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羅川先生初読みです。
絵や話の運びが年代を感じさせますが、引き込まれました。
評判がいいので手にとりましたが、事前情報は入れずに読みました。
冒頭が「運命の出会い」で、とんとん拍子にくっついたので、この先、どんな波乱がくるんだろうと心の準備をしましたが、盛りだくさんでしたね。
メルが、あんなピュアでかわいい子が、なぜにレイプなんて…と苦々しく思っていたら、それだけじゃなかった。
結構ヘビーな生い立ちで。
ゆえに、ひねくれたりグレてもおかしくないのに、逆に天使のような純粋さが、本物というか強さを感じました。
泣き虫だからって弱いわけではない。強い人はいますよね。
逆に、ケインの方が、警官だし、正義感があり強いのかと思ったらそうではなく。
未熟だし、怖がりだし、自分の弱さや愚かさになかなか気づかないし。
そんなケインがメルによって今後成長していくんでしょうね。
少女マンガを描いている作者さんだったので、軽い気持ちで買ってみたらアメリカでのゲイカップルの現実を見てる感覚で話が進んでいきます。カミングアウトやエイズなど重いテーマも、取り上げられていたりと考えさせられます。何と言ってもケインとメルの純愛には涙なしでは読めません。
BL 好きの方には是非読んでもらいたい名作です。
ハードな作品ではあるものの、誰にも彼にも読んで欲しい名作中の名作です。BLというカテゴライズはある種合わない。
不幸に次ぐ不幸って作品はあまり好きではないのですが、これほど不幸を畳み掛けてくる作品もないってぐらい。それでもここまで愛してやまないのには沢山の理由があって。
とにかく漫画としてすこぶる面白い。さすがBLどころか漫画界の第一線で活躍される羅川先生、漫画力が画力もストーリー力も異常に高い。
不幸の連発が、ニューヨークを舞台としていることで、自分自身が生活している場所が日本なので空想の世界のような感覚を持てるのもポイント。そうでありなごらニューヨークのリアリティは抜群で、この場所だからこそ光り輝く作品です。
極め付けはキャラクター。決して完璧ではない、スパダリでもない、浮気もする、欠点だらけのケインだけれど、男性的魅力はひしひしと伝わる。そして彼が変わっていく変わっていこうとする様の描き方はこころを捉えます。ケインの両親の人間性もたまらない。決して最初から完璧な人など居ないということが、ごく自然に描かれていて、愛のある展開。
そしてメル…愛の人メル。不幸を一手に背負うメルは、どうしようもない弱さを持ちながら、最早女神の如き愛で包み込む強さも持っている。魅力的なキャラクターです。
一も二もなく読んでいただきたい名作です。
四巻とも実家に眠っていますので、文庫版を電子で買いなおしました。
改めて読んでも素晴らしい作品です。
丁寧に描かれていますし、デッサン狂いはほぼありません。
キャラクターの感情の動きも脇キャラの作り方も非常に上手いです。
一般作品を長期連載されていた漫画家さんなので、流石としか言えません。
途中、読者としてケインに愛想をつかしそうになったり、メルの健気さと不幸さに読むのが辛くなる時もあります。
ですが、最後まで読んで下さい。
比べる訳ではありませんが、life線上の僕らやラムスプリンガの情景がお好きな方にお勧めしたいです。
ただ、上記作品より辛いシーンが多いので心が元気なときに読まれることをお勧めします。
再読して、初読の十代では理解出来なかったことがすとんと落ちてきました。
昔読まれた方もお手に取って頂ければと思います。
これは名作でした。
古い作品だし、花ゆめだけあって、基本的には少女漫画だと思います。どんなに愛し合っていてもリアル世界では色々ある、そこには目をつぶって、真実の愛はゆらがないという書き方。
しかし、漫画としてよく考えられているし面白いです。
警官としてクロゼットゲイのケイン。一方、不幸な生い立ちをしたメル。ゲイ世界で店員などをしながら生きている。
二人は出会い系のバーで出会う。
そんな二人が、特にアメリカというゲイに対する冷たい社会において、職場の仲間や、家族との関係に悩みながらも自分たちの立ち位置を決め生きていこうとするか、に焦点が当てられています。
職場のクロゼットゲイの知人や、ケインの両親と周囲の人達、理解のある上司、メルの仕事先のオーナーなど、様々な人間関係を通じて、救われていく。
そんな過程が丁寧に描かれていて読み応えがあります。
何度もほろりとさせられました。