電子限定SS付き
可愛らしい表紙 猫とは何?
「猫」って、なにを指しているんだろうと、興味を持って電子版を購入。
ファンタジーを前面に出した表紙だからか、コアな著者のファンに人気ないのかなあ?
中身はいつも通りで、内面に訴える展開。
面白かったので、先入観無く選んでよかった。
騎士・バルドーは、自分の命を大事にしていない。
それが気になる魔術師アンリ。旅と言っても、猫に変化しての色々。
病気の女王の要望で猫に変化するアンリ。アンリは美少年だけど、変化する「猫」は可愛い系。
女王にかかった呪いを解くために「オッド」を探す旅に出る二人。
アンリは、自分以上に試練に満ちた生涯を送ってきたバルドーを知るに連れ、甘ちゃんを改めていく。
純愛が、寂しがりの魔術師の怨恨を消す物語。
シリーズ化を今頃要望しても、届かないよねー・・残念。
★フロイトの夢判断で解く『ユング心理学入門』での象意:
「猫」
自由 自分の意志を大切にして生きる
★魔法使い
願望を叶えたいという気持ちが高まっている
何だこの2人、めちゃくちゃ可愛いすぎる……!
11歳で王城魔術師にスカウトされ、親元を離れてからは先輩魔術師達に可愛がられて育った、立派な箱入り息子のアンリ。
のんびり屋な性格も可愛く、更に黒猫に変化してにゃごにゃご甘える姿が圧倒的〝癒し〟で何度もハートを鷲掴みにされました♡
そんな箱入り息子なアンリと、国一番の騎士・バルドーが王妃様を救うべく一緒に旅へ出る事に……!
猫姿でバルドーの懐にすっぽり収まるアンリは可愛いし、変化が解けたら全裸のアンリにドギマギしてるバルドーも可愛いし、少しずつ距離が縮まる2人は初心可愛いし…で、もう、可愛い尽くめな冒険譚を楽しく読了◎
ぶっちゃけ、濡れ場は唐突にも感じましたが、次の展開へ進める為には必要だったんだな…と理解しつつも、やっぱり唐突だった気がする…笑
王道スパダリ攻めかと思いきや、自己犠牲の塊のようなバルドーにはハラハラさせられましたね……
捨て子故に自分を大切に出来ない(無自覚な)心の欠陥が切なく、そんなバルドーの孤独にそっと寄り添い、愛情を注ぐアンリがいじらしくてキュンとします。
また、バルドーを守りたい!と思う事で、怠け者で甘えただったアンリの成長も胸熱
お互いの足りない部分を補いあう、唯一無二CPの誕生に拍手喝采です!
バルドー(攻)視点の後半では、アンリへの溺愛っぷりが丸見えで激萌でした♡
アンリと出会う迄は自分の命にすら執着しない淡白男子だったのに、すっかり嫉妬深い執着男子に成長していて思わずにっこり◎
個人的に、天邪鬼なオッドと眷属の鴉・カロとの関係性が大変好みでした!
人間化したカロと結ばれるスピンオフとか降ってこないかなぁ……(´ω`).。oO
こちら、安西先生初のハイファンタジーで、タイトルや表紙から受ける印象通りの可愛くて優しいお話。
国一番の騎士と、強大な力を持つものののんびり箱入りな魔術師が、共に旅をして西方の黒い森を目指す・・・と言ったお話になります。
えーと、まるでディズニーのおとぎ話みたいな雰囲気なんですけど、上手く伝わりますかね?
若干、展開に都合良さや唐突感なんかを覚える部分もあるんですけど、安西先生の持ち味が良く出た、とても柔らかくて優しい、可愛らしいお話だと思います。
内容です。
その魔力の強さ故に、若くして王城の魔術師団に迎え入れられたアンリ。
病に苦しむ王妃を救う為、国一番の騎士・バルドーと共に、はぐれ魔術師の住む黒の森を目指す事になりますがー・・・と言うものです。
で、こちら、繰り返しになりますが、とにかく可愛くて優しい世界観のお話なんですよね。
そもそも主人公であるアンリですが、魔術師としての実力はあるものの、おやつと昼寝が大好きなおっとりのんびりした性格。
こう、周囲も、一番年若い彼を孫や子供のように可愛がっていてと、愛されて育ったが故の呑気で幼い部分があると言いますか。
今回ですね、そんな彼を次期後継者にと望む魔術師団長により、そろそろ自覚を持って貰わねば!と、この大役を任されって感じになるんですけど。
で、アンリと共に旅をして、はぐれ魔術師・オッドに王妃の病魔の快癒を依頼しに行く事になったのが、穏やかで優しい騎士のバルドー。
アンリとは真逆なんですけど、捨て子の乳児院育ちである彼は、幼くして王城の下働きとなり、そこから叩き上げで騎士になったと言うなかなかの苦労人になるんですね。
その出生のせいで、自分の命を軽く見てしまう傾向ありって所でしょうか。
これね、そんな二人が共に旅をする中で距離を縮め、恋に落ちると言ったお話なんですよね。
安西先生と言うと「主人公の恋する気持ち」や「主役二人が恋に落ちて行く過程」なんかを、とにかくキュンキュンに読ませてくれると言った印象が強いんですけど、今回もまさにそれ!
や、変化が得意であるアンリは、黒猫姿で旅をするんですよ。
バルドーの懐に入れて貰って。
で、眠っちゃったりすると、変化が解けて素っ裸の状態で人間に戻ってしまう。
これね、どこか幼い部分があるアンリは、素っ裸を見られても全然平気なんですよね。
対して、アンリの変化が解ける度に、目をそらしながらローブを差し出すバルドー。
や、アンリ視点ではあるんですけど、バルドーがアンリの素っ裸に動揺しまくりなのが、読者には手にとるようにわかっちゃうんですよ。
読んでて、アンリ気の毒よのう!と、ニヤニヤしちゃうんですよ。
また、こちら、繰り返しになりますが、主役二人が対照的なんですよ。
愛されて育ったが故の、素直さや善良さを持つアンリ。
そして、どこか自分に対して、投げやりな部分があるバルドー。
こう、バルドはアンリの無邪気で天真爛漫な部分に、新鮮な驚きや愛しさを覚える。
また、アンリはアンリで、自分の命を大切にしようとしない彼に、もどかしさや苦しさを感じる。
そんな、二人が互いを意識して行くエピソードと言うのがとても印象的に書かれてまして。
こう、キュンキュンしたり切なくなったりと、めちゃくちゃ萌えてしまう。
ついでに、最初こそ素っ裸を見られても全然平気だったアンリ。
バルドーの事を意識し始めると、急に恥ずかしがるようになるのには、思わず「うふふ」と。微笑ましい~!
はぐれ魔術師であるオッドの意外な正体まで、ハラハラドキドキさせてくれるんじゃないでしょうか。
が、若干気になる所。
えーと、展開としてちょい都合が良いと言うか、唐突感を覚える部分なんかがあるんですよね。
や、二人がピンチに陥った所で突如出てくる、とある「言い伝え」とか。
これな~。
「国に伝わる伝承」とかって形で、あらかじめ読者に教えておいてくれたりすれば、都合がいいとか唐突だとか感じないと思うんですけど。
要は、伏線が張られてない為、いきなりでビックリしちゃう。
えーと、個人的には全然許容範囲内ではあるんですけど、こういう部分が気になる方はご注意下さいって感じで。
ちなみに、この表題作が雑誌掲載で、ここからバルドー視点での後日談が書き下ろしで収録されてます。
プラス、第三者視点のコミカルなSS。
個人的に、受けにメロメロな攻めの、デレデレした内心と言うのが大好きな為、楽しかったです。
ちなみに、バルドーですが、旅芸人である親に捨てられたんですよね。
この書き下ろしですが、彼の前に実の親が現れ・・・と言う展開。
ページの都合かちょい駆け足ではあるんですけど、二人の愛の強さに萌える、素敵な後日談でした。
とりあえずですね、若干展開としては都合の良さを覚えたりするんですけど、とにかく優しくて可愛くてあたたかいお話でした。
この二人、初恋同士、童貞同士でもあるんですよね。
そんな二人の初々しさにも、ニヤニヤしちゃいました。
かわいくて甘くて優しい、癒し系ファンタジー。
安西さんといえば、普通の男性(だいたいサラリーマン)の日常BLのイメージなので、
ファンタジー?!って意外でした。
でもオメガバースもあるし、超シリアスなサスペンス系?(バースデー)もあるし、
そういえば割と幅広く書かれてますね。
アンリは魔術師としてポテンシャルはあるものの、子供ぽくてやる気イマイチ。
それが、王妃様を救う旅を通して愛を知ったことで、立派な魔術師に近づいていくというアンリの成長譚でもありました。
登場人物が基本みんないい人です。
黒猫もかわいい。
甘くてかわいくて安心して読めるので、
このコロナ禍や暑さでただでさえしんどいのに趣味のBL読書で疲れたくない!という方にはおススメです。
ややこしい設定とか難しい用語とか出てこないので、ファンタジーに不慣れな私でも読みやすかったです。
そしてなんと言っても、かわいい。
受けのアンリは魔術師なんだけど、黒猫に変身することができるんですね。
この猫になったときの描写がかわいいの。
だから猫好きの方はすごく楽しめると思う。
で、猫となったアンリを可愛がる攻めのバルドーの様子にも癒されるんです。
最初は猫=アンリだとは知らずに、ただの黒猫だと思っているんだけど、お手製ネコじゃらしをわざわざ持参とかなんか微笑ましくて。
猫好きの人に悪い人はいない!!と強く思いました。
病気の王妃様のために、バルドーとアンリは旅に出ることになるんだけど、バルドーは移動の際は猫となったアンリをふところに入れて持ち運ぶんですね。
なんかそこも微笑ましくて、かわいい。
「黒猫さん」と呼ぶところもかわいい。
肉球ぷにぷに、かわいい。
で、お互いに「バルドー殿」「アンリ殿」と呼び合ってる二人、どちらも童貞どうしで、かわいい。
森に住むと言われている強力な魔術師・オッドとの対決が見ものかと思ったら、あっさり解決したり……と、結構するする〜と解決していくので、ハラハラドキドキ感は正直少ないです。
特に、母に捨てられた恨みを長年募らせてきたオッドが、あんな程度で納得してあっさりと許すかなぁ??と思いました。
バルドーは勇敢な騎士として知られているけれど、それは自分の命に全く価値を見出しておらず死を恐れていないゆえのものなんですね。
一方のアンリは、強大な能力を持っていると言われながらも精進せず、どこか幼く、師に「愛がない」と嘆かれていた子。
そんな二人が出会って、愛を知って、最強になるって素敵だなと思いました。
後半は、待ってました!の攻め視点。
「おれのこいびと、かわいいぃぃ」とかが丸分かりな攻め視点が大好きなので、これは嬉しい。
隣にいるアンリを見つめながら「今日もアンリ殿はこのうえなく愛おしく、そしてお美しい」とか思ってるバルドー。
盛大な脳内ノロケ、サンクス!です。