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これはまた面白い切り口のお話ですね!
ファンタジーじゃないのにファンタジー感。
小説が繋ぐストーリーに、ドキドキの気持ちでいっぱいになりました。
幼馴染みからのカミングアウトと告白から始まる物語。これまでの親友関係に変化が生まれていくのですが、この話が面白いのは小説というアイテムの存在にあります。
幼馴染みで親友の藤吾に告白された光彦が頼ったのは従姉妹で小説家の柚希でした。この柚希の書く小説が"イタコ小説"と巷で噂となっているようで、彼女が依頼されて書く恋愛小説は本当になるとかならないとか…。
柚希の書く小説がこの作品の大きな要になっていきます。というのは、柚希に依頼して書いてもらった小説に、光彦は自分と冬吾の未来を投影しているからです。"自分が藤吾の告白を断ったその先の未来"や、"藤吾が結婚している未来"を知りたくて、光彦は柚希に、自分と藤吾とのストーリーを書いて欲しいと依頼します。
柚希の小説の内容を完全に…とはいかないまでもある程度信じてしまった光彦は、もちろん小説の結末に動揺します。側からみると小説に踊らされているような姿でもありますが、これは光彦にとって一種の荒療治のようなもの。
光彦は政治家の息子で、自分がどう思うかより外面をすごく気にするところがあります。未来小説のオーダーにしても、"自分が"っていうより"藤吾"の未来を知りたいと思っているあたり、そのことが伺えます。
藤吾の未来が幸せか不幸かを小説に委ね、大きなお世話発言もしちゃう光彦ですが、藤吾の幸せを一応願っている点では優しさなのかなと思います。思いますが、藤吾の幸せをお前が勝手に決めんな!という気持ちが私の中に湧かなくもなかったです(笑)
小説に影響を受け、あーだこーだと悩む光彦にとって、これほどまでに藤吾のことで頭をいっぱいにすることはなかったでしょうね。告白されて小説内の未来に想いを馳せて、凝り固まっていた自分の気持ちをこじ開ける作業は、先ほども言ったように"治療"です。そして小説は"薬"。
精神療法に近いものだと思うけど、藤吾の告白と小説のおかげでガチガチに固まっていた光彦の心の中を攪拌できたことが、その先へ進む勇気に繋がったことはいい結果だと言えるかな。
柚希の小説はただの小説でしかないんですが、光彦にとっては間違いなくその時点において魔法の小説で「未来小説」でした。藤吾にとって幸せな未来を願うために書いてもらった小説なのに、自分も幸せになっていない結果とその意味に光彦自信が早くに気付かなきゃいけなかったんですよね。
藤吾の幸せが光彦の幸せとリンクしていることは、これから彼らが過ごす時間の中で答えは自然と出てくるでしょう。
小説にのせた藤吾からのラブレターに返信をする光彦の行動が素敵でした。幼馴染みで色んな出来事や気持ちを共有してきた関係であっても、言葉や文字にしたためて自分の想いを伝えるというのは素晴らしいことだなと思います。
最後の最後に胸がジーンと温かくなって、目頭が熱くなりましたぁぁ〜…。
2人のこれからの思い出がラブレターとともに長く長く綴られていきますように。
…との願い込め、この幸せな読後感に満ちた作品に神評価をつけました。
作者買い
結婚して子供を作って家庭を持つ。
それが一般的普通である。と何事にも普通(ちょっと普通じゃ無いんですが)を目指した受け様が常識を覆すまでの色々な選択肢を従姉妹に「イタコ小説」を書いてもらうお話です。
20代から30代の方が読むと刺さるかも?
「素敵な選TAXI」のドラマを思い出しました。
ドラマは過去に戻って選択をし直しましたがこちらはイタコ小説によって未来を見せてもらうという面白い設定です!
人生の選択なので重い話なのですが、受け様はかなりの真面目な天然さんなのでギャグテイストでお話が進みます♡
人生の選択に悩んでる方、考え方を見直したい方にオススメです☆
やー…!海野先生の幼馴染もの(体格差あり)、良かった…!
と思いきや、皆様の評価では「萌」が多いのかな。。
海野先生ファンなので若干評価が甘めなのは否めませんが、個人的にとっても刺さる内容でした。
”イタコ小説”=「小説に書かれたことが現実になる」という小説を軸にして進む物語。
以下、簡単なあらすじです。
政治家の息子である光彦(受)。
真面目で堅物で、常に「他人からどう見られるか」「家には絶対に迷惑をかけない」ことを気にして動いており、自分が本当にしたいこと、自分の欲求に基づいて動く、ということはしてこなかったんですね。
そんな光彦の幼馴染である藤吾(攻)。ずっと光彦のことが好きなのですが、その気持ちは墓場まで持っていくつもりでした。
ところがある日二人で居酒屋で飲んでいる時、光彦から「上司から見合いの打診があった」と聞いた藤吾は、焦って自分の気持ちを告白してしまいます。
世間体を何よりも気にする光彦には、当然その告白は受け入れられません。
突然の藤吾の告白に衝撃を受けた光彦は、その足で「イタコ小説」を書いている従姉妹の柚希のもとへ。
「藤吾を”まっとう”な道へ戻さなければ…親友なんだから放っておけない」と、”自分に振られた後、藤吾がまっとうな幸せを手に入れる”内容の小説を書いて欲しいと頼むのですがー
と展開していくストーリー。
で、このイタコ小説の内容がね、いいんですよ…
切なくて、攻めの一途な想いがこれでもか!と伝わってきて。
イタコ小説、何回か出てくるんですが「お互い70代になって初めて想いが通じ合う」バージョンとか、「お互い既婚者となってから想いが通じ合う(つまり、不倫)」バージョンとか。全部が全部切ないんです。。
この不倫のターンで、藤吾が「(この罪は)俺が全部背負うから」的なことを言うんですが(うろ覚えで正確じゃありませんが;)、もう胸が締め付けられましたね。
で、終盤、柚希が書き上げたこのイタコ小説についてある事実が明かされるんですが。
もう、きゅーーーーーん!!!でした。
藤吾という攻めの一途さと包容力たるや。。
(あっ、目尻が下がり気味というのも個人的な好みに合致しております・:*+.)
で、見事くっついた後の溺愛っぷりも私好みでございました。
羽純ハナ先生のイラストで見る二人の体格差も、思いっきり堪能しました◎
そして書き下ろしの「恋文返信」がね、まためちゃくちゃいいんですよ・・・
この「返信」ってところが、肝。
で、ラブの部分ではないのですが個人的にじーんときた部分がありまして。
「小説を読む」ということの意義について、イタコ小説を書いている柚希ちゃんが語ったものです。
”本を読む間、自分は他人の人生を生きている。(中略)
現実の自分ができないことを易々とやってのける主人公の思考や行動をトレースすることで、読み手である自分の思考パターンにもなんらかの影響が生じるのだ”
いやーまさに、自分が小説を読む理由もここにあるよなあ、と。
うまく言語化できないものを、こんなにも的確に表現してくださる海野先生、さすがだわ…と、しばし感激に浸りました。
「イタコ小説」という、ちょっと珍しく聞き慣れない設定が出てくる今作。
変わった設定がお好きな方、幼馴染CPがお好きな方にぜひぜひ読んでいただきたい一作です✨
雑誌掲載の受け様視点だけだと『萌2』なのですが、書き下ろしを読んだら俄然好きがマシマシ♡
受け様は名の知れた政治家の次男、光彦。
攻め様は、光彦の小学生からの幼なじみである藤吾。
社会人となってからも連絡を取り会っている2人。
光彦に見合い話が舞い込み、親や世間体を気にするばかりで、自分の幸せをまるで考えていない光彦の様子に、藤吾が「好きだ」と告白して、自分との未来を考えてみてほしい、と告げる。
びっくりして慌てた光彦が、従姉妹で小説家の柚希に自分達を主人公にしたイタコ小説を依頼すると。
柚希が書いたイタコ小説。
一途に光彦を思い続ける藤吾視点の切ないショートストーリーをいくつも読ませて貰って、本当に儲けた気持ちになりました(*´꒳`*)
絶対安心な溺愛ストーリーやラブコメも大好きですが、こんな切ないストーリーも好きですよ( *´艸`)
藤吾とは唯一無二の何より大事な”親友”だと思い込んでいた光彦が、イタコ小説を読むことで、2人の違う未来を想像して、自分の本当の気持ちに気付く。
石頭の光彦のそれからがよかった(≧▽≦)
で、書き下ろしは藤吾視点。
そういえば、光彦は藤吾の幸せばかり念頭に置いてたけど、藤吾は藤吾で光彦の幸せを一番に考えてたよなぁ、なんて思い至り、今度は藤吾頑張れ、と思ってたら。
いやはや、藤吾が一番大事だと気付いた光彦、最高でしたわ(*`ω´)b
【・・・・・・お前に背中を向けられて、俺はどうやって幸せになればよかったんだ?(藤吾)】
エロス度★★★
おやおや、光彦の従姉妹が書いたイタコ小説が長い長い両片想いに終止符を打つキューピッドとなるのが面白いですね。
羽純ハナ先生が描く2人の体格・身長差も萌えちゃいます。
藤吾の想いが本当に一途で健気で、仮に光彦に想いを受け入れて貰えなくても親友として彼の人生に寄り添いたいとか・・・ドMかな?
光彦も最初から藤吾が特別だったのに自分の想いに無自覚な超鈍感っぷりがツボる。
家族や世間の目・評価を気にしていた光彦が男前に豹変したり、スイーツな名前に反して地雷多そうな展開にならなかった藤吾の幸せがたまらない。