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王道といえば王道の、お世話係の攻め×ワガママお坊ちゃんな受け のお話なんですが、さすが椎崎先生というか先生らしさもあって面白い作品でした。
お坊ちゃんな受けのワガママや攻めへの言いっぷりについていけるかな…と心配になったのですが、読み進めていくうちに、そうした態度を取らざるをえない彼の心情がわかってきて、切なくなりました。
後半ラストに攻めに対して敬語を使うシーンは年相応な感じがして可愛いくて萌えました。
注意としては、未遂ですが攻め以外のキャラに襲われるシーンがあります。
あと受けの両親がかなり毒気味と言いますか、読んでて胸糞悪いです。父親は無関心すぎるし、母親は息子を天才ピアニストになれなかった子として扱います。苦手な方はご注意を。
私としてお坊ちゃんな受けの自立、そして攻めの実は下心ありありな気持ちの吐露など読んでて面白いシーン盛りだくさんで、大変満足でした!
こちらは生意気な坊ちゃんと父親に雇われてるお目付け役、というよくありそうな設定ですが、その「よくある設定」を期待を外さないで最後まで読ませてくれる作品だと思いました。
主人公の征は生意気で夜遊びばかりで、お目付け役の瀬尾に面倒ばかりかけています。けれど密かに瀬尾が好きだというのもまさに王道的で、でも素直に楽しめました。瀬尾が好きだと悪友にばれ、ばらして欲しくなかったらと襲われてそこを瀬尾に見つかり強がって逆に瀬尾に抱いてもらおうとする展開は流石にこれもよくあるな…と感じたのですが、そこから先が思っていたよりしっかした展開になったので何だか納得。
征は子供っぽいながらも、最後に取った行動は素早くて潔くて格好よく思えました。最初が面白かった分、後半の大団円までが割りと急ピッチだった気がするのでその辺りは少し残念です。
おまけに瀬尾視点のお話が入っています。
こういうお話って、お目付け役の人が坊ちゃんを好きな事自体が既にテンプレートなのですが…。
どちらかというとその中ですれ違いを楽しむための設定なのかもですね。
そういう意味ではお互い好きなのに十分すれ違い巻を楽しめた作品でした。
お目付け役の瀬尾(攻め)と、それに反発する征(受け)の主従関係?の王道のお話かなぁとも思いましたが、瀬尾も征もお互い自分の思い・考えを伝える気が全然無くて、ひたすら隠し、一線引いた関係がいつ動くのか・・そういった部分も合わせて、じっくりゆっくり面白く読めました。
お話は、受け視点で始まります。以前自分の近くに居た瀬尾が、お目付け役ということで自分の所にやってきて、夜遊びをすれば呼び戻しに迎えに来る。
家事全般を引き受け、面倒をみてくれるのですが、昔のよく笑って手をつないでくれたお兄ちゃんと慕っていた瀬尾は全く別人になっていて・・・
何をしても表情が一切変わらない相手に困惑しつつも、それでもまた構って貰えるのが嬉しい。その反面、相手は仕事で自分に構ってるだけだと、読めない相手に腹が立って素直になれない日々。
攻めの瀬尾も、征(受け)のことが好きなんです。征が自分の気持ちに気づく、ずっとずっと前から。でも過去の出来事や自分の立場そして同姓である自分が気持ちを打ち明けることは絶対に無い決めていて、それでも傍にいたくて・・・。なので、お互い自分の気持ちがばれたら、この関係は終わりと思っていて、切ないです。
征(受け)がある人のおかげで、過去の出来事で今まで何をやっても駄目だと諦めていたのですが、やっと新しいことに興味を持てるのです。そして、少し自分を受け入れられる様になり・・・
その後、紆余曲折あるのですが、征(受け)が色々な意味で一歩進もうと思えたことで、動かなかった二人の関係は、物語はようやく動きだします。といっても自己完結型でですが・・そこで、瀬尾もようやく征を追いかけます。そりゃもう必死・・・今までの鉄仮面はどこへ?(笑)
読後の感想としては、「やっと、会えた」という気持ちでした。周囲の人間や背景に色々なことがありすぎて、お互いの気持ちを見ずに、正反対へ突っ走ってるかのようでしたが、偽りで固めた自分を捨てたら、ずっと話をしたかった相手がいてやっと素直に話が出来た。そんなイメージを抱きました。
収録作「恋人の距離で」瀬尾視点のお話は、瀬尾の気持ちがいろいろと分かって、すごく萌えさせて頂きました。そんなに好きだったら、さっさと手を出せばよかったじゃん!とすら・・(笑)好きだらかこそ、臆病になったり大事にしたいと思うんでしょうけど。。一回読んだ時は、(萌)でしたが、瀬尾視点で読むと(萌)が増えるので×2でした。
最後に叔父さん食えないタヌキですね。。。どこまで気づいてるんだろう!叔父さんもこちら側の人間なのか思わず疑ってしまいました。
主人公の受けが、あまりに幼稚で、思考回路が子供すぎて、鼻についてしまって萌えそこねてしまった。
残念。
年の差も、主従ものも、好みは好みなんですが。
椎崎さんならではの、じれったさ、もどかしさが、逆に読み進めていく間にイライラ感になってしまって、楽しみそこねてしまったかんじ。好きな設定、展開だったから、余計に残念。
イラストはきれいで、話に合っていました。
大学生の柾には8歳年上の同居人がいる。
彼の名前は瀬尾。柾の父親がよこしたお目付役だ。
幼い頃誰よりも大切な存在だった瀬尾だが、今の柾には厄介なだけ……そのはずだった。
お目付役×坊ちゃん。
意地っ張りな主人公と生真面目な瀬尾のすれ違いが切ない。
好きだから素直になれない。好きだからお目付役としての瀬尾に反発してしまう。
そんなすれ違いのお話。
椎崎さんの書く丁寧な感情描写の王道話は大好きです。
じっくり読ませてくれる王道ほど貴重なものはないと思う今日この頃。
小さなころからのつきあいの二人ですが、途中で二人の関係はなんどか変化します。それは立場だったり感情だったり態度だったりするわけですが、長い時間の中ではぐくまれた関係性ほどじんわりテンションの上がるものもない気がする(関係性萌え)
後半。
お目付役から離れた瀬尾が丁寧語からタメ口になり、坊ちゃん扱いをやめた柾は逆に丁寧に話そうとするんですが、その逆転にものすごく萌えました。
慣れないせいで時々二人とも口調がまざる初々しさにすっごいときめくんですが!!
そんなピンポイントなツボを激押しされた一冊でした