イラストあり
「初恋王子の甘くない新婚生活」の続きで、1年後のお話。
前巻で第1王子のウィルフが王太子の座から降ろされて第2王子アンドレアが王太子になったのですが、落馬事故で亡くなってしまい、二人は葬儀に参列するために王都へ。
その後、次期王太子をめぐり第2王子の息子アーネストか第3王子ディミトリアスかで水面下で揉める中、フレデリックの元にアーネストが訪ねてきたのをきっかけにフレデリックは多忙となり、フィンレイは屋敷で孤独に苛まれるという内容です。
領地ではラブラブな日々を送っていたのに、王都では留守勝ちのフレデリックと会話もできず、なんなら冷たい態度すら取られるし、屋敷の使用人達はみんなそっけないし(フレデリックの命令でフィンレイに近付くなと言われていたことを後から知る)、フィンレイがとにかく可哀相です。僕はなにか間違えたのかな、と自省するのがフィンレイらしく、こちらとしてはフレデリック大概にしろよ、と苛々したりして、でもそれだけに楽しく読めました。
考えてみたら1冊目でもフレデリックの態度はひどいものでした。フィンレイが優しいからつけ上がっているというのもあると思うのですが、この人はずっと良い家柄の御曹司で、周囲の人が傅くのが当たり前の世界で生きていて、見目も良くて多分普通にしているだけでいろんな人が集まってくる環境だと思うので、こういう態度を取ったりしてもある意味仕方ないよなと思えます。そのうえで、フィンレイの心根の清らかさや、ギルバートやデリックといったフィンレイに味方する有能な人々の力に魅せられながら、ストーリーを味わうことが出来て、楽しい読書でした。
終盤の誤字が気になりました。「納得できかねない」とありました。「納得できかねる」か「納得できない」だと思いました。
巻末の「お留守番の子供たち」はフレデリックとフィンレイが留守にしている間、ライアンやジェイやキースがフィンレイに会いたくて仕方ない様子を描いたSSで可愛かったです。ライアンが、フィンレイと狩りに行く夢を見ながらひっそり涙を流しているのが良かったなあ。
名倉先生の新刊「恋を封じた側近と愛に気づかない王子」(スピンオフ作)の
スピン元シリーズのこちら。
「恋を封じた〜」を読み、そういえばこちらのスピン元シリーズ、
2作目はみなさまのフレデリックへの怒りの声を読み、恐れ慄いて読んでなかったな、、と思い出して、でもやっぱり読みたくなって3作目と一緒に購入。
以下、あらすじなしで感想のみを。
やーーー、やっぱり名倉先生のお話、好きだなあ!面白くて一気読みです。
フレデリックはもう、みなさまの言うとおり、「スパダリ」の名は剥奪ですね…!
同じことを次もしたら、許さん。
フレデリックの言動が許せるか否か、で作品の評価が分かれそう。
一番「許し難い!!」と思ったのは、フィンレイが用意した薔薇の花を粗雑に扱うところ、
「おやすみのキスを」と必死に健気に自分から求めるフィンレイに苛立つ描写です。
それと、妻を愛し大きな問題から遠ざけようとするあまり、
フィンレイにも決して無関係ではない次期王太子の問題について、何も語らず共有しようともしないところ!!
あと激昂したときにフィンレイのことを「おまえ」って言ったところ!!(後でひどく反省してましたが;)
…うーーん、あらためて書き出すと、フレデリックの嫌な部分の詰め合わせだ。。笑
だけれど不思議と、終盤のフレデリックの謝罪時にはフィンレイ同様、
すっかり許す気分になっている自分がいました。
ちょろすぎる…?懐柔されすぎ?;
先述したように「二度同じことをするのは許せん」という気持ちなので、
これから読む次作で”スパダリ力”を発揮してくれることに期待、です✨
それにしても、今作も夫のピンチを危機一髪で救ったフィンレイのカッコ良さが
際立っていた…!名倉先生の作品の中でも、本当に本当に大好きな受けです。
見た目は小柄で平凡かもしれないけれど、健気で一途で強くて(銃の腕前!)…
そんなフィンレイが傷つく描写の多い今作は胸が痛みました。。
フィンレイを思い切りぎゅっと抱きしめてあげたくなった…
夫の横暴を許してしまうフィンレイは「甘い」かもしれないけれど、
許すことができるその心の広さもまた、フィンレイの素晴らしさであり大きな魅力だよなあ、と。
この”寛容力”、自分も見習いたい…!笑
と、そんなことを思いながら本を閉じました。
読み終えたばかりですが、次作も早く読みたくてうずうず。
この週末はどっぷり「初恋王子」シリーズに浸りたいです✨
ネタバレあり
前のシリーズが面白く読み返してから、こちらの本を読破しました。
結論から言うと、フィンレイはお前には勿体ないの一言です。
どんだけ嫁の世間狭くしたら気が済むのでしょうか。
朝帰りして口論になった途端、お前も浮気してるんだろう発言は100年の恋も冷める言葉です。
フィンレイが強かだったから良かったですが、普通なら離縁して実家に嫁さん帰ってますよ
最期の仲直りも読者が許すほどには謝罪と懺悔が足りなかったように思います。フィンレイもこれで許しちゃダメだよ……こんなんで許してたらまたどうせ同じようなことやるよと思ってしまいました。
モヤモヤしたけど、フィンレイが良い子だから「萌」で留めましたが、旦那にはとても萎えました。
前作を無かったことにして、執着ヤバめで視野が狭い旦那×健気な王子の話だと思って読めばとても面白いです。
実際、前作が頭によぎりつつも読む手を止められず一気読みでした。
読みやすい文体ですし、相変わらず健気な主人公は応援したくなります。
ただ他の方も書いていらっしゃるように攻めどうした?と突っ込みをいれたくなります。
溺愛がヤバい方向にいっていて、それなら主人公を構い倒せばいいものを、仕事を理由に放置。主人公かわいそうです。
そして極めつけの暴言。
希望としては上下巻になってもいいので存分に攻めざまぁして欲しかったです。姿眩まして、攻めは死ぬほど後悔して泣いてすがり付くくらいして欲しかった(すがり付いてはいましたが)。領地の執事や子どもたちからボッコボコにされて欲しかったです。
でもとてもいい子な主人公、すぐ許しちゃうというかむしろ自省しておる。
他の方のレビューを薄目で読み覚悟していたので、それほどショックを受けず楽しめました。攻めざまぁが性癖の私としてはちょっと物足りなかったですが、健気で賢い受が好きな方はぜひ!
もしシリーズ続くようなら勿論買います。
本の内容より、レビュー欄が面白い。
こんなにレビュー欄が面白い本は他にないかも?
フレデリックのダメっぷりを読みたくて、
電子版がやっと出たので、前作を再読してから、読みました。
前半は、前巻の後半の延長で、夫がフィンレイを猛愛。
穏やかな日々が続くある日、都から早馬が到着。
王太子になった第二王子が落馬事故であっけなく死亡。
訃報を受け帝都に移動する二人。
第三王子が、継承権を狙って活動しだしていた。
老王が愛する後継者、王太子の美貌の息子は、恋を理由に、継承辞退をしたい。(恋人は同性)
そしてフレデリックの不穏な振舞。・・実は、王位継承者の秘密の恋を護る為だった。
フィンレイは派手さがない可憐な健気受。そしてとても聡明で信望が厚い。
この巻でも、忍耐と努力でフレデリックの無茶ぶりに耐える。
著者は、何処までも「健気なフィンレイ」を面白く書きたいみたい。
そして、「読者の嫌がる反応」を伏線を仕込んで、著者は反応を期待しているようにも思った。
フィンレイの初恋の人、夫のフレデリックは、カッコつけ屋で嫉妬深い人。
奇妙な嫉妬むき出しの可笑しな振舞をして平気。
フレデリックの「ダメ夫」振りは、著者の狙う「仕掛け」なんだろうなーと思う。
今作もフレデリックは、フィンレイに対して浅慮な振舞いの連続。
そしてまたフィンレイに助けられている。
職務優先で、フィンレイの愛のオネダリをバッサリ斬る。
自分の田舎臭さを気にしすぎて、フィンレイを孤立させてしまう。
夫の浮気を疑うフィンレイを叱って、実家に逃げられる。
・・・フレデリックの思惑は、全部裏目にでていて、笑ってしまう。
もし次作が有るなら・・
老王は、第12王子フィンレイの優れた資質を放っておくはずがないので、
多分それが軸になるのじゃないかと。
再読後の今の評価は、「神」です。