特別描き下ろし漫画付き
三田先生作品初読みです。
高評価が気になりまして遅ればせながら手に取りました。
絵がめちゃくちゃ美しいですね。
物語も。
あらすじではどんなお話になるか全くイメージできず(想像力貧困)それが難しそうな擬人化BLをここまで美しく分かりやすく表現されるのがすばらしいです。
コッコは夢を叶えるために生きている。それは確固たるもので。だからコッコの生き方は変わらない。
そんなコッコに出会い、オットは180度変わり成長し本来のやさしさや強さや愛情に溢れ、しあわせになっていく。
だからタイトルがオット視点なのかと感じました。
コッコの名付け親であり、神様であり、コッコがかわいそうかはオットが決める…ですもんね。
卵が孵らないことを悲しみ、オットがいなくなると聞き「一人ぼっちはさみしいことを知っていますから」とコッコが言うシーンは胸を打ちましたし。
オットがあんな生き方をしていたのは辛い過去があったと思わせるセリフ、コッコを見て涙する姿が強く印象に残ります。
「その子はコッコと俺の子だった」←この時、オットの中に愛情が芽生えた。人生を変える深い悲しみ
オットは自慢の髪と有精卵を交換する。
髪はオットのこれまでの生き方の象徴、それを捨てて新しく命を得る。
コッコは卵を生むため、オットはしばらく身を潜めるために2人の生活は始まりましたが、アリちゃんが誕生し、子づくりではないセックスをしてからお互いが恋に落ちるラストもステキでした。
刷り込み、無知、打算、性や種族や住む世界の違い…などがあっても、血のつながりはなくとも、生まれてこなかった命だとしても、共に生きられる、家族になれると感じとれるお話ですね。
飛べないはずのニワトリ(コッコ)が空を飛べたのは、夢を信じ続けると奇跡が起きるとの比喩ですかね。
同じ場面で、オットは(ニワトリが)苦手な水(川)に「ままよ!」と飛び込み、アリを助けに向かったのがコッコと対照的な方法で、人によってはこういうやり方もあると見せて頂いた気がしました。
ちるちるさんのBLアワードに作品がノミネートされたり入賞したりするとやっぱり気になっちゃいますね。
ニワトリ同士のBLかぁ
と思いつつも気になっていたので読了。
なかなか可愛いお話と絵柄です。
とにかく卵を生みたい育てたい、めんどりと思い込んでいる男のニワトリ。
必死です。
これ、おんどりだからセーフだけどコッコを人間の女の子に置き換えてみればずいぶんと昭和な?今の時代にそぐわないお話だよな、、
と思いながら読んでいくとあらー
2人の「子ども」はなんとワニ!
ワニの子!
あーそうか、こういう結末で今の多様性の時代を描いているんだとやっと分かりました。
コッコとオットとアリちゃんが穏やかに暮らしていけますように。
あと、時々絵柄が擬人化ではない雌鶏や雄鶏の姿に入れ替わる箇所があります、そこがとても好き!
最初はかわいい絵柄だな、と読み始めたのに、感動でびしょびしょに泣いた。
こんなに心を動かされたのは久しぶりで、これを書くためだけにちるちるさんに新規登録してしまった。
コッコが辛くても夢を諦めない姿や、チャラいと思っていたオットがコッコに寄り添い愛を育む姿、生まれてこなかった無精卵の卵ちゃん、みんなを笑顔にするかわいいアリちゃん、そしてこの家族を見守る森の仲間たち。
全てが愛おしい。
コッコの桃尻も素晴らしかったです!
三田先生の復帰作!魅力的なキャラクターに心奪われ私も森の住人のひとりのような気持ちでコッコファミリーを見守っている気持ちになりました。三田先生の描く世界はいつも優しく大きな愛で包み込んでくれます。読みながら涙がボロボロ、琴線に触れる描写が多く、また作品を届けて下さったことに心から感謝です!
内容はみなさん、たくさん書いていらっしゃるので、私はタイトルに全てを込めます!!
擬人鶏、三田先生の絵柄の可愛さにほのぼの子育てBLかぁ、と思いますよね!?いや、これは社会への問題提起作品ではなのかな?と私は考えちゃいました。
オットがバカにしてつけた「コッコ」という名前、子供がアリちゃんと言うワニ(弱肉強食の世界で)、種別が1人(一匹?)しか存在しない森に結果として異を唱えるオット氏。でも、最後コッコ夫夫が世界が輝いて見えるようになった朝に、ホントに世界は素晴らしいと思わせてくれる。ホントに癒されます。先生、ありがとうございます。