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シーモアさんの「小説原作」特集に入っていて、試し読みして続きが気になったため購入し読んでみました。
財閥×オメガバース。
地位も気位も高い方々の中にはリアルだったら絶対に加われないし加わりたいとも思わないけれど、外側から覗き見るのは楽しい、という( ̄∀ ̄)
一番面白い〜!と思ったのは、やはり終盤のシーンです。
身籠った受け様のオメガ性がバレるピンチに繰り出した攻め様の一言!!!
その手があったかー!!
思わず「おお」と声が出てしまいました。これはびっくり、一番興奮するシーンだったな。
ただ、その後の展開には「んー…」と思う点もあり。
驚きのシーン後、受けがあっけなく真実を明かし、あれほどこだわっていた当主の座も手放しちゃうのは個人的には残念に思いました。
ふたり嘘をつき通して、真頼にはオメガのままで堂々と当主になって欲しかったなー、なんて。勝手な希望ですが…
でもそんなふうに違う結末も色々想像できるのも、楽しみの一つかもしれません。
受けのために、ここまで自らを投げうつαがいたでしょうか。
自分自身の身をもって、窮地の受けを守ろうとする。
自身の持ち得る権力ではなく、身一つの丸裸の行動。その覚悟と姿勢が素敵でした。
内容としては、よくあるオメガバース。
抑制器のアイデアは面白かったですが、反動がきてしまうとΩへの負担が一気に押し寄せちゃうので大丈夫かな...と思ってしまいました。
全体的にあっさりな物語でしたが、最後の攻めの姿勢にあっと驚かされます。
その点は、読んでよかったなと思える部分でした。
シリアスめなシーンが多かったですが
その中にしっかり甘さもあるオメガバース作品でした。
沙倉之財閥の跡取りとして、幼い時から重すぎる責任を背負っていた真頼。
アルファだらけの一族の中でオメガだというのを隠して生きるのは大変なことだったしょう。
そう思うと黎司との再会は真頼にとっては素晴らしいものだったんだなと感じました。
最初こそ欲望をはき出すためだけに身体を重ねたふたりでしたが、やはり運命の番というのもあって惹かれ合わずにはいられないというのが良かったです。
義兄に絡まれている真頼を助けたり
抑制器の臨床データの収集などと言って近付いて
何やら悪巧みをしているのでは…!と、黎司を疑った目で見てしまいましたが(失礼)
本当に裏がなく純粋に真頼を想って色々してくれていたところに愛を感じました。
そして真頼を掻っ攫っていく姿がヒーローみたいで本当にかっこよかった!
これからのふたりを応援したくなるような作品でした。
アルファの家系に生まれて、アルファ然として生きるオメガの主人公。
発情期の隠し方がセクシーすぎかっていう、感じですが絵の雰囲気とあっていてよかったです。
こどもの頃に因縁のあったアルファと再開して、互いのメリットのために関係を持つ、というのもすんなり理解できました。
そこまではスゴく好みで、ふんふんそれで、と鼻息も荒く読み進めた後半、びっくりするくらいオメガの主人公が妊娠を受け入れていてびっくりを通り越して、中身がどうかしちゃったのかと思いました。
妊娠の驚きとか産む葛藤とかをとっぱらってのラストへの展開。
惜しい…非常に惜しい。ページ数不足なら上下巻にしてもよいのに、と思うくらいの前半の展開でした。
後半のあまりのご都合感に脱力してしまったので、評価は萌です。
あー…もったいなー…。
終盤の黎司に痺れました!!(黎司:α、真頼:Ω)
αとして偽って生きるΩの真頼が妊娠し、Ωであることがバレそうになるシーンです。どうやって乗り切るのか…正直無理バレるってハラハラしてたんですが、黎司は自分がΩで、真頼とは番関係だと周りに伝えて、真頼の立場を守ろうとするのです。そこが素晴らしくてお気に入りです!!
愛する真頼を手に入れる為なら、自身がαであろうとΩであろうとどっちでもいい。世間がどう自分を見ようが関係ない。真頼が真頼自身の"今"を維持したいなら、自分を頼れ。黎司の愛や覚悟を感じました。
全員が全員とは言いませんが、αは羨ましがられる存在です。プライドもあるだろうし、"α"であることを利用する人だっている。そんな黎司立場なはずが、αかΩかのこだわりはなく、ただ1人の愛する人を手に入れる為の迷いなき行動に、胸が熱くなりました。誰かを守る守り方が私には新鮮で、凄く印象的でした。
ハピエンオメガバース!面白かったです。