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蓮川先生挿絵狙いで購入。安心王道なお話でしたので中立より萌にしました。本編210P+あとがき。俺様的攻めがお好きな方でしたら良いのでは。
第一王子の婚約者である妹の卒業式に出かけたルーシャス。その場で突然始まった第一王子による婚約破棄発表やら、妹が行った聖女への非道な行為、それへの非難等がトリガーになったのか、前世の記憶を取り戻し、第一王子の行動へ逆にブチ切れて・・・と続きます。
攻め受け以外の登場人物は
エリアーナ(受け妹)、リカルド王子(聖シュトルム王国第一王子、あほ)、シレイア(バルトロア王国王女)、ロロ(攻め側近)、サランド(受けの上司)ぐらいかな。
++攻め受けについて
攻めは俺様感が強めに思いました。「安心して愛されろ」なんて言います?強気だよなあ、絶対受けのことを守り切れる自信がないと言えないじゃん、たまらんわこのセリフと思いました。まあなんで好きになったんじゃ?というところはそんなにシンクロしなかったんですけど、蓮川先生のこのビジュアルに強気な俺様態度が最高に好きでして、それだけでもう満足。
受けは金髪きらきら美人さんっぽいですが、受けの容姿に関する記述はそんなに強くないように思いました。前世の記憶が脳内に突然降ってわいたことから、貴族王族の体制に絶対的に従うということはなくなり、リカルド王子に言いたい放題けちょんけちょん。攻めに対しても、必要以上にへりくだった姿勢じゃない感じです。研究熱心な魔法オタクなところがちょっとあるか?ぐらいかなあ。
攻めキャラは好きなタイプ、受けキャラは特に印象強くなし、お話は王道というところで萌という評価になりました。発端になった聖女アリスはどうなった?という気がしますがアホアホ王子のリカルドの言動は読みたくないから、そっとしておこう。
アルベルン侯爵家のルーシャス(受)はこの世界が、前世の自分が読んでいた恋愛小説の世界であり、妹のエアリーナが悪役令嬢の役割だと気が付きます。とはいえ、前世のその記憶が活躍したのは、妹を断罪した婚約者にぶちギレしたくらいで、前世の記憶で異世界を救ったとかいうことはありません。
そういう力や知識より、ルーシャスも妹も両親含めたアルベルン侯爵家一家が仲良く、隣国の王弟クレイオス(攻)がルーシャスを庇うだけでなく、姪の王女シレイアが妹エアリーナを友人としたり家族同士の仲良さがほのぼのとして良かったです。シレイアがあんまりエアリーナを傍に置くのでひょっとして?!と思ってしまったくらいでした。
僥倖って単語がいっぱい出てきたところが印象的でした。
色んなところがひっかかり素直にあ〜良かった!と思えないことはない?
異世界転生?で魔法があるファンタジー世界で公爵家子息で一人で隣国で働いていて、妹は祖国の王子の婚約者で学園の卒業式で婚約破棄されて、そこでこれは前世で読んだ小説の世界だ!!!
ここまではまだわかる…。
王弟殿下ことクレイオスがこんな簡単にルーシャスとその妹を隣国に迎え入れる?
その時はまだ色々わかってなかったのに、宿屋でいきなり強引エッチしたよね?
その後も研究室でエッチしたよね?
だけど誰にも奪われたくない!と自覚したのは最後だよね?
ルーシャス一族も迎え入れたいのが、ルーシャスの為じゃなくて治癒魔法の遺伝のためだよね?
うーん、クレイオスはルーシャスをいつからどこまで愛していたのか問題が気になってしまって。恋人の話題の時には?それともやっぱり最後?
うーん、簡単に抱きすぎ!
本屋さんでちょっと立ち読みして、電子書籍ストアで発見したから読んでみた。
別に悪い話じゃないんだけど、うーん⋯⋯。評価をまとめると、本文206 (6~211) ページ分のうち最初の143ページ分くらいはクレイオス殿下の態度にモヤるし、終わり方も消化不良な感じなんだよねぇ。もし読むなら、なるべく一気に読むべきかな。
(ここから個人的解釈による長文レビュー)
クレイオス殿下がルーシャスと恋仲になる前に、先に手を出しちゃったのは理解できなくもないけど、納得できるかと言われればそれは別というか。と言っても、モヤってたのがスッキリしたのは194pぐらいだけど。
クレイオス殿下の視点では、断罪の時に見たルーシャスの、家族を当然のように信じて守ろうとする姿が鮮烈に輝いて見えたのだと思う。ルーシャスが家族を守るのは当たり前だと言った時、守ってもらえる人が羨ましくて嫉妬してしまった。でも、その強い憧れと感情の赴くままに抱いてしまったのは、はっきり言ってダメ。そこで我慢できる男性の方が、かっこいいに決まってる。
最後の展開は、もしかして完結ではない??と思うぐらいに消化不良でモヤる。特に最後の24ページぐらいは展開が駆け足になりすぎてると思う。もうちょっと納得できる終わりだったら良かったのになぁと、残念な気持ち。
クレイオス殿下とルーシャスとエリアーナで、これから実家に連絡して色々と確認を取ろうっていう話し合いをして終わり。で、結局はどうなったの?と思わざるを得ない。せめて実家が結局どうなったのかぐらいは知りたい。
他にも気になるのが…。シレイア王女とくっつくかと思った妹のエリアーナが、急に名前だけ出てきたバルトロアの第二王子となぜ恋仲になってるのか。それにルーシャスとクレイオス殿下の婚約も結婚式もまだだし。ていうか、「娘さんをください」ならぬ「息子さんをください」の挨拶もまだじゃんね。その前に両親にまだ何の報告もしてないし。
欲を言えば蜜月なイチャイチャも足りない。新婚旅行でもしてほしい。
195ページでやっとこさプロポーズして両想いになったから、両想いエッチが少ないのは分かるけど、でも不満。
自分の気持ちを自覚したタイミングについてだけど、141pでルーシャスの「恋人」というセリフに「それはいいな」って反応した時かなぁと思う。たぶん。カラーのイラストが少し後にあるし、そのタイミング的にもそこかなぁ、と。
ていうか、口説く時の熱量が足りない。口説くのは自分の愛を、そして気持ちを伝える行為でしょう? だからギザでなくても不格好でもいいから、とにかく気持ちを込めて口説いてほしい。それが足りないから、どこで自覚したか分からないんじゃないかな。攻めのクレイオス殿下視点で心情の変化が描かれていないのも、余計にそう感じさせる要因ではないかと思うのよね。
いいところはエロシーンとイラストかな。エロシーンの描写はまぁまぁいいし、イラストは11枚もある。
イラストはエロシーンが3枚と、カラーページのキスシーンが1枚と、プロポーズシーンが1枚。こういうシーンがイラストになるのが、とても嬉しい。
でもルーシャスの元上司であるサランド(オブライエン伯爵)はイラストの片隅にすらいらなかったと思う。コイツ嫌いだし。どうせなら元同僚のハーミットとか、殿下の側近であるロロとかの方が気になる。見てみたい。