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ちょっと古さは感じるものの、物語がしっかりしているので一冊読んで満足、という感じです。
若いときに会った武松と金連。お互い想いはあるのに、金連は有力者の囲われものとして生きる身となってしまう。
どんなに体を開かれても、一途に武松を想う金連。
一方、武松は役人になったにも関わらず、色々な事件があり役人をやめて、有志で悪を成敗する梁山泊の一員となる。
ついに再開した二人は幸せになる、というお話ですが、紆余曲折あり、二人が幸せになることを願わずにはいられない展開。
ハッピーエンドでよかったです。
軍服モノといえば、の水上シン先生は、中華ものも物凄い。
本作は、アノ中国文学の古典であり四大奇書の「金瓶梅」をBLにアレンジした作品です。
原作では悪女として描かれている「金蓮」が、悲惨な運命に翻弄される薄幸な少年となって、これでもか〜!と不幸な人生が描かれます。
母は梅毒に冒された娼婦。
母に売られ、自分も体を売らなければならなくなる金蓮。
その寸前、助けてくれるのが武松。
この武松が初恋の相手となるのだけど、ここから金蓮の流浪の人生が始まります。
生き人形、性奴隷、男妾…
生き別れた武松には、薬商人の西門と共謀して兄の武大を殺したと誤解され。
その武松は西門と金蓮を討つために梁山泊に参加し。
…と、本家「金瓶梅」のストーリーにある程度沿って展開していきます。
どんなに陵辱されても美しい金蓮。
いよいよ西門を討ちにやってきた武松は、金蓮の涙を見て再び金蓮の手を取る。
燃え盛る屋敷の中で、永い初恋がついに実る…
「金瓶梅・奇聞 春香る」
西門の他の男妾たちも皆梁山泊に助け出された。全員大変な美形なので漢たちに大人気。
この男妾たちはみんなとてもポジティブ。明るい生命力を持っています。
そして金蓮はといえば、武松だけの恋人としてやっと静かで満たされた毎日を得ました。
めでたしめでたし。
…と、本編の「炎のくちづけ」では拉致され、輪姦され、モノとして扱われ、という非情な性行為がバンバン出てきます。
それでも想い人の武松との行為は違うのですね。心と体が求める相手とは途中で笑顔が出るのですね。
中国古典BLということもあって、他のどの作品とも違う読み応えを堪能できます。
一度は読む価値あり。
1冊丸ごと同じお話です。
古典の「金瓶梅」が原作だそうですが、皆様のレビューを読むとかなり受け様のキャラ設定が変わっているようですね。
幼い頃から自分ではどうしようも出来ない運命の流れに押し流されながら一人の人を一途に思い続ける受け様は健気以外の何物でもない感じがします。
攻め様も男らしくて一途なキャラ。
凌辱シーン、複数シーンが多いので、ダメな方は要注意です。
悲劇要素が沢山あるのですが、一筋の光も見えてる感じです。
舞台が中国なので、衣装や髪形が好きな方にもお薦め。
登場人物たちはいずれも美形揃いで眼福でした。
原作とは話がまったく違っていて読んでびっくりしました。
『金瓶梅の金蓮』と言えば【美人淫乱成り上がり悪女】で有名な話ですが
この作品では【美人不幸受け】に描かれていました。
水上シン先生のエロチックな絵と話の内容が上手くマッチしていてこれはこれで有りでした。冷たくヒンヤリした感じがたまらなくそそります。
好き嫌いがはっきりわかれる作品でしょう。
金蓮が性奴隷となって沢山の男達の相手をさせられていますから。
私は楽しく読みました。原作の『金瓶梅』を今から読もうかどうか迷っています。
誰か絶対ヤルと思っていた「金瓶梅」のBL版。
これで、名作古典であと残すは「紅楼夢」ぐらいになったな~w
源氏物語のBL版があるなら、金瓶梅ぐらいでは驚かないんですが、
こちらは原典の武松とその兄嫁である金連を中心にかかれています。
原典よりかな~り健気で悲恋風です。
原典では、西慶門のちゃんちゃらおかしくエロエロな毎日のほうがクローズアップされていて、
金連はといえば、貧しい饅頭売りの嫁から金持ちの愛人になりあがる、上昇志向も性欲も強いキャラなのですよ…。
【原典】→金連はブサイクな夫、武大に愛想つかして、武大のカッコイイ弟・武松に惚れて言い寄るものの、ちっとも相手にされず、たまたま通りがかった金持ちの西慶門のほうがいいわ♪とばかりに乗り換え、ジャマになった夫を毒殺する、悪女の典型です。
【こちらのコミック】→薄幸の香りただよう金連に武松が一目惚れ、金連も武松の逞しさに惹かれることになっておりまする。
金連が不幸受けな感じですね。
性奴隷として調教されつつも武松を思ういたいけな子になっていますが、原典では西慶門を翻弄するツンデレ悪女…。
西慶門のほかの愛人、雪娥もそういう健気モードで描かれています。
原典のほうでは、権力をかさに好き勝手をやりまくる西慶門や、男と見れば色目を使うような金連に嫌気がさしてくるのですが、こちらのコミックではとってもかわいく切ない。
絵もすごくしっかりしていて、原典のムチャぶりに辟易していたワタクシはココロ洗われました。