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表題作彗星少年

司朗
耀の義兄,ミステリー作家
耀
司朗の義弟,大学生

その他の収録作品

  • 番外編:一等星でありたい
  • カバー下:漫画/あとがき

あらすじ

恋人に逃げられ、おまけに仕事はスランプ――
そんな色あせた毎日を送る、ミステリー作家の司朗。
さらに最近の悩みは、父の再婚で突然できた15歳下の義弟・耀に懐かれて居候されていることだ。
世話を焼いてくれるのはありがたいけれど、
俺は耀君が来る前の一人静かな生活に戻りたい――!!
耀を追い出すことばかりを考えていたはずなのに、
一緒に重ねる日々のなかで、創作意欲が刺激され…!?

作品情報

作品名
彗星少年
著者
ツブキ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
徳間書店
レーベル
Charaコミックス
発売日
ISBN
9784199609756
4.6

(48)

(36)

萌々

(9)

(2)

中立

(1)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
8
得点
223
評価数
48
平均
4.6 / 5
神率
75%

レビュー投稿数8

タイトル込みで一つの作品

作者買いです。

 個人的には久しぶりに読み応えのある作品に出会いました。一読目でここまで読み込ませてくれる作品はそうないかと。

 ネタバレなしでお伝え出来る範囲としては、まず、構成が素晴らしかった事。
 各話の冒頭が小説の一節で始まるのですが、これがストーリーと絡んでいて、それがまた面白い。各話を読んだあと、つい冒頭の小説に立ち返ってしまうほどでした。この小説がお話全体を通しての肝となっている点も、この作品の面白さだったと思います。
 そして相変わらずキャラ同士の掛け合いが面白い。これはもう“作者様の色を見せてもらった”という感じでした。
 BもちゃんとLしていたので、BLとしての読了感も私としては満足でした。えろ大好きな私ですが、この作品に関してはこれで良かったなと思える塩梅だったかと(本音→もう少しあっても嬉しい)。
 降って湧いたように出てくる当て馬や嫌なキャラもいないので、最後まで没頭して読む事ができました。

 攻が小難しい文体を書く小説家&面倒臭い人なため、台詞の言い回しが直接的ではなかったり、イチャラブなシーンがそれほどある訳ではないので、
「とにかく男同士のイチャイチャが読みたい!」
「とにかく組くんず解れつが見たい!」
 って時には不向きかもしれませんが、ストーリー重視のお話を読みたいなぁとか、何か凝った作品ないかなぁと思った時には読んでみて損はしない作品かと思います。


とても良い作品に出会えて嬉しかったです。



以外、ネタバレありのただの感想。

 話の構成、攻の職業、各話冒頭の小説とそれに絡むストーリー⋯⋯もしやと思えどやっぱり最終話を読んだ時には「BLでここまで構成練るとかえぐいな」ってなりました。
 壮大なラブレター、なんなら攻が書いた『彗星少年(小説)』もリアルで出版して欲しい。あ、でも攻の文体って小難しいのか⋯⋯読めないかもしれない⋯⋯。
 アホエロも好きなんですが、たまにこういった凝った作品に出会うと「おぉっ」ってなりますねぇ。そしてただのアホエロが読みたくなる無限ループ。そしてたまってゆく積本⋯⋯。

15

愛を伝える様々な方法

心に傷が残るカタチで恋人にフラれ、仕事も絶賛スランプ中のミステリー作家・司朗。
そんな彼のもとに転がり込んできた、父の再婚でできた義理の弟・耀とのお話でした。

自身が書く小説のように物事を難しく考えがちな司朗とフットワークが軽くて頭の柔らかい耀。
色々と正反対なところばかりで交わりそうにないふたりなのですが、相性が悪いというわけではないんですよね。

なんだかんだと理由をつけて前に進めないままだった司朗の心が、また動きだすキッカケとなった"宇宙人"みたいな未知の存在の耀。
そんな彼との日々で少しずつ変化していく自分自身に葛藤し、時に迷いながら。
司朗が作家としてもひとりの男としても大きく変わっていく過程を見ることができたのが素敵でした。

小難しいことばかり言うわりに意外と短絡的なところがあって、わりとあっさり耀に絆されていく人間らしさに愛おしさを感じ、
そして元気いっばいで無鉄砲なところもありながら、精神的な部分では大人な耀にもまた惹きつけられて。
それぞれのキャラの良さをたくさん見ることができて嬉しかったです。

各話の冒頭で司朗の心の中を小説の1ページのように文字で表現していたのも斬新で、漫画を読みながら小説の世界にも入り込めるような…
とても魅力的で大満足の作品でした。

7

一見凸凹な2人が想いを寄せ合い成長していく

作者さまの前作がすごく好きで購入しました。やっぱりすごく好き。

偏屈で小難しい小説家(38歳)と天真爛漫でまっすぐな少年のような大学生(20歳)の義兄弟になることから始まるBL。
各話の間に小説の1ページがあり、そこで描かれている当時を漫画で詳細に描くという形式のお話ですが、小説は少し難しめの文体で書かれていて、でも漫画で描かれた当時の景色はもっと優しくて微笑ましいもので、そのギャップに司朗さんらしさを感じて萌えました。

個人的に小難しく回りくどく考え話しがちな司朗さんと猪突猛進な印象の耀くんのやり取りがすごく好きです。何より司朗さんが耀くんと接していつの間にか耀くんに惚れこんで生活に必要な人とし、さらには変化をあまり望んでいなかった司朗さんがはたから見てもわかるくらい成長していくというストーリーが最高でした!

6

文学作品でした

義兄弟ものです。
兄×弟。主人公はスランプに陥っている小説家の兄の方。小難しくて理屈っぽい。この兄の家に弟となった耀くんが転がりこんできて、2人が心を通わせていく、というよくあるようなスタートなのですが、他と違うのは1単話ごとに盛り込まれる小説が非常にエモいのです。
小難しい小説なのですが、それがすごく良い。
読後感がちょっと違う感覚になりました。

5

唐突に現れた年下受けに翻弄される小説家

とても雰囲気の良い作品でした。好きだー!読み終わってぎゅっと胸に抱えたくなるような本でした。
自分の世界に閉じこもってひたすら残虐な推理小説を書いている司郎の前に、義理の弟の耀がやってきて同居する所からお話が始まります。
1話毎に小説の1ページが最初に挟まれていて、それが小難しい表現を駆使して語る司郎の心の内を表現していて、読む前からどんなストーリーが始まるのか?とても期待しながら漫画を読んで行く事になります。
小説の部分が難しいけどとても美しくて、そして漫画では静かな自分の生活の中に、とても異質な存在の耀の明るくて、物事を真っ直ぐに考えて受け止める、司郎とは正反対の少年(20歳ですが童顔)がとてもキラキラと輝いて見えます。迷惑だと言葉では言っていても、耀は憎めない性格で、そしてその瞳の真っ黒な描き方が、何か宝石の様な輝きを持っているとても魅力的な人物に描かれていました。
告白のシーンは良くあるシチュエーションだったものの、この2人らしさがキチンと出ていて、素敵でした。
とにかく受けの耀がキラキラしていてとても好感が持てますし、そんな受けに年上だの、社会的責任だの、小難しい事をグダグダと考えながらも恋を自覚していく司郎が可愛いです。
素敵な作品に出会えた満足感で満たされました。

1

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