電子限定おまけ付き
すべてを捨て去ってきたのに―― 一途に慕う後輩との再会ラブストーリー♥
好きな作家様。「僕をこんなにしておいて」「初恋が牙をむく」が特に好きな作品。本作も増量中の試し読みがとても良かったので読んでみました。
受けの新は元スプリンターで、現在は新人BA。元後輩で大学生スプリンターの漣太郎が突然やってきて、しばらく面倒を見ることになるが、実は新は漣太郎が好きで…というお話。
二人ともビジュアルがすごく好きです。
新は美人だし、漣太郎は高身長のクール系イケメンでかっこいい。少し体格差あるのもいい!
二人の出会いが漣太郎が中1の時で、過去シーンも結構出てくるんだけど、小さい漣太郎もめっちゃキュートです♡
本作は、とにかく漣太郎がめちゃくちゃ刺さりました!
初めは結構クールでちょっと影のある感じだったんだけど、ある時点でかわいい年下ワンコな素顔が出てきます。
新と腹を割って話し合うシーン、ここの漣太郎がもう、めちゃくちゃかわいいんです!!自分を置いていった新に訴えかけて甘える、すがるような表情がたまりません♡
しかもちょっと泣いちゃう!19歳のイケメンが!カッッッワーー♡
というわけで、漣太郎のかわいい年下ワンコみがたまらない作品となっております♪
新の方は、長年の新への片想いを拗らせて切ないです。過去に高校生の新がひとり苦しむ描写がでてきてかわいそう…。思春期のどうしていいかわからず迷走する感じが、なんだかリアルです。漣太郎にも冷たくしちゃったりして、うわーん切ないよ〜。゚(゚´ω`゚)゚。
基本ずっと受け視点なんですが、終盤にとうとう漣太郎の気持ちが!
気持ちが通じあってからの二人が、とってもかわいくてもうキュンキュンでした♡
濡れ場は本編ラストと描き下ろしで2回。
特に描き下ろしは、漣太郎が頑張ってる様子がまたまたかわいくて、ほっこりしつつもエッチで良きでした♡
漣太郎の年下ワンコみがかわいくて、二人のモダモダした恋が切ないけどキュンキュンしてしまう再会ラブストーリーでした。
先生らしくちょっぴりコミカルな描写もあって楽しかったです♪
あ、表紙は作中のあのシーンなんですね!漣太郎の切ない表情が素敵です♡
シーモア ライトセーバー修正(真っ白に発光してます。ちょっと残念だけど、先生の作風はエロエロじゃないからまあ合ってるかも?)
試し読みを読んでいて、コミックス発売したらぜったいに買おうと思っていた作品です。
もう最初の1ページからいいですね。すでにここから始まっていると感じられました。それまで表紙、カラー扉絵、モノクロ扉絵とあって蓮太郎が新を見つめています。でも物語のはじめの1ページで新が先に見つめている、その瞳がとても印象的になっています。
物語は過去と現在が交互に描かれて、ふたりの関係をうまく見せてくれています。
ふたりの出会いは、中学サッカーの試合を見に来た高校生の新(受け)が、足の速いフォワードの新(攻め)に陸上を勧めることからはじまります。
そして現在。陽キャギャル系BAとして仕事をしている新が、嫌なことからすぐに逃げ出してしまう自分に涙しながら走っていると、後ろから引っ張られます。後ろを振り返るとそこには怪我をした脚で追いかけてきた蓮太郎が。
それから1週間、蓮太郎の脚のケアのために一緒に新の部屋で暮らすことになります。
高1と中1の時に出会って、年上の新が拗らせて逃げ出したのを一途に想い追いかける年下の蓮太郎。ある意味、両片想いの王道の再会物語ですが、すれ違いも再会もわざとらしさがなかったです。
自分のせいで陸上を辞めたのか、陸上(と自分)以上に価値のあると選んだものを知りたいと思う蓮太郎のワンコぶりはとてもかわいいものでした。
受けが経験豊富でエチなことに積極的で、攻めが初心で流されてしまう感じは、はなぶさ先生には珍しいキャラだと思いました。時々出てくる新の過去のエッチ情報にめちゃくちゃ嫉妬する蓮太郎がとてもかわいくて好きです!
中学生に欲情してしまう自分と蓮太郎への罪悪感でうまく距離が保てず、周りの期待にもこたえられずに苦しむ新の過去は思春期にゲイだと気づく辛さがよく伝わってきました。誰にも言えずだれにも頼れず、ただすべて離れたいと思うことしか考えられなかった時に出会ったメイク。新しい自分になるためにメイクをして、他の人にも同じように喜んでほしいという、ただ逃げではない自分で選んだ仕事に出会えてよかったなと感じました。
ふたりともただ認めてほしかった、褒めてほしかった。まだ子どもだったんだよね、と少し切なく感じるシーンもありました。でも、これからはきっとふたりが互いを認め合って大事にしていくんでしょうね。そんなふたりのその後もぜひ見てみたいなと思ました。
タイトルは「青は藍より出でて藍より青し」からでしょうか?弟子が師よりまさっていることのたとえですが、この最後の「青し」が「愛し」になったんですね。
自分が見出した後輩が自分よりも陸上のセンスがあって、自分は陸上を辞めたけど、その理由は負けたからじゃなくて好きになってしまったから。すごく伝わってくるいいタイトルでした!
新が高校生のときに、中1のサッカー部員だった漣太郎のスプリントに才能を見出し、陸上にスカウトする。
自身も有望なランナーだったがインターハイで失敗し、新は陸上をやめて、数年経ったいまは美容部員としてデパートに勤務している。ある日、合宿中であるはずの漣太郎が新に会いに都内に出てくる、というお話。
良かったです。お互いがお互いの思い出に捕らわれて悶々としていることも、小さかった漣太郎が19歳になって、新よりも身体が大きくなっていることも、二人の気持ちが先輩後輩モードから恋愛モードに行っていいのかどうなのか揺れているのも、なにもかもが好みでした。
読んでよかったです。
唐突な展開な気がしないでもない部分も若干はありますが、全体的にとても丁寧に描かれていて、気持ちの変化も自然で、二人の関係性が変わっても先輩後輩のラインが崩れないのも納得できるしで、安心安定して最後まで読めました。
色っぽい展開になっても、このあとどうするんだろう、という心の声がリアルだったし、年下攻めとはいっても新の方が先輩でそっちの経験も豊かなのでそりゃリードするよね、とも思うし、ちょっと保護者っぽかったりもするのも可愛かったですね。
もう19歳で大人っぽくなってる漣太郎が、ときどきまだ子供の顔を見せる(敢えてじゃなくて素で)のも魅力でした。
良い作品でした。
現役陸上選手と元陸上選手、後輩と先輩、性的対象も曖昧な子供とゲイの美容部員、と様々な要素が詰まっている2人でした。BAとして働く新は中性的なところはまったくなく、BAになった動機はメイクで変われることに感動したから。メイクが人に与える影響ってすごいなぁと改めて思うと同時に、彼が元陸上選手であることを知ると、どうしてこんな所に?と私も思わず問いたくなりました。大会の成績云々の前に、自分の恋愛対象の悩みの渦に飲み込まれて前にも後ろにも動けなくなっていた学生時代の彼があまりにも気の毒で。でも、こうして1人で思い詰めて、思い切った手段をとったり自棄になったりする子が現実にもたくさんいるんでしょうね。
そんな新に置いていかれたと思い悩んでいた漣太郎の気持ちもよく分かります。最初に陸上の世界に引き込んだのは他の誰でもない新であり、ずっと隣で見守ってくれていたのに、急にいなくなったらそう思っても仕方ありませんよね。でも、連太郎より年上でも、新もまだ子供だった。自分が悩んでいる時に周りのことまで考えられないのもまた、仕方のないこと。子供同士だった2人が抱えるにはお互い重い悩みでしたね。最後は新が漣太郎を追いかける積極性を見せてくれて嬉しかったです。長い間離れていた分、もう大切なものを見失わないよう悩みができたら相談できるカップルになっていってほしいです。カバー裏にあった今よりクールなキャラデザの2人もちょっと見てみたかったかも。
新の頬に口付ける漣太郎の表情から、その想いがすべてが伝わってくる表紙がすごく印象的。
シンプルだけどもグッと心を掴まれるような魅力がありました。
実際にこの表紙のシーンに辿り着くまで
ふたりはたくさんすれ違うし切ない場面も山程あって、久々の再会なのに楽しいより苦しいのほうが多いのでは…?みたいな感じなんですが。
そういう部分を一つひとつさらけ出せたからこそ闇から抜け出せて、お互いにしっかりと向き合うことができたのだろうなと思います。
そして。漣太郎への叶わない想いを抱えて、ひとり悩み続けていた新の心が壊れずに済んでホッとしています。
ずっと気を張って生きてきたと思いますが、これからは漣太郎のそばでたくさんの幸せを感じてほしいなと思いました。
想像していたよりもずっと苦しいストーリーでしたが、読み終わればスッと清々しさに包まれるようなすごく素敵な作品でした。