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面白かった!回帰後早々に復讐すると誓った相手とBLフラグが立って一瞬テンションが下がったが、込み入ったストーリーにぐいぐい引き込まれ、気付けば一気読み。挿絵もじっくり見たくなる美しさで素晴らしかった。小説・挿絵どっちも神。
始まり方は回帰ものテンプレの処刑までのエピソード。恨みつらみを抱えて死に戻り、アレッシオへの復讐が始まるかと思いきや、弄んで捨ててやる→失敗系BLな展開に。回帰前も現世でも、アレッシオの本性がなかなか見えず面白い。
ガブリエーレは前回の記憶を、主に自身の反省と成長に活かしていたのが良かった。それでいて剛胆さや強かさを身に付けた感もあり、頼もしい主人公。わりと流されて意志の弱さも見えたのは、柔軟さも得たってことなのかな。
話はテンポ良く進み、事件の規模はどんどん大きくなっていく。絶体絶命のピンチに陥り、この広げ過ぎた風呂敷をどう畳むのかと思ったら、驚きのチートオチ。え?っていう。これってアリなんだ、と正直ちょっと笑った。
はっきり言ってひどく大雑把で強引な終わらせ方だと思う。でもそのおかげで数多ある回帰ものの中に埋もれることなく、印象的な作品になっており、とても楽しく読めた。迫力ある挿絵の影響も大きい。
ガブリエーレは回帰前の堅物だったころですらアレッシオに落ちていたわけで、二度目の愛を誓わない、なんて最初から無理な話だったのかな。アレッシオの前回の人生での罪は相当に重いが、今世では間違えなかったし、拷問で十分な償いになった気がした。
二人の幸せ後日談がもう少し読みたかった。番外編とかあればぜひ欲しい。
先生の「気難しい王子に捧げる寓話」が大好きな作品。こちらも高評価のファンタジーでずっと気になっていたので読んでみました。
中世ヨーロッパ的な世界観。
処刑された聖騎士ガブリエーレ(受)が三年前にタイムリープ。自分を裏切った恋人アレッシオや陥れた人間に復讐を目論むが…というお話。ずっと受け視点です。
序盤はタイムリープする前のガブリエーレが語られる。生真面目で融通の利かないガブリエーレが、何者かに陥れられる描写が不憫でかなりつらかった。
タイムリープしてからは、過去の記憶があり、やり直しの人生を狡猾にうまく立ち回っていく様子が面白くワクワクします。この辺「気難しい〜」に近いものを感じました。
アレッシオとの関係は、1回目は禁欲的でキスまでだったのが、2回目では神への信仰がなくなりすぐに体の関係に進む。
1回目より遠慮のない関係で、アレッシオが年下ワンコで、ガブリエーレを溺愛執着する様子が自分好みですっごく好きです!濡れ場ではちょっとSっ気が出てくるのがまた大変良きでした♡
中盤まではなんとなく想像のつく展開だったけれど(アレッシオの罪とか)、終盤になって1回目とは違う出来事が起きてくると、想像もしなかった展開となってきて読む手が止まらなくなりました。最終盤は驚きの展開でした!
色々な場面に伏線が張られているので、一度読了してからも読み返してしまいます。特に中盤のルッチとの会話はなるほど〜と思いました。
ストーリーも大変面白かったのですが、本作はとにかく攻めのアレッシオが、ガブリエーレへの思慕を隠すことなく、始終甘えたり抱きついたりキスしたり、甘々なシーンをたっぷり見せてくれるので、大変満足しました♡
(小中先生の作品の攻めって、執着してても隠してたり、意地張ってたり、なかなか溺愛してくれない攻めが多い気がしますw)
小中先生の描くファンタジーはやっぱり面白いです!他の作品も色々読んでみたいと思います♪
(こんなに面白くて高評価なのにアワードランクインしてないのは12月発売だったからかな?残念!)
シーモア 挿絵付き(奈良先生の挿絵が大変美麗で素敵でした♡)
本当に本当に面白い物語でした…。
面白過ぎました。面白過ぎてまた1ページ目から読み返しています。
物語中に組み込まれた対比がとにかく素晴らしいです。
ガブリエーレとアレッシオの対比。ガブリエーレの前世と今世の対比。
一度最後まで読み終えてからまた最初から読むことで、それらの対比や伏線などがより色鮮やかに浮き上がってきます。
例えば前世、足の手当をするアレッシオにガブリエーレが「痛みには慣れてる」と言ったことへのアレッシオの反応など。その言葉に、アレッシオは地方での鞭打ちの件を思い出してしまったのかな、などと想像してしまいます。
再読することで二度三度楽しめる、素晴らしい力を持った作品です。
今世ではガブリエーレの変化のみならずアレッシオの心情が(ガブリエーレが彼を理解しようとしたことによって)より見えてくるため、アレッシオの変化も大きいように思えます。
今世でのガブリエーレの、達観したがゆえの思い切りの良さ、周りを見ることができるようになったからこその余裕と包容力、先を切り開き運命を変える力にとても惹き込まれました。
意志も強く能力も高い、計算でも動けて物事に対して決して受け身にならない凛々しさと図太さを備えたさまがキャラクターとして大好きです。
とは言え個人的には、前世の真面目で愚直で余裕がなくて心と視野の狭いガブリエーレも結構、いやかなり好きです。
不器用なところも、物事を自分の思いたいようにしか受け取れず見たいようにしか見ないところも、ただの一人の人間、といった感じで良いよなあ…と。
アレッシオもガブリエーレのそんな部分に魅力を感じたのかもしれないですね。
そしてガブリエーレが転生してからは、彼の持つ二面性に振り回されつつより一層惹かれてしまうという。
ガブリエーレ、罪な男です。
男前な受け、最高です。
ストーリーは他の方が詳しく書かれているので割愛します。
散りばめられた伏線が積み重なって真相へと導かれていくストーリー展開は、ミステリーを読んでいるようで面白かったです。
ただ、恋愛の部分はスパイス的な感じで、切なさや萌えはあまり感じられませんでした。
裏切った相手である攻めに対する疑問が完全に払拭されないまま、二度目の人生では徐々に受けが攻めに惹かれていくのですが、拷問で爪を剥がされたり歯を抜かれたあげく首を落とされるという一度目の人生が悲惨すぎて、攻めに惹かれる心情に寄り添えませんでした。
物語の最後で、一度目の人生では意図的に裏切ったのではなく、不可抗力でそうなってしまったのだと明かされますが、それまではずっとモヤモヤが残っているので、告白シーンでも、喜びや感動は薄かったです。
最後に攻め側の事情がわかったときも、受けに対して気持ちがあったのなら、手紙を送って事情を説明するくらいはできたんじゃないかと思ってしまいました。有力な貴族の跡取りなのだから、処刑される受けを見殺しにするのではなく、何か助ける手立てはあったのではないでしょうか。
あと、悪魔がより多くの魂を欲していたのなら、一度目の人生で悪魔と契約したときには、なぜ悪魔は攻めにそれを教えなかったのか疑問です。他人の命でも契約できるのなら、最初から、受けを陥れた人間の魂を犠牲にして、受けを生き返らせることもできたのでは。
それに、きっと下っ端の騎士たちは隊長の命令で荷物を運ばされていただけなのに、不正に加担した人が全員命を奪われてしまったのは、犯した罪に対して罰が重すぎるのではないかと思いました。
以上のように、色々と細かいことは気になりましたが、読み物としては面白かったです。
恋愛要素を期待して読むと肩透かしを喰らいます。
話は面白かったのですが、受けのガブリエーレのかっこよさばかりが目立つ作品という印象でした。攻めのアレッシオは正直影が薄かった。
二度目の人生が割と予想通りに進んでいくし、最初にアレッシオと致してからガブリエーレがそういうことにすぐ慣れてしまうのもウーンって感じでした。
逢瀬してとりあえずヤッて日々の疲れをお互い癒し合って…みたいな描かれ方。まぁある意味ではリアリティがあるのでしょうが、一度目では生娘のようにピュアだったのに違和感を覚えました。
最後はスカッとする終わり方ではありましたが、あっさりと終わってしまったとも思いました。トントン拍子とも言うんでしょうか。何もかも上手くいっていて、一冊で綺麗にまとまっているとも言えます。
小中先生得意の攻めザマァ展開も期待しましたが、今回はそれもありませんでした。代わりに悪者を退治したスカッと感を味わった感じでしょうか。
評価が良かったのと、いつもの展開を期待しておりましたが、途中で読むのを止めてしまいそうでした。終わりよければ全てよしで、読後感はよかったです。