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表題作つがいはキッチンで愛を育む

ナツカゲ
33歳,アオシと護衛業を営む狼獣人
アオシ
23歳,ナツカゲと護衛業を営む人間

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

獣人・人外・人間が共存するイルミナシティ。
狼獣人のナツカゲとともに護衛業を営んでいるアオシはひょんなことから誘拐寸前だった虎の子供のヨキを保護、 両親のもとに送り届けるまで一緒に暮らすことになった。六年前から同居しているが、
実は恋人でも伴侶でもないアオシとナツカゲ――実家同士の都合で強制的に番わされ肉体関係を結ばされた二人。 互いに距離感がつかめずぎこちなかった二人の仲に、ヨキの出現で微妙な変化が訪れる。

作品情報

作品名
つがいはキッチンで愛を育む
著者
鳥舟あや 
イラスト
サマミヤアカザ 
媒体
小説
出版社
三交社
レーベル
ラルーナ文庫
シリーズ
つがいは愛の巣へかえる
発売日
ISBN
9784815532352
3.7

(44)

(11)

萌々

(21)

(6)

中立

(3)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
8
得点
160
評価数
44
平均
3.7 / 5
神率
25%

レビュー投稿数8

パーフェクトすぎる攻め!

好みが似てる腐友さんから「とにかく攻めが深い深い愛で」とオススメされたこちら。
超〜〜〜良かった!!!

なにがって、攻めの愛のデカさっていうんですかね。
こんなに誠実で忍耐強い攻めは、そうそういないんじゃないかってくらいでした。
しかも一切の見返りを求めない、無償の愛なんですよ。

ただし、あらすじにある「家同士の都合で強制的に番わされ肉体関係を結ばされた二人」というやつが予想以上に胸糞で。
受けの家族にとって、受けのアオシは「繁殖の道具」でしかないとか胸糞。
そして実の家族から、繁殖の相性を確かめるためにクスリを盛られ、不可抗力で初合体する攻めと受けが不憫で不憫で……。

だけど身も心もボロ雑巾のようになってしまった受けのアオシを保護して、献身的に尽くす攻めのナツカゲの姿が本当に素晴らしいんです。
献身:身をささげて尽くすこと。自分の利害得失を考えないで人や物事に力を尽くすこと、とありますが、本当にそれ。
その誠実さ、細やかな心配り、しかも一切見返りを求めないとか、パーフェクト!

そして、ところどころ攻め視点が入るんだけど、そこが最高なんです。
私は受けを好きすぎてトチ狂ってるような攻めが大好物なんだけど、この攻めもそれ!
ナツカゲもアオシを溺愛しすぎて、過保護になりすぎて、ちょい思考回路が大真面目に変になってるところあるんですよ。
アオシの笑顔が可愛すぎるあまり「神は我に聖者を遣わしたもうた」と天を仰いでるとか最高すぎて、読んでてニヤニヤ。
この攻め視点パートがツボすぎる。

そしてヨキという子供を保護し、事件に巻き込まれたアオシが一時的に目が見えなくなっちゃうんですね。閃光弾のせいで。
そんな盲目状態のアオシを、ナツカゲが細々お世話することになるんだけど、そこが超〜萌えるの!
一時的に目が見えなくなる状態を生み出して、強制的に二人の距離感を縮めた鳥舟先生、天才だな!と思いました。

そしてナツカゲがあれこれ世話してくれるのは罪滅ぼしでしかないと思い込んでるアオシと、「この可愛い生き物に一生を捧げよう」と決めてるナツカゲとの両片思いすれ違いの様子が、これまた切な苦しい。
私は最後の最後、泣けちゃいました。
愛情深く育てられたヨキと過ごすことによって、アオシは「家族」の在り方を初めて知ったんですよね。
そのヨキへの報告が本当に良くて、読後感が最高でした。



ーー
やっぱり「ケツ」はないわ。。。


「トチ狂ってる攻め」本棚入りしてますが、けっしてヤバい要素はないです。
途中の攻め視点パートが、とても誠実でまともに見える攻めなのに、実は結構かなりトチ狂ってるんだなーということで入れてます。

5

溺愛

前作「つがいは愛の巣へ帰る」未読。
今作、発売当初に興味惹かれながらも前作未読だしなぁ…と当時購入を見送った作品でした。
そして、最近になり、読み放題で今作をみつけ、お!あの時買うか迷った作品♪と思ってワクワクで読みました。
そして、読み終わって即ポチりました。また読み返したい素敵な作品だったゆえ。


作品タイトルに偽りなく、キッチンにて愛が育まれていく作品でした。
いや、正しくは『食事』というものに詰め込まれた攻めの愛と言いますか。
ナツカゲはアオシが自分の作った料理を食べてくれるのを、アオシと同じ食卓につける日が訪れるのを、願っているのです。
何故そのような状況になっているかはツライ理由なのですが、ナツカゲが、願う姿、アオシを想う姿は、本当に胸打たれキュンとなります。まさに溺愛そのものです。
アオシが可愛くてたまらなくって、大切でたまらなくって。
読者はそんなナツカゲが可愛くてたまらなくなるっていう、素敵な萌えの連鎖が起こる事と思います。笑

ナツカゲが狼の獣人で、感情を表すしっぽがとても可愛かったですo(*゚▽゚*)o魅惑のしっぽです。

序盤からは想像もできなかったあまさが中盤頃からやってきますよー♡おすすめです。

3

甘々溺愛攻めが好きならお勧めしたい作品

獣人×人間のバディもの、かと思いましたがちょっと違いました。

二人の関係は、仕事の相棒でありながら政略結婚をし損ねた相手でもある。
そのうえお互い憎からず思っているみたいな…複雑なのです。
二人が付かず離れずのじれじれのまま6年同居しているところに飛び込んできたちびっ子のお守りというお仕事、というところから物語の始まり二人の関係も動いていきます。

受けが健気で不憫な生い立ち、けれど強気で前向きな点が好きです。
攻めが溺愛系、かっこよくて賢くてイケメンなのにしっぽが感情で動いて可愛いんです。

スピンオフ作品でしたが最後まで気づかず読んでいました。
全く問題なく楽しめましたが、そちらの登場人物たちが魅力的で謎めいていたので読んでみたくなりました。

1

もふもふも楽しめる

前作の続きとの事ですが未読なので、今作が初です。前作を読んでいなくても充分楽しめました。
獣人と人間、それから人外までも混在する今作の世界。ただファンタジーに寄せ過ぎている気配もないのでファンタジー不得意でもわりとサラッと読めるのではないかな?という印象です。
2人の関係性や距離感が絶妙なバランスで描かれているので、ジリジリとしつつ嫌な感じではない。話の構成も読みやすく、万人ウケしそうなBLです。
なにより、キャラクターがとても魅力的。特にもふもふ度が丁度良い案配に散りばめられていて癒されます。言葉少ないナツカゲの代わりにアオシへアピールする尻尾の可愛らしいこと。また虎の子供キヨの存在もとても大きい。彼の存在自体が癒しなのですが、この可愛らしいものが2人の距離感に変化を与えていく過程はとても暖かく素敵な時間でした。
ナツカゲの静かだけれど情熱的で献身的な愛が非常に魅力的。彼らの抱える問題もシリアスな展開もありつつ、痛さはほぼ感じられません。表紙のイラストの雰囲気そのままのイメージで素直に読み進められました。
程よいもふもふBLが味わえる良作だと思います。

4

こんな攻め好きになるしかない

すーーっごく萌えた!!面白かった!
前作よりもこちらの方が好みかも。
約300Pほどとボリュームがあるものの、飽きる事なく一気に読めてしまう。読み応えあり。
攻めの非の打ち所がない本物の溺愛スパダリっぷりが見事なので、スパダリ攻めがお好きな方もぜひ。

「つがいは愛の巣へ帰る」のスピンオフ作品ですが、CPは全くの別物なのでこちら単体でも十分楽しめます。
この人は誰?なんて事にもならない親切設計。
前作キャラクターも重要な場面で登場しますので、前作をお読みになっている方はその後の彼らの様子に胸がときめく事間違いなしです。
オメガバースものではありません。


獣人・人・人外の3種類の生き物で構成されている世界が舞台。
狼獣人のナツカゲと人間のアオシは、その道では有名になりつつある、子供を専門にした護衛業を営んでいるバディ。
番でもない。恋人でもない。家族でもない。
同じ家でも部屋は別々。会話は最低限。
仕事上の付き合いのみのただの同居人。
ややワケありの彼らの関係が、誘拐されそうになっていたヨキという虎の子供を保護した事によって徐々に変化していく…
謎の部分が多い2人の関係が、現在と過去を交えながら両視点で描かれていきます。

この2人、過去に実家の悪しき慣習に巻き込まれた被害者同士なのです。
家族に薬を盛られ、理性を奪われ、本人達の意思とは関係なく家の繁栄のためにと強制的に性行させられてしまう。
ここの描写が結構えげつなくて2人がかなり不憫。
理性を保てなかった己を責めながら、悪しき家からアオシを連れて飛び出し保護をするナツカゲ。
心に深いトラウマを抱えてしまった彼が怯えないよう気遣い、紳士的に接しながら、少しずつ少しずつ時間をかけて共同生活を送れるまでになっていき、やがて2人で護衛業を営む事になったのでした。


不器用で素っ気無い口調のようだけれど、どこか育ちの良さも感じさせる部分が見え隠れするのがなんだか魅力的なアオシ。
不遇な家で育っているのにあまりスレた部分もなく、真面目で正義感も責任感も強い。
もう、家族に恵まれていなかった子供時代の自身を救うかのように、時に身を削ってまで子供を守る事を第一に仕事をこなす姿が切なくもいじらしいんですよ…
こういうかっこ良くも健気な受け、大好きです。
過去の出来事に責任を感じ、自身を保護し甘えさせてくれているナツカゲに恩義と申し訳なさを感じていて、早く彼を解放させてあげなくては…と思っているのに、なぜかこの生活を辞めたくないとも思ってしまっている。
優しいナツカゲに好意こそあれ、もう怖くないはずなのに、一瞬でも触れてしまったり側に居たり匂いを嗅ぐと、ざわざわと胸が落ち着かなくなってぎくしゃくとしてしまう自分がよく分からないでいます。

一方のナツカゲはと言うと、当初は償いと同情の気持ちから保護したものの、懐かない猫のようだったアオシが慣れて来てくれるのが可愛くて可愛くて仕方がなくなっていってしまうんですね。
けれど、何かを無理強いするでもなく、ただひたすらにアオシのペースで彼がやりたい事をやれるように、傷付かないように忍耐強く見守り、助けが必要な時はさり気なく助ける。
もう本当に、ナツカゲが忍耐強く健気な良い攻め過ぎて!
強引さは全くなく、非常に愛情深く、徹底してアオシ第一主義の本物の溺愛攻めでした。
ふとアオシが笑ってくれただけで嬉しくなっちゃう。
触れられなくても良い。一緒に居られれば良い。
好きな子は生きているだけで可愛いんです。
攻め視点のアオシ溺愛っぷりがとんでもない可愛さでした。
この視点が入る事によってシリアスになり過ぎず、バランスが良く読みやすかったのかもしれません。

片や相手の想いや自身の恋心に気が付いていない無自覚片想い、片や目に入れても痛くないほど愛おしく思う両片思い同士だけれど、6年掛けても心の距離がなかなか縮まらずにいた2人。
互いに互いの存在に救われているんですけれど。
そんな彼らの関係が、愛情深い家庭で育った子供・ヨキとの暮らしをきっかけに動き始めていきます。
このヨキがまた2人に良い変化をもたらしてくれる天使のような愛らしい存在で…
この子も本当に良い子で可愛かった!


タイトル通り、キッチンでの何気ないやり取りから愛を育むシーンがすーーごく良かったんですよね。
食事がトラウマとなっていたアオシの心が少しずつ解けていく様子に胸がじわっと熱くなります。
長い付き合いの者同士ならではのああ言えばこう言うやり取りも、ポツポツと喋る素直な口調のやり取りにもすごく萌えた。
アオシにはナツカゲの大きすぎる愛に溺れて欲しい。
攻めも受けもとてもツボにハマった作品でした。

牢屋で恋話をするウラナケとアオシも微笑ましくて好き。
この2人は今後も交流を続けてくれないかななんて。

5

この作品が収納されている本棚

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