「絵」だけが好きだったはずなのに

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表題作サイケデリック・ベイビー

橅木樹,25歳,蓮を担当する雑誌編集者
天花寺蓮,若き天才画家

その他の収録作品

  • 描き下ろし
  • あとがき

あらすじ

「絵」だけが好きだったはずなのに仕事も恋も無難にこなす雑誌編集・橅木 樹。そんな彼が人生で唯一執着する天才画家・天花寺 蓮の担当に。鬼才と聞く蓮だが、対面した本人は天然ゆるふわ、しかもスランプ打破のため橅木を押し倒してくる男で!?ただれた関係になり、距離感を大切にしたいと思うもキス一つおぼつかない蓮が次第に愛しくなる橅木。しかし絵に己を捧げる彼に「好き」という感情が重くのしかかり。羨望と憧憬と執着と――美術系男たちのこじらせ・ドラマティックラブ!

作品情報

作品名
サイケデリック・ベイビー
著者
湯煎温子 
媒体
漫画(コミック)
出版社
リブレ
レーベル
ビーボーイコミックスDX
発売日
ISBN
9784799748084
4

(61)

(27)

萌々

(16)

(13)

中立

(5)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
12
得点
243
評価数
61
平均
4 / 5
神率
44.3%

レビュー投稿数12

かっこ可愛い!

編集者と画家のお話ですね。表紙を見た限りでは受けの蓮がゆるふわでおとなしくて中性的でかわいらしいイメージでしたが、読んでみたら蓮の精確が全然違ってて
中性的だけど、破天荒でおおらかで、絵のことにしか頭にない生活能力のない子で
でもしゃべり方や口調が、とっても好きで魅力的です。
蓮は、絵を描く意外取り柄がないみたいなことをいってましたが、その天然可愛さは愛されキャラだと思いました♡
攻めの蕪木ははっきりいってよくいるタイプかな?蓮の魅力を十分ひきだしてくれてる重要なキャラですね
なにより絵が描けなくても、線の一本も引けなくても変わらず好きで、ベタ惚れですなんてこれ以上ないくらいの愛の言葉にはきゅんときました。
まさに絵よりもかけがえのないものを手に入れた瞬間なんだな二人とも
蓮の過去はいろいろと重いのですが、蕪木がいてくれたら安心だなととりあえず絵と心中するようなことはないでしょうね
全体的に読みやすく蕪木が思った以上に連を溺愛しててとても良い作品でした

1

何かを得て何かを失う

当たり前の代償がご都合主義でなく描かれていて、ラブラブ作品のイメージがあったので新鮮でした。生活力ない子を介護する攻めのパターンと思えば案外病みが深かったり。
ラストはスッキリしないと思う方もいるかもしれませんが、完全無欠なハッピーエンドなどこの世にない。何かを得ることも失うこともあるだろうという終わり方が私は好きです。

0

紙一重

湯煎先生のほんわかした絵柄と蓮のあっけらかんとした性格のおかげで丸みを帯びた感じになっていますが
重たく、影のある作品だったと感じました。

芸術を生み出すには自分の内面や才能と向き合う必要があって、それがどんなに大変なことなのかということが伝わりました。
橅木と関わることで良くも悪くも変化が起き、自分自身を信じて肯定しながらも周囲の目も気にしなければいけない。
そんな葛藤が伝わってきて
単純に蓮が"恋愛"というものを知って、幸せになるふたりを見守るお話ではなかったので重たかったな、と。
蓮の裏表のない性格には救われるものがありましたが。

でも橅木の画家・天花寺 蓮を崇拝する気持ちと恋人としての彼を想う気持ちを感じて
蓮もまた自信を取り戻していけるのかなとも思いました。
色々と深く考えさせられるような作品でした。

0

四作目にして新境地

ちるちるのレビューを見ても分かるように、
感想が分かれる作品。

今までの湯煎さんの作風とは全く違うと言っていいと思います。
何故なら作者の意図してしていた最初のラストが「○○」だったから。

私的にもあの展開ならその方が
この物語のラストはしっくりきたかもしれません。
しかし、そうしなかったところに、
また湯煎さんを好きになりました。

物語的に中途半端さを感じるのは否めません、
本当なら、さらにこの後の二人がどう成長して、
変化していくのかが知りたいところ。
その辺がはっきりして、
本当のハッピーエンドになるのではと思います。

それでも、編集と作家というBLにありがちな設定が、
湯煎さんにかかるとこう料理されるのかと、
こういうラストに持っていってくれるのかと、
湯煎さん自身が一番の光属性なのだなと納得。

好きですよ、私は。

全体的に不完全さを感じつつも、
ラストをこう持っていってくれた心意気に「神」!




2

蓮のテンションだけ浮いている気もする

 惜しいな、と感じた作品でした。才能をとるか、愛をとるか、というテーマはすごく素敵で惹かれました。先生があとがきで仰っているように、愛に傾倒していくことで、蓮の作風はがらりと変わってしまう。世間から求められていない絵しか描けなくなった自分は無価値なのでは?と、蓮が己の存在意義を見失っていく様は見ていて痛々しく、同情を誘うものでした。

 ただ、これもあとがきに書かれていることですが、最初は自死する結末だったのをハピエンに軌道修正したらしく、これが私が作品全体を通して感じた、どっちつかずな雰囲気の一因かなと思いました。元の作風が失われていくことへの不安も、そこまで絶望感たっぷりに描かれているわけではないし、今の作風が世間に受け入れられていくとか、橅木と蓮が今の作風と今後のことにどう向き合っていくかというシーンまではないので、ハピエンと言うにも少し物足りないんですよね。もちろん、蓮が絵以外に存在意義を見つけられたのは喜ばしいことなのですが。なんとなく、中途半端だなと感じる読後感でした。

1

個人的には

おっもい…自分にはとっても重くて少し仄暗くて、ある種心中作品のような気持ちにすらなりました。
このポップな表紙でなかったら…先生の可愛い絵でなかったら…演出をほんのちょっと変えたら…ものすごく暗く狂気じみた作品にも出来そうなストーリーです。
湯煎先生ってこういう作品も描かれるのだと驚きました。あとがきを拝見する限りもっと暗い方向に落ちる可能性があったようですが、わずかに救いあるラスト。世間に受け入れられるラストよりは救いがないかな。

快楽で身を落とす天才というテーマはまぁありますけど、快楽より背徳感のない純粋な"愛"で身を落として…いや、より得難いものを得たのかもしれない。

蓮はそれで生きてきた絵の才能を"世間一般に認められる"という形では失い、橅木は最愛の作家の"世間一般に認められる"という成果を自分が原因で失い…
天使を、神様を、地に落としてしまったんだなぁ…ここからまた蓮はその絵を世間に認められる形で昇華させ這い上がれるのだろうか。世間に認めると繰り返しますが、絵の世界は何を良いとするか時代によっても変わるし曖昧ですからね。本人達が幸せならそれでいいとは思う。

ただ数週評判悪いからって連載誌の看板作家切られることはないんじゃないのか?それほど"駄作"になってしまったのか?

シーモア限定おまけ 描き下ろしの豊春の立ち位置に惹かれた方は是非。豊春ルートも存在した気がする。

萌2〜神
迷ったけどなんだか頻繁に読みかえして咀嚼したくなりそうで神を

0

噛めば噛むほど

この作品、すごく奥が深いのではないだろうか。
全体的に柔らかい雰囲気もあって、攻め・受け共に表情がころころと変わるのも魅力的で、テンポも良く読みやすいです。
だからなのか、パッと読んだ時にはコミカルでポップで可愛らしい印象を受けるのですよ。
愛してやまない憧れの画家の担当編集となった橅木と、頭のネジがぶっ飛んだような天才画家の蓮が出逢い、作品のためにと始めた身体の関係から徐々に惹かれていく。
この辺りは編集者と一芸に秀でた人間という組み合わせの作品では結構ありがちな設定だと思う。
ですが、ハッピーエンドなのかどうかは正直よく分からないのです。
ここが面白いな、考えさせるなと思いました。
噛めば噛むほど味わい深い作品なのかも。

絵しかない、まっさらだった蓮というキャンバスを橅木という1人の人間が今までに無かった体験や感情という色で染め上げていく。
恋愛面だけで見ればこれはハッピーエンドだと思うんです。
しかしながら、キャンバスが染め上げられていく事で、まっさらだからこそ描けていたものが描けなくなってしまう。
うーん、死の香りだとか、狂気のようなものはちょっと私は読み取れなかったけれど、今まで持ち得ていなかった感情を得た事による才能の死は強く感じた。
橅木は、結果的に自分の灰色だった世界を救ってくれた蓮の絵と画風を殺してしまっているんですよね。
果たしてこれは良い事だったのかどうなのかと。
一方の蓮は、過去の境遇の面が影響してか、橅木と出逢うまで良く知らなかった愛情というものを知って、目の前の世界は鮮やかに色付いていくものの、その代償に自分の全てのようだった絵が死んでいく。
想いが通じ合ったシーンの橅木と蓮の対比がすごい。
これはある意味1人の人間の生まれ変わる様子というか、再生と再起のお話なのかも。

素直に読むか、斜めからじっくりと読んでみるかで感想が変わりそう。
可愛らしい雰囲気の中に、ちょっとの毒が含まれた不思議な魅力のある作品でした。
個人的には、お話としては面白かったけれど、BL的に萌えたかと言われると中間かなあと感じたので、萌寄りの中立評価で。

2

魂が震える良作

まず開始数ページで蓮さんの口調が好き〜〜〜!!!好きなタイプの受けだこれは……!!!となってしまって、それからはあっという間にのめり込んでしまいました。

もう言語能力の方がついて来ないのですが……
なんというか、無意識のうちに自分が神様の翼をもいでしまったことに気づかないうちに、神様はその光を失っていってしまう。
けれども、多くの人からわかりやすく見える光そのものに一体どれだけの価値があっただろうか、例え光を失って地に落ちて神がただの人になっても、彼は、橅木は蓮さんを愛していた。その才能が褪せていないことを信じていた。与えられる愛を飲み込み、無垢に欲を覚え、そうしてたくさんのものを取りこぼした代わりに、新しいものをたくさん得た。
神が再び翼を携え、羽ばたくまでの始まりの一歩。
そんな感じのお話でしたね……語彙力が来い……

ハッピーエンドとしてはありがちかもしれない、新しい作風も世間に受け入れ認められる、という展開にはならなかったのが、また苦味を孕んでいて良かったですね。
ラストの、絵に囲まれながらそれを描いた人間を抱くシチュエーションの倒錯感たるや……。

この先きっと、何度も読み返してしまうだろう作品に出逢えて、本当に良かったです!!!

3

ありきたりではない編集×作家BL

帯にある『拗らせた男たちは恋が下手』とありますが
本当に恋が下手な大人たちが右往左往するお話でした。

美術誌の編集・蕪木と無邪気な天才画家・天花寺。
世話焼きな編集が作家の作品に惚れ込んでいる…っというのはよくあるストーリーですが、この編集・蕪木は一味違う。

お話の流れをありきたりにしないのが湯煎先生らしい。

蕪木は家庭の事情で美術関係の大学には行けなくて
諦めた世界は色を失い灰色だったが、ふと目にした絵は極彩色。
その絵を描いていたのが、天才と称される天花寺。

世界を変えてくれた天花寺の担当になったのはよかったけれど、天花寺の作品だけでなく、本人のピュアさや無邪気な笑顔に恋をしてしまった。
また恋をしたことがなかった天花寺も、蕪木を好ましく思い、Hをするコトによって画風が変わり…人を好きになるという感情は果たして善なのか悪なのか。

湯煎先生の斜め上からの切り方や表現方法に、今回もまんまとやられました。
とっても素敵なお話で、ふんわり優しい終わり方でした。

3

編集者×画家BL

楽しみを奪わないように気をつけますが、ネタバレありです。

あまり物事に執着せず、無難にそつなく日々を送る編集者・橅木さん(攻め)。
唯一特別なのは天才と謳われる天花寺蓮の作品だけ。
とうとう美術系雑誌の仕事で天王寺先生の担当を任されます。やったね。
胸が高鳴るのを抑えて会いに行くと、メディアで見るのとは全然印象の違う姿が。
絵一筋で恋愛・性的知識ほぼ0の蓮さん(受け)
色ごとを知ろうとキスを迫ったり積極的な態度に橅木さんは…。

橅木さんは絵の道を諦めた過去が、蓮さんは絵に全てを懸けるに至った過去があります。
制御しきれない感情の熱流に飲み込まれていく二人に毎話ドキドキしました。
蓮さんの中で何かが変わり、それと同時に作品も変化していきます。
世間からの評価と信じるものが必ずしも一致するとは限らない。
仕事と恋愛の難しい側面もありますが、キュンキュン&クスクスもたっぷり!
橅木さんはスパダリ系です。
仕事も出来れば家事もでき、日々の生活に無頓着な蓮さんのお世話もばっちり。
…でもそれだけでは済まないクセの強さがあるので、ぜひ読んで確かめて下さい。
好奇心旺盛で純粋な可愛い蓮さん、しかし絵に関してはストイックを通り越してます。
おじさん好きには蓮さんの友人も必見。この人は当て馬と言うべきか悩みます。
確かに愛なんですが、それが恋愛とは言い難い重~い愛です。

喜怒哀楽さまざまな表情の変化、魅力的な体の線も見どころです。
展開のリズム感と笑いのセンス、言葉選びも大好きです。
特にラストのモノローグが読み終わってからもずっと心に残ってます。
愛と狂気のストーリー、個性が黒光りしているような登場人物全てに魅せられました。

描き下ろしは意外な場面でした。この人の愛は本当に何と言えばいいのか…。
さらに人物の設定1P、この後の二人についての1Pが収録されています。
すごく大好きな終わり方で何の不満もないんですが…
いつかこのラストの1Pの二人のお話を読ませて頂きたいです!お願いします!!
連載を追っていた大好きな作品が素敵なコミックスになって嬉しいです。
カバーデザインは伊南美はち様

5

今回はゆるかわではない!

今までの湯煎先生の作品とは一味違います。
ゆるふわ可愛い作品を描く印象の作家さんでしたが、本作は愛に溺れていく天才画家と彼に陶酔する編集担当者の話。
これはハッピーエンドなのか?
読み手の感じ方で印象の変わる作品だと思います。


周りから「無難」と揶揄される要領のいい雑誌編集者・橅木は、自身が唯一執着する天才画家・天花寺蓮の担当になります。
蓮に陶酔する橅木と愛を知らないピュアな画家が出会い、危うい関係に溺れていくドラマチックラブストーリーです。

作品のインスピレーションのために橅木にキスやセックスを強請るようになる蓮ですが、元はピュアッピュアなチェリーボーイ♡
流されるまま蓮を抱く橅木は、次第に蓮自身を愛するようになります。

橅木との愛欲に溺れるようになり、蓮はすっかり作風が変わってしまいました。
蓮の心は作品に直結していて、キャンバスはあっという間にピンク色。
言わなくても橅木に恋しているのが分かる^^
でもこれが世間から評価されず、蓮の価値は下がっていきます。

愛と引き換えに失った才能。ここが切ない。
描けなくなった画家に価値はないと考える蓮は橅木を責めてしまうのですが、それには悲しい蓮の生い立ちが影響しているのです。

そして、自分の存在が愛する画家を変えてしまったことに喜びさえ感じる橅木は、やっぱり普通じゃないのかもなぁ。
どんな蓮も受け入れた橅木の愛はとても深くて大きくて、少し歪んでいると感じました。
マトモに見えるんだけど、橅木もちょっと怖いんだよ……

全てをなくした蓮の存在意義になるという橅木とのシーン、感動的なんだけどホント二人の世界。
ここにはもう誰も入れないよ。
これがハッピーエンドなのかって聞かれたら、二人にとってはやっぱりハッピーなんだと思う。

恋愛と愛欲の色に染まってしまった蓮ですが、愛って様々な形があると思うんです。
博愛・慈愛・友愛……いつか、蓮が色んな愛を表現できるようになったらいいなと思いました。

総じて面白かったです。
きっと、湯煎先生も今までの作風を打ち破りたかったんでしょうね。
そう思う、挑戦の意味ある作品に感じました。

5

必ずしも幸福を得られるわけじゃない苦さ

冒頭部分は可愛いお話だな~と思いました。

表紙から伝わるイメージもそうですが、"天才画家"と評される受けはあどけなくて、攻めからは愛おしさのようなものがダダ漏れていて。「愛を知らない者が愛を知る」ってものすごく肯定感が高まる前向きな感情だと思ってたし、そういった感情はドラマティックに描かれることも多いです。けれど愛は必ずしも幸福感だけを与えてくれるわけでないんですよね。

愛を知る代償が描かれていて、可愛いだけに留まらない作品でした。(とはいえ湯煎さんの作風ゆえかどこかほにゃ~と明るい雰囲気なので、重苦しくて仄暗い・ダークという感じではないです。)


さてさて。
受け:蓮は若手でありながら天才と評される画家。「唯一無二の色彩感覚」と呼ばれ極彩色に彩られた作品が彼の持ち味…というのかな。人気たる所以でした。そんな天才画家の性格はというと、DTでキスの仕方も知らないピュアっ子!子犬のように可愛いかと思えば、生活能力は低くてだらしなかったり。ほっとけない可愛さがありました。

攻め:撫木はアート雑誌の編集。学生時代は絵を描いており、蓮の才能には羨望と憧憬と執着を抱いていて……要はめちゃくちゃファンですw蓮を担当することになったときはガッツポーズ╭( ・ㅂ・)و ̑̑ ですよw生活能力が低い蓮の世話をせっせと焼く年下攻めです。

撫木が蓮と出会った時、蓮はスランプ気味だったんですね。何かインスピレーションを得るために興味本位で撫木にキスをします。それは唇を押しつけるだけのつたないキスで、憧れの人からそんなことをされちゃー撫木の興奮待ったなし…!撫木から官能的なキスを施された蓮はインスピレーションを得て絵を仕上げました。

それからというもの、絵を描くためにチュッチュッチュッチュ。個人的に『つきあってないのにキスをする』シチュにめちゃくちゃ萌える質なので、これはもうめっっっっちゃ萌えました!!!(恋心を隠した上でのキスってなんでこんなに美味しいんだろう…(∩´///`∩))いつしかキスだけじゃ収まらなくなってきてその先も…( ´艸`) ♡

でもですね。少しずつ少しずつ歯車が狂っていくのです。蓮の作品は自分の内側を削って感情を表に出したものでした。だから撫木に愛される喜びもそのままストレートに色となってしまう。今まで孤独を抱えて命を削って描いた画風と真逆になり、酷評を浴びることもしばしば…となってしまったんですね。

撫木は蓮のファンとして蓮の才能を強く信じている反面、担当編集としてこのままではマズイかもという思いもどこかにあって…。蓮も蓮で嫌でも目に入る酷評を気にして画風に迷いが生じる。これはシンドイです。どうあるべきか・どう進むべきか。1度知ってしまった以上戻れない苦しみが蓮を襲い、両想いが画家の命を殺すーーー。

両想いの捉え方も撫木と蓮では違ってて温度差があるのが切なかったです。普通は両想いって幸せなはずなのにナゼ…?(;///;)そしてこの問題はどこに解決点があるのかわからずドキドキしました。誰よりも蓮を、蓮の絵を、深く愛する撫木だからこそきっと大丈夫ですよね。愛を知って失い、愛を持って生き返る。そんな未来があるといいなと思いました。

ストーリー的には重いところもありますが、湯煎さんの作風だと良い意味でサラリと読めたて良かったです。撫木の執着のおかげかドッシリした幹があるから不安定に揺れる場面もどこか安心していられた気がします。うん。面白かった!

7

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