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なんとも世話焼きでお人好しな攻様でした。
いい人だけど、ちょっとしっかりしなよ、騙されてない!?と言いたくなる人でもありました(^_^;)
受様は、歯痛と不眠を抱えた碓氷。
攻様は幼なじみに頼まれて代打の出張ホストとして碓氷を訪れた外村。
初っぱなから、幼なじみに頼まれて大金を貸し、出張ホストの代打を引き受ける外村…。
情けは人の為ならず、とは言うけど、お人好し過ぎんかね( ̄▽ ̄;)
で、碓氷の所へ出張ホストとして訪れる。
ここでも、自分が出張ホストとして訪れてるくせに、こんなことするなんて、なんて説教をかます外村。
いや、良い悪いはおいといて、出張ホストに言われたらそりゃ怒るって。
一方の碓氷も、なかなか理解できないお人で。
もちろん寂しいバックボーンがあるからなのだけど。
なので、外村を好きになってから、ようやく碓氷が人らしく見えました。
何に対しても執着らしいものが薄かった外村も、碓氷に恋をして、独占欲を覚えるようになって。
2人とも、恋をしてやっと人間味が増してかわいく思えてきたのでした(*^^*)
出張ホストと客として出会った二人のお話。この設定がクセモノで、外村が出張ホストをやっていなければ、最初から違う関係性で進んでいれば、とても魅力的に見えていたキャラだったと思う。強引な展開も多かったかな。
外村は出張ホストとして派遣された先で、失礼にもいきなり客に説教をかます。金で呼び出されて来ておいて、何を言ってるんだという印象。
この外村の成長が見られる作品かと思ったら、相手役の碓井のめんどくささが半端なく、外村のウザさが相殺されていく面白い展開だった。
外村は、日常の中で出会った利害関係のない人に対する言動であればとても良い対応をしている。が、金銭による契約関係にある人に対する言動として見れば、あまりにおかしい。
ビジネス対応が望まれる関係で、逆にタブーな対応をしないことに怒り、客とホストとしては良質な関係に不満を訴えている。ホストとして弁えないのは、社会人なのに?と違和感がある。また、高い金を払って専属契約にした碓井は客として見れば可哀想というか理不尽というか。
碓井は、パンが無ければケーキを食べれば~みたいなキャラ。最後まで行動原理が分からない。作中で、碓井自身にも分かっていない強い力に突き動かされて、のような描写が何度もあったりと、(作者が)無理やり動かしたようにも見えてしまう。
碓井のキャラはツンデレを超えた面倒臭さで、客に説教する風俗嬢な外村くらいじゃないと受け止められないかも、と思わせる。
外村の言動は普通の人であればとても魅力的なので、ガバガバな出張ホスト設定がつくづく惜しい。別の出会い方ならもっと素直に大好きになっていたカップルだと思う。
細部に散りばめられていた伏線が、最後に綺麗にまとめられるのはとても良かった。誤解も解けてスッキリ。
序盤はおかしなキャラがおかしな展開を作っていく作品のようだったけど、キャラへの印象が良くなったり悪くなったりを繰り返し、気付けば引き込まれていた。あと一歩何かが噛み合えば神作品と思えていた気がした。
「受けが攻めを買うシチュエーションが書きたくて作ったお話」とあとがきにありましたが、攻めがドノンケなんですね。
なのに男娼として受けの元へと派遣されてしまう。
この経緯がなんじゃそりゃ?というか、元凶である後輩の三好のダメダメっぷりというか三好の思考回路が異次元すぎました。
(同じ砂原さんの「バーテンダーはマティーニがお嫌い?」の手島を思い出しました。生まれながらのトラブルメーカーなんだけど、こいつがいたからこそ、攻めと受けが出会えた……みたいな)
ドノンケゆえに最初は碓氷相手にピクリとも反応しなかった外村と、変人枠といっても差し支えないほどの碓氷。
お互いに好感度ゼロからのスタートして両片思いになっていくんだけど、これはBL読者といういわば神視点だからこそ両片思いだとわかるけど、当事者たちからすれば成就の可能性はゼロパーセントとしか思えない状況が続くんですよ。
そもそも碓氷は、相手の気持ちどころか自分の気持ちすらわかってないし!
碓氷は変わり者ではあるけれど根は素直ゆえに、恋を知って以来、そのまま思ったことを素直に吐き出してしまうようになるんですね。
そこがかわいいかったです。
お人好しの攻めがひょんなことから出張ホストを引き受けてしまったが、訪れた先に待ってたのは全く理解できない美人ゲイだったー
というトンでも設定ながら、受けがあまりに個性的すぎて面白かった。
ホストはお金で体の関係を売るお仕事だったんですが、受けはただの性欲処理として思っていない。キスもなし、服を脱ぐのに何の羞恥も感じない。
そんな人間関係を知らない受けに説教してしまう臨時出張ホスト、外村。
1回限りの関係のはずが、なぜか度重なるご指名、そしてついには専属に。
次第にほだされ、な設定はよくあるのですが、”人よすぎでしょ~”な近所の人気者お兄さんの攻めと、エリートだけど天然ツンすぎてコミカルになってしまっている受けとのカップリングが一風変わっていて大変楽しめました。
受けの志乃さん、とってもカワイイです。
下町ほんわかものにツン受けをのせた独特のテイストの中に、当て馬登場しつつ、若干のすれ違いもありつつ、安心のハッピーエンド。決してコミカルな作品ではないのに、志乃さんの言動が予想できなくて吹き出すことしばし、でした。
最後は動物園デート。毛のある動物が嫌いな志乃さん。でも外村とならどこでもいいって、あまあますぎ。お幸せに~
人情派のノンケ攻×トンチンカンなゲイ受。
正反対な二人のやり取りに思わずふっと笑ってしまう。
ノンケの外村が次第に碓氷に惹かれ始め、
だんだんと暴走気味になっていく過程が楽しい。
冷静だった碓氷の感情が波立ってきて、
そのことに自分で戸惑う様子が本当に可愛い。
小さなキュン!がたくさん積み重ねられていて、
それぞれの恋心が育っていく過程をじっくり楽しめます。
ちなみに初めて読んだ砂原作品がこの本で、
クセがなく読みやすい文章、感情移入しやすいキャラと丁寧な心理描写に、
久々に安心してハマれそうな作家さんに出会った!と思った記憶があります。
(以下ちょいネタバレ)
個人的に、高架下の長屋住まいという外村家の描写が、すごく魅力的に感じました。
(単に高架下とか貧乏萌えの気があるからかもしれませんが…)
ちょっと不便で貧しいけれど温かい家から、
外村の人柄や度量の深さが伝わってくる気がします。
小さなことですが、二人の名前がすごくしっくり来てたのも良かった。
そのせいかお互いの下の名前を呼ぶシーン、妙にどきどきしました。
碓氷が「たいち」とたどたどしく言うのが可愛くて、読みながら足をジタバタ。
唯一気になったのは、タイトルがしっくりこないこと。
レビュー見て、皆さんやっぱり気になってたのね…と思いました笑。
セラピスト~のくだりは確かにお話の重要ポイントに繋がるキーワードなんだけど、
メインの二人に関するキーワードではないんですよね…。
その点でタイトルとしてはやっぱり違和感を感じてしまいました。