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小説
石田惠美先生の絵に惹かれて買ったらお話もすごくおもしろかった!と腐友達から聞きまして。
うおっ!すっっごくおもしろかった…!
朝から読み始めて、今日は一日リクとライル様を追っかけてしまいました。
結構長くて、リクとライルがお互いを認識して再会するまでにも時間を要します。
が、キトー先生の文体と言葉のチョイスが軽快で
サクサク読めました。
受けのリクは少し不憫なところもあるけれど
痛い箇所もないし、身分差で引き離されることもないし、食べ物の話題がいっぱい出てきて楽しかったです。
カルイとロングとアーテフがメインのお話も読みたいと思うくらい、脇の登場人物も魅力的!
攻めのライルが落馬して植物人間のような状態になってしまい‥‥というところが今まで読んだことない!ということで面白かったですね。
どーせ何もわからないだろとぞんざいな扱いをする人々ばかりのなか、ただ一人、名前を呼びかけ、語りかけ丁寧な介護をしてくれたのが受けのリク。
ようやくライルが意識を回復し、あのお世話をしてくれた青年は誰だ?とひたすら探すもすれ違い……。そしてすれ違いが長い。
後半の攻めのおかーさま・リハームが非常に印象深く、裏の主役といってもいい存在感だなと思ったら、あとがきに「まず最後のリハームの話を書いてから物語を作り始めました」とあり、超〜納得。
初読み作家さんですが、残念ながら文体が私には合わなかったです。
「〜なリク。」「〜なライル。」「〜な二人。」「〜ドアの隙間にリク宛の手紙。」「そう言いながらも豪快に笑うシーリン。」のように状況説明の文章で体言止めがちょいちょいありました。
作家さんの癖なんでしょうね。
会話文ならまったく気にならないのですが、状況説明している地の文章での体言止めは他の商業BL小説ではまず見ないので違和感がすごかったです。
作家さんが脳内で喋ってる文章をそのまま読まされているというか、どことなく悦に入って語る講談のように感じてしまうというか……。
高評価で気になってた作品、KindleUnlimitedに入りましたー!お陰様で読むことができました。感謝。
表紙が美麗で気になってました!挿絵も美しい〜!
そしてタイトルと表紙でシリアス目かと思ったら割とコメディ寄りで読みやすかったです。
いやぁ〜〜、それにしても……すれ違いまくりっっっ!
攻めが受けを探して探して、中盤まで二人は出会わなかったのでは??
全体を通して攻めの熱意の勝利。
決して諦めなかった「受け一択」な大型ワンコ攻め、熱烈です。
受けは元気で素直な頑張りやさんで徹底した食いしん坊なのが良かった(笑)めちゃくちゃ愛嬌あります。
周りの友人たちもいいキャラしていて、スカッと楽しめました。安易に友人同士でくっつかないのも良かった。
攻めのお母さんの件は理解できるし心を打つのですが、反してちょっと違和感を感じてしまう面もあり…。
※ネタバレ※
息子の恩人にそんな遠回しな策略してまで…とか
あなたが連れてきたあんな女で良かったの…とか
大富豪の当主の割に何となくやり口が稚拙に感じるというか、あっという間に絆されてるし、泣き所に若干ノリきれませんでした。
2人の恋愛だけでなく家族の愛情なども交えていて全体的に良かったのですが、覚えていられるかというと少し微妙で萌〜萌2で評価に悩みました。
こりゃ泣きますよ。だって意識はあっても口も身体も動かせない状態で、みんなが意識あると知らず好き勝手言って酷い扱いをするから心まで死んで、その中で人間として見返りを求めず優しく接してくれた一人を溺愛しまくるんですもの。
食いしんぼうな受けの作品は大体良作なのですがこちらのリクも何でも食べ物に例えるし、お菓子につられまくっているのがほっこりします。ほっこりなのに、身体も心も死んでいくライルに独り言のように話しかけ、優しく触れ髪をとかし世話をすることがライルにとって生きる希望になっていくのが美しいエピソードで泣けてきます。そして食いしん坊の受けが、攻めが食べているのを見つめて、自分で動いて食べてるんだなぁと実感するのも泣けて泣けて…ちゃんと二人で満開の花を眺められて良かったよ泣
今回イラストは表紙だけかなと思っていたのですが中にも数点あり、装飾も丁寧に描かれていて美しいです。特にHシーンの二人の顔映さないのが、意外な構図で好きでした。
行き違いのエピソードはもどかしいし、母上はリクがとても親切に世話してくれているのを知っていながら、あの仕打ちと理由だったのは、分かるようでもう少し褒美でも感謝でも良くしてあげていいのになと思う。
王子の下の世話ぜったい伏線だと思ってたのに出てこなくて結構残念でした!笑