まぼろし食堂のこじらせ美男

maboroshi shokudo no kojirase binan

まぼろし食堂のこじらせ美男
  • 電子専門
  • 非BL
  • 同人
  • R18
  • 神2
  • 萌×22
  • 萌1
  • 中立0
  • しゅみじゃない1

--

レビュー数
1
得点
21
評価数
6
平均
3.7 / 5
神率
33.3%
著者
小中大豆 

作家さんの新作発表
お誕生日を教えてくれます

イラスト
白崎小夜 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576220116

あらすじ

路頭に迷いかけたところを、下宿屋を営む青洲に拾われた苑。甘やかされえっちなことまでされたのに、青洲は恋愛をする気はなさそうで!?

表題作まぼろし食堂のこじらせ美男

伊波青州,38歳,「まぼろし食堂」の大家
小路苑,24歳,失業したばかりの人生ドン底青年

その他の収録作品

  • あとがき

レビュー投稿数1

心が疲れて弱ってる、全ての方に贈りたいです

人生どん詰まりの人が導かれるようにして集まってくる食堂兼下宿屋。
弱った羽根を束の間休めて、元気を取り戻して巣立って行くんですね。
そんなちょっぴり不思議な「まぼろし食堂」で、人生ドン底の主人公を受け入れてくれたイケメン大家は・・・。
と言った、お話になります。

もうこれ、とてもあたたかいしジンワリ心に沁みる、めちゃくちゃ素敵なお話でしたよ。
主人公の置かれていた辛い状況だったり、攻めの手痛い過去の失敗だったり。
ちょっぴりほろ苦くもあるんですけど、それら全てを穏やかに包み込んでストーリーは進みって感じで、本当にとびきり優しいお話だと思んですよね。
こう、読み終えた後は、「私も頑張ろう!」と前向きなれると言うか。
心が疲れて弱ってる姐さん!
ぜひ読んで、明日への活力にして欲しいです。

内容です。
信頼していた人に裏切られ、失業し、更にお金も無くと、人生ドン底の主人公・苑。
酔っぱらって道に迷っていた所を不思議なキジトラ猫に導かれ、「まぼろし食堂」にたどり着いたんですね。
そこで、変人に見えるけど面倒見の良いイケメン店主・青州に誘われ、まぼろし食堂(兼下宿屋)に下宿する事に。
やがて、優しくあたたかい青州に惹かれてゆきますが、彼は過去の経験から色々拗らせた、「恋」が分からない残念な男でー・・・と言うものです。

こちらですね、実はめちゃくちゃ地味なお話なんですよね。
何か特別派手な事件が起こるワケでも無いし、盛大なスレ違いなんかを経てと、涙、涙で盛り上がるワケでもない。
作者さんもおっしゃられてる通り、主役二人の恋がゆるゆる進むのを追うだけの作品なんですよ。
作品なんですけど、これがとにかく優しくて、ジンワリ心に沁みるってんですかね。

や、そもそも地味で分かりにくいけど、設定が秀逸だと思うんですよ。

えーと、繰り返しになるのですが、舞台となるのが「困ったり弱ったりした人が何故か集まる不思議な食堂」でして。
主人公となる苑ですが、まさにドンピシャの不幸青年なんですよ。
仕事ではブラックな環境で酷使され、信頼して恋心を抱いていた先輩にはいいように利用された挙げ句裏切られ、心が折れて退職したものの今度はお金が無い。
こうね、彼は人一倍真面目だし努力家なんですよね。
ギリギリまで自分をすり減らして頑張っちゃうし、「ちゃんと頑張り続けなきゃいけない」と自身を甘やかしてあげる事も下手。
何とも読んでて気の毒な感じの受けなんですよ。

これ、そんな主人公が、「まぼろし食堂」と言う優しい場所で、あたたかい人達に囲まれて過ごす。
疲れ果てて弱りきっていた心を癒し、やがて元気を取り戻す。
そして、恋をする。

前半がこんな感じでして、ここまでだと問題を抱えているのは主人公で、そんな彼をおおらかに受け止める攻めは(多少変人だけど)包容力のあるいい男に見える。
それが読み進めるうちに、実は攻めの方が、より大きな問題を抱えた困った人物だと分かってくる。
そう、この「まぼろし食堂」ですが、住民は皆、困っていたり弱っている人なんですよね。攻めも例外では無いのですよ。
なるほど、こう来たか!みたいな。

またこれね、しつこいですが、激的な出来事は起こらないんですよ。
一緒に食事をしたり、ちょっと買い物に出掛けたり、かわいいからとうっかり攻めが受けに手を出したり。
そんな日常を繰り返す中で二人の気持ちは通じあい、やがて恋人同士として結ばれる。
本当にゆるゆると進むのです。
そして、それがめちゃくちゃ素敵だと思うのです。

えーと、個人的に一番萌えた所なんですけど、青州が苑への気持ちを自覚した瞬間だったりするんですよ。
や、どこにでもありそうな日常のささいな出来事で、彼はハッとこれが人を好きになるって事だと気付くんですよね。

そうだよなぁ。
相手が自分を庇って剣で切られて死にかけるとか。
そう言う派手な出来事で気持ちを自覚するとかってドラマチックではあるんですけど、実際には「こんな事で!?」みたいな地味な出来事で相手を好きになっちゃうし、愛情は深まるのよね。と。
マジで、等身大の普通の恋愛なんですよ。
そしてそれが、めちゃくちゃ萌えるんですよ。

あとですね、実は私は小中先生の書かれる「拗らせ攻め」が大好きなんですよね。
拗らせ攻めが大好きと言うか、そんな残念な攻めを受けが「しょうもない人だなぁ」的な感じで大きな愛で受け入れるのが好きと言うか。
今回も、自分は青州に恋をしてるけど、彼は自分に恋をしていないー。
その、失恋を自覚した際の、苑の思った事がめちゃくちゃ素敵で心を打たれましたよ。
そう、愛する人には幸せになって欲しいよね。
そして、自分も幸せになる努力をしなきゃね。
ちゃんと、みんな幸せにならなきゃね。

ちなみに、苑をいいように利用して裏切ったクズ男ですが、ちゃんと成敗されます。
これにはスッキリさせてもらいました。

と、そんな感じで、とにかくあたたかいし優しいし心に沁みる素敵なお話でした。
こんなご時世だからこそ、こういうお話が嬉しいですよねぇ。

9

この作品が収納されている本棚

レビューランキング

小説



人気シリーズ

  • 買う