届けられる。
一番下の弟である海里の小学生当時の字を真似ていて、誰が書いたかはわからないけど、相談事が書いてあって「フミちゃん、どうしよう」と。

 この交換日記の相談に答える史生の誠実さ、気遣いがとてもよかったです。
そして、相談にのりながら、その答えを自分の中から探し出して、言葉にすることで、自分の気持ちと向き合って認めていく姿もかっこよかった。

 直隆に「応援してくれ」と言われて、伝えた史生の言葉がまたとってもよかった。
そうだよなー、と私自身にも伝わりました。

 自分の弱さを当たり前のように受け入れて、寄り添ってくれる史生に、直隆は何度惚れ直しただろうな。
そう思うとにやにやせずにはいられませんです。

 3兄弟がそれぞれ、自分の本音やコンプレックスを話して認め合って着地した時は、史生と一緒にほっと胸をなでおろしました。
それにしても、交換日記での相談の仕方が雑過ぎだよー(笑)

 最後の最後で、直隆が史生にぐいぐいいって恋人になったのは駆け抜けていった感がありますけど、直隆としては、なんとしても史生が欲しかったのね。
 恋人同士になる前も、ナチュラルに史生に対して甘さを出していた直隆なので、これからはもっともっと溺愛していってくれるだろうなー、ふふっ。

3

悩み相談は交換日記で

今回は大企業に勤務する燐家の長男とショップ店員のお話です。

攻様が転勤で実家に戻った事から受様との関係が変わるまで。

東京まで新幹線で約1時間、在来線なら3時間、都心から近いようで遠く、
景観にしろ人間関係にしろ田舎の風情を多分に残した土地が受様の地元
です。

受様の職場は駅前の商店街の携帯ショップですが、店にやってくる客の
大半は顔見知りです。年配客などは寄合所感覚で長く話し相手をさせら
れる事も多く、今日もそんな昔なじみに居座られ、やっと帰った所で、
店内に蛍の光が流れ始めました。

やれやれと息を吐いたところに、今度は燐家の三兄弟の次男と三男が顔
を出します。次男は受様と同い年の美容師、三男は4つ下の大学3年生で
すが、揃って来店するのは珍しい上に相談があると言います。

どんな相談か皆目見当がつきませんが重苦しい表情の2人の様子から楽
しい話ではない事だけは察せられます。そこで3人は受様の母が店に向
かう事にします。

受様の父は妻の妊娠を期に脱サラして居酒屋を開業しますが、急な心筋
梗塞で他界しています。受様の母はひとりでも店を続ける事を選びます
が、受様の夜の預け先に困っていました。

そんな時に手を差し伸べたのが、婿養子の夫の浮気に三下り半を叩きつ
け老舗デパートのフロアチーフとしてバリバリ働いていた燐家の三兄弟
の母だったのです。受様と三兄弟は朝は受様の母に、夜は三兄弟の母に
面倒をみられて仲良く育ち、お隣さんというよりほぼ身内で育ちます。

受様の母は地元の大学を出た後は東京で就職した長男の様子などを問い
ますが、2人はさらに重苦しい雰囲気になります。実は話と言うのはそ
の長男が4月から地元支社に転勤になり、実家に帰ってくる事だったの
です。そしてこの長男こそが今回の攻様になります♪

4月まで1週間しかありませんが、母に連絡してきたのも今朝らしく、
弟達に直接の連絡はないそうです。2人とも攻様と仲の良かった受様な
ら何か聞いているのでは!? と受様を訪ねたと言い、受様もびっくりし
てしまいます。

実は攻様は受様の初恋の相手であり、攻様が東京に行くと知って告白し、
「勘違いしているだけだ」とあっさり振られた相手だったのです。そん
な彼に4月からどんな顔で会えばいいのかわかりません。

・・・等思っていた受様でしたが、再会した攻様が記憶よりもさらにいい男
になっていて、かつての思いは恋ではなく強い憧憬だったのではとすら
思え、攻様にかつての告白について問われた受様は己の黒歴史とまで言
い放ってしまいます。攻様といると気持ちが揺らぐのに。

果たして7年ぶりの再会は2人の関係に変化をもたらすのか!?

受様の初恋の相手の攻様が実家に戻ってきた事で始まるドタバタラブ
コメディです♪

先に出た近刊シャレード文庫同様、あらすじ未チェックで入手したため、
カバーイラストと中扉のイメージから受様を巡って3人がラブバトル展開
なお話かと思って読み始めたらこちらも全く違いました(笑)

大企業の本社に就職して以降、疎遠になっていた攻様が急に地元の支社に
転勤してきて、受様ばかりか弟達も何があったのか気になりますが、今ま
で距離を置いていた為に誰も攻様に理由を訊けません。

そんな時、受様がかつて三兄弟としていた交換日記を模した新たな交換日
記が受様に届くのです。しかもその日記には女装癖があり、既婚者と不倫
の関係で男性が好きだと書かれていたのです!!

受取った受様は3人の誰が書いたのか悩みつつも、悩みごとを綴ってくる
彼を突き放すことなく、受様の素直な気持ちとアドバイスを返します。そ
うした中で受様は攻様への想いを再認識していく過程も楽しいです。

3兄弟の友人や恋人がまた上手に相手に絡んでいて、日記の主が彼か!?と
思う先から、その彼じゃないと思わせる役目を担っていて、なかなか正解
に辿り着けせん。

でも日記の主やその悩みがどうやって解決されていくのかを自分なりに
推理しながら読み進めるのも楽しく、日記の主が判明し、全ての謎が解け、
攻様が受様の恋人になるまでワクワク&ドキドキです (^O^)/

恋の進展の鍵が謎解きなのでラブラブシーンは一気に駆け抜けた感じなの
が少し残念でした。溺愛されてる受様をもう少し読みたかったかな。

2

うーん

先生買い。攻め受けとも目が♡になるようなタイプではなかったし、お話で萌~となるところもあまり無かったので中立にしました。本編270P弱+あとがき。

東京から新幹線で一時間という距離感の街の携帯ショップで働く史生(ふみお)。使い方相談にくるお爺ちゃんお祖母ちゃんたちのお話も丁寧に聞いてあげる面倒見のよいタイプです。そんな史生の店に、隣家に住む三兄弟の次男と三男がやってきて「話がある」と言い出し・・と続きます。

攻め受け以外の登場人物は
哲治(次男、美容師)、海里(三男、大学生)、美優(♀、哲治の彼女)、美波(♀、ジムの受付)、晴海(海里のジム友達)、両家の母親、攻めの祖母ぐらいかな。めっちゃ面白いキャラとは感じなかったなあ、色々いたけど。

**内容に触れる感想

超絶イケメンでエリート街道まっしぐらで東京行ってた長男との再会に加えて、キーアイテムとして交換日記が出てくるというお話。

匿名希望で・・というタイトルは、昔3兄弟とやっていた交換日記に由来するもの。日記は誰が内容を書いたか分からないけれども、フミ(受け)が一生懸命読んで返事を書いていましたが、今回、長男帰郷後、その交換日記が復活!誰が書いてきているのか分からないまま、フミは秘密を告白され何回か交換していって・・

3兄弟で長男が優秀だったからこその確執というところは、よくわかるんですけど、いや私は恋話を読みたいんだわ、と思いました。
フミちゃんの真面目で一生懸命頑張るところも、長男のスパダリ人たらし加減もよいのかもしれませんが、なんかきゅーんとこなかったです。先生ごめんなさい。

5

ラブより謎解き

うーん、思ったよりあっさりです。
ラブストーリーというよりは、謎解き要素の方が強いかな。
表紙の印象からすると、受けのハーレム状態を期待しちゃうのですが、実際には一対一の普通のラブコメです。


史生はお隣に住む生島三兄弟とは、小さい頃から家族同然に育ってきました。
長男・直隆には過去に振られてしまった史生でしたが、
上京して疎遠になっていた直隆が突然地元に戻ってきてーー…!

要するに、幼なじみの再会ラブです。
直隆に告白した史生は勘違いだと一蹴されてしまい、
今になっては黒歴史に^^;
その直隆が再び史生の前に現れてーーというところから展開していきます。

かつて三兄弟と行っていた交換日記。
兄弟がお互いの筆跡を真似て書いていたため、
史生には誰が書いたかわからない時もあったほど……
直隆の帰還とともに、突然その交換日記が再開されます。
この日記、三兄弟の切実な悩みが書かれているのですが、
誰が書いているかわからないというところがポイント!

相手は、女装趣味で不倫をしていて同性が好きーー
という、かなり重たい相談内容でしたε-(´∀`; )
史生が本当に優しくて、他人の気持ちを慮れるとても良い子なんです。
トンデモないお悩み相談に、真剣に誠実に向き合います。
でも、いつしか直隆に恋心を抱く自分への返事みたいになっていくんです。

史生はまだ直隆が好きなんです。
ただ、その直隆が所々ストーカーのようで怖かった……
ショッピングモール、スポーツジム、街角……
至る所に突然現れる直隆が、何だか不気味に感じちゃいました。
史生の事つけてるの?みたいな(^◇^;)

結局、このお悩み相談は直隆のものだったのですが、
悩み自体は三兄弟それぞれのものでーーという感じです。
直隆のお悩みは、同性が好きだということ……
しかも、史生が好きってーーおい( ̄▽ ̄;)
東京に行って寂しくなっちゃったのねーという印象でした。
とはいえ、史生が直隆をよく見ていてくれて、
これは好きになっちゃうよねーーって感じで納得なのですが。

かなり最後の最後まで謎解きを引っ張ったので、
両想いになってそのままHしてエンド……みたいな。
ちょっと物足りないよ!
直隆は繊細すぎるけどスパダリ予備軍だと思うので、
もっと史生をドロドロに甘やかして溺愛して欲しかった〜
ここがね、ちょっと残念でした( ´△`)

思わせぶりな状況が多すぎるとは思いますが、
全体的には楽しく読ませていただきました。
ただ、イチャラブストーリーを期待すると肩透かしを食らうと思います。


6

複数ものでは無いし、なんなら主人公はモテモテでも無いです!

幼馴染みである、それぞれいい男の三兄弟。
そんな彼等のうち誰かから、交換日記を通して重大な悩みを打ち明けられて・・・と言う、謎解き要素ありのアットホーム大家族(?)系ラブコメでした。

えーと、こちら、表紙やタイトルから、複数ものやイケメン三兄弟にモテモテみたいのを想像される方もおられるんじゃないかと思うんですけど。
いや、海野ファンには想定内な事に、複数ものでも無いし、なんなら主人公はモテモテでもありません!
完全に、家族の一員。
なんとも肩の力が抜ける、癒し系ホームドラマなんですよねぇ。
そんな中で、主人公と初恋相手である長男の恋が、ジレジレと進みなんですよね。

とりあえず、読み終えた後はとてもあたたかい気持ちになる、素敵な作品でした。
でも、海野作品を初読みで、複数ものを期待された方はご注意下さい。

ザックリした内容です。
田舎の風情を多分に残した下町で、携帯ショップ店員として働く史生。
彼はおとなりの生島家三兄弟と、本当の兄弟同然に育ったんですね。
そんな中、就職を機に疎遠になっていた長男・直隆が、なんと突然地元に帰ってくる事に。
実は、直隆に告白してフラれた過去を持つ史生は、再会した直隆となかなか打ち解けられずにテンパる日々。
更に、幼い頃に三兄弟と交わした交換日記が匿名で届き、そこには衝撃の告白が書いてあってー・・・と言うものです。

で、その衝撃の告白ですが
・女装癖がある事。
・既婚者と秘密で付き合っている事。
・男性が好きな事。
と言うもの。

果たして、これは三兄弟のうちの誰なのか。
そして、初恋相手で失恋相手でもある直隆。
突然帰って来た彼と、史生の拗らせた恋の行方はー?
って所でしょうか。

えーと、この不倫だの女装癖だの真相ですが、なるほどね!ってものになります。
基本的には主人公二人のジレジレの恋愛が軸となるお話で、そこにこの謎解きが平行して進むんですよね。
で、これが読者のミスリードを誘う形で書かれと、なかなか面白い!
えーと、次々小出しにされる事実に、正体は三男か? いや、やっぱり次男?、それとも長男か!?と、主人公と共に頭を悩ます感じなんですけど。
で、真相が分かった時は、こう来たか!と思わずニヤリとしちゃう。
いや、こちら、最初に大家族ものと書いたのですが、実は長男と他の兄弟の仲がギクシャクしてるんですよね。
それが、この問題解決を通して、再び兄弟の心が通い合うのが素敵なのです。
いや、ホームドラマを見ているような、心あたたまるお話なんですよ。

あと、そんな中で進む、主人公と長男の恋愛。
史生ですが、すごく面倒見が良いしっかりものってイメージなんですよね。
彼は就職を機に家を出る直隆に想いを告げ、「それは勘違いだよ」とあえなく撃沈した。
そこで、直隆になついていて素直な彼は、「そうか、勘違いだったか」と自分を納得させる。
で、時が経ち、今回の再会劇となるワケですが、もうこれ、最初から直隆がグイグイ来てるんですよね。
いや、鈍い史生は全然気づいていないんですけど、あからさまに直隆が、独占欲とか執着心とかを見せてる。
史生が合コンに行けばタイミングよく合流し、史生を抱えこんで離さずと言った具合で。
いやこれ、明らかに周囲を牽制しまくりじゃん・・・。

う~ん・・・。
海野作品だと、包容力があって甘々な攻めが多い印象なんですけど、今回の攻め直隆はですね、意外と繊細で、しかも人に弱味を見せられないと言うか、甘え下手なんですよね。
成績も良くなんでも出来と、周囲は直隆を完璧だと思い込み、それが彼にとってプレッシャーとなっていた。
また、その優秀さ故に、弟二人と溝が出来てしまった。
で、そんな彼の孤独や弱さに唯一気付き、寄り添ってくれたのが史生だったのです。

いや、史生が勘違いだと封じ込めてしまった自分の気持ちに向き合い、直隆への想いを素直に受け入れるシーンだったりが、とても印象的で素敵なのです。
素敵なのですが、彼が直隆の弱さや孤独を包み込むように受け止めるシーンは、更に素敵で。
これはもう、惚れ直しても仕方ないよね。
てか、離れてやっと大切なものに気づくって、直隆、鈍すぎるよ!と。
いやまぁ、こういうスレ違いのジレジレって、初恋再会ものの醍醐味だけど!

ちなみに、エッチは最後に1回だけ。
1回だけですが、お酒に酔ってる史生がめちゃくちゃ色っぽいです。
個人的に、こういう受けが無意識の言動で攻めを煽っちゃうパターンが大好物なんですよね。
暴走しまくってる直隆に笑いましたよ。
泣きを入れてる史生が可愛いすぎて、悶えましたよ。

まぁそんな感じで、とてもあたたかくて優しくもある、素敵なアットホームラブストーリーでした。

15

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