Renta!限定版
いけ好かない翻訳家×元エリートの遊び人
大人ビターなBLの傑作と名高い本作。今頃ですが実読。
高評価に違わぬ良作感。
一度はエリートMRだった2人がすっかり境遇が変わっての再会、そして…
…という部分が語られる第1巻目。
学生BL、またリーマンBLの持つ若さゆえの切なさ、苦しみ。それらとはまた一味違う苦味…
それは一度外れてしまった人生のハイウェイ。
のろのろでも回り道でも時には後戻りしても、時間は続く。道は一つじゃないって見えてくるまで。
青春ひとつ過ぎた「朱夏」に訪れた出会い。2人はまた再びの青春、って思ってるかもしれないけど、これから2人が知っていく感情はもう若さだけのそれとは違う。
2026年6月現在、8巻まで続く。
この作品には派手な展開も非現実的なロマンスもなく、40代の翻訳家たちの地味で真実な日常が、ゆっくりとした散文詩のように紡がれています。深夜まで仕事をしたあと、ぼんやりとページをめくるたび、沈黙の中に込められた繊細な情感に、いつも救われています。
人生の節目を経験し、就職・結婚・出産・介護などを通じて、自己中心から他人中心へと生き方を変えざるを得なかった方には、特に深い共感が湧いてくるはずです。思うようにならない時間の使い方、受け身で過ごした日々……そんな転機を経たからこそ、この作品の静かな情感に心を揺さぶられます。これが、私が波真田先生の作品の中でもこれを最も愛する理由です。
平凡な通勤路、机に向かう深夜の作業、ひとりになる午後。その一場面一場面に、中年人生の反芻が隠れていることに気づかされます。過去への回想、現在の葛藤、未来への模索。正解などなく、迷いながらも前に進む姿が、この作品にはありのままに描かれています。
主人公たちが数々の転機を経て支え合い、社会の固定観念から解き放たれ、再び「自分のために生きる」力を取り戻していく姿は、まるでスモークブルーのように穏やかで美しく、心を打たれます。BLというジャンルの中でこんなにも人間らしい作品に出会えたことは感慨深く、私自身も「自分のために生きてもいいのかもしれない」と、改めて前を向く勇気をいただきました。
人生に疲れた大人同士の恋という感じでした。
二人とも元MRで、攻めが退職する前に一夜を共にした経験あり。8年の時を経て、バーで受けが行きずりの相手に薬を盛られたのを見ていた攻めが受けを助けたことで再会。攻めが退職したのは家族の介護のためでした。
受けのほうも仕事に疲れて再会時は仕事をやめて妹の家に居候状態だったため、バイトということで攻めの医療翻訳の仕事を手伝うことに。お互いにゲイなので、自然な流れでまた体を重ねることになります。
攻めの方はMR時代から受けに気があったっぽいです。
日常の淡々としたやりとりを通じて二人の止まっていた時間も流れ始め自然と人恋しさが芽生えていった感じで、それほど切なさやキュンがあるわけじゃないけど、その穏やかさが癖になる。なんか好きだなーと思って二人の行く末を見守りたくなる話でした。
波真田先生の作品はどれも心に響く作品ばかりですが、この『スモークブルーの雨のち晴れ』は何度読んでも飽きることなく毎回「あぁ、好きだなぁ」と同じ感想が出てしまうぐらい大好きです。
元ライバルの久慈との再会を果たした朔太郎は彼の翻訳の仕事を手伝うことに!?
1巻は久慈の「家」から感じる家族の姿を強く考えさせられる内容でした。
スモブルは、よくあるBLの主人公達同士のドキドキ恋愛!だけじゃない所がとても響きます。
それは彼らが40手前で、そういった若い時のドキドキキュンキュンとは離れた次元で生きていて、他にも考える事がたくさんあるからなんだと思います。悲しいかな、自分だけの事を考えればいい年齢はとっくの昔に過ぎていて、背負うものが増えてくる。
年老いていく父との、楽しい事ばかりじゃない思い出が詰まった家。そこに新たに入ってきた朔太郎という風。彼の存在がいい意味で久慈の家と心を動かしたのかな、と思います。
朔太郎の気付ける所、優しいなと思います。
