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心を半分残したままでいる 電子限定単行本未収録短篇集 ~未来を半分残したままでいる~

kokoro wo hanbun nokoshitamamadeiru

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表題作心を半分残したままでいる 電子限定単行本未収録短篇集 ~未来を半分残したままでいる~

中上衛,カフェマスター
静良井真文,記憶障害を持つ青年

あらすじ

大人気小説「心を半分残したままでいる」より、全員サービスプチ文庫、ペーパー、Web掲載SSなど、現在入手困難な単行本未収録作を網羅した短編集が、電子限定で登場!! 本編終了後の静良井と中上の、ささやかだけど幸せな日々をご堪能ください。

作品情報

作品名
心を半分残したままでいる 電子限定単行本未収録短篇集 ~未来を半分残したままでいる~
著者
砂原糖子 
イラスト
葛西リカコ 
媒体
小説
出版社
新書館
レーベル
ディアプラス文庫
シリーズ
心を半分残したままでいる
電子発売日
4.8

(66)

(61)

萌々

(4)

(0)

中立

(0)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
9
得点
321
評価数
66
平均
4.8 / 5
神率
92.4%

レビュー投稿数9

神×無限大

たくさんの「嬉しい」が詰まってました。

読めなかったお話があれこれ読めて嬉しい。
大好きな二人に再び会えて嬉しい。
SSはどれもこれも良くて嬉しい。
そして読んでて、あぁ衛と真文は確かに生きている!!湘南のあの辺でいまもいるんだろうなぁという実感が得られて嬉しい。
けして安泰とはいえる状況ではないけれど(記憶喪失は一生繰り返されるので)この二人なら大丈夫だと思えて嬉しい。

好きな小説として五本の指に入る作品なので、永遠に読んでいられる……!
どんな細やかなエピソードでも見逃したくない、むしろもっとください!!というか。

そして電子派なので書店特典ペーパーなど入手できず、読めなかったSSをこうやって販売してくださって本当にありがたいです。
この一冊に限らず、数年後でもいいから、特典類はまとめて電子販売というのが主流にならないかしら……?
作家さんには一銭も還元されないのに、転売屋が儲けてる状況を苦々しく思っている一人なので。


どの話も好きだけど、やっぱり一冊の半分を占めている「未来を半分残したままでいる」が最高でした。

本編終わっての五年後のお話なんですね。
第3巻のレビューで
「・四年周期くらいで記憶を失うことがわかったので、記憶を失った自分宛に自分用の取扱説明書を書いておいてほしい。」
と書いてた私。

記憶の無くした自分宛へのビデオレターは想像範囲内だったけど、まさかの……!!ってことで驚きましたが、すごく良かった。

衛、ほんとにいい男だなぁ……。
そして、いつも余裕があるような衛が不貞腐れた声を出すところが萌。
そういえばこの子、年下だったっけ……!と思わせる年相応なところが覗けて嬉しい。


とりあえず作品のファンなら問答無用で買うしかないです。
ーー
収録内容
「記念日にはアフターコーヒーを」
心を半分残したままでいる(1) 協力書店書き下ろしSSペーパー

「スパイの首ねっこ」
心を半分残したままでいる(2) 協力書店書き下ろしSSペーパー

「あの店のマスターと常連客」
心を半分残したままでいる(3) 協力書店書き下ろしSSペーパー

「コーヒーとチョコレート」
雑誌小説Dear+の全プレペーパー

「キスは乳白色のカップにも似て」

「コーヒーシュガーと海辺のポートレート」
プライベッターで公開されていたもの。

「未来を半分残したままでいる」
「心を半分残したままでいる」全3巻連動応募者全員サービスプチ文庫

11

フランク

なこ1992様……!!
ご親切にありがとうございます!!!
お恥ずかしながら記憶力がないもので、助かりました。
早速訂正させていただきます。
どうもありがとうございました。

なこ1992

突然のコメント失礼します。
「コーヒーとチョコレート」は雑誌小説Dear+の全プレペーパーに載ってたお話ですよ^^

お元気ですか?

時々「元気かなぁ」と思い出す登場人物が私にはいます。
いや、フィクションだってちゃんと解っていますよ。
でも、彼らがこの世のどこかで生活している様に思っちゃうんですよ。

このシリーズの静良井はまさしくそういう『思い出しちゃう彼』のひとりで、それもかなり度々「元気かなぁ……元気であって欲しい」と考えちゃう人です。
だからこのss(最後の一作『未来を半分残したままでいる』のみ、いわゆる短編小説並みの長さです)の再録本はとても嬉しかった!

相変わらず色々と悩んだり、ちょっと悲しくなったり、解らない過去の自分に嫉妬したりしているみたいですが、本編で常に向かい合っていた『自分を根無し草の様に感じてしまう虚無感』は薄れて来ている様に思いました。

見えないものを「ある」と思うのは、信じる心がないと難しいと思います。
私はこの『信じる』ということが苦手で、おまけにちょっと怖くもあるんですが、記憶が途切れてしまうために自分の同一性を感じられない静良井にとっては生きるために必要なことだと、これらのお話を読んで解ったんですね。
そして、静良井が自分を信じられるのは中上の存在があってこそ。

本編を補完するものとして、そしてちょっと心配だった静良井のその後を覗き見させてくれるものとして、本当に素敵な後日談だと思いました。

10

気になっていたあのこと

3巻でのハッピーエンドを知っても、誰もが気になっていたと思います。

およそ4年周期で無くなる静良井の記憶です。
幸せに暮らし始めた2人に、また悲劇は起こっていないかと誰もが心配だったと思います。

そしてこちらに収録されている「~未来を半分残したままでいる~」にその回答がありました。

砂原先生の凄いところは、静良井があれから何事もなく普通に暮らしていたように書きながらも、小さな違和感を挟んで来るんです。
そしてもしかしてって思ったところで種明かしするんですよね。見事でした。

やはり静良井は記憶を無くしてましたが、また中上に惹かれて恋していました。
何度でも何度でも中上に恋するんです。

そのことで過去の自分に嫉妬したり、自分と中上の愛情の深さに差があるのでは無いかと苦悩したりしていました。

まあ結論から言えば心配ないくらいお互いが大好きな2人でした。

これから先に静良井が記憶を何度無くしても、きっと2人なら大丈夫だと思わせるような内容でした。

8

必読!

小説は紙で読みたいんですけど、電子限定なので、
仕方なく電子購入しましたが、もうこれ買わずにはおれない内容すぎます!

この作品読むと、無償にカフェ巡りしたくなるんですけど、
もう、絶対今度の週末どっかのカフェ行こう!って思いました。

”未収録”短編集だから、まさかね~とそこまで期待はしてなかったのですが、
あれから数年後の彼らに会えるなんて!!
しかも、よかったよ~、、としかいいようがない幸せそうな彼らに。
でも、一言言わせてください。
「早く、養子縁組してくれ…」
早めに法的に一緒になってほしいです。おそらく、そのほうが中上も安心だし、私も安心です。

そして、第二のまさか、ここまで主要キャラになるとは思わなかった元・アルバイトの佐藤くんが、意外と堅実な人生を歩んでいて…もうこの人出てくるとホッとします。なんとなく、これからも2人になにかあったら、彼が助けてくれそうな頼もしさすら感じられて、想像してたよりも明るい未来が見えた内容だったので、本当にありがとうございました!

6

未来を悲観しなくてもいいと思える短編集

短編が7つ収録されています。本編全3巻を読んだ後にこちらを読むのがオススメです。短編の中でいちばん長いお話がタイトルにもある、未来を半分残したままでいるになります。

3巻を記憶をなくしても中上に惹かれる静良井を応援したい、励ましたい、という気持ちで読み続けるのですがやはりどうしてもあと数年後に訪れる記憶をなくすその時に怯えている自分がいました。せっかく生まれた時から今までの自分を取り戻せたのに、また失ってしまうじゃないか、また中上が傷付き、そんな中上を見てまた静良井も傷付くじゃないか、と。

でもこの未来を半分残したままでいるはその答えをくれました。2人がまた付き合い、共に暮らし始めて5年後。つまり、また記憶をなくしていました。でも全く悲壮感はなくて、かつての2人が訪れた喫茶店に足を運んだり、とても穏やかな時間が流れていてホッコリしました。

記憶をなくしてはいても、昔の記憶を断片的に夢に見たり、肌感で納得しているような描写にこの際また静良井が記憶をなくしても悲壮感にくれる2人の未来は見えませんでした。

定期的に記憶をなくしてしまう奇病を扱いながらも悲しいだけのお話ではなく、未来にほんのり希望も抱かせてくれるようなお話が書ける砂原先生はすごい方ですね。他の作品はまだ読んだことがないので、ぜひ読んでみたいと思いました。蛇足ですが、砂原先生の書かれる濡場のシーンがとても好きです。

3

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