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表題作安全でない僕たちは

辻田豪,高校2年,生徒会副会長,α
梶野基己,高校2年,生徒会長,Ω

その他の収録作品

  • 描き下ろし

あらすじ

「俺がお前のこと好きだって、信じられる?」

Ωの生徒会長・梶野基己と、αの生徒会副会長・辻田豪。
豪は「Ωに興奮しないα」で、基己の幼馴染であり、唯一の親友だった。 しかし、豪が起こした〝ある行動〟により、二人の関係には大きく亀裂が入ってしまう。
誰よりも信頼していた豪に裏切られたと傷つく基己。
しかし基己も、豪の「本当の姿」を見ていなかったことに気づき……。 第二の性に翻弄される少年たちが織りなす、痛々しくも瑞々しい、先鋭的オメガバース!

作品情報

作品名
安全でない僕たちは
著者
奏島ゆこ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
ホーム社
レーベル
アイズコミックス.Bloom
発売日
電子発売日
ISBN
9784834264944
4.2

(197)

(88)

萌々

(75)

(26)

中立

(5)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
20
得点
823
評価数
197
平均
4.2 / 5
神率
44.7%

レビュー投稿数20

安全でない僕たちは

オメガバはそれなりに読んできたほうですが、このお話は改めてすごく考えさせられたし、泣けました。
この世界では、αβΩ(強者と弱者)が当たり前だけどふつうにあって。Ωが「αは怖い」と思う気持ちがあって当然なんだよなと。勿論梶野の過去も影響していますが、本能に逆らえずカラダが勝手にαを求めてしまうことはいざ実際今この生きている世界と置き換えてみると本当に身震いしてしまう程でした。
そんな梶野を守る為に嘘を貫き身を呈してきた辻田、愛しかない。
梶野の「俺の事ずっと大事にしてくれてありがとう」というセリフ、スタンディングオベーションですよね?
はよ番ってくれ〜〜
大好きな作品です。

11

本能に抗いたい必死さ

オメガバースは有名なものを読んだことがある程度ですが、この漫画で初めて泣きました。

α嫌いのΩが第二性の発現が遅かった幼馴染αを「自分には発情しない特別なα」として可愛がっている関係から、「本当はそんなんじゃないよ」って襲ってしまうところからただの幼馴染だった二人の関係が変わっていくお話です。

αとΩという性別や発情期というオメガバース特有の装置の上の話でありつつも、本能や欲望だけじゃない、二人がこれまで一緒に積み上げてきた時間を振り返ったときに、「αだから」「Ωだから」じゃなくて「お前だから大好きなんだ」っていうのを必死に相手に伝えようとする場面があまりにも一生懸命で、思わず泣いてしまいました。
どうしても存在する第二性の序列を、でもちゃんと周りを見て相手を知れば、αだから、Ωだからじゃなく、ほかの見方ができるよねっていうことに気づいたり、どうしようもない発情期に相手を傷つけたくなくて顔を真っ赤にしながら歯を食いしばって我慢をする姿だったり、オメガバースでありながらそれを言い訳にしないでまっすぐに向き合おうとする高校生の可愛さよ......

オメガバース好きの人にはもしかしたら物足りなさはあるのかな?と思いますが、オメガバースの発情期とか妊娠とか苦手なんだよな~って人にはぜひ読んでみてもらいたい作品です。

7

王道に見せかけて、ただの王道にあらず!

王道だけど、王道じゃなかった!
オメガバースで、Ωとαの幼馴染で、片思いでって、
よくありがちな設定ですが、想像の範疇外をいくんです。

なので、二人の恋もすんなりとはいかないし、
間違ったり、痛かったりするけれど、それでも逃げず、
二人の形を作ってゆく彼らが眩しくて、力強く見えました。

Ωの梶野基己は成績優秀で生徒会長を務める男子高校生。
子どもの頃の出来事が原因でα嫌いになり、
「Ωはαに劣る」という価値観が蔓延る世界で
自らの第二性に抗いながら生き続けていました。

幼馴染の辻田豪はαでしたが、基己にとって彼だけは“特別”な存在でした。
というのも、基己は豪のことを“発情しないα”と思い込んでいたから。
幼い頃に自分を救い、自分をΩとして見ることなく、
ずっと一緒にいてくれた豪を基己は唯一の親友と信じていました。

けれど、基己の“特別”を失うことを焦った豪の行動によって
基己は裏切られたと誤解し、二人の信頼関係にひびが入ります。

蓋を開けてみれば、豪も思春期に第二性が発現すると
他のαと変わらず、基己のフェロモンに反応していました。
ただ、基己の傍にいられなくなることを恐れ、
必死に本能を抑えていただけで、二人の関係は
豪の懸命な忍耐によって成り立っていたものでした。

そんな親友の思いを知らないまま、本当の豪を見ようとせず、
自分にとっての理想の親友像を押し付けてきた基己。
豪のしたことはそれがたとえ愛情からの行為だとしても
裏切りに違いなく、許されることではありません。
だけどそれと同じくらい基己の鈍感さも残酷に思えました。
ましてや豪の孤独な過去を知ってしまうと…
彼だけが責められるのも違う気がしました。

自らの本能を厭うΩと自らの本能から目を背けるα。
第二性を受け入れられない苦しみを抱えた似た者同士なのに、
ずっと隣にいながらすれ違ってしまう二人が切なかったです。

でも、仲直りの場面はすごく好きでした。
ようやく正面から向き合い、互いに本当の気持ちを知り、
また繋がる二人にこれまでの時間で紡いできた強い絆を感じました。
大きな図体でごめん、と謝り合う姿も幼げで微笑ましかったです。

その後、遅ればせながら豪を意識しまくってしまう基己が不器用で可愛い…!
普段は強気なのに恋愛になるとヘタれ、真っ赤になりながら、
唇を押し付けるだけみたいなキスも慣れない感じがいじらしく、
キュンキュンが止まりませんでした///

最後、大学生になった二人は同棲しています♡
基己の横で「一緒にいようよ」と微笑む豪の表情がとても柔らかくなっていて、
なんかもうほんと…よかった、良すぎて泣けてきそうでした。
あの無表情だった豪とは思えません。
基己のことになると泣いたり、赤くなったり、笑ったり、
ぐるぐる表情が変わって、好きがダダ漏れな豪がいとおしすぎました…

番契約への考え方は二人らしいと思えました。
もちろん番になってほしい気持ちもあるけれど、互いへの尊重や
番という形で縛り付けずとも揺るがない想いが感じられて良かったです。

6

もっと高評価であるべなか

あああ〜、、、語彙力が消滅しているのですが、、、

SAIKOU。

デビュー作とは思えません。
 
わたしみたいな攻めが可愛い民には、ご褒美でしかない作品でした。
攻めの豪くんが可哀想で可愛くて切なくて〜〜〜もう〜〜
リアルに途中は泣きながら読みました。


オメガバースとしては割と王道は題材を用いてるかと思うんですが
(第二性からの脱却解放)
なんせ調理の仕方がお上手なので、すごくフレッシュな読後感でした。

豪くんの笑顔にこちらまでキュンキュンしてしまった、、、好き、、、



もっともっと高評価でいいと思うのですが?!
先生の次回作が今から楽しみです!!

6

今まで読んだ高校生のオメガバースで1番良かった

オメガバースの世界はこれまでにもたくさん描かれていますが、まだ未成熟な、大人でもない子供でもない彼らをとても誠実に描いてある作品だと感じました。

Ωだからαを求めているんじゃないか、αだからΩを好きだと勘違いしてるんじゃないか、その思考には人格など関係なく、ただの本能なんじゃないか
まだ高校生である彼らがそんな事を考えたり、気持ちだけでは体を制御できない事を知って絶望したり、わからないことに振り回されて悩んで苦しんで答えを見つけようとする。
まだ高校生、大人じゃないんです。
高校生を題材にしたお話でも、思考や行動が大人のように落ち着いていて、見た目だけ高校生だなと思える作品をよく見かける中で、この作品はきちんと高校生の物語でした。

間違った事をしてしまう。
好きな気持ちをどうしていいのかわからない。
自分が被害者だったはずなのに。
そんな様々な気持ちを抱えた末に基己と豪が結ばれた時は泣きそうになってしまいました。

Ωのヒートにあてられながら、αのフェロモンに惹かれながら、お互いが必死に自我を保とうとしてるのが読んでいてとても苦しく、自然に体に力が入っていました。
途切れ途切れになりながらも必死で自分の気持ちを伝えようとするのが読んでいても辛く、発情期のしんどさが伝わってくるようでした。

好き、好き、好き、「頭おかしくなりそう」
結ばれた二人に、頑張ったね、と涙ながらに言いたくなりました。

基己が、「豪が自分の事を好きなんだ」と気づく所があるのですが、そこがとても好きです。
言葉が少ない豪だからこそ、表情に表れていて無邪気さに悶えました。
豪の方がきっと長い間苦しんできたんだろうなと思えるので、思いが伝わって本当に良かった。
キューッと胸を締め付けられるようにせつなくて、青いオメガバースでした。
また読み返したい作品です。

4

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