特典ペーパー付
「言ったでしょ? 逃げられないって」
かのさゆり先生の初コミックスです。表題スイートルーム/0226と短編春の嵐は種を蒔くが収録されています。
スイートルームは、神楽坂グループの社長の神楽坂さんとの恋愛を描いています。
主人公松本玄野は父が死んで田舎に舞い戻ってきますが、就職先が見つからない。
そして初恋相手のゆう兄が結婚してしまうという失恋展開です。
失恋して深酒。そして酔って悪いやつに酷い目にあわされかけたところを神楽坂に助けられるけれど…
朝目覚めると手錠で繋がれてえちをした時の動画で脅されて神楽坂のいうことをきかされる。
という、めっちゃ好きな展開。
攻めの重すぎる愛が良い。
神楽坂が、冗談でクビになったら養ってといった時
「そのつもりだわ」とさらっと言えちゃう松本のデレパートがかっこよかった。
【俺はお前のそういう不器用なところが、可愛くて仕方ないよ(玄野)】
エロス度★★★
おやおや、平凡受けにド執着するエリート攻めの激重な愛が素晴らしい!
高校の同級生の神楽坂にトラブルから助けられた玄野でしたが、今度は彼から動画をネタに脅されてしまうおやおやおや?な展開。
神楽坂の強引で横暴なやり方に強気な玄野が反感を覚えて抗おうと噛みつく様子が可愛らしいのと、神楽坂の考えが分からずに苛立ちが募ったり、ずっと信じてた過去の記憶に関した違和感などがたまらなかった。
また、行動が空回ってしまう玄野や好きな人の為に動き続ける不器用な神楽坂の愛がかわいくて尊かったです。
初恋の相手が結婚するという、言ってしまえば「あるある」展開から始まり、オルタナティブ・ラブ作品では最初に失恋した相手を引きずってしまいがちな読者の私としてはなかなか厳しいかもしれないと思っていたんですが、結果的にとても良きお話でした。
初コミックスとのことですが、ストーリーの展開のさせ方がとてもお上手だなと感じました。
同時収録の短編も、よくある設定ではありますが、穏やかで心温まるお話でした。
絵柄もとても好きなので、次回作も楽しみにお待ちしております✨
タイトル通り受け攻めの組み合わせが非常に好きでした。
最近こういう受けが界隈見かけなくなったなと思っていたのでとても楽しめましたし冒頭からの感じで不穏な感じなのかなと思いつつ、動画で脅すとかあったので。でも、蓋を開ければまったくそういうことはなくむしろ平和的で、攻めが受けに子供の頃からずっと恋焦がれていたことが分かりました。また昔助けてくれたのが初恋の人物だと錯覚していた受けでしたが実はそうではなく。最後別の作品が入っていたのですが、残念ながらそちらは受けがタイプからかけ離れており辞めてませんm(__)m
父親が亡くなったあと祖母のことが心配で地元へと戻ってきた玄野。
そこで再会した高校時代の同級生・神楽坂とのお話でした。
冒頭部分で鎖に繋がれている玄野の姿を見て、ここから激しめな展開になっていくのだろうなーと思いきや。
そういうヒリヒリしたところは薄かったような印象です。
まず、玄野が自分のことを忘れているのは高校時代からわかっていたはずなのに、なぜこのタイミングでアプローチし始めたのかが謎。
かなり執着心強めなのに、もし玄野が地元に戻らなければ諦めていたのだろうか。
色んな偶然が重なって神楽坂の気持ちも再燃したとかならわかるんですが…
それっぽい描写がないため、推測することもできないモヤモヤが募ります。
記憶違いだった幼なじみを好きになったきっかけの出来事も、それを知った後の気持ちの変化が重要だと思うのですが…
さらーっと両想いになってしまうので、こちらの気持ちが追い付きませんでした。
たくさんのエピソードの中にしっかりエロも挟み込まれてはいますが、どれも中途半端というかチグハグに感じてしまって。
アレコレ詰め込まずそれぞれの気持ちがじっくりわかるような展開ならば、もっと萌えられたのかなと思いました。