イラスト付
ふあ。。。なんですかこの読後の多幸感とふわふわは…!!!!
毛糸玉に手編みのニットに手袋、暖かい暖炉の前で食べる手作り料理…
現実の自分の世界には到底出てこない、夢のような品の数々・:*+.
「夏」から始まり、季節のチャプター毎に紡がれるお話にときめきと胸きゅんが止まりませんでした…
両片想いの幼馴染、当て馬(に見せかけて全然そうではないのだけど誤解して暴走する攻め)、クリスマスイブのラブラブいちゃいちゃ…窓に映る自分と春音の姿を見つめて興奮する航輝……に興奮する私←
月村先生の「好き!」をぎゅっと詰め込んだ作品とのことですが、私の「好き!」もこれでもか!!と詰め込まれており、気のせいか小刻みに体が震えました。。。
中学時代に航輝が春音に浴びせた言葉は許されるものではないけれど、
再会後、そして想いが通じた後のスパダリ具合に「もんなんでも許してしんぜよう」という気になっちゃいました。
春音は手編みのニット・手作り手袋、航輝は家具店の職人なのでスツールそして手作り料理と、違いに自分の「手」で編み出したものを相手にプレゼントすることができるのって、とっても素敵ですよね。
(…全然関係ないけど、私も今通っている絵付け教室、頑張ろう!って思えました。完全に感化されましたね)
人肌恋しくなるこれからの季節、大切に読み返していきたい作品に出会えたことに感謝です◎
余談ですがタイトルの「ツァイガルニク」が気になって気になって、読み始める前に検索しちゃいました。
ツァイガルニク効果:中断された課題や未完の課題は、達成済みの課題より記憶に残る心理現象のこと。
だそうです☺︎(作中でも言及されてます)
中学時代、誤解し喧嘩別れしてしまった二人の未完成の恋…未完成だからこそ、お互いにずっとずっと忘れられなかったのですよね。
タイトルも小粋かつお洒落で、志水ゆき先生の美麗なイラストが作品の世界をより深めてくれていて、大好きな作品になりました。❤︎
再読なのに ついつい前のめりで読んでしまいました。
「そうそう、これこれ。両片思い やっぱサイコー!」と思いながら。幼馴染みのすれ違いラブ、大好物です。
春音(受け)というキャラが私は好きです。いい意味で普通の青年で、でもどこか品があって 好きな仕事には妥協を見せず、しっかり足が地についている。でも航輝(攻め)のこととなると・・・
自分の気持ちが相手に露呈することを何よりも恐れていて、追いつめられると言わなくていいことまで言ってしまう。この不器用さに愛着がわいてきます。
全編、春音視点で語られるので「それ、間違ってるからっ!勘違いも甚だしいから!!」て場面にいくつも遭遇するたび、切なさが じわじわと染み込んでくるのです。
中1の時、尚輝(航輝の兄)がきっかけで 航輝と春音が疎遠になる出来事が起こります。が、今現在 尚輝と春音の姉(夏乃)が結婚しているので、二人は姻戚関係。
【もうおまえは一生俺に話しかけてくるなよ! おまえみたいなやつ、大っ嫌い!】
と、過去に春音から暴言を吐かれたのは 航輝の中で無かったことになっているのか、再会した航輝は やたら親切でいい男になっているのです。おまけに 料理人になっても通用しそうなくらいに料理上手で、 お手製の料理を携え「ぬっ」と春音の元をたびたび訪れます。
こんな感じなので 航輝の本心が春音には読めなくて、接し方の正解がよくわからないまま…
お互い表面上は平静を装って なにごともなかったかのように交流を続けますが、春音の友人・航輝の職人仲間がそこに加わったあたりから 素直になれない臆病くんたちの物語が動きはじめます。
航輝が、誤解を招き度1200%の場面に遭遇してしまい(2度も!)、ひそかに打ちのめされている姿が気の毒で可哀想で でも二人の恋の加速度をヒートアップさせるには、この上ないスパイスで。読み手は思わずニヤニヤ悪い顔になってしまうんですね。
まだ一線を越えていない春音と航輝のたわいないおしゃべりの時間は、なんとも言えない戸惑いと 甘い感情が漂っていて、私は遠足前日の子どもみたいに 読みながら気持ちが逸って仕方なかったです。
月村作品の、この「来てほしいところで来てくれる感じ」何度味わってもいいし この先また何度でも味わいたい。
「ツァイガルニクの恋の沼」
【BLアワード2022】BEST 小説 10位
ファンタジー作品も含めた多くのBL作品を読んできた中で、やっぱりの原点回帰。
現代もの最高ーーー(*´꒳`*)
現代もの作品に心惹かれる理由は、同じ世界に立ってると思う期待からです。私のすぐ近くで起きてるかも?と思うドキドキ感に、私はそれだけで萌え堕ちます。
月村先生×現代もの作品。最強タッグ過ぎる。
そんでもって大好きな幼馴染みときました……間違いない。そして間違いなかった。
面白くて読む手が止まりませーん。
春音と航輝の長い恋心が紡ぐストーリーに、それはそれはもうどっぷり。春音視点のすれ違いと誤解描写が主ですが、航輝の言動に間違いなく春音への愛を感じ取れたことに、妙な安心感を抱きながら読み進めることができました。
ストーリーの中に、色んなトラップが仕掛けられていて、これで誤解するなって言うのが無理でしょって思うくらいです。春音サイドでも航輝サイドでもそれが起こっているから、本当にややこしいしもどかしい。
それを軌道修正できるのは、告白一択。
さてさて、どちらから告白するのかな?…なんて、予想ゲームを脳内で展開してました(笑)
航輝からポロッと好きの言葉が飛び出したのをキッカケに、それまでの誤解と勘違いの答え合わせが繰り広げられていく会話が、とても面白かったです。
航輝のアピールが春音よりも分かりやすくてこれは結ばれたら相当に甘やかすだろうなと想像していたら案の定(笑)春音の部屋まで勝手に作ってしまう気の早い男に、ニヤニヤするしかありません。エッチも底なしのようだし、両想いに浮き出し立ってる姿は、幸せハイ。可愛いですね^ ^
親戚同士の春音と航輝だから元々「家族」の関係にあったけど、これからは本当の意味での家族になっていって欲しいと思いました。
この季節に暖かくしながら、まったり読んで欲しい作品です。
何気ないプレゼントの渡し方とその意図がお互い様でお前ら〜ってなります。かわいい。
周りの人達もみんな優しくてほっこりします。
いじっぱりで素直じゃない幼馴染の長い長い両片思い。
中学の頃、好きだった近所の幼馴染・航輝(攻め)に性嗜好を馬鹿にされたと思った春音(受け)は大嫌いと罵り、絶交を言い渡してから10数年。
東京に出て行って物理的に離れていたけれど、思い出深い祖父母の毛糸店を継ぐために会社を辞めて戻ってきて半年。
航輝の兄と春音の姉が結婚したことで姻戚関係になっており、お互い昔のことはなかったかのように親戚付き合いをしています。
昔は春音の邪魔をしたり意地悪ばかりしていたのに、人気木工職人になっていた航輝はすごい世話好きになっており戸惑う毎日を送っています。
絶交するまでは、編み物をしている春音の邪魔をしたり(自分の相手をして欲しい)、虫などが嫌いな春音に蝶を持って追いかけ回したり(綺麗なものが好きだから蝶は好きだと思った)と春音からしたら嫌がらせまがいなことばかりしていた(全く悪気はない)航輝は典型的な好きな子に意地悪する小学生男子で、それを嗜める航輝の兄(春音にとって今では義兄)の好感度が上がるイベントになってしまい、小学生の情緒でそれを理解するのは難しいとはいえ可哀想なことになってしまっていました。
結果なが〜い両片思いに発展したんですね。
最終的に今この歳になったからこそずっと続く関係になれたんだと2人は納得できていましたが、今までの苦労はなんだったのかと時々思い出したりするのかな。
「途中で放置しているといつまでも心に残る」
ツァイガルニの意味はこの作品で初めて知りましたが、私も編み物するので春音の気持ちがすごくよくわかります。見ごろとかパーツを編んでしまって満足して、完成まで辿り着かず放置した作品の多いこと。
悪い意味で、恋も同じなんですね。ちゃんと失恋してないから、いつまでも踏ん切りがつけられない。だからこそ、時がきて両思いにになれて良かった。
航輝は春音が東京から帰ってきてからも尽くしてたけど、両思いになってからのワンコ化した姿のギャップが‥
誰?って感じで面白かったです。
ただ、甘い2人をもっと堪能したかったです。