電子限定描き下ろし付き
前代未聞・史上最高の輪廻転生ボーイズラブ!
「100万回死んだネコ」のBL版かなー。
本当の愛を知ったら、本当に死を迎えて生れ変ることが出来る・・のか??
何回死んでも、死ねない呪いを「神人」からかけられた人。
元旦のお焚き上げに、マツリが古いお守りをくべると、爆ぜる。それから・・入院を何故かマツリがして、マツリに古いアパートの自宅に案内される。数日後マツリは、案内された家とは別の自宅のマンションで自殺をしていた。
でも、マツリに教えてもらったアパートに行くと、死んだはずのマツリが生きていてそこに住んで居た。「神様の呪い」なんだと言うマツリ。
いつもなら、死んだあと別の人として生きていた。でも今回は、恋人のサツキは死んだはずのマツリを見つけた。
・・「君が今の僕が分かるなら、僕はようやくこの呪いから解放される」
・・どうやらさつきは、ずっとマツリが探していた誰かの生まれかわりだったらしい。
呪いを解く為の何かを探して、死んでも死ねず色々な時代で生きて彷徨う。
「さつき待つ」のタイトルが物語のヒントらしいです。
マツリが自死を選んだのは、忌まわしい輪廻を終わらせて、新しい輪廻の因果でサツキと再会して幸せになりたいと願ったからかもしれません。この部分の説明、曖昧かも。
呪いの始まりは、聖徳太子が居た時代に遡る兄弟の拗れた愛・・と、筋書きがこんがらがった人からは低評価受けて居ました。
面白い着眼のsfファンタジー。聖徳太子毒殺説がヒントなのかな? 粛清された太子一族の慰霊=祟り封じの為に法隆寺があるんですよね。凄い人の血を引く異能者だったのは間違いないけれど、毒殺されるような抜けた所があった人のようです。
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さつき 皐月とは:(主人公の「さつき」の名前に意味がありそう)
陰暦(旧暦)の5月。「早苗」の「さ」は耕作の「さ」が語源とされる。
漢字「皐」には「神に捧げる稲」の意味
ノーチェックだったけど、ちるちるニュースの新刊案内の表紙イラストと、作者さんインタビューに惹かれて電子で購入。
絵の印象もあって、最初は、さらっとした年上上司受けのサラリーマン物かと思わせておいて、徐々に、場所や時代を変えた短編でつなげていく、輪廻転生のちょっと不思議なお話でした。
面白い設定のお話だと思ったので、せっかくだから、もっと長くても良かったなぁ。
もっといろいろな時代の話も読みたいし、
そもそもの始まりのお話だと、3人の関係がというか、皇子の気持ちをもっと知りたいと思ったし。
最後にまた現代のサラリーマン物に戻る構成で1冊にうまくまとめてあるけど、ちょっと駆け足だったのがもったいない。
五月待つ花橘の香をかげば昔の人の袖の香ぞする/古今和歌集
ドキドキしながら読みました。
面白かった!BL漫画らしからぬ雰囲気なのですが、この感情の大きさと執着の強さはBL漫画の醍醐味をバッチリ押さえています。ただ自分はBLを読んでる面白さというよりは、ショートショートの小説とか、作り込んだ短編漫画を読んでる面白さに近いものを得ました。そういったものが好きな方にはお勧めしますが、BL的萌を浴びたい方は肩透かしをくらうかも。
生まれ変わりの話してる時の彼の雰囲気は完全に宗教勧誘してくる恐ろしい人なので、いくら好きでも距離を置きたくなってしまうな。そこに食いついて行ける"伴"達…強い…さすがの執念。
ちょっと難解なお話でした。
「前代未聞・史上最高」の帯。
前代未聞の文句は、多分そうでしょう
ただ、史上最高かどうかは好みが分かれると思います。
ストーリー自体は面白く、どういう事?という疑問とともに、あっという間に引き込まれました。
神、仏、呪い……様々な要素が組み合わさった輪廻転生ファンタジーです。
現代から徐々に時代を遡って事の核心に触れていく展開で、ちょっと怖いと思う方もいるかもしれません。
主人公はマツリと皐月ですが、マツリの苗字「比木」と、皐月の下の名前「伴芳」という名を覚えておいた方がいいです。そうしないと混乱します。
交際中の皐月とマツリ。
身体も重ね、幸せいっぱいのはずが、ある日突然マツリが亡くなってしまいます。
しかし、皐月は死んだはずのマツリと再会しーー…!?
かなりショッキングな始まりです。
何度死んでも、必ず生かされるマツリの正体は?
死ねない理由は、神様の呪い??
そして、皐月が忘れている前世の秘密とは?
現代、数十年前、江戸時代?、飛鳥時代あたり?と、どんどん時代を遡ります。そして最後は現在に。
その度に登場するマツリと皐月に似た男。
何度も繰り返す不幸な死……
これは、皐月の執着なのかな。それも、とても強い。
生まれ変わる時代は関係ないという考え方に、ちょっと疑問は残ります。
既に生まれている人に成り代わるということも?
でも、マツリが本当に好きだったのは皐月だけだったんだと思う。だからこそ、初めて抱かれたのでしょう。
呪いが解けたとき、なぜマツリは自ら死を選んだんだろう?
マツリ以外の人生をやり直したかったのか、皐月の死を見たくなかっただけなのか?
ただ、この二人は深い縁で繋がっているんでしょうね。
何度死んでも、きっとお互いのそばに生まれ変わる。
生まれ変わりのシステムが、幸せを目指すためのものであって欲しい。
仏教的な要素が多くて難しいのですが、私はハッピーエンドだと感じました。
今度こそ二人で幸せになって欲しい。
それから、もう一人の重要人物にも注目です。
彼は救いがなくて悲しいなぁ。
うーん、難しかった!というのが
正直なところ一番はじめに出てきた感想です。
最後のマツリの言葉でいくと
死んで生まれ変わってまた出会う、というよりは
表向き「死んだことになっている」というだけで
魂はとどまって彷徨うことになり、気付くとまた違う誰かになっているということなのでしょうか。
なり替わるとは生まれ変わるとはまた違うこと。
この辺が絡まって、理解するのに何度も読み返しました。
皐月の名前にはいつも「伴」があるように、マツリの名前にはいつも「比」がある。
この「比」の意味についても色々と考え、調べてずいぶんと頭をつかいました(笑)
こうして読み解く楽しさもあった作品でした。
一度自分なりに噛み砕き、また読み返すとまた印象が違ってきそうです。