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とても微妙な読後感、というか読んでいる最中からとても微妙な気持ちになる。的外れな八つ当たりの連鎖が弱い者へと向かっていき、犬が殺されたところで流れが変わる。巻き込まれた犬がただただ可哀想だった。
主人公の二郎は理不尽に暴力を振るう日々を送っているが、元からそのような性格だったわけでなく、後天的に凶暴さを身につけてしまったキャラ。二郎の親に恨みを持つ町民たちから殺されそうになり、暴力至上主義はその反動のようなもの。
二郎が暴力を振るう相手は、当時二郎を襲った当事者でなく、傍観していた町民たち。そしてその報復は、二郎が飼っていた犬が死をもって負うことになる。
犯人を責めなかったり二郎が改心したり、謝罪したり許されなかったり、いい話風にまとめるセリフなんかもあったりしたが、正直登場人物全員、誰一人として好感を持ってみることができなかった。善良なのは犬の姫子だけでは。
BLについては、兄弟からの執着は良いとして、二郎の気持ちの方はどうやって二人に向かったのか分からなかった。ただ、どっちみち二郎には兄弟しかいなくなりそうな気がしたので、ある意味必然だったのかな、と思わなくもない。
加害者が許されない社会の現実を見せてくるようなお話で、BLとして萌えるわけでもストーリーを楽しめるわけでもなかった。犠牲になった犬の姫子はどうしたら報われるのか、その答えを作中で見つけることはできなかった。
うーーん……、これ、すごく評価が難しい。。
「萌」としたんですが、決して萌えたわけではない…ということを先に書いておきます;
むしろ、萌えも共感も皆無だった、、んだけど面白くないわけではなく、、
じゃあ面白かったのか?と聞かれるとこれまた「…?」という感じで。はっきりしなくて自分でもモヤモヤしますが、本当にそういう感じです。
野原先生の年下攻めオメガバースシリーズが大好きで、その他の作品も少しずつ集めて読んでいます。
ダークめなもの、人外ものなど色々読んでみましたが、やっぱり自分は王道系が好きだなあと再認識。
こちら、序盤〜中盤までとにかく暴力描写のオンパレード、中盤以降は主人公が改心(?)してだいぶ人柄が変わり、ガチ兄弟との3P、兄攻め・弟攻めとの各絡みが中心となります。
暴力描写がかなりガチで痛そう&動物(犬)が痛めつけられるエピソードが冒頭にあるので、苦手な方は本当にご注意ください。。
直接的に”どうされたか”という描写はなくとも、”どんな状態になったか”という描写だけでも犬好きな自分には辛かった;
田舎町の有力者を父に持つ麻原三兄弟。次男の二郎は気に入らない奴は女も子供も同級生でも容赦なく、片っ端から痛めつけるという荒くれ者で嫌われ者。
けれど二郎がそんなクズになったのには、幼い頃のとある事件のトラウマが深く関係していて…
といった内容のお話。
二郎のこの暴力描写が、想像していたよりもかなりエグいものでちょっとまともに読めなかった部分もあり(目を滑らせる感じ)。
後半、改心して別人に生まれ変わったかのようになっているんですが、それでも憎まれ恨まれて当然だと思ってしまいました。
口から頬まで裂かれた相手の10年後の復讐が果たされてても文句言えないよね、と思ってしまったし、町に戻った二郎が泥を全身にかけられてても、いまいち同情も共感もできなかったな、、
兄弟との歪んだ愛、愛を得てからの二郎の変化が描かれていて、主人公の成長ストーリーとしては良いものだと思うんですが。
前半の暴力描写が長いのとその内容のグロさに、いまいちストーリーに入り込めず乗り切れず、で終わってしまいました…やっぱり先生の作品は年下オメガバースが好き。。