特典付
下巻の感想です。
正直、上巻を読み終えたときはメリバを覚悟しました。
彼等の未来がまったく想像出来ないんですよね;
憎しみを抱え、贖罪を抱え、報われない感情を抱え、
このまま袂を分けたまま生きていくしかないのかな、と。
事件の濁し方は「?」となりましたが、
BLに特化した描写で不器用な愛が伝わりました。
内海と赤嶺はある意味似た者同士なんですよね。
愛し方が下手で、自覚するのが遅くて、不器用。
本当に求めてた愛情と出した答えも似ていてる。
グッと熱いものがこみ上げてすごく良かったです…!
さてさて。下巻では事件の全容が見えてきます。
内海の復讐はレイプを仕返す、だけではなかった。
アレもコレもソレも…裏には内海の手引きがあった。
そこにあるのは内海のクソデカ感情なんですよね。
拗らせちゃってるけど核の部分は「僕を見ろ!」の裏返しな気がする。
復讐だと正当化しなきゃ失恋に向き合えなかったのかな…と。
なにが皮肉って、赤嶺は内海に関われば関わるほど
元上司・冴木へ抱いていた曖昧な感情がハッキリと言語化されていくんですよねぇ…。
その度に嫌と言うほど失恋させられる内海の痛みが切ないです。
赤嶺が冴木に抱いた報われない感情。
内海が赤嶺に抱いた報われない感情。
同じ胸の痛みを知るもの同士の心が重なった静かな朝が印象的でした。
そこから簡単にいかないのが厄介ですよねぇ…。
ラブが見えてるのに難儀な人達だから焦れったい。
の、で・す・が!
再会したときの内海にめっっちゃ萌えた!!!
「憎しみから自由になれた」
「貴方と距離を置いて正解でした」
って言いながら吸ってるタバコがハイライト!!!
Σ(Ф///Ф)キュピーン って萌えセンサー反応しちゃうわ///
あんたソレ…赤嶺のキスの味って言ってたやつやん!
くっそシリアスな顔してツンデレ発揮してるwww
(この場面めっちゃ好き。拗らせくんの極みが堪らん。言葉と行動一致しなくて悶える)
↑ここまでで下巻の半分もいかないので
ほんとね、ボリューム大で読み応えがありました。
何度も藻掻いて藻掻いて苦しみながら愛を自覚する。自分の心を認める。伝える。
シンドイ場面も多かったけれど読んで良かったしハッピーエンドに安心しました。
欲を言えば恋人になったあとをもっと見たかった!
内海は感情重めのスパダリになりそうな気がする。
始まりは赤嶺×内海だったけど、この先は内海×赤嶺で固定なのかな?と考えてみたり。
モヤモヤしたのは冴木がイイヒト風に描かれたこと。
いや……イイヒトじゃないよね?(゚Д゚)ハァァァ!?
内海が唆したけどさぁ、同意したのは冴木だし。解せぬ!!!!
煽りに煽られた上巻を読み終わった時点では、「下巻は神だな!」とワクワクしておりました。
まさか、そんな自分がこのようなレビューを書くことになるとは…。
わたしの上巻のフライングレビューを読んで、購入に踏み切った方がいらっしゃったら、その方が下巻でも萌えてくださるよう、全力で願うばかりです。
下巻を読んでから、もう一度上巻から読み返しました。
どうしても分からないことがあって。
レビューというより疑問の読み解きなので、あり得ないほど長いです。
かなりネタバレなので、未読の方はご注意を。
赤嶺はどうしてそこまで「自分は理解されない」と思い詰めていたのか。
利用されたと分かった後でも、そこまで冴木に拘る理由。
新歓で先輩社員からのお酒の強要から救ってくれただけで、その相手に希望を見出せた内海の「誰も自分を見てくれない」という苦悩とは。
下巻で登場する冴木は完全にビジネスライクの人で、赤嶺に対して何の情もありません。
上巻では部署も社員寮の部屋も一緒で、スキンシップも多めな冴木と赤嶺の姿を見せてもらいましたが、まるで仲も良い兄弟のように一緒に過ごした3年間が赤嶺にとっては宝物でも、冴木にとっては特に意味のないものに感じられてつらい。
冴木が会社を追われたのは不可解な書類ミスのせいだったけれど、そのことに対して入社3年目の赤嶺に何が出来ただろう?と思うのですが、赤嶺は「冴木を見捨てた」と思ってるようなのが、うーん…。
赤嶺が人にも自分にも厳しい人間なのは、職場の雰囲気から伝わってきます。
かといって過去のエピソードなどがないので、そのせいで幼い頃からずっと孤独だったという匂わせもないから、赤嶺の「誰にも必要とされない」という切羽詰まった思いに寄り添えないんです。
そこに寄り添えたら、初めて自分を懐に入れてくれた人いう点で冴木の存在の大きさも理解できたかもしれないのですが、そのベースとなる赤嶺の孤独が描かれていないから深読みするしかない状態。
だけど一縷の望みをかけた巻末の人物紹介でも、赤嶺がコミュ障的な記述はないし、むしろ新歓の様子からも明るくて空気の読めるタイプにしか見えないし。
結局赤嶺が自分を価値のない人間と思うほど、深刻に抱えていた孤独の原因は何だったんだろう?というのが残ってしまいました。
まさか冴木に選んでもらえなかったことと、冴木との大事な思い出のある部署を維持することができなかっただけで、そこまで思い詰めるとは思えないし…。
内海の方も、かなり大きい一族企業の経営者の親族らしいことが下巻で分かるのですが、たった一度、お酒の強要で困っていた自分を赤嶺が助けてくれたというだけで、「自分を見てくれているひとが!」ってなるのに必要なベースがないんです。
実家が金持ちで、自身も容姿端麗で優秀。
表面しか見てくれない人たちだけだったとか、優秀な兄しか見ていない両親とか、そういうのもない。
不安を和らげてくれた相手にレ◯プされたことの衝撃の方が大きいし、恨みを持つのは当たり前と思う。
しかもそんな憎い相手が、先輩社員と仲良くやっている姿を見かけたら、「人にあんなことをしておいて…」と余計に憎しみが増すのも分かる。
復讐のためだけに費やした6年、やっと完遂できる局面に立って、赤嶺の強さや弱さ、優しさに触れて、陥れる決意が揺らぐのも分かる。
だってこの子が根っからの悪人じゃないことは伝わってくるから。
「良い人だ!」と思った人にものっすごく酷いことをされて、その恨みを晴らすためだけに6年間必死になってただけで、いざ復讐が終わってみると絆されて、赤嶺のために命の危険も省みないくらい恩義を感じられる子なんです。
自分を見てほしいのに見てもらえないから意地悪する壮大な駄々っ子。
だけど…、本当に愛していたら、離れようとするのかな、と思っちゃうんだよな…。
2人の気持ちがどうにも分かりがたくて。
内海からしたら、自分をレイ◯した憎い人間。
赤嶺からしたら、自分の大切な人間を使って自分をハメた人間。
発端となったレイ◯の件も、結局赤嶺は思い出さないし、もともとゲイじゃないのに泥酔して暴行した原因も分かりません。
あれが3年前に冴木が退社させられた直後のことなら、積もり積もって行き場をなくした冴木への想いの鬱憤を晴らしたという風に読めるけど、冴木に出会う前のことで。
もし酔う度にそういう蛮行及ぶような人間なら見る目が変わってしまうけど、そういうわけではなさそうだし、あそこがスッキリしないことにもモヤリ。
冴木の本性を知っても、盲目的に冴木への想いに拘る赤嶺にもモヤリ。
一番感動するはずの「心に触れてくれていたら…」というシーンのモノローグで、あまりにも自分本位な赤嶺に、さらにモヤリ。
終盤の突然なライトなノリにもモヤリ。
会社を巻き込んでの復讐劇で、壮絶なストーリーなんです。
でも装飾を全部取り払って残るのは、「愛されたかった男」が2人。
ただその根拠が十分に読者に提示されないせいで、登場人物のテンションまで読者が追いつけない。
内海の「部品扱い」や赤嶺の「好きな人に必要とされたい」(冴木に出会う以前のエピソードが欲しい!)という切羽詰まった気持ちの裏付けになる過去の描写があれば…!
「憎いのに愛されたい」という複雑な感情を中心に据えた興味深いテーマ。
ここまで大きな設定を組み立てたのに、土台がない。
何だかもったいないなあと思いました。
『絶望に啼け』の下巻。続きものなので上巻未読だと理解できません。
会社のデータを抜き取ったの誰か分かった、というところまでが上巻で描かれていましたが、その続きからになります。上巻のネタバレも含んでのレビューになります。ご注意ください。
データを抜き取ったのが赤嶺だとバレたことで会社にいられなくなった赤嶺ですが、それを明らかにしたのは誰でもない、内海だった―。
そんな衝撃的なシーンで終わっていた上巻。
赤嶺に心を許したように見えた内海。それは虚像だったのか―。
データ云々、は上っ面でしかなく、この犯罪の真相はもっと根が深い。
そういった部分で武骨な展開を持つ作品です。が、今作品は紛れもなくBLであり、恋愛ものであると思いました。
赤嶺がデータを盗んだその理由。
赤嶺が内海をレイプした理由。
内海が、赤嶺をとことんまで追い詰めた、その理由。
愛情は、裏を返せば憎しみになるんだなあ、と。
愛憎は、表裏一体なんだなあ、と。
深い。
めっちゃ深い。
愛したから、受け入れてほしかった。
自分で自分の感情がコントロールできない。それほどまでに愛した。
不器用な男たちの、そんな彼らの想いと深い愛情に萌えが滾って仕方なかった。
あとねぇ、これだけは言いたい。
エロが素晴らしい。
めっちゃ綺麗。
体つきも、表情も、ナニからナニまで。
トーンのはり方が上手なのかなあ…。艶っぽさとか淫靡さとか、マジでヤバいのでじっくり堪能されてください。
はじめに書きましたが痛いシーンも多く、読み手を選ぶ作品かもしれません。けれど人の愛情とか、その裏とか、そういった心情を深く掘り下げた良作でした。
文句なく、神評価です。
あらすじを読んでとても惹かれた為、購入です。
上下巻合わせての感想になります。
こちら、ストーリーとしてはとても面白いです。
会社の顧客リストの流出から始まり、その裏に隠れていた驚きの狙い。
こう、次々明らかになる意外な真相の連続に、ページをめくる手を止める事が出来ないと言うか。
また、その中で繰り広げられる、男達の愛憎入り交じる人間ドラマも圧巻だと思います。
裏切りに復讐に絶望。
人間って悲しい事に、自分が傷付けられると相手も同じくらい傷付けてやりたいんですよね。
そんな人間の愚かで醜い姿が、もう容赦なく描かれてます。
その果てにたどり着いた、静謐とも言える境地も。
ああ、確かにこれは「絶望に啼け」だわと。
読者を選ぶ作品だとは思うんですけど、合わない方でも読み応えがある事自体は認めざるを得ないんじゃないでしょうか。
で、素晴らしい作品だと言う事に素直に敬意を表した上で、私も直球で疑問点を書きたいと思います。
まずなんで、6年前に赤嶺は内海をレイプしたのか?
最後まで読みましたが、これの答えが描かれてないんですよね。
えーと、繰り返しになりますが、二人の関係と言うのは愛憎入り交じる複雑なものなのです。
新歓の席で赤嶺が庇ってくれた。
その後にレイプされたと言う、内海にとってはまさに光と闇のような出来事により、赤嶺に強い執着を抱くようになった。
ここが全ての始まりと、土台とも言うべき部分なのです。
だからこそ、レイプに至るちゃんとした理由が無いと、その後が全て嘘っぱちになっちゃうと言うか。
こう、酒宴で庇った赤嶺と言うのはとても好青年で、その後にレイプする彼はクソにしか見えないんですよね。
いきなり地面に叩きつけた上に無理やりフェラさせ、更に突っ込みと。
二重人格かってくらい、印象が違う。
私ならいくら直前の出来事で好意を持ってたとしても、ここで百年の恋も覚める。
憎しみと同時に愛も持ち続けるなんて無理です。
マジでこれ、何でレイプしたの?
単に内海が可愛かったから?
酔っててやりたくなったから?
「覚えてない」だけで済ませるって、あまりに酷くない?
それじゃ本当のクズじゃん。
ここに、何かアッと言わせてくれる驚きの真相が隠されてると思っていたので、そのまま終わってしまってすごく残念と言うか全然納得がいかないんですよね。
あと細かい部分で申し訳ないんですが、微妙に時代がズレてると言うか、これは現代日本なのかと違和感があると言うか。
新歓でハナクソ混じりの酒を新入社員に強要するって、昭和ですよね?
背信行為をやらかした社員をヤクザに始末させるって、とりあえず現代日本じゃないですよね?
そこは、警察にお任せしましょうよと。
ついでに、仕事中にマニキュア塗ってる女性社員って何なの・・・。
いや、私が知らないだけで、まだまだこういう会社が令和の日本にも存在してるのかも知れないですけど。
う~ん。
すごく読み応えがあるし骨太の素晴らしい作品だとは思うんですけど、微妙に違和感を覚える部分だったり引っ掛かる部分だったりで評価が定まらないんですよ。
主人公である赤嶺、普通に嫌な奴だし。
マウントとってるゲス顔に、イラっと来る。
かと思えば次のシーンではいきなりいい奴だったりで、いまいちキャラがブレてると言うか。
皆がみな、その人が完璧だから恋に落ちるワケでは無いと分かってる。
むしろ、しょうもない人間なのに気持ちを断ち切れないって事の方が現実では多いのかも知れない。
それでも、あのただ庇ってもらったってだけの事で、内海がここまで執着するのか?と腑に落ちないと言うか。
理解出来ないのは、私の読解力に問題があるのかも知れないけど。
あと、冴木が一番無いと思います。
何故、赤嶺の前にしれっと現れる事が出来るのか・・・。
繊細そうに見えて、彼が一番図太い。
評価をめちゃくちゃ迷ったんですけど、正直な気持ちで萌えよりモヤモヤが上回ったので「中立」で。
これは書こうか迷ったんですけど、宣伝に踊らされちゃった部分があるんですよね。
面白そう!と、飛びついちゃったと言うか。
今一度、本当に読みたい作品か?自分の好みに合っているのか?等、購入前に冷静に判断された方がいいんじゃないかと。
そんなアホはお前だけだよって事でしたら、ご容赦下さい。
追記です。
他のレビュアー様のレビューを拝見して、私もインタビューを読んでみました。
赤嶺がレイプに至った理由ですが、彼は元々恋人(になる存在?)に対して自分だけを見ろとか何度でも抱きたいとか激しい欲望を持っていて、それを酒に酔った勢いでたまたまそこに居合わせた内海にぶつけちゃったと言うのが真相みたいです。
BLでレイプって容認されがちなんですけど、それはあくまで相手に対する強い恋情だったり執着だったりがあって、暴走させた上での事だから萌えがあるし許せるんですよ。
でも、抑えきれない欲望をたまたま居合わせた人間にぶつけただけじゃ、ただの性犯罪者の言い分で普通に引きます。
なんと言うか、ガックリきてる。
