【電子特典付き】限定特典と割引が充実!
「貴方の側を離れるつもりはありません」
水力発電所の建設もいよいよ大詰めですが、現場は問題山積で、大きな石の障害物、電力が一般市民へ融通されるのかなど、現場の士気が下がっています。そんな中、亮二も疲労がたまり、現場へはエドが代わりに出て、この窮地を乗り切っていきます。
私が一番心に残ったのは、亮二の過去でした。かつての奉公先でけがをして、足が不自由になったこと、そこで男たちからされたことがあったのに、そんな逆境の中でも己を失わなかった心の強さ、抵抗力がとても強いことのように思いました。
二人の従属の関係、従属から恋人になっていく関係も大変興味深いのですが、新しい時代が始まる前、その真っ只中を生きた二人が尊く思えました。
上下巻は終わりまでが分かっていてよいですね。
もちろん完結の下巻です。
発電所の技師として、発注者の軍誘致の思惑とは別に、村に送電して電気を灯したいと願う佐伯。それを支えるエドのお話。
発電所の建設が進むも、軍ありきで村にはメリットがないのでは、という噂が飛び交い、工事の士気があがらないなか、エドのリーダーシップでよい方向に動きます。
仕事のパートナーとしてかけがえのない存在となる二人。
また、発注者の一人であった中原と佐伯との関係も、良きパートナーを得た佐伯の自立によって新しいステージへ。
仕事と恋愛のクライマックスが全く同時に描かれてラスト盛り上がります。
エドが研鑽のために東京に出ることをあきらめたのは残念ですが、二人で仕事も恋も成就していって欲しいです。
発電所工事が進むに連れて、作業している地元住民の士気が落ちてきたり、そして、地元住民には知らされていなかった、沿岸部の軍事施設の建設に電気を使われてしまうのではないかという噂がたったりと。問題が起きる度に、リョウジの負担を無くそうと、エドが地元住民の中に入って住民の理解を深めたりします。
本当にエドは頭が良いだけでなく、人の心を掴んで仕事を効果的に進める事に長けていました。地元の人達との交流のシーンなどは読んでいてとても楽しかったです。明治時代の楽しみって、やっぱりこういう事なんだと。
リョウジはエドが自分の所で従者でいるよりも大学で学んで、自分の道を進んで欲しいと思うようになります。しかし、エドにしてみれば、リョウジを助ける為にあらゆる努力を惜しまない行動に尽きるんですよね。エドの献身ぶりがとても愛情がこもっています。
一旦は、エドを自分から離して、自立させなければという親心を決心するリョウジですが、長い間執着心を捨てきれなかった中原との再会で、自分の心は既に中原から離れていた事を実感します。リョウジはそれだけでなく、大学行きの話をした時から体を繋げる事無くなったエドに寂しさを覚えます。そして、仕事でリョウジに命の危険が訪れた時に助けてくれたのはやはりエドでした。結果的に自分はエドと離れて暮らすことなど出来ない!と、実感します。
リョウジの心は色々に揺れ動いていたので、彼を最初は煮え切らない男だな!とも思ったりしたのですが。
エドの思惑道理になってしまった、エドのが上手だったという解釈も出来ますね。
次巻まで読むとこの辺りのリョウジの心理がよく分かりました。上下巻読んだ方は「或る手紙」まで読む事をオススメします。
ここでは、中原がその後どうなったか?や、エドの視力については、将来的に不安なままでお話が終わっていますがその辺もきになりますよね。
二人の絡みのシーンは擬音などはあまり多く使われていませんが、それがかえって和服を着ているシチュエーションにも合っていて、見ていて美しいエロを見せて頂いた気分でした。受け攻め、どちらもとても見た目に美しいです。ずっとリョウジの側に居られる事になったエドとのラストの書き下ろしはとても甘々で幸福感に満ちていました。
新刊発売に合わせ、シリーズ上下巻一気読みです。
読後、なんともいえない余韻に包まれる美しい物語でした。
大きな感情の波に襲われるとか、そういうものはないんですが、静かに心に沁みてくる感じ。
そういえばタイトルの「タングステン」って、なんだろう?と思っていたら、先生のあとがきに説明がありました。
なんと、スウェーデン語!で「重い石」という意味で、原子番号74の金属元素の一つであり、電球のフィラメントに使われているとのこと。
発電事業がテーマのこの作品にぴったりで、なるほどと納得のタイトルでした。
”雛鳥”と亮二に言われてしまい、一度は亮二のもとを離れることを決意したエド。
早く二人、心も結ばれてくれ〜〜!と思っていたので、大団円は嬉しい限り。
先生も書かれているように、今後は末長くイチャイチャ、ラブラブして欲しい!
そして、長く亮二に絡み付いていた中原の、あの結末、、
エド一家に対して許されないことをしたのだから当然の報いでもあるように感じるけれど、なんだかとても悲しい気持ちに( ; ; )
自分を刺した妻をそっと抱き寄せるラストが切なく痛々しかったです。
メインカプ二人の恋路も気になったけれど、なんだかこの中原というキャラが自分にはとても印象深かったです。
新刊では二人のイチャイチャが見られるのかな?これから読むのが楽しみです◎
亮二にとってエドがなくてはならない存在になり、その辺りの心情を丁寧に描いていて上巻より良かったと思いました。
ただやっぱりエドの年齢設定には違和感があったなー。年下攻めと言っても、実際は高校生くらいの年齢の子どもなんだよなーと思うと複雑な気持ちに。
また下巻では亮二の過去と中原との関係性も明らかになりましたが、現在連載中の過去編でここが詳しく描かれてますね。辛い(泣)
過去編を少し読んでしまっていたせいもあり、中原の最期(なのかな?)がちょっと気の毒になりました。奥さんとのわだかまりが解け幸せに暮らしてほしかったな。中原が、というより奥さんが可哀想に感じてしまいました。
