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彼岸花は僕だけにささやく

higambana ha boku dake ni sasayaku

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表題作彼岸花は僕だけにささやく

新川奏,大学1年生
辻内歩,大学1年生

その他の収録作品

  • 逢魔が時に、二人(書き下ろし)
  • あとがき

あらすじ

どんなに耳を塞いでも、一日中聞こえてくる不気味な呻き声——事故に遭って以 来、謎の声に悩まされ疲弊する大学生の歩。そんな時、声をかけてきたのは同級生の新川だ。「お前、自分に憑いてるモノが見えていないのか!?」そう言う新川は、声は聞こえないが霊視ができるらしい。このままだと彼岸に引っ張られるぞ――霊の声を聞く力に目覚め怯える歩を、新川は霊視の力を駆使し守ろうとするが!?

作品情報

作品名
彼岸花は僕だけにささやく
著者
久我有加 
イラスト
m:m 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011092
3.1

(8)

(0)

萌々

(2)

(5)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
4
得点
24
評価数
8
平均
3.1 / 5
神率
0%

レビュー投稿数4

BLは添え物


視える君と聞こえる僕

事故に遭い、急死に一生を得た大学生の歩(受け)はそれ以来さまざまな声が聞こえるようになります。見えない何かの恨みつらみが間断なく聞こえてくるためおかしくなりそうになっていたある日、同じ学部の新川(攻め)に声をかけられます。
初めは怪しい宗教かと警戒するのですが、貰ったお守りの効果が覿面であのよくわからない声があまり聞こえなくなるのです。それ以来何かと気にしてくれる新川に頼ってしまうようになります。


中編2本で、前編が歩視点、後編が新川視点で構成されています。


突然霊の声が聞こえるようになり、気が狂いそうになるのですが、新川のお守りで症状がましになるとわざわざ事故現場の近くにいって新たに霊を拾ってきてしまいます。
聞こえるだけの歩と違って、新川は視えるだけで祓う力はありません。視覚で霊を感知できてしまう新川は何度も祓うしかないというのですが、歩は自分に憑いた女の人の声を気の毒に思い、祓うのではなく成仏させられないものかと言い出します。
初めは、なんて能天気な危機感のない奴だろと思いました。


結果的にこの女性ホナミの心残りを解決し犯人を捕まえたことは2人をくっつけるスパイスになったのですが、この過程が良かったので、その後に始まる唐突に始まる告白タイムが後付けのように感じました。
もう、オカルトバディものでいいんじゃないかな。
BLだから絡みとかもあるんだけど、いらないなーと思ってしまいました。
後編で新川が子供の頃の修行した修行場の話が出てきましたが、これから修行するというところで終わったので、修行を終えた後、新川の大叔父である食えない坊主や新川の才能を嫉妬する感じの悪い坊主たちの思惑を躱して2人で霊に対峙する話とか、何かと勘のいい祖父母との話とか読みたかったな。

レーベルからしたら無理な話とは分かっていますが、恋愛以外の方が面白かったです。
とはいえ、久世先生の書かれれる前向きだったりヤンチャだったり鉄砲玉みたいな元気な受け様が大好きなので次作も期待しています。

0

恋がもっと読みたかった

ホラーよりも、どちらかというとオカルト系BLといった印象を持ちました。そんなに怖いものは出て来ません。

この世に未練を残した霊・人ならざるものや呪い…
目には見えない何かが見えてしまう奏と、事故に遭って以来、見えないけれど声が聞こえてしまうようになった歩。
同じ大学に通いつつも接点がなかった2人が、とあるきっかけからバディ関係のようになっていきます。
霊や呪いといった題材を交えながら、お互いのことをよく知らない状態で始まる2人の関係性の変化が楽しめるお話かなと思います。
前半は受けの歩視点なので、いわば見えざるもの初心者視点で霊の行く末を見守り、後半は攻めの奏視点でその後の2人を描きながら、霊とは異なる見えない何かに踏み込んだ内容となっています。

うーん、評価に悩む作品でした。
前半の未練を残した女性霊をなんとかしてあげたいと奔走する歩と、なんだかんだで見守る奏の図は面白かったのです。
設定もストーリー展開も面白いです。このままバディもので続かないかななんて。
でもなんというか…BL設定が唐突で、ちょっと乱暴な物言いになってしまいますが、邪魔だなと感じてしまった部分もあったんですね。
前半部分は小説charaに掲載されていたそうなので、限られたページ数にまとめるのなら仕方がないかなあと思いつつ…
女性霊のエピソードが良かっただけに、突然好きだなんだと関係が深まって繋がられても、えっどこで?と置いてけぼり状態に。
もう少し恋愛感情になるまでがじっくりと描かれていたのならと、すごく惜しいです。
前半でそうなってしまったものですから、後半で奏が歩を愛おしい、守りたいと思えば思うほど響かず…
補い合い、支え合いながら共にいる2人は好みだったのですが。

1

ソフトホラー

久我有加先生の作品はもっと読んでいると思っていましたが「満月に降臨する美男」と今作だけでした。

そして今作も以前のレビューと同じで、設定は好きなのですがそんなにハマれませんでした。

雑誌掲載作の「彼岸からのささやき」は歩視点で、そして書き下ろしの「逢魔時は、二人」は奏視点でした。
歩視点のお話は死者が登場して、奏視点のお話は人を羨んで呪ってしまう人が登場してました。

2人は同級生なのですが、事故に遭って以来人ならざるものの声が聞こえるようになった歩と、人ならざるものが見える奏が歩にお守りを渡した事から友人となりやがて恋人になるお話なんです。

聞こえるけど見えず、見えるけど聞こえずの2人が、前半はお互いを補う形でこの世に未練を残した女性を救う事になります。この女性が2人のキューピットみたいな感じなんですよ。

そしてお互いに相手を守りたい2人が、奏の親戚のお寺に修行に行く事になるのが書き下ろしの後半になります。

実はハマれなかった理由はこの修行後のお話が読みたかったからなんですよね。バディとして人々を救って行くお話が読みたかったんです。
終盤の2人が初めて繋がるシーンを削ってでも入れて欲しかったです。www

奏を敵視する若い僧侶たちとのその後とか、あの巨大な猫らしきものはどこ行ったんだと消化不良でした。禍々しさが増していたとあったのにその後は登場しなくて肩透かしでした。
コレって薄い本か何かで続きますか?出来れば続編を書いて頂いてバディとして活躍するお話が読みたいです。編集部様よろしくお願いします。

1

ストーリーは好きだが、キャラクターが嵌らず

夏の終わりにオカルトBL!と言う事で購入。
幽霊の声が聞こえる主人公と、幽霊が見えるイケメン(クール攻)が出会い、主人公に取り憑いた霊の未練を晴らしていく内に惹かれていき…と言う、王道ホラーものです。

ストーリーの展開は好きでしたが、残念ながら主人公・歩くんのキャラが余り好きになれず……うーん。

不慮の事故により突如、人ならざる者の声が聞こえるようになった主人公・歩。
登場時は死にそうな位、疲弊しきっていたのに「未練で困ってる幽霊を救いたい」って君、お人好しすぎない???と思ってしまったw
攻め様に「霊に干渉するな」と咎められても、ゴーイングマイウェイで危機感無さすぎる歩くん。
無邪気&天真爛漫で可愛い子ですが、危機感無さすぎて少しモヤモヤ……

そんな訳で、自分の好みじゃなかったなぁ…と言う印象です(ごめんなさい)

主人公に取り憑いた女性の霊・ホナミさんのエピソードは切なくてジーンとキました。
姉御肌なホナミさんと歩くんのやり取りが姉弟みたいで、何だかホッコリ◎
書き下ろし「逢魔が時に、二人」は新川(攻)視点での溺愛っぷりを堪能出来て萌えでした♡

4

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