特典付き
今宵は、どんなセックスをお望みですか? 元後輩の年下記者×訳アリおじさん娼夫
恋をすれば、人はきっと。
何にだってなれる。42歳だって、おじさんだって。恋はあっという間に魔法をかけて。
いつだって「あの頃」の気持ちを呼び戻す。
42歳の「ダンディ」は、巷にはびこる「レンタルおじさん」などという生易しい存在では無い。
あけすけなまでに娼夫なのだ。金を貰って一夜の夢を売る。
求められれば、理想の姿で客を癒す。恋人にも、父親にも、淫乱医師にだってなれる。それはもぅ完璧なまでに演じて。『誰かの理想になりたい…。』
そしてそれは、「現実じゃないから、美しい…。」
「ダンディ」の見せてくれる夢はいつも。儚くて美しくて、とても気障。
彼がいつからそんな仕事をしているのか、何者なのか、客は誰も知らない。そう、ずっとそうして来たのに。1人の男の出現で、それは危うい均衡を破られる。
客を装って現れた伊部は、瘡蓋の下に封印していた過去へと否が応でも引き摺り戻す。
そして私たちは、「ダンディ」の心の奥を知ることになって行く。
くーっ。「ダンディ」こと奥田さんの、過去が、彼の儚い初恋が。苦しくて涙。
薄く微笑んだ柔らかい表情の裏に、こんなにも切ない想いがあったとは。
自分が人とは違うと性癖を自覚して、想いを告げる事なく涙した思春期。その危うさにつけ込まれるように、職場でクソ上司に関係を迫られ、それでもそれに縋るしか無いと諦めていたのに。当時新卒で、眩しいまでにキラキラとしていた伊部に慕われる事が後ろ暗くて。そして、終わらせた恋。
奥田さんの回想と、伊部の記憶で語られる物語が切なくて涙。伊部は少し怒りながら、奥田さんを抱く。奥田さんはプロの娼夫であるだけに、物凄く淫らに乱れる。
伊部が降参するかの様に告白するところもすごくいい。だけど、奥田さんは直ぐにその手を取るわけには行かなくて。今更。そう、もう今更なのだと。涙ーーー。
そこで。冒頭の、「夢の泡」というエピソードが効いて来る。
この序章とも言える短編は、単に「ダンディ」の或る一夜の仕事を説明する、粋なエピソードだと思っていたのに。思わぬ展開に驚かされてしまうのだ。
序章では、「ダンディ」の手の内に踊らされて、本当の心のままの幸せを掴んだ郁郎と貴島が、今度は奥田さんのピンチを救う為に一役買って出ることになっていて。もちろんそこにはプリンセスを救うごとく、勇者として伊部も登場する。実に心ニクい!オシャレ!
郁郎の幸せを願っていた「ダンディ」は、少し大人になった郁郎に幸せを願われる側になっているのだ。
奥田さんは、42歳になって、ようやく。少年だった頃の初恋を実らせた。
彼はもう、誰かの一夜の夢を叶える妖精さんでは無くて、たった一人の恋人になったんだと思う。
切なくて、涙して。ホッとして涙して。作者の粋な、気障なまでに粋な、物語に酔わされて涙。ニクいなぁ、もぅっ。
奥田さんの、柔和なおじさん顔が、どんどん可愛く見えてくるのにもギュンとしたよ。
一途に奥田さんを想い続けた伊部の、大人になったカッコ良さにもきゅん。
ずっと、いつまでも、幸せでいて欲しいです。
表紙の左端に
“I know who you are and what you do now.”
という英文があります。
意味は「わたしは、あなたが何者か、そして今何をしているかを知っています」です。
さらに帯を外したところに続きがあって
“and I have a crash on you just the same.”
と書かれています。
意味は自分で調べた方が楽しいので伏せておきますが、”crash”を名詞で調べるとことと、“same“の意味を全部読んでみることをおすすめします。
わたしはこの本を深夜に読み終わって、英文の意味を調べたのは日付が変わってからだったのですが、叫ぶことも走り出すことも叶わず、ベッドの上でのたうち回りました。
最高です。
ふつうにレビューをすると、
おじさま受けが大好きな人、一途な年下攻めが大好きな人、不穏な空気感が大好きな人に刺さると思います。
眼鏡のイケオジがダンディって源氏名で娼夫ですって!
もう、もう、このベタな設定と、カバーイラストの足首だけでも神決定!!!なんですが、ストーリー展開もよかった。
短編としてきれいにまとまっていたアンソロジー収録の「夢の泡」から、ちゃんとお話がリンクしているのも上手いなと思ったし、それに、なにより、このダンディなおじ様が、攻めも受けもどちらもいけるっていうのがツボだったり性癖だったりする上に、更に、更に、最終的には愛され年上受けでハッピーエンドって、
好き
神です。
こ、この攻め~~~!!!
好きだ~~~!!!
最近の年下攻めは可愛いタイプのワンコ攻めが多い(当社比)ですが、
このタイプは久しぶりで…滾ってしまう…。
ワンコにも執着にも全振りせず、ちょっとぶっきらぼうだけど優しい…。
「俺ならあんたを大事にするのに」というセリフ…健気に受けを想う攻め…。
えちは大人な甘さ…年上の受けを甘えさせてくれる…。
好きだ!!!
受けも受けですごく良い、質の良いおじ様です。お上品。
仕事ではタチの方が多かったようですが、攻めに抱かれてから一人で後ろを弄るシーンは最高です。
最高にえちです。
受けも良かったですが特に攻めの方がタイプで神評価です。
おじ様受けが好きな方はもっと好きだと思います。
最近…オジさまが豊作じゃありませんか??
普段から何でもござれ!で摂取しておりますが、今回のオジさまも素敵過ぎました!!
常に丁寧な言葉遣いで、プロの男娼に徹しているミドル・ムスタングのNo.2ダンディ。お口の横にはえくぼでしょうか?(とっても素敵なのでほうれい線とは思えません)ニッコリスマイルで、いつもスマートな身のこなし。
でも本当の奥田さんは、職場の先輩横井との不倫の中で初めてのキスや初めてのセックスを経験していたんですよね。男娼の仕事での完璧なまでに相手の望む姿に擬態する姿も、初恋を拗らせたことで身につけた処世術だった。切なすぎます…。
今回素晴らしいと思ったのは、第一話から伊部×奥田さんへのお話の展開にまったく無理がなかったこと。伊部は「ずっと探してた」と言っていますが、仕事上の取材からの産物として奥田さんとの出会いを果たします。
松基先生のインタビュー記事によると、読み切りからの連載は先生の想定通りだったのですから、無理のない展開は当たり前なのかもしれませんが、スムーズな展開が本当に気持ちいいから、是非読んでいただきたい!!