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タイムスリップものです。
大正時代からあるという古い下宿に住む井吹。ある夜、地震の揺れに怯えていると突然、古い着物を来た男が現れます。
彼は大正時代からやってきた男で、萩沼と名乗り、井吹の祖父の友人であるどころか、井吹の祖父にずっと片思いをしていたというのです。
この奇妙な男との同居生活が始まったのですが、10日後、再び彼は元の世界へ戻ってしまった……。
結局彼と過ごしたのは10日間に過ぎず、その後、2度と会う事はありませんでした。と聞くとバッドエンドのように感じますが、読後感は悪くないです。
自分の好きな男(井吹の祖父)が女と結婚して子供ができるという事は通常BL作品では最悪の失恋パターンとして描かれてきましたが、これがこの作品では最悪の結果ではなく、感謝すべき事として描かれているのが非常に強く印象に残りました。
確かに失恋はしたけれども、子を設けてくれたからこうやって巡り巡ってお前(井吹)と会う事ができた、元に戻ってもいい友人として祝福できる、子をもうけてくれることに感謝していると言う萩沼。
全てに意味があり、それらがうまく重なって、再び新しい出会いが描かれている最後。切ない余韻は残りますが、一種のハッピーエンドだと思います。
表題作は神なのですがその他の収録作がピンとこなかったので萌萌評価にしました。
私がトピ立てした「ちるちるのランキング圏外だけど、心の琴線に触れた作品を教えてください」
http://www.chil-chil.net/answerList/question_id/4967/#IndexNews
で教えていただいたのが、こちらの作品です。
短いながらも良く練られた作品で、ぐっと心鷲掴みにされました。教えてくださりどうもありがとうございました。
永くほったらかしにしていました。暇だったので読んでみようと数年ぶりに読んでみると予想以上に良作でした!!評価は萌にしていますが、表題作は神に近いかもw
もっと時間をかけてゆっくりと単行本2冊分くらい2人のストーリーが描かれていたら神にしていました。しかし、そんなに気にしなくても普通に読めます。
個人的にその他収録作品はあんまり萌えなかった。かなり古い作品も収録されていたので絵柄がかなり違っておられました。やっぱり現在に近い方が魅力的です。
さてさて表題作は簡単に言ったらタイムスリップもの。
大学進学のために上京した伊吹は、古いアパートに暮らすことになります。そこで地震が起こりそれを機に現れた萩沼。彼は大正時代からタイムスリップして現れた人物で伊吹のお爺さんに想いを寄せていた相手。
実はその古いアパートには時々過去からタイムスリップしてくる人物がおり、やがては帰っていくということが度々あったみたいです。
萩沼は寡黙な感じ。タイムスリップしてきたことにもそう驚かないし、片想いしていた相手が所帯を持ったこともちゃんと受け止める。
伊吹はなんだかんだ言って最初はドギマギしてたけど一緒に生活することになります。ぎくしゃく気味だった生活も一緒に時間を過ごす中で互いに新たな感情が生まれ距離が縮まっていきます。2人が結ばれた姿の後に見える未来が最初からわかっている分読み進めるごとに胸が痛くなっていきます。
別れのシーンはホント必死に涙をこらえました。
しかしながらここで終わるわけではありません!!萩沼の子孫がこのアパートを訪れてきた際についにポロリといっちゃいました。なんとも言えないこの余韻がたまらなかったです。
書き下ろしもかなり萌えました。伊吹と萩沼の孫・護が海を訪れます。この理由も過去の延長線上です。2人がこの先どうなるかはわからない。でもこれを読んだ人は2人の幸せを願わずにはいられないんじゃないでしょうか?
過去と未来をこんな風に素敵に表現してくれてる作品はあまりないですよね^^
隠れた名作です。
表題作が一番良かった、オンボロアパートに住む伊吹〔受〕の元に突然に大正時代からタイムスリップして来た萩沼〔攻〕が現れる。
管理人のおじいさんはこのアパートではよくある事だと割りと軽く言ってくれたりと、ややコミカルめいた、けれどタイムスリップモノに付きものの切なさな時間を越えた恋愛。
それは時が来れば別れてしまうものなのだけれど、読後感は良いです。
コミカルさと切なさの匙加減のバランスがちょうど良かったですぞ。
執筆時期が2003年から2007年までと結構幅広いんですが、古い作品は同人にありがちな顔漫画なんだけどそれが段々と漫画として上手くなって行くのが分かってその変化も読んでいて興味深かったです、まだまだもっと伸びしろがある作家さんですな。
表題作切ない~~。
タイムスリップものです。
大正時代から現代にやってきた男に惹かれてしまう主人公。
たった10日間の濃密な時間を過ごし、思い出だけ残して元の時代へと帰ってしまう。
プロットそのものはタイムスリップものとしてはすごくストレートで特別に捻ってるわけじゃないんです。でも上手いです。むしろそれがイイ。切ない。
ハッピーエンドじゃないんだけど、バッドエンドではないです。非常に爽やかな結末で、お互いのこれからの人生にとって、不可欠な10日間だったんだと思えました。
結末に暗示されてるのは新しい恋の予感かな。たぶんきっと、いや絶対。
『箱庭の恋』
二人の会話のみで構成されてる話。
でもすごく面白かったです。
つげ雨夜さんの描く攻め、カッコいい。
『お手やわらかに』
短っ!
鎖骨はお大事に…。
『お嫁にこないか?』
この話は微妙でした。
設定を生かしきれてない気がします。もうちょいギャグ寄りに話を作って欲しかった気が。
『君を渡れば SUPPLEMENT』
あああああ…
キュンキュンする。
表題作のその後(その前?)の書き下ろしです。
過去と現在にいるこの四人をもうちょっと見ていたい。
3話完結+同シリーズのおまけと短編が4編収録されているのですが、表題作が短編と比べ抜きん出て良作ですね。
短編4作は表題作より1~3年位昔の作品でページ数も少ないので仕方ないかもしれませんが。
他の方も書かれてますが、表題作はとても切ないです。
でも余韻は悪くありませんでした。
ずっと一緒にいられなかったのは切ないけれど、わずか10日に通ったお互いの想いは、二人にとっては生涯の大切な思い出になる。
奇跡のようなことが二人に起こったのだから、それは悲しむべきことじゃなくて喜んで感謝すべきこと、と思えば切なさも優しくなる。
そんな余韻でした。