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アラブ、SM、Dom/Sub…がからんだストーリー。
民間警備会社に勤める北河國行が主人公。
来日した中東の王子・ラシードをチームで護衛することになり…という出会い。
で、元々國行がマゾヒスト志向がある設定で、普段の警備の仕事でも必要以上に傷/怪我を負っている、仕事の後はSMクラブに出入りしてもいる、なのにいつも欲求が満たされない感覚を抱いている…
この作品は明確にはDom/Subユニバース設定ではないんです。意図的に「第二性」としての本能という捉え方ではない、だから國行は自分が本当は何を欲して、どうしたら満たされるのか、自覚していません。
そこに、絶対的な対象、この場合クライアント/雇い主であり、王族である「ラシード」という存在に「褒められる」という事に初めて精神も肉体も高揚する。
しかし、ラシードはサディストでもDomでもない。
だから中盤までは國行も単にプレイが合うのかラシードが特別なのか、ラシードも興味本位なのか國行が可愛くてやっているのか、判然としない…
作者様はあとがきの中でDom/Subはまだ目新しいので言明しないで書いた…と。
しかし、やはりそこを濁した事でどこか焦点が合わない性癖の話になってしまったように思えます。
恋人としての初めてのセックスシーンで、ラシードが國行を思ってディルドやら何やら出してきたところでガクッときてしまいました…
イラストも良かったし、國行のように鍛えられた男が甘く崩れるさまは萌える、しかしDom/Sub好きとして今一歩乗り切れず、で総合「萌」です。
仕事と人間関係が辛くて自分が情けなくて、家に帰ってから数時間落ち込んで、よし!甘い本を読んで気を紛らわそう!
トーンのせつない、あまあまとの情報を頼りに、海野幸さんなら!とドムサブちょっと苦手だけど読んでみましたら…。
こういう護衛ものを読むたびに思うのです。なぜ大人しく守られていないのか?
護衛を頼むのなら希望と制約を擦り合わせて予定を組んで行動すれば良いのでは?
なぜ護衛をまこうとしたり邪魔がったりするのか?まあこれは解のない問いですね。
そして國行、性癖は仕方ない。真面目に向き合って仕事をより確かに遂行するためにSMクラブでお仕置きを受けるのもいい。
理想のご主人様ラシードに上手に出られて腰砕け。気安く王子に話しかけるなとまで言われても体を張って守ります!
なんかな…。やっぱり私にはドM?ドムサブものは合わないのかな。理屈で割り切れないというか、いや今日の気分のせいか。
うーん、あまあままでたどり着けず。ごめんなさい。もうドムサブには手を出しません。
作家買いです。dom/subユニバースは好みのジャンルなので、海野幸先生がどんなおもしろい作品にしてくれるのか期待しながら読みました。
とにかく國行が問題児でしたね。
だけど、度々の問題行動には深刻な理由があり、それが明かされた時には涙が出ました。
こういうお話を読むと、つくづく家庭環境は大事だなと思わされます。もちろん環境の善し悪しよりも本人の気質が重要ではありますが、それでも子供の頃に周りの人間からどういう扱いを受けたかによって、自分自身への扱いも影響されてしまうのではないでしょうか。
國行も例に洩れず、義母から受けた兄弟差別と、そして異母弟が事故にあいそうになった時にふと過った邪な考えが、三十路手前の大人になっても古傷として残ってしまいます。
さらに厄介なのが、体を張って異母弟を守ったのがきっかけで異母の態度が良い方向へ変わってしまったことです。この成功体験と異母弟への罪悪感が相まって、警備会社での任務においても、過剰に身を挺して依頼者を守ることや傷を負うことでしか自分の価値を見出だせない、そしてそんな価値観になった経緯を知らない周囲からは理解されないという袋小路に陥った状態になっていました。
褒められたい、許されたい、愛されたい。國行はずっと孤独で寂しい人間だったのです。
実母が存命の頃に、不倫だけでなく隠し子を作るということまでやってのけた父を持つ國行のお相手のラシードが、一夫多妻制の国の王子というところがおもしろいですね。
ですが、ラシードは日本人の母が寂しい思いをしていたことや十六人の兄たちを見て育ってきたので、複数の妻を娶るつもりはないと、日本人にとっては誠実に見える価値観を持つ男でした。
ラシードは自分を大事にしない國行を叱り、そして素直な國行にはこれでもかというほど甘やかすのですが、この甘やかす場面は全て萌えました。特にラシードが自分の膝を叩いて國行が頭を載せるところや、國行を褒めるところは見る度にキュンとしました。
國行が本当にほしいものは痛みではなくて包み込まれるような優しい愛だったのでしょう。
國行は願望の全てを満たしてくれるラシードに特別な感情を持ち、よりラシードを守ろうと自己犠牲の精神に磨きをかけますが、読後の今ならラシードがどれだけ國行の行動にヒヤヒヤさせられていたかがよく分かります。計画を教えられないなら、そりゃ國行の安全のために護衛から外すしかないですよね。
護衛を外されても國行はラシードをこっそりストーキングするのですが、そこでハーディーの怪しい動きを偶然目撃してしまい、会社や上司に相談もせずに、一人で無駄な使命感に駆られて突っ走ってしまいます。そういうところだよ國行。
結果的に國行の猪突猛進さが度々事態を大きくさせたような気もしますが、長年のこじれた負の感情にラシードへの愛情が加わり、ある意味無敵状態でした。得体の知れないものを混入された飲み物を躊躇せずに飲むなんて狂気の沙汰です。
ラシードはラシードで、たった二週間の滞在期間で國行にプロポーズするという驚きの行動力を発揮し、女性の社会進出と同性婚を自国で実現させる決意をします。誠実のかたまりです。
とはいえ、そのふたつの目標は中東ではタブー視されているであろう内容なので、ますますラシードの命が危うくなりそうだし、國行は自己犠牲心こそ改善したかもしれないけど愛の戦士として変わらず体を張ってしまうのでは……という懸念が生じます。これだけで続編ができそうです。ハラハラドキドキの蜜月編だとなおいいです。
そして、肝心のdom/subユニバースについてです。
他国の王子と日本の民間人との恋という設定はさておき、専門用語なしでdomとsubの恋を現実的に落とし込めばこういう感じなんでしょうね。現実でもこういうカップルはいるだろうなという想像はできます。
でも正直、dom/subユニバースを全面的に出した物語にしても良かったのではないかと思います。
海野先生ならではのdom/subユニバースを魅せてくれたら、ジャンル買いした人も満足できただろうし、作家買いした人もジャンルの本格的な入門書にできたはずです。海野先生のファンだからこそ絶対にできたと確信しています。
私はSMも好きなので、本作の二人の主従と信頼の関係はまさに理想的でとても好みです。
でもdom/subユニバースの醍醐味である本能的な部分を強調しないと、二人が惹かれ合っているのはdomとかsubとか関係なく、ただ単に相性がいいSMパートナーに巡り会えたお話にしか見えなくなってしまいます。
せめて、男性経験やSM経験が皆無だったラシードが、國行相手にあそこまでのプレイができた理由をdomとしての立場で明確にしてくれたら、本編以上に説得力が増してさらに萌えられたと思います。
他の設定が練られているだけに、その点だけが残念でした。
ガタイがいい者同士のBLは普段あまり読まないのですが、ガタイがいい男たちの赤面は破壊力があり、かなり萌えました。
そしてCiel先生の表紙、口絵、挿絵、どれをとっても美しく、見てて惚れ惚れしました。
最後に、dom/subユニバースというジャンルに苦手意識を持たれていたり、興味はあるけど躊躇してしまう方々が、この作品までも忌避しているなら本当にもったいないと思います。
特殊ジャンルを感じさせるような描写はないですし、SM描写も痛めつけるようなものではなく優しさで溢れているのでおすすめです。
Dom/Sub初見ではありませんが、いまいち理解度の低い初心者です。
Dom/Subに興味があった訳ではないので、少しためらいがありましたが、
調教ものが好きで、海野先生、Ciel先生が好きなので購入しました。
正直、これを読んでも、Dom/Subについて理解が深まったとは思えませんが、作品としては面白く読みました。
大型ワンコ受けの國行が可愛いし、攻めのラシードのスパダリぶりが、とにかく素敵なんです。Ciel先生のイラストも最高です!
普通に面白く読みましたが、Dom/Subとは?という疑問が常にあり、気になってしまって、夢中になって読むというところまでいきませんでした。
私的には、別にDom/Subとか言わなくても良かったんじゃないかな、普通に楽しいって思いだけで読みたかったな・・・って感じです。
今回は実業家の某国王子と要人警護員のお話です。
仮の関係だった2人が生涯のパートナーとなるまで。
受様は民間警備会で要人警護担当の部署に所属しています。
170センチ後半の長身で体格もいい受様ですが
無表情故無言で立っていると威圧感が凄まじく
初対面の人間にはひるまれる事が多い男です。
受様の部署は企業のトップや政治家の
ボディガード兼ドライバーを務める事が多いのですが
最近は一般向けの送迎警護や
家庭内暴力の被害者の身辺警護などを行う機会も
増えています。
今日もストーカー被害に遭う女性の警護で
ストーカー犯と思しき男に刃物で襲い掛かられ
左腕を切り付けられる怪我を負い
上司にはこっぴどく叱られてしまいます。
実は体術センスは良い受様に怪我が絶えないのは
受様は嗜虐趣味があり
怪我の1つもしない日は仕事を全うした気に
なれないという悪癖を持っていたからなのです。
そんな受様が次に担当することになったのは
アラブ某国の王子様の警護でした。
この王子こそが今回の攻様になります♪
攻様は17人兄弟の末弟で玉座からも遠く
来日の目的はアパレル会社の経営者として
市場視察とされています。
今回リーダーを任された受様は
攻様の来日を金持ちのボンボンの
単なる日本観光だろうと思っていましたが
来日早々、
ホテルで開かれるパーテイに参加するほど
精力的で受様達には味厄介な男でした。
果たして契約期間の2週間、
受様は攻様を護り続けられるのか!?
仕事で日本を訪れたアラブの王子様である攻様と
その整備を担当することになった受様の
Dom/Subユニバースになります♪
海野先生の初Dom/Subですが
専門用語を使わず、ダイナミクスとか抑制剤もなく
Domである攻様とSubである受様のプレイのみで
Dom/Subらしさが味わえたかと言うと
とっても微妙でした (^-^A
オメガバースやDom/Subって
基盤設定の中で右往左往するのが楽しくて
そこからどう変化していくのかに萌えるのでは!?
Subの受様がSM趣味に走ったとこからもわかるように
DomとSubという支配する者とされる者の関係性に
性嗜好に留まらない何かが見えないと
Dom/Subである醍醐味が見えないのでは!?
と思ってしまいました。
本作は政治的背景や民族的な因習が絡んでいて
身分差のある2人の未来と絡まって
ハラハラ&ドキドキ要素は十分あって楽しかったですが
Dom/Subと思って読むと物足りないです。
海野先生の目指した初心者さんにも
手軽に読める1歩としては成功なのかな!?