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危うく火曜日から読み始めそうになりましたが、順番は水曜➝金曜➝火曜日。
水曜と金曜日はがっつり話の絡みがあり、火曜日は少し独立してるけど、水曜、金曜のキャラも少し出て、これまでを読んでるからこそ胸にくるとこもあったので、やっぱり順番は大事ですね。
今作は真吾の才能に惚れ込んだ和成が、真吾の恋心を利用してでもヴァイオリンの道を極めさせようとするところに、気持ちが変わっていくところが読み応えがありました。
真吾のどうしても和成が良い、和成を守りたい、誰も近寄されたくないっい独占欲の荒々しさも子供っさもあれど、それはそれで良かったです。
どうしてまた…という苦しみから、和成が道を見つけて最後は大団円で…この無限ループが3冊続くと勘違いしてたので、一区切りで良かったです!
事故で将来を断たれてしまった元バイオリニストと、類まれな才能を持ちながらも、バイオリンを父親に反対されている男子高校生のお話。だいぶ前に読んだはずなのだが内容を憶えておらず、再読。
教え子の真吾が諍いの末に父を殺してしまうという痛ましい事件が起こり、そのことを激しく後悔した瞬間に、和成は事件が起こる直前にタイムリープする。そのまま真吾を自宅に住まわせ、どうにか父親との接触を阻止したものの、やがて時空がねじれはじめ、徐々に運命はまた元の方向へ…。
SFっぽい凝ったストーリーそのものは面白かったのだが、萌えという点では若干不発。
真吾は和成にもともと憧れがあるので、同居の過程で関係を持ってしまうことになるのだが、和成は技巧は申し分ないのに曲に情感を込められない真吾が、恋をすれば変わるのではないか、と思って彼の気持ちを受け入れる。しかも、和成が真吾を救いたいという動機のもとは、彼ほどの才能があれば、叶えられなかった自分の夢を託せると考えているから。
この二点がどうにも引っかかってしまい、年下男子が若さの勢いでガツガツしてるのを見ても、終始独り相撲に見えてしんどい。徐々に和成もほだされてくるものの、その気持ちは、真吾には才能があるから、その才能を潰したくないから、という条件付きの愛情な気がして、最後までどことなくモヤモヤしてしまった。という訳で、ちょっと残念な気持ちの読後感だった。
自分の場合、この小説は九割がた読んで真相が見えてきたところでようやく潜んでいた面白さに気付いたので、できる事ならばネタバレを見ていない状態で読んでもらうのをお薦めしたい。
見た目不愛想で取っつきにくい高校生×臨時の音楽教師。
真吾にバイオリンを教える立場の和成が年上受けとしても教師をしてもしっかりしていたので、彼をどうにかしたいという感情に流されていながらも、本来教師が持つ矜持は保たれていた気はする。
ピアノ・バイオリン物でよくある『プロを目指す情熱』ってのがこの話にもあって、真吾の秘めている才能を閉ざしたくないという熱意を感じた。
話は【起】から【承】に流れていく辺りで真吾の父親は何故バイオリン嫌いなのか、母親はどんな人物なのかって疑問と、一部分だけ時間が巻き戻った謎の伏線が織り込まれている。
真吾をプロの演奏家に育てたい和成、独占したい相手=先生だけに聴いてもらえばいいと思っている真吾。
この二人の意識の差違を埋めていく過程がメインなのかと思っていたところへ、【転】にて意外な方向へ引っ張られて意表を突かれた。
恋愛感情よりも、真吾の再生といった経緯に惹かれた一冊だったが、結末まで読んでこの二人が今後どうなるのか気になるところだ。
この一冊を通して、和成がいざとなれば真吾を守りたいと立ち回る頼もしさが読めたのが良かった。
本作→『金曜日の凶夢』→『火曜日の狂夢』と続くシリーズの一作目です。
三冊とも表紙が素敵なのですが、この『水曜〜』の表紙が一番好きですね。(作品は金曜日が好きなのですが)
このシリーズ文字もみっちり、厚さもある、話は複雑と、じっくり読むにはうってつけです。
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受けの和成は28歳のバイオリン講師。
この度、高校で代理講師を努めることに。
過去にはプロのバイオリニストでした。
攻めの真吾は、和成がレッスンすることとなった内の一人。
テクニックは完璧ながら情緒に乏しく、危うい雰囲気を持つ高校二年生。
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小柄な年上の受けとガタイの良い年下攻め。
最初はそんな印象しかありません。
臨時講師にちょっとした憧れのある高校生といった風です。
真吾の家庭環境は複雑で、そちらと彼の不器用さメインに進んでいきます。
が、その真吾と父親の件で和成が経験することとなるのはタイムリープ。
なんだかこんな横文字で書くと、なんとも軽い感じなんですが(汗
最初に時間を遡った時、和成は真吾の未来を救ったように見えますが、現実には和成自身の欲求、野心のためと受けとれます。
なんともこれには形容し難い後味の悪さがあるのです。
真吾が純粋なだけに。
視点が和成なので、彼が真吾に対して愛情よりも自分の夢を重ねていて、そのためだけの行為という辺りが書かれているからだと思います。
まあ和成は音楽バカなので、真吾を情緒に欠けると言いながら自分自身も充分その毛があるなあ(苦笑
和成はタイムリープによって真吾と自分の夢を守ったと思っていましたが、それは大きな勘違いであり傲慢な考えだったんですよね。
話の収束の仕方は若干ご都合主義的な部分がないわけではないのですが、この後の未来がどうなるのかこちらへ想像させる終わらせ方です。
が、アンハッピーではありません。
ちょっと切ない感じでしょうかね。
次巻にこの彼らのその後も登場していますので、続けて読まれると良いですよ。
途中途中、和成の友人である紀ノ川が登場しますが、彼は二作目の攻めとなります。
わたしは紀ノ川贔屓なので、こんなにたくさん登場してくれてこちらの作品も楽しめました。そのせいで萌×2です(笑
音楽家ものということで気になっていたのですが、
SFのような設定と知り、苦手意識が最初にきてしまい、
気になりつつも、なかなか手にとることができませんでした。
しかし、なかなか楽しめました。
うまくできたお話だな~と感じました。
バイオリニストの夢を諦めた音楽講師、和成は、
生徒、真吾にたぐいまれなる才能を見つける。
真吾は母親を亡くしており、父親とはうまくいってない様子。
和成は、自分の叶えられなかった夢を真吾に叶えてほしいと、
バイオリンを教えていきます。そんなある日、真吾が、
父親を殺してしまうという事態が起きる。
和成は、止められなかった後悔にさいなまれると
なぜか、真吾が父親を殺す事件を起こす前日に戻っていた。
所謂、タイムリープが起きるお話でした。
真吾を父親と一緒にしておくと、また同じ事件を起こしてしまうのではないかと
懸念し、和成は真吾と一緒に暮らすことにします。
そんな中、真吾は、和成のことが好きだといい、
和成は、真吾が音楽家として大成するためには恋愛を知ることも必要と
考え、関係を持つようになります。
最初、和成が打算的に感じてしまい、なかなか好きになれませんでしたが、
徐々に和成の心が動いていく様子が、面白かった。
色々大きな事件が起きているお話なので、
2人のラブは少ないので、幸せな2人の後日談を読みたいです。