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表題作錬金術師の最愛の悪魔

ルベド
0歳→55歳,フレイが創ったホムンクルス
フレイ・ソティラス
10歳→65歳,ソティラス王国第三王子

その他の収録作品

  • 錬金術師の最愛の心臓
  • あとがき

あらすじ

王位継承争いに巻き込まれ、俺を庇って母が殺されてしまった!! 離宮でひとり悲嘆に泣き暮れる第三王子フレイ。けれど寂しさに耐えかね、ついに禁忌の人体錬成に手を出してしまう!! そして幼き天才錬金術師の前に現れたのは、知性も美貌も完全無欠な青年・ルベド──。「我が創造主よ、貴方に絶対の忠誠を」無詠唱で魔術を操るホムンクルスと、王子の異端の才能は畏怖され、再び命を狙われて!?

作品情報

作品名
錬金術師の最愛の悪魔
著者
宮緒葵 
イラスト
麻々原絵里依 
媒体
小説
出版社
徳間書店
レーベル
キャラ文庫
発売日
電子発売日
ISBN
9784199011351
4.3

(33)

(18)

萌々

(9)

(6)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
10
得点
144
評価数
33
平均
4.3 / 5
神率
54.5%

レビュー投稿数10

壮大なスケールのストーリーと、主従を超えた執着愛に溺れる

文庫本にしてはボリューミーな一冊。作り込まれたストーリーなだけある分厚さです。壮大な世界観にハラハラドキドキ……最高に面白かったです(=´∀`)人(´∀`=)

錬金術で錬成されたド執着腹黒ホムンクルスの独占欲やねちっこさ、敵に回すと怖ぇ〜よなところがニヤニヤ満載でした。
主人のフレイに盲信するホムンクルス・ルベドの愛し方にご注目。フレイ教信者かよって思うくらい、フレイに傾倒しフレイを愛し倒す姿勢がちょいイッちゃってるけど、そんなヤンデレ具合がすごくそそります。

母を殺された悲しみの中で創ったルベドを自分の子どものように大事に愛するフレイですが、ルベドを我が子のように思っていたとて、ルベドはその枠に収まる男じゃありません。圧倒的存在感とその類稀な能力で、フレイを害する輩どもから守る、"やられたらやり返す!倍返しだ!"スピリッツが超高め。フレイ以外には冷酷で悪魔な一面を覗かせます。
フレイは王子だけど、父親や兄弟やその取り巻きたちに嫌われていて、いじめのような扱いを受けながら生きてきました。フレイを傷つける奴らへの復讐や制裁的なものも含め、フレイを守るためならどんなこともするルベドのやり方はスカッとして楽しいです。
フレイには溺愛超あまだけど、フレイに反する者にはとことん牙を向くルベド。彼のフレイへの執着は、創造主だから?親だから?それとも……というのがBL的萌えどころ。どんな感情で動いてるのかは一目瞭然なので、ルベドのヤンデレムーブをたくさん楽しんで下さい。
フレイへの情欲を露わにし、エッチなアプローチを仕掛けるルベドの策士なところもオススメなので、フレイのチョロ可愛さと一緒に甘さを味わって欲しいです^ ^


物語の中身は、二部編成となっていて、前半と後半に分かれています。なんと後半のお話は50年後のお話。なんでいきなり?って思うかも知れませんが、これには複雑で困難な問題が色々と絡み合っています。
フレイの暗殺を狙う者たちが……とでも言っておきましょうか。身勝手で利己主義的な者たちがちょいちょい邪魔しにきてウザいし、そして性根の悪さに辟易します。なので、終盤の成敗劇はすっごくワクワク!見逃し厳禁な爽快感です。
勧善懲悪ストーリーとしての物語展開も秀逸だし、フレイの人心掌握術も見事。
フレイは実はめっちゃすごい錬金術師と魔術の持ち主で、その才能が遺憾無く発揮していく後半は神の領域でした。国王と教会がネチネチと邪魔してきて、マジでハイエナ感ハンパないですが、そんなゴミたちも一掃されていく景色はサイッコーな眺めです!!!


冷遇されていたフレイがヒーロー化していく流れにガッツポーズ。才能と思いやりに溢れたフレイがめちゃカッコいいです。後半戦はそれがより顕著で、更に読む手が止まりませんでした。
"フレイか、それ以外か。"の尺度で行動するルベドの盲目な愛に浸るのも楽しい作品ですので、フレイ以外には塩対応な振り幅にもご注目下さい。ルベドを子どもにしか思ってなかったフレイの感情が変化していく様子も大きな見どころです。最後の最後まで2人の深い愛を見届けて下さいね。

11

愛しい創造主のために頑張りまくる、人体錬成術の完成体・ルベドにあっぱれ!

いや〜〜〜、長いお話なんですが(400P超え!!)、おんもしろかったー!
読後思わず「うわっ、面白かったー!」とつぶやいてました。

※以下、ネタバレ含みますので未読の方はご注意ください↓


5月の「おかえりなさい、愛しい子」から始まり、「千年後宮」そしてこの「錬金術師の最愛の悪魔」、さらに今月7月後半にも新刊を出してくださるとのこと、連続で推し先生の作品が読める幸せを噛みしめずにはいられない✨

今年刊行の宮緒先生の作品の中では、こちらの作品が一番好きでした!
攻めの想いがドロドロしてる、いつもの宮緒先生節は変わらず( ̄∀ ̄)う〜ん、好き!!…
精神的に強い受け君&ハリウッド映画みたいなドーン!バーン!ボーン!という派手なアクションが大好きな自分にピッタリのファンタジーでした。

主人公は、王位継承権争いに巻き込まれ、自分を狙った刺客から庇う形で母が殺されてしまった不遇の第3王子・フレイ。
その恨みと寂しさから禁忌の人体錬成に手を出し、”ずっとずっと自分のそばにいてくれる”完璧な青年・ルベドを作り出します。
寂しさを癒してくれるルベドとひとときの幸せな生活を送るフレイですが、彼の命を狙う刺客の魔の手が再度襲いかかりーー!?

と続くお話です。

全体を通してもう、自分の貧弱な語彙力では”壮大なストーリー”としか言えないんですが、特に再度刺客に襲われてからのびっくり展開、50年の時を超えての攻めの執念が素晴らしかった…

どろどろ・じっとり重い重い攻めの愛。宮緒先生の真骨頂が発揮されていて、心の中で大歓喜!でした・:*+.

母に「置いていかれた」寂しさを誰よりも知るフレイが、同じことを愛する存在・ルベドにしてしまったこと。それが過ちであり、「一緒に逝くべきだったのだ」と考えを改めるフレイのモノローグには、胸がじんと熱くなりました。

姿を消した創造主・フレイのことを諦めず、長い長い50年という時間をかけ、主を甦らせたルベドの頑張りには、手が痛くなるほど拍手を送りたい!あっぱれ!!

そして先生もあとがきで書かれてましたが、名宰相・ジョセフの活躍と成長が素晴らしかった〜!! できない上の尻拭いをさせられる中間管理職、辛いよね…

これからは激痛とともに魔力を吸い取られることもなく、信頼できる王の下で手腕を発揮して欲しいわ…と願うばかりです。

シリアス調に進むお話の中にクスッと笑えてしまうエッセンスが入っているのも読んでいて心地よく、ページをめくる手が止まらない一作でした。

大好きな主に対し丁寧な言葉遣いを崩さないルベドが、ところどころで「チョロ可愛いな」「…くそ可愛い」的な思いを隠せず口に出しちゃってるのも、そしてそんな一言一言が何故かいつも都合よくフレイには聞こえていないのも、BLならではのご愛嬌ですが、ふふふっと楽しいシーンでした(。-∀-)

はあ…今月後半の先生の新作も、今から本当に楽しみです。✨

5

天才錬金術師と彼の最高傑作について

今回は最強のホムンクルスと錬金術師の第三王子のお話です。

受様が自分だけの下僕として創った攻様を護って死ぬまでと
攻様が受様を現世に呼び戻し、受様の全てを手に入れるまで。

ソティラス王国は
全能神ソティラスと人間の娘の間に生まれた子を始祖とし
王侯貴族は魔力を持ち、魔術を行使でき、
西方大陸随一の歴史を誇っています。

保有する魔力は血の濃い上位貴族ほど多くなり
受様は男爵家出身の側室腹ながらも
3人の王子の中で一番神の血が濃いとされます。

しかしながら錬金術に没頭している事で
父王や異母兄たちからも嫌悪されています。

錬金術を司る神メルクリウスは好奇心が強く悪戯好きで
ソラティスを崇める教会に忌み嫌われれおり
敬虔な信者である王族貴族は錬金術を学ばないのです。

正妃を母とする第一王子と侯爵家出の側妃の第二王子は
第熾烈な王位継承争いが繰り広げられた挙句
受様にも刺客を放ち、受様を庇った母が命を落とします。

受けは母の居ない離宮で生き延びるために錬金術で
決して裏切らず、滅びず、地からみなぎる下僕として
人工生命体を創造し始めます。

そしてある神の寵愛による力添えにより
優れた美貌と知識と思考能力とともに魔力も持つ
攻様を創り出すのです。

攻様は影に日向に受様を支える存在となりますが
兄王子や各王子陣営の貴族、教会関係者にとって受様は
変わらずに邪魔として命を狙われ続け

攻様と共に刺客に狙われた受様は
攻様を救うために己の命を代償に差し出すのです!!

攻様に受様を取り戻すすべはあるのか!?

雑誌掲載されたタイトル作に続編を書き下ろしての文庫化で
受様が造った攻様と天才錬金術師の受様の
オカルトファンタジーになります♪

雑誌でタイトル作を読んでいたので
本作の発刊をとても楽しみにしていました。

最終シーンで主人公の受様が死んでしまうのですよ!?

生き返るだろうことは疑いませんでしたが
どうやって生き返るのかが気になるし
生き返っても"そのまま"の受様なのかとか
気になり過ぎるじゃないですか!?

蓋を開けてみると
受様が生き返るされるまで50年経っていて
受様は攻様を創った当時と変わらずに蘇ります。

そこに至るまでの攻様のなみなみならぬ奮闘と暗躍ぷりは
受様の目にはあまり晒されませんが"晒されない"ことにより
より非道さが伝わってくるし

受様も清濁併せのむ覚悟で
受様襲撃事件の犯人を利用しさえして
国を世界を変えていこうする展開にワクワク&ドキドキ!!

攻様が受様の全てを手に入れるまで
とても楽しく読ませて頂きました (^-^)/

宮緒先生の執着ワンコ、
今回も存分に堪能させて頂きました。

2

やはり宮緒先生の攻様はよい(≧▽≦)

雑誌では、ここで終わり!?と思わず口から出ました(っω<`。)
ようやく続きが読めてスッキリ(*^^*)


受様は第三王子で、天才錬金術師のフレイ。
王位継承のゴタゴタの為に母を亡くし、自分の傍にずっといてくれる存在を生みだす。
それが攻様であり、ホムンクルスのルベド。

フレイはルベドを我が子のように接し、慈しんできて、ルベドもフレイを創造主というのだけではなく、唯一無二の存在として愛してきて。

フレイが冷遇されていてとても不憫なんだけど、拗ねず挫けず、純新無垢のめっちゃいい子。
ルベドと錬金術師もしての力で生き抜いて、やっとこれからって所で、錬金術の神様の所へ召されてしまい。

いやー、雑誌にてここで終わっちゃって酷いよ~でしたT^T

もちろん、宮緒先生の攻様であるルベドが黙ってる訳ないよね。
神様にだってケンカ売って取り返すよね( •̀∀•́ )✧

で、待ちに待った続き。
50年の月日を経て、蘇生の秘術で現世に戻ってきたフレイ。
ん!?どうやって!?
徐々に明かされるルベドの50年。

かわいかったルベドが、50年の間に素敵な執着攻様に育って( ̄▽ ̄)
そしてフレイのチョロ可愛いいことよ。

フレイを取り戻すだけでなく、きっちり復讐もしてくれてて、スッキリ。
宰相のジョセフは生かして有効活用するのが1番だよ。
後悔にまみれたジョセフを見てきたので、ラストも気持ちよかったです(*ˊᵕˋ*)


0

ホムンクルスとその創造主の永遠の愛



身分の低い女性の子供として生まれた第三王子フレイ(受け)
離宮で忘れられたように生きてきて10年、
第第二王子からの刺客からフレイを守るため母が亡くなってしまいます。
寂しさに耐えられず、自分の側を絶対に離れない存在が欲しくてホムンクルスを創造します。
放置された離宮でルベド(攻め)と名付けたホムンクルスと協力して15歳の成人を迎えます。
成人を機に王位継承権を放棄して市井に降りようと思っていたに、またもや第二王子のやらかしに巻き込まれ、窮地に陥るのです。


たった10歳のフレイが大人になることを強要され必死に生きているのが悲しいです。
そして、自分が作り出したルベドを我が子と同じと思い、自分が母にしてもらったように、背中や頭を撫でたり抱きしめたりするのが可愛いいです。そうやって大事にしてきたのに愚かな王族や教会によって苦難に見舞われるのが本当に気の毒でした。


ただ、タイトルにあるような悪魔がいないなー、宮緒先生にしては激しくないなーと思いながら読んでいました。
が、後半からは純粋だったルベドが悪魔に!
初めはあからさまでなく、皆に紅い悪魔と呼ばれて恐れられてるだけだったので何かやったのかなくらいでしたが、最後の方でその一端が詳らかにされ、復讐は結構えげつない。
ただ、フレイがやられたことをやり返すならこれくらいやらないと気が済まなかったルベドの気持ちも分かりましたが、きっと他にも色々やらかしてきたんだろうな。

前半フレイの暗殺に深く関わってきた宰相のジョセフも、3代続けて愚王に支えなければならなかったのは気の毒でした。王に忠誠を誓うのではなく、もっと周りを見て冷静に国のためになるのはと考えていれば、半世紀以上も苦労することなかったのに。
これからは賢王の元で楽しく政治をしてほしいものです。

0

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