ボタンを押すと即立ち読みできます!
きみが俺のものだという証をつけたいんだ
れの子先生の挿絵に惹かれて購入。得意ではないオメガバ、めちゃ推しポイントがあったわけではないのですが、攻めが優しくって、なんだか癒された気分になったので萌にしました。優しいのです、攻めさん。本編210Pほど+あとがき。
オメガ関連の養護施設で働くために必要な国家資格取得を目指して勉強中の海里(みさと)。養護施設育ちで両親ともいないため、コーヒーショップでアルバイトをして生計をたてています。ある日そのコーヒーショップを訪れたイケメン客に食事に誘われて・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
真琴(まこと、攻め弟)、喫茶店の同僚(Ω)、攻め両親ちょびっとと、最後にお子様。
++良かったところ
オメガバースで嫌になる「オメガが酷い仕打ちを受ける」「オメガが毛嫌いされている」という気分がどよーんとなる記述が少ないように感じたのです。発情しちゃってエロエロになるのはありまして、それはまあしょうがないとしても、受けさん頑張って働いて前向きに生きていこうとしてますし、攻めさんに対して卑屈になることもなく、一生懸命つんつんしていますし!
攻めさんは勿論アルファなのですが、優しいアルファのように感じるのです。父親の右腕として商社で働く取締役さん。お坊ちゃまだったんでしょうね。お人柄よく優しく、「嫌なヤツ」というものから全く正反対の「善人」!ヤルことはやってますけど、ゆっくり受けさんを口説こうと頑張る頑張る。そこも嬉しかったポイントでした。
最後は本当に幸せそうにしている、優しくほっとした心地のお話でした。
ツンデレなオメガがアルファに溺愛されて家族を得る話
コーヒーショップでバイトをしている真名海里(受け)はある日店に来たアルファと思しき極上の男に食事に誘われ、「運命のつがいだ、結婚してほしい」と言われます。男は鹿野吉城(攻め)と言い、有名な会社の次期社長でした。
オメガはアルファと違い一度つがいになると一生そのアルファに縛られるため、捨てられることを警戒して一生恋愛などしなくていいと思っていた海里は戸惑うのですが、鹿野の押しに負けて結局3か月のお試し期間を設けることにするのです。
週3回海里の自宅アパートにきて、質素な生活を送る海里とやっていけるのか確認してみろという海里の提案(挑発)に乗った鹿野は、普段ならお手伝いさんにしてもらうような部屋の掃除や風呂掃除に料理に洗い物などをスマホでちまちま調べてこなしていきます。それを間近にみて、海里は少しづつ絆されていくのでした。
親に捨てられ施設で育った海里は愛情に飢えていて愛し方がわかりません。オメガであることもあって安易な愛情に振り回されないよう自分を律しているようです。ただ、鹿野に対しては自分で慎重だと言っているのが本当なのか疑いたくなるくらい無防備です。
どこが慎重やねんと何度突っ込みを入れたことか。
一度目のセックスは発作のようなヒートだったため仕方ないかと思うのですが、二回目以降は明らかに海里から誘っていますし。
特に一度目は不本意だったはずで、それなのに避妊よりも行為を優先していたし、妊娠したらどうすんの!と思いながら読んでました。
案の定だし・・・
作中他のアルファに声を掛けられるシーンでもあれば鹿野に対してだけ態度が違うと表現できただろうと思うのですが、そういったシーンもなく自己申告による慎重とはなんぞやという感じでその辺りはちょっと表現不足だと感じました。
育った環境が違い過ぎてうまくいかないんじゃないかと警戒するツンデレな海里が鹿野をちゃんと受け入れるまでという感じなので、ほとんど障害といったものはありません。
唯一年の離れた超ブラコン弟・真琴が攻撃的ですが、甘やかされたぼんぼんで性格自体は悪くないので嫌味やわがままをいうくらいでそこまででもないです。
どちらかというとエロ重視なさらっと読める話だったように思います。
気になることといえば、運命のつがいとは何をもって判断するのかよくわからなかったことや、鹿野が海里が妊娠してるのではと思った根拠は何だったのかが気になりました。結局どちらも説明なかったし。
細かいことを気にしてしまう読み方をしているので、考え考え読んでしまいましたが、さらっと読むにはドキドキハラハラすることもほとんどなく良いのではないかと思いました。
溺愛と付くからには、読んでみたい。
受け様は、コーヒーショップで働くオメガの海里。
施設育ちで、両親の顔も無条件の愛情も知らなくて、誰かを頼ることや甘えることに不器用な頑張りやさん。
ある日、海里が働くコーヒーショップに訪れた攻め様である鹿川は、海里に運命を感じて「運命の番だ」とグイグイ押してくる。
オメガバースの世界だから、ビビビッとくる理由は『運命の番だから』でもちろんいいのだけど、甘々になるからには、やっぱりそれだけではない何かが欲しいところだし、それからが大事でもある。
最初こそ、いきなり運命の番だ、と押しきってきたけど、海里の気持ちは尊重してくれる鹿川。
俺様アルファではなく、むしろ分かりやすく尽くしたいかわいがりたい、というアルファ。
自分を知ってもらうため、と海里が週3回の自宅訪問を提案して、一緒過ごす時間を積み重ねていく2人。
お手伝いさんがいる家庭のお坊ちゃん育ちの鹿川だけど、慎ましい生活をしている海里に自然体で寄り添っていて。
掃除、自炊といった家事を楽しそうに率先してやっていて、とっても好印象。
自分1人で生きていくのだと頑なだった海里が、そんな鹿川の誠意や愛情に触れて、和らいでいく。
あんなに失礼極まりな鹿川の弟、真琴にも辛抱強く接していて、スゴいわ〜。
いきなり番、という関係になるのではなく、甘やかで嬉し恥ずかしな恋人、というステップを踏みたいと願った海里。
そうだよね!
そこんとこ飛ばしちゃダメよね。
甘酸っぱくてにまにましちゃいました。
真琴をはじめ、鹿川の家族にも受け入れられ、愛し愛される家族ができてよかったね、海里。
鹿川は、思いっきり溺愛させてもらえるようになってよかったね、と思いましたd(⌒ー⌒)!
もう出会ってからずっと攻めの鹿川は甘いです。誠実で奢ったところもなくて、海里に対して好き好きアピールと打ち解けようとする努力がもの凄いです。オメガバでこんなアルファいたでしょうか?
海里は今までの境遇のせいか、すぐに信じようとはしなくてツンツンしたところもありました。
でもそれが過剰では無かったし、鹿川を好きになって行く過程も自然でバランスの良い2人にとても好感が持てました。
大企業の跡取り息子のアルファと身寄りのない孤児院育ちのオメガということで、鹿川の親族の猛反対にあうかと想像しましたがそんな事もなく。両親には快く受け入れられてました。母親なんか孫の顔が見れると涙ぐんでいたくらいです。
唯一の難敵だった超ブラコン弟も根は素直で良い子でした。
波乱もなくて当て馬もいない、登場する人物が皆良い人ばかりのオメガバも珍しいのではないでしょうか?
私はその辺りがちょっと物足りなく思いましたが、痛いお話が苦手な方には丁度良い作品だと思いました。
攻様に気に入られた受様がお試し期間を経て攻様の番になるまで。
この世界は男女の他に第二の性があり、アルファ、オメガ、ベータという
三層に分かれます。
少数ながらも容姿才能共にずば抜けて優れて政財界のトップを占め、スポー
ツ界のスターや芸術芸能の世界でも頭角を現すのは必ずアルファです。彼ら
は独自のコミュニティをつくり、結束を固める事に心血を注いでいます。
数としては一番多いのはベータで、穏やかで平凡な暮らしを営む者が多い
層になります。優秀ながらも傲慢になりやすいアルファを辛抱強く支える
秘書やマネージャーも大抵はベータです。
とりわけ数の少ないオメガは男女区別なく妊娠、出産ができる特異な体質で
3ケ月毎の発情期では蠱惑的なフェロモンを発して人々を惑わすと言われ、
慎ましやかな美貌と相まって犯罪や事件に巻き込まれやすい層でした。
受様もオメガとして生まれますが、今の時代はオメガ保護法の施行により、
オメガも何の心配もなく、普通に街を歩けます。それでもオメガであれば
特殊な身体と起こりうる様々な状況を学ぶために一定期間、専門施設で暮ら
す事を事務づけられています。
受様は生後間もなく養護印の前に捨てられていた子供で、奨学金とオメガ
保護法による支援金を受けて大学へと進み、養護施設の正規スタツフを
目指しています。但、その国家資格試験は難関で、今はコーヒーショップ
でバイトをしながら次の試験に備えています。
今のところ発情期はうまく抑えられ、バイト先は気のいいベータとオメガで
構成されていて、たまに客としてアルファが訪れても不要な接触は避ける
ようにしていましたが、5月のある日、1人のアルファによって受様の生活は
一変する事になります。
そのアルファは商談のために訪れた街でまたまた時間潰しに入ったコーヒー
ショップで、レジ打ちに入っていた受様に目を止めたオーダースーツを身に
纏う上流階級の男性でした。しかしこの人こそが今回の攻様なのです♪
攻様はアイスティーを買って店内で飲んでいましたが、店内清掃で攻様の
近くを通りかかった時に声を掛けられ、シフトや年を聞かれた挙句、大手
商社取締役の名刺を渡されて食事に誘ってきたのです。
受様は半信半疑でしたが、シフト終わりにスポーツカーで迎えに来られ、
強引ながらも明るく開放的で話しやすい攻様と1度くらいなら食事をしても
構わないかと誘いに乗るのですが、その場で「君と俺は運命の番だ」と
言われてしまうのです!!
果たして攻様は本当に受様の運命の相手なのでしょうか!?
天涯孤独の受様が攻様に一目惚れして家族にになるまでの身分差&年の差、
シンデレラ風味のオメガバースになります♪
受様に「こんなに惹かれた人はいない。番になって欲しい」と懇願する
攻様は温和そうに見えてもアルファの性をまざまざと感じさせます。受様
がどうすればいいのかと逡巡していると指先を絡めるように手を握られて
強烈なアルファの熱情で一気に発情してしまい、結果的に攻様に抱かれる
事となるのですよ (>_<)
攻様は受様を花嫁として迎える気満々ですが、受様は身体の相性は抜群で
も何もかもが違い過ぎる攻様の元に嫁いでも上手くいくようには思えま
せん。そこで受様は攻様が3ケ月のお試しを提案します。そして週3回、
受様の住む下町の1DKアパートに攻様が通ってくることになります。
掃除も買い物も食事つくりもした事の無いブルジョワジーな攻様ですが、
受様の料理のお礼にと大きな身体でちまちまと食器を洗ったり、スマホで
検索して風呂掃除や料理に挑戦したりと、自分から何でも率先してチャレ
ンジする、受様自身とその暮らしに馴染もうとする姿が微笑ましいです♡
そしてそんな攻様に受様もまた少しづつ心を開いて行って、2人が家族と
なるまで、受様の内心の格闘はあるものの、受様が徐々に攻様に馴染んで
いって惹かれていく過程も丁寧に描かれていてオメガバース初心者さんに
も読みやすい穏やかなで優しい恋物語でした。
ただ、途中攻様大好きなブラコン弟が登場して反対勢力の登場か!?と思い
きや徐々にほだされ、気難しいと言っていた攻様母が障害になるのか!?と
思いいきや攻様が結婚する気になっただけでOKと、特に波乱もなく終わっ
たのがちょっと物足りかなったです。
受様が嫌な目に遭って欲しいとかではないのですが、「運命の番」なら
なんでも乗り越えられる的な順風満帆っていうパターンよりもハラハラ
な展開を乗り越えて2人が結ばれる展開が好みなので。